日産と日航の「最大の違い」

今回の日産への政府保証は、2009年の日航と対比されます。政府が大企業を救済するという点では共通していますが、大きな違いがあります。最大の違いは、国民目線で見た「納得感」です。

まず、政府が公的資金を投入して民間企業を支援するというとき、事業の公益性が問題になります。破綻前の日航は、戦後長くナショナルフラッグとして運輸省(現・国土交通省)と一体となって、日本の航空行政を担ってきました。良い悪いは別にして、半官半民というより準国営の企業でした。

一方、日産は、トヨタ・ホンダなど多数のメーカーがひしめく自動車業界の1プレイヤーにすぎません。車離れで自動車は供給過剰ですし、日産にしか作れないという特別な車も存在しません。日産は、14万人近い従業員が働いているものの、日航のような「なくなっては困る」という企業ではないのです。
https://toyokeizai.net/articles/-/374852?display=b