プロジェクトX 〜朝鮮者たち〜
SUBERU奇跡の利益率 ―フルラインCVTへの変革

開発部長は、スバル首脳陣からもっと原価の安いトランスミッションを開発しろと迫られていた。思案に暮れていた時、社長は意外な事を言った。
「トルコンATをやめてみたらどうだろう」 開発部長は戸惑った。
確かにCVTなら出来損ないだった5ATより更に安く造れる。しかしCVTでは走りの愉しさは全くない。信者に走りの愉しさを盲信させるスバルにとって、それは致命的だ。
「無理です!出来ません!」開発部長は思わず叫んだ。
「俺たちがやらずに誰がやるんだ!俺たちの手で成し遂げるんだ!」社長の熱い思いに、開発長は心を打たれた。
「やらせてください!」開発部長は運転しながらPC仕事をこなし、なんとかコストの安いCVTの試作品が完成した。チェーン式の弊害である騒音はドコドコ音すら好むスバリストなら気に入ってくれるだろう。
しかし、どうしてもズルズルとスベルようなラバーバンドフィールが解消できない。とっくに撤退したWRCのイメージで未だにスバリストに走りをアピールし続けるには、これでは流石に無理がある…。
開発部長が絶望していると、そこに社長が現れ、こう呟いた。
「発想を変えるんだ。アピールする方法は性能だけではないだろう。」
そうだ。ネーミングだ。それらしい名前を付けておけば、スペック厨のスバオタなら嬉々として盲信してくれる―
暗闇に光が射した気がした。開発部長はただのCVTに"リニアトロニック"と名付け、尚且つWRCに全く出場していないCVT車にも"WRX S4"と某欧州車風の名前をつけてみた。
自動車雑誌にはエビカニをもらったヒョウンカの提灯記事が踊り、これを鵜呑みにしたスベリストはこぞって絶賛した。
「これだ、これが探してた俺たちだけのイメージ商法なんだ!」
社長と開発部長は、工場の片隅で朝までトンスルを飲み明かした。開発部長は更にWRXのワゴン車にも"レヴォーグ"と某欧州SUVの名前をつけるなど、スバルの欧州コンプレックスとパクりは止まることを知らなかった。
「社長、今度WRXでブイブイいわせてきていいですか?」開発部長は言った。
「ああ、いいとも。だがサーキット走行はするなよ。CVTが壊れるからな。」 社長は自分のジョークに、肩を揺らして笑った。