何でって直噴は燃料粒が粗過ぎると空気と混ざり切らず燃料液一粒一粒の空気と触れていない液芯が
燃焼時に酸化せず炭化してPMの出来上がり、かと言って燃料粒を細か過ぎると
燃焼室内遠方まで燃料粒が届かず全体に燃焼が行き届かない非力になり過ぎて役立たずになるわけで
これが困った事に、お互いの良い所が残った状態で重なる領域が無く、逆に
悪くなった所で重なった領域なら有ると言う、丁度良い所が無いので
仕方無しに、PM増量少な目だが役立たず化濃厚な後者寄り(細か目の燃料粒度)は設定は選べないから
PM増量多目だが役立たず化稀薄な前者寄り(粗目の燃料粒度)の設定にしているんだよ
これは段階噴射にする事で粒度を変えても僅かな改善しか見られない

結局、直噴予燃焼室とポート噴射主燃焼室とで燃焼を分けるべきだったんだよ
2000年過ぎた辺りから言われてた事なのに面倒な事は避けて美味しい所だけ戴きますした報いだ
HCCIがNOx、HC、COだけでなくPMも少ないって言うのは研究室で時間かけて作った混合気を
条件限定で自発着火させた話だから。だが車のエンジンは時間はミリ秒だし条件は広範
結局、燃焼室を二段にしつつ燃料ノズルも直噴だけじゃなく
ポート噴射(1つだけと言わず各吸気ポートごと1つずつ)も追加しなきゃ駄目だったんだよ

仕事は拙速な人の方が儲かるとか言って目が眩んで徹底して考えなかったのが裏目に出た
基本を積み上げる巧遅に甘んじる研究が必要だったんだよ
と言うか「燃焼室二段化」「直噴ポート噴射二段化」って言う理想解を試しもしてみなかったのが怠慢
SPCCIだけ出来る様になった所で客の不満が最初から想定できるエンジンの出来上がり
コスト削減を理想解からの引き算じゃなくて美味しい所だけ掻い摘まみした結果が御覧の有り様だよ