アンパンマンアンチスレ
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MAG速とは
・掃きだめ
・VIP・なんJスレ、オープンスレを転載
・ネガティブな記事やアニメ・声優下げが顕著
・コメント欄の質の悪さは不快極まること請合い
・民度が低い住民の記事内での扇動や対立煽りが特徴
・まとめブログのダメージ0とトップページが酷似している
・特定のアニメや声優ネタの連投ばかりで飽きられている
・偏った内容の記事やコメントが目立ってしまうからアンチ量産
・アニメ・ゲーム・漫画・声優業界の癌細胞でしかないアフィカス
※記事内容を信じないようにしましょう (不快ならブロックリストで非表示に) あんまり出たらめは困るけれども、必しも風格高きを要せず、名文であることを要せず、博識なるを要せず、凝ることを要しない。 素朴に、天真爛漫に、おのおのの素質に依つて、見たり、感じたり、考へたりしたことが書いてあれば、それでよろしい」 しかし問題は中村君の「あんまり出たらめは困るけれども」 なほ次手に枝葉に亙れば、中村君は「近来随筆の流行漸く盛んならんとするに当つて、随筆を論ずる者、必ず一方に永井荷風氏や、近松秋江氏を賞揚し、一方に若い人人のそれを嘲笑する傾向がある。 世間が夙に認めてゐることを、尻馬に乗つて、屋上屋を架して見たつて、何の手柄にもならない」 の中に僕も加へてくれるならば、一層同感することは確かである。 しかし君の「随筆の流行といふことを、人人にはつきり意識させたのは、中戸川吉二氏の始めた、雑誌「随筆」 しかし随筆と云ふものが、芥川氏や、その他の諸氏の定義して居るやうに難かしいものだとすると、(中略) 到底随筆専門の雑誌の発刊なんか、思ひも及ばないことになる」 時には多少の旧潮をも掲載してゐることは事実である。 が、もう一言つけ加へれば、僕の随筆を論じた文も理路整然としてゐた次第ではない。 僕は「清閑を得る前にはまづ金を持たなければならない。 君は僕を憐んだのか、不幸にもこの虚を衝かなかつた。 論敵に憐まれる不愉快は夙に君も知つてゐる筈である。 もし君との論戦の中に少しでも敵意を感じたとすれば、この点だけは実に業腹だつた。 新潮二月号所載藤森淳三氏の文(宇野浩二氏の作と人とに関する) によれば、宇野氏は当初軽蔑してゐた里見氏や芥川龍之介に、色目を使ふやうになつたさうである。 が、里見氏は姑く問はず、事の僕に関する限り、藤森氏の言は当つてゐない。 宇野氏も色目を使つたかも知れぬが、僕も又盛に色目を使つた。 いや、僕自身の感じを云へば、寧ろ色目を使つたのは僕ばかりのやうにも思はれるのである。 藤森氏の文は大家たる宇野氏に何の痛痒も与へぬであらう。 だから僕は宇野氏の為にこの文を艸する必要を見ない。 しかし新らしい観念や人に色目も使はぬと云ふことは退屈そのものの証拠である。 すると色目を使つたと云ふ、常に溌剌たる生活力の証拠は宇野氏の独占に委すべきではない。 然るに偏頗なる藤森氏は宇野氏にのみかう云ふ名誉を与へた。 如何に脱俗した僕と雖も、嫉妬せざるを得ない所以である。 かたがた僕は小閑を幸ひ、色目の辯を艸することとした。 自分の今寝ころんでゐる側に、古い池があつて、そこに蛙が沢山ゐる。 その芦や蒲の向うには、背の高い白楊の並木が、品よく風に戦いでゐる。 その又向うには、静な夏の空があつて、そこには何時も細い、硝子のかけのやうな雲が光つてゐる。 さうしてそれらが皆、実際よりも遙に美しく、池の水に映つてゐる。 蛙はその池の中で、永い一日を飽きず、ころろ、かららと鳴きくらしてゐる。 ちよいと聞くと、それが唯ころろ、かららとしか聞えない。 蛙が口をきくのは、何もイソツプの時代ばかりと限つてゐる訳ではない。 中でも芦の葉の上にゐる蛙は、大学教授のやうな態度でこんなことを云つた。 空と艸木との映つた池の水面が、殆埋る位な蛙だから、賛成の声も勿論大したものである。 丁度その時、白楊の根元に眠つてゐた蛇は、このやかましいころろ、かららの声で眼をさました。 さうして、鎌首をもたげながら、池の方へ眼をやつて、まだ眠むさうに舌なめづりをした。 蛇は、二度目の賛成の声を聞くと、急に体を鞭のやうにぴんとさせた。 それから、そろそろ芦の中へ這ひこみながら、黒い眼をかがやかせて、注意深く池の中の様子を窺つた。 芦の葉の上の蛙は、依然として、大きな口をあけながら、辯じてゐる。 既に水も艸木も、虫も土も空も太陽も、皆我々蛙の為にある。 森羅万象が悉く我々の為にあると云ふ事実は、最早何等の疑をも容れる余地がない。 自分はこの事実を諸君の前に闡明すると共に、併せて全宇宙を我々の為に創造した神に、心からな感謝を捧げたいと思ふ。 蛙は、空を仰いで、眼玉を一つぐるりとまはして、それから又、大きな口をあいて云つた。 さう云ふ語がまだ完らない中に、蛇の頭がぶつけるやうにのびたかと思ふと、この雄辯なる蛙は、見る間にその口に啣へられた。 池中の蛙が驚いてわめいてる中に、蛇は蛙を啣へた儘、芦の中へかくれてしまつた。 後の騒ぎは、恐らくこの池の開闢以来未嘗なかつた事であらう。 自分にはその中で、年の若い蛙が、泣き声を出しながら、かう云つてゐるのが聞えた。 「水も艸木も、虫も土も、空も太陽も、みんな我々蛙の為にある。 食はれた蛙は、多数の幸福の為に捧げられた犠牲だと思ふがいい。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています