成長率はQUICKがまとめた事前の市場予測の中心値(2.5%)は下回った。今回の遡及改定で1〜3月期のGDPを年率0.5%減から0.1%増と修正した。この結果、4〜6月期まで3四半期連続のプラス成長となる。
4〜6月期は内需が0.5ポイント、外需が0.0ポイントのプラス寄与だった。内需の柱でGDPの半分以上を占める個人消費は前期比1.1%伸びた。外食や宿泊などのサービス消費は1.4%、自動車などの耐久財は0.3%、衣服などの半耐久財は3.9%それぞれ増えた。
1〜3月期は首都圏などでまん延防止等重点措置が出て、個人消費が鈍っていた。重点措置は3月下旬に全面解除となり、4月下旬からの大型連休も3年ぶりに行動制限がなかった。
内需のもう一つの柱である設備投資は1.4%増で2四半期ぶりにプラスとなった。企業収益の改善をうけ、デジタル化に向けたソフトウエア投資が増えた。
住宅投資は1.9%減で4四半期連続のマイナスだった。建築資材の高騰で前期(1.4%減)よりマイナス幅が拡大した。
公共投資は0.9%増で1年半ぶりにプラスに転じた。21年度補正予算の執行が進んだとみられる。コロナワクチンの接種費用などを含む政府消費は0.5%増で、2四半期連続のプラスだった。
輸出は0.9%増えた。中国のロックダウン(都市封鎖)による混乱がありながら対アジア全体では持ち直した。輸入は原油や天然ガスなどの増加で0.7%増だった。輸出から輸入を差し引いた外需は2四半期ぶりのプラス寄与となった。
名目GDPは前期比0.3%増、年率1.1%増だった。家計の収入の動きを示す雇用者報酬は名目で前年同期比1.7%増えた。
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