2018.03.02 ウェジー
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1月29日、衆議院第二議会会館にて、自民党が国会提出を目指している「家庭教育支援法案」の問題点や懸念を示す集会が「24条を変えさせないキャンペーン」によって開かれた。
2017年2月の朝日新聞によれば、「家庭教育支援法案」には、「家庭教育を『父母その他の保護者の第一義的責任』と位置づけ」、「子に生活のために必要な習慣を身に付けさせる」ことや、支援が「子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行われなければならない」ことなど」が盛り込まれ、さらに素案段階には存在していた「家庭教育の自主性を尊重」が削除されている、という。また、家庭教育の重要性や理解、施策への協力を、地域社会の「役割」(責務から役割に変更された)とも規定されている。
ここからわかることは、「家庭教育支援法案」には保守的な家族規範を強化、公権力が家庭に対して介入する可能性があること、そして地域社会によるプライバシーの侵害や監視社会化など、様々な危険性があるということだ。「家庭教育支援法案」の何が問題か、29日に登壇した弁護士の角田由紀子さん、室蘭工業大学大学院准教授の清末愛砂さん、ルポライターの杉山春さんの発表の様子をお送りする。
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弁護士の角田由紀子です。
憲法24条(※編集部注1)は、戦前の家制度に法的決着をつけたものです。24条が目的としたことは、家制度との明確な決別であったこと、特に家父長制からの女性の解放であったことが当時は憲法学でも確認されていました。
24条は、徹底して個人を尊重するものです。直接の文言は夫婦の関係についてのものですが、家族の中での人間関係の基本を定めています。夫婦も子どもも家族のメンバーとして対等・平等であると宣言していると私は理解しています。家族メンバーすべてが個人として尊重され、その相互の関係に適用したものと説明されています。
戦前から戦中にかけて、日本の家族に求められた役割は、天皇制、つまりは家父長制の社会の仕組みを底辺で支えるものでした。その底辺の底辺に位置づけられていたのが、文字通り「女・子ども」です。
(以降ソースにて)