12月12日 16時24分
総務省の地方財政審議会は、地方自治体の基金について、公共施設の老朽化対策など将来に備えるために積み立てられたものであり、残高の増加を理由に地方財源を削減するのは不適当だとして、地方交付税の配分を増やすべきだなどとする意見書をまとめました。
総務大臣の諮問機関・地方財政審議会は、来年度予算案の編成に向けた意見書をまとめ、堀場勇夫会長が１２日、野田総務大臣に提出しました。
意見書では、全国の自治体が積み立てた基金が、昨年度、総額２１兆５０００億円と、この１０年間で１．６倍増加したことを受けて、財務省が地方交付税の配分を抑制すべきだと主張していることについて、基金は公共施設の老朽化対策など将来に備えるためのもので、自治体は人件費を削減するなどして積み立てているとしています。
そのうえで、東京都と東京２３区を除いた基金残高の水準は、近年はほぼ横ばいになっているとして、「全体の残高が増加していることで、財政に余裕があるとか、財源を削減するといった議論は不適当だ」と指摘し、地方交付税の配分を増やすべきだなどとしています。
意見書を受け取った野田大臣は「一生懸命取り組んでいきたい」と述べました。
