>>1【三橋貴明】ルサンチマン・プロパガンダ | 「新」経世済民新聞
https://38news.jp/column/10196

”新自由主義的な政策”を推進する手法として、”ショック・ドクトリン”は有名です。

震災やテロなどの「ショック」があった際に、国民が衝撃を受けている隙を狙い、

一気に”構造改革”を進めてしまうのです。

ちなみに、東日本大震災においてもショック・ドクトリンの手法は用いられ、(略)など、いくつもの「成果」を挙げています。
とはいえ、ショック・ドクトリンを実行に移せるほどの「ショック」は、それほど頻繁にあるものではありません。

それでは、日常的にはいかにして、”「特定の誰かを富ませる”構造改革”」”が行われるのでしょうか。

国民の”ルサンチマン”にかこつけ、特定の誰か(農協、医師会、土木・建設業者、公務員、電力会社などなど)を

”「既得権益」”という”悪者に設定”。

”「既得権益が!」”と批判することで、

ルサンチマンにまみれた国民の支持を取り付け、”構造改革”を推進するのです。

すなわち、”ルサンチマン・プロパガンダ”です。

農協で言えば、「農協は”既得権益だ!” 解体しろ!」と、叫び、国民の支持を取り付け、

農協グループを全農、農林中金、JA共済、単協と”切り分け”、それぞれを「パクっ!」と食べてしまう。

もちろん、農協にも何らかの組織的問題があるでしょう。いかなる組織であっても、問題は抱えています。

ならば、「農家の所得を増やし、国民の食料安全保障を維持するために、農協をどのように改革するべきか?」

という議論が行われなければならないのですが、

現実には「農協は”既得権益だ!” 解体しろ!」「そうだ! そうだ!」と、

まるで魔女狩りのような光景が繰り広げられ、日本国の食料安全保障が崩壊に向かっています。

公務員問題でいえば、「公務員の給与は高すぎる! 給与引き下げろ!」と、

国民のルサンチマンに火をつけ、同意を取り付けたのち、

「いや、いっそ公務員を民間委託にしよう。そちらの方が効率的だ!」と、本来の目的が顔を出し、行政という分野に

「新規参入」を果たした”企業(及び経営者や投資家)が儲ける”という構図でございます。

”竹中平蔵”氏は、”パソナの取締役会長”であり、

かつては”大阪の日本維新の会”の顧問のような仕事をしていました。
(略)
大阪市の区役所業務の外注で、半分を”パソナ”が獲得したわけです。

なかなか美味しいビジネスになって良かったですね。ウラヤマシイ、ウラヤマシイ。

・・・・・要は、こういう話なのですよ。というわけで、三橋は「同じ国民」を

”「既得権益が!」”などと叩く連中は、一切、信用しません。

彼らの主張に乗ることは、単に”誰かのビジネスを増やす”だけで、同時に国民統合を”破壊する”に等しいと理解しているためです。