子どもを連れたカップルが何組かおり、そのうち2組ほどはベビーカーを押していた。また別のカップルは父親が子どもを抱いて、演説に聞き入っていた。驚いたのは若い女性がデモのコールに呼応して「安倍やめろ」と口ずさみ、地下道への階段を下りていくのを見かけたこと。過激な内容のコールに呼応することに違和感はないらしい。
■内閣支持率が大きく低下
参加者の中には、共産党支持者とおぼしき年配の人も目立った。手書きのプラカードを掲げた人もいたが、こちらは永田町の議員会館の前で座りこむ人と同じ雰囲気。その横を、何人もが通り過ぎていった。歩きながら街宣車の上での演説に目を向けるもいれば、見向きもしない人もいた。
全体的に「温度」は低いように感じた。国民の思いを政治がすくいきれない状態が続いてきたジレンマのようなものが、熱狂の広がりを阻んでいるのだろうか。デモをつぶさに観察しながら、そのようなことを考えた。
さて都民ファーストの会が一気に55議席(追加公認を含む)を獲得し、自民党が史上最低の23議席しか獲れなかった都議選のインパクトは巨大だった。いまだにそのムードは衰えていないようで、この日に発表された各社の世論調査では、いずれも内閣支持率は大きく下がり、不支持率が支持率を上回っていた。
7月5日から12日までの予定でG20首脳会議などでヨーロッパに外遊していた安倍晋三首相が1日早く帰国した理由も、九州北部の豪雨被害ばかりではなかったはずだ。
中央政界へのインパクトは甚大であり、そういう意味では今回の都議選は単なる地方選ではなく、次期衆議院選に小さくない影響を与えるものと思われる。それはいったいどのようなものなのか。あらためて都議選の投票結果を分析することで、読み解いていきたい。
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7/13(木) 11:00配信
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