安倍晋三首相が国家戦略特区に関し、獣医学部新設を学校法人「加計学園」の他にも全国的に展開する考えを示したことに対し、「とんでもない話」と批判した文部科学省出身で、京都造形芸術大学教授の寺脇研氏の見解がインターネット上で波紋を呼んでいる。

 寺脇氏は24日、自身のフェイスブックに首相の考えについて、首相の友人が加計学園理事長を務めていることを念頭に「『お友達』批判をかわすために他大学の参入を認めようというのだろうが、これでは獣医師業を自由競争にしてしまうことになる」と批判した。

 寺脇氏の発信に対し「批判かわしなどの対応を見るに、後ろめたいのでしょうね」とのコメントが書き込まれた。一方で「(獣医学部を)たくさん増やして競争した方がいい」「規制派の本音が出た」との批判的な意見もあった。

 寺脇氏は26日、産経新聞の取材に「批判をかわすためというのは誰しもが思うことだ」と述べた。その上で「獣医師の養成には費用や時間がかかる。需給関係を無視して大学をつくればよいわけではない」と持論を展開した。

 これに関連し、菅義偉官房長官は26日の記者会見で、獣医学部の全国展開について「全国で45%近くの私立大学が定員割れする中、獣医科大学全体の応募倍率は15倍ある。引き続き手を挙げる学校がある可能性はあるのではないか」と強調した。


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