かすみ「同級生と先輩たちの恋仲が進んでる件について」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
せつ菜(そもそもが迂闊だったのかもしれません)
せつ菜(同じ部活の先輩と後輩。それなのにわざわざ手紙で、しかも体育館裏という人目につかない場所に呼び出された意味を、もっと深く考えるべきでした)
せつ菜(こういったものには疎い私ですが、アニメや漫画によくあるシチュエーションですから、そのくらい気づけたはずなんです)
かすみ「せつ菜せんぱい。話きいてますか?」
せつ菜「っ……す、すみません。少し考え事を」
かすみ「……かすみんがこうやって抱きついてるのに、余裕あるんですね」ボソ
せつ菜(かすみさんはそれっきり俯いてしまい、私達の間に静寂が訪れました)
せつ菜(彼女に失礼なことをしてしまったと焦った私は、この空気を変えようと、普段の優木せつ菜を演じます)
せつ菜「あっ!そういえば、今日は自主練の日でしたね。かすみさんは何のメニューをしていたんですか?」
かすみ「ボイトレですけど…」
せつ菜「そうなんですね!私は…あと少ししか時間はありませんが、下校時刻を過ぎてしまう前に走り込みだけするつもりです」ペカ せつ菜(今思えば、私は卑怯でした。時間を引き合いに出し、何とかこの場を切り抜けようとしていました)
せつ菜(予想通り、かすみさんは私からそっと体を離し、ゆっくりと後退します)
せつ菜(その悲しそうな表情に、心がズキっと痛みました。でもこれで、彼女を傷つけずに済むと思えば…)
かすみ「せ……せつ菜、せんぱいっ!」
せつ菜(それでも、彼女は私よりも上手でした。いえ…強かったと言うべきでしょうか)
せつ菜「はい?なんでしょうかすみさん!」
かすみ「すっ、好き……です!大好きなんですっ///」
せつ菜(勇気を振り絞ってくれたんでしょう、かすみさんの声や手足は震えていました)
せつ菜(今までにも、こうやって告白されたことはあります。その度に私は相手を傷つけないように、優しくお断りしていました)
せつ菜(それなのに、私は……)
せつ菜「へっ…?わ、私もかすみさんのこと、大好きですよ!」ペカー 歩夢「えっと…どういうことなの?」
愛「せっつーさぁ…」
璃奈「うん、さいてい」
せつ菜「うぅ……」
侑「ま、待って!ちゃんと話を聞いてあげようよ」
エマ「聞くって何を?かすみちゃんに謝るって話かな?」
果林「せ、せつ菜?ここはちゃんと説明した方が良さそうよ」
しずく「いえ。必要ありません」
彼方「しずくちゃん…?怖い顔してるけど…」
しずく「言い訳なんていらないですよね?せつ菜さんはかすみさんの恋心をわかっていて弄んだんですから」
侑「待って待って!落ち着いて!」アセアセ
歩夢「そ、そうだよみんな!侑ちゃんの言う通り…」
せつ菜「そんなつもりは無かったんです…。でも、その、怖くて…」
璃奈「こわい…?」
せつ菜「かすみさんが私だけを見てしまったら、スクールアイドルとして以前のように輝けなくなってしまうんじゃないかって」 果林「そう。まぁ、せつ菜も意外と繊細なところあるわよね。タイプとしては…唯我独尊って感じだけど」
歩夢「えーと…唯我独尊ってあんまりいい意味で使わなかったような…」
彼方「それを言うなら初志貫徹とかかなぁ?でも果林ちゃんの言いたいことは彼方ちゃんわかるよ〜」
果林「そ、そう。それが言いたかったのよ」コホン
侑「つまりせつ菜ちゃんは…かすみちゃんの告白を受けるのが怖くて、でも断りきれなくて…それで、『私もです』って返したんだね?」
せつ菜「…その通りです」
愛「あ〜そゆことか。んでもさ、『少し考えさせて』でも良かったんじゃない?それで後日ゆっくり話し合うとか…」
璃奈「それをすると、かすみちゃんはモヤモヤして結局パフォーマンスに影響が出ると思う。その場でOKしないのは失敗の可能性の方が高いから」
愛「うむ、ありえる…さっすがりなりー!」
エマ「そっか…それで、わざと明るく振舞って、普段のせつ菜ちゃんが言いそうな返事をしたんだね」
彼方「愛情と友情って近いものだけど、実は全く違うものだからね〜。言葉の捉え方も人それぞれだし、難しいね〜」
しずく「でもそれって、かすみさんからすれば告白を受けてくれた相手が、自分の気持ちを勘違いしてるって状況になりますよね?」 シチュエーション的に誤解はあり得なさそうなくらいだけど、かすみん的にも怖くてそれ以上は押しにくかったか せつ菜「そう、ですね」
しずく「っ…被害者面しないでください!かすみさんがどんな気持ちで、毎日頑張っていたか知らないでしょう!」
しずく「せつ菜さんは自分勝手すぎます、そんなことをするくらいなら、最初から断ってしまえば良かったのに…!」
歩夢「ゆ、侑ちゃん…!」
侑「…いや、ここは黙って見てよう」
しずく「最初は落ち込むでしょうけど、時間が経てばきっと立ち直れます!それなのに、かすみさんは今…せつ菜さんの身勝手な行いのせいで、泣いてるんですよ!」
せつ菜「………」
璃奈「しずくちゃん……。私も気持ちは、わかるよ。かすみちゃん毎日相談してくれたから」
果林「…あの子があんなにも取り乱してたのは、そういう事だったのね」
しずく「せつ菜さん。もう、こんなことやめましょう。かすみさんのことを何とも思っていないなら、すぐにでも誤解を解いて、真摯に謝るべきで…!」
彼方「しずくちゃん、いい子いい子〜。落ち着いて〜」ナデナデ
しずく「彼方さんっ…!今私は…」
彼方「かすみちゃんのことを想うのもわかるけど、熱くなりすぎるのは良くないよ〜。せつ菜ちゃんだって悩んでたんだから」
しずく「……はい。すみません、せつ菜さん。酷いことを言ってしまって…」 せつ菜「…いえ、いいんです。私はそれだけのことをしてしまったんですから」
侑「せつ菜ちゃん…」
せつ菜「かすみさんが私に寄り添おうとしてくれているのは、わかっていました。それでも、関係が前に進むのが怖くて、彼女を避けていたんです」
せつ菜「…幻滅しましたか?当然ですよね。あの優木せつ菜が、後輩一人の気持ちにも向き合えず、逃げ回っていたんですから」
歩夢「…本当にそうかな。せつ菜ちゃんは、逃げてなんかないと思うよ」
侑「…ふぇ、歩夢?」
歩夢「せつ菜ちゃん、最近よくかすみちゃんのこと目で追ってるよね。1年生同士で集まってる時とか時に。無意識なのかな?」
せつ菜「っ……!?」ドキ
エマ「あっ…この前せつ菜ちゃんが読んでた本って『都内の美味しいパン屋さん』とか『可愛いアクセの作り方』とかだったけど…それも関係ある?」
せつ菜「そ、それは…///えっと…」
果林「そういえば…少し前、あの真面目な生徒会長が学校を途中で抜け出して、昼からまた登校したって噂を聞いたけど。その日は確か…かすみちゃんが熱で休んだ日だったわね」
しずく「えっ…?じゃあ、私がお見舞いに言った時、かすみさんの家の玄関前に栄養ドリンクやフルーツが置いてあったのって……」チラ
せつ菜「うぅ……わ、私です…。すみません…」
愛「ついに観念したか〜」 璃奈「……せつ菜さん、不器用?璃奈ちゃんボード[ ¯⌓¯ ヤレヤレ]」
せつ菜「うわぁぁぁっ!!///そんな目で見ないでくださいっ///」
侑「へっ?つまり…せつ菜ちゃん、かすみちゃんのこと好きなの!?」
愛「ゆうゆ、そりゃそうでしょ。だって行動がさ、完全に恋する女の子だもん」
彼方「せつ菜ちゃん、健気だね〜。そんな風にしなくても、堂々とかすみちゃんと一緒にいればいいのに〜」
せつ菜「ち、違うんです…!私は、自分の気持ちを確かめたくて…」
エマ「うん…?それってどういうこと?」
せつ菜「私はかすみさんのことが好きなのか、嫌いなのか……つまりはそういうことです」
しずく「あの、意味がよくわからないんですが」
せつ菜「だから…あぅ……///皆さんはお付き合いされているから、恋とか愛だとか、よく知っているんでしょう!?」
せつ菜「でも私は経験が無いので、『好き』という気持ちがよくわからないんです!///」
侑「か、可愛い……」ボソ
歩夢「うん。私もそう思う…」 愛「んー…せっつーはさ、かすみんと会ったら嬉しい?」
せつ菜「えっ?そうですね、嬉しいというか…かすみさんの明るい表情を見るとほっとします」
璃奈「ほっとする…?よくわからない」
せつ菜「私達は学年も違いますし、以前より同好会のメンバーも増えましたよね。だから話せる機会はあまり多くなくて…」
彼方「ほうほう、確かにかすみちゃんはみんなに可愛がられてるもんねぇ。ふふっ、マスコット的な意味でだけどね〜」
せつ菜「はいっ!だから、かすみさんが笑顔だと安心するんです。今日も元気なのだとわかるので!」ペカ
愛(なるほどね、他メンバーと戯れてるのを見て一方的に満足してたと。そりゃかすかすからすれば、せっつーに嫌われてるんじゃないかと思うわけか…)
果林「えっと…そうね。ところで話は変わるけど、かすみちゃんは料理上手だし…将来、手料理を食べさせてもらえる人は幸せ者だと思わない?」
せつ菜「っ……はい、とても…羨ましいです…」シュン
侑「か、可愛い…!」キラキラ
歩夢「侑ちゃん。それさっきも言ったよ」
エマ「じゃあ最後の質問ですっ!もし、かすみちゃんが他の人とお付き合いをすることになったとします!」
せつ菜「ふぇ…他の方ですか…?」
しずく「そうですね、例えば私なんてどうでしょうか」ニコリ
彼方「うぇぇ!?それはつまり彼方ちゃんはもういらないってこ…もがっ」
愛「しーっ!例えばの話!」ヒソヒソ せつ菜「しずくさんが…かすみさんと…?」
エマ「うんっ。夏祭りに浴衣デートしたり、二人だけでお泊まり会したり、お互いの誕生日に特別なプレゼントを送りあったりするの!」
しずく「私はかすみさんの趣味嗜好をよく知っていますし、きっと楽しい日々になるでしょうね♡」
せつ菜「う……そう、ですね。お二人は仲が良いですから…」
果林(せつ菜ってば、本当にわかりやすいわね。さっきから表情がコロコロ変わるし…見ている分には面白いけれど)
璃奈「せつ菜ちゃんボード、しゅん[ 。•́︿•̀。 ]」
せつ菜「せつ菜ちゃんボード??」
璃奈「今の、せつ菜さんの顔を表現してみた」
せつ菜「へっ?私ですか?」
エマ「ふふっ。それがせつ菜ちゃんの本当の気持ちじゃないかな?」
せつ菜「私の、本当の気持ち…」
しずく「はい。その人の顔を見て安心したり、誰かといるところを想像してヤキモチを妬くのは、紛れもなく好きって気持ちですよ」ニコ
せつ菜「…そう、なんですね。私が……かすみさんのことを、好き…///」
侑「せつ菜ちゃん。行ってきなよ、かすみちゃんのところに!」
璃奈「どこにいるかは、GPSでわかる。今は体育館裏にいる」
せつ菜「…わかりました。ちゃんと話をしてきます。結果がどうであれ、彼女と自分自身に向き合います」
彼方「おぉ…せつ菜ちゃんカッコイイぞ〜」
愛「バシッと決めてこーい!恋だけに…なんつって!」
果林「いってらっしゃい。検討を祈ってるわ」ヒラヒラ
しずく「かすみさんは頑固なところがあるので、意地を張るかもしれませんが…よろしくお願いします!」ペコ
歩夢「でも、喧嘩にはならないようにね。もう大丈夫だと思うけど…一応ね?」ポム
エマ「いつものせつ菜ちゃんに戻ってくれたから、心配ないんじゃないかな♪」
璃奈「ふぁいと、おー」
せつ菜「みなさん…ありがとうございますっ!」タタッ 〜体育館裏〜
かすみ「ひぐっ…ぅう……」ウルウル
かすみ(ここでずっと泣いてたって、何も変わらないことはわかってるのに…)
かすみ(せつ菜先輩はかすみんのこと、本当に好きでいてくれたんだって。そう思い込んで一人で舞い上がって)
かすみ(恥ずかしさと、情けなさと、色々な感情で頭の中がぐちゃぐちゃ…)
ピロン♪
かすみ(ふぇ……しず子からLINE?)
かすみ(『自分に素直になるんだよ』って、どういう意味…)
せつ菜「かすみさんっ!」
かすみ「…っ!?」ドクン
せつ菜「あなたと、話がしたくて…」
かすみ「こないでくださいっ!!」
かすみ(あっ…つい、大きな声がでちゃった。せつ菜先輩は驚いたのか足を止めて、叱られた子犬みたいな顔してる)
かすみ(…なんなの、これじゃまるで……かすみんが悪いみたいじゃん)
せつ菜「………かすみさ」
かすみ「今さら何なんですかっ、ずっと避けてたくせに!かすみんのことなんて放っておいてくださいよ…!」 せつ菜「…すみません。私は、」
かすみ「謝ってもらわなくていいです…!もう、いいんです!」
かすみ(こんなの、意地を張って拗ねる子どもみたいじゃん。そう冷静に自分を見てるもう一人の自分がいる)
かすみ(でも、止められなかった。今まで伝えられなかった気持ちをぶつけることしかできなくて)
かすみ「…本当はわかってました。かすみんは、せつ菜先輩のこと困らせてるかもって!」
かすみ「それでも諦められなかったんです。告白して、形だけでもOKもらって、その……せつ菜先輩と特別な関係になれたことを、終わりにしたくなかった」
かすみ(ちゃんと話したいのに、声が震える。目が潤んで、涙が地面にぽつぽつと落ちていく)
かすみ「はは…ずるいですよね。せつ菜先輩が押しに弱いのもわかってて、毎日付きまとってたんですから」
かすみ「だから、いいんです。謝らないでください。……もう、気持ちの整理はついたので。今までありがとうございました」
せつ菜「少し、聞いてもいいですか?」
かすみ「…なんですか」
せつ菜「かすみさんは、私のどこが好きなんですか?」
かすみ「………」
かすみ(人って、心底呆れた時は声も出ないっていうけど…本当だったんだ) せつ菜「あの、答えて欲しいんです」
かすみ「……いや空気読んでくださいよ。流れ的に、もう話は終わりましたよね」
せつ菜「本当のことを答えてください。もう嘘はナシですよ」
かすみ「嘘って……さっき言ったことは、全部かすみんの気持ちですよっ!鈍感な先輩にはわからないでしょうけど!」
せつ菜「私が言っているのは『気持ちの整理がついた』という部分です。これが嘘でないなら、さっきの質問にも答えられますよね」
かすみ「っ…これ以上、失望させないでくださいよ」イライラ
かすみ(せつ菜先輩は私をずっと避け続けてきた。それなのに、今ここに現れた。理由なんて簡単だ)
かすみ(どうせ3年生辺りの誰かに、泣きながら部室を飛び出した後輩を追いかけろとでも言われたに決まってる)
かすみ(先輩として、生徒会長として、人として、最善の行動をしてるだけ。そこにくわえて別れ話をされてるのなら、願ったり叶ったりじゃん)
かすみ(……なのに、なんで。今さらこんな酷いこと言わせるの?) せつ菜「実は私、告白されるのは初めてではないんです。これまでにも何度かありました。中には強引な人もいて、大変でした」
かすみ「へぇ…その度に自分の好きなところを言わせてたんですか?ふふっ、せつ菜先輩ってばイイ趣味してますねぇ」
せつ菜「いえ…そういうわけでは」
かすみ(そんなの聞きたくない。わかってたから。優木せつ菜を自分のものにしたいヤツなんて、たくさんいるに決まってる)
かすみ(でも、この私でもダメだった。こんなに可愛いかすみんでも。じゃあせつ菜先輩は誰を選ぶんだろうって、考えるとドス黒い感情がわいてくる)
かすみ「まぁ、いいですよ。もうこの関係も終わりなんですし、特別に教えてあげますよ」ニコ
かすみ「邪魔だったからです。せつ菜先輩のことが」
せつ菜「…どういうことですか?」
かすみ「だって、こーんなにも可愛いかすみんと恋人になるんですよ?」キュルン
かすみ「きっとせつ菜先輩は、もうかすみんに夢中になっちゃって、スクールアイドルどころじゃなくなるに決まってます」
かすみ「そうすれば!晴れてかすみんのライバルが一人減るじゃないですか!」 せつ菜「は、はぁ……」
かすみ「でもぉ〜許してくださいね?このスクールアイドル同好会で、かすみんがトップに上り詰めるために必要だっただけですし」
せつ菜「それなら、なぜ私に…他の方でも成立しますよね」
かすみ「それはっ……す、少しでも上を目指したいっていう野心があるのって、同好会ではせつ菜先輩とかすみんぐらいじゃないですか!」
かすみ「あ、純粋にスクールアイドルだけでってことですよ?しず子と果林先輩も負けず嫌いですけど、それぞれ演劇部とモデルを兼業してますからね。かすみんの敵じゃありませんし〜」ペラペラ
かすみ(最後の悪あがきくらい、させてくださいよ。かすみんが本気で惚れてたなんて嘘なんだって)
かすみ(それくらい許してくれますよね。だって、せつ菜先輩はもう……)
せつ菜「…良かったです」
かすみ「ふぇ…?」
せつ菜「かすみさんも、私と同じ気持ちだったんですね」ニコ かすみ「い、いやいやいや…!!何言ってんですか!?」
せつ菜「私は、お付き合いをすることによって、かすみさんが私のせいでスクールアイドルとして輝けなくなるんじゃないかと思っていました」
せつ菜「でも杞憂だったんですね。だって、かすみさんも似たような考えを持っているのなら、互いに影響されることはありませんし」
かすみ「ちがっ…違いますよ!かすみんはその逆です!自分に虜にさせて、せつ菜先輩を……」
せつ菜「大丈夫です!私はもうかすみさんのことが大好きなので、これ以上変わることはありませんよ!」ペカ
かすみ「っ…!?///」カァァ
かすみ(いま、大好きって……嬉し、じゃなくて!!今さらずるい、こんなの…どうしていいか、わかんない…///)アトズサリ
ギュッ
せつ菜「待ってください…!私はもう逃げません。だからかすみさんも私と向き合って欲しいんです」
かすみ「っ……ち、近いですっ…//」
せつ菜「私が心配なのは、かすみさんが私のせいで変わってしまうことでしたが…これだけ強い芯があるなら大丈夫そうですね」
かすみ「はぁ…!?本気ですか、かすみんは最低なこと言ってたのに…!」 せつ菜「きっと私は、かすみさんのスクールアイドルにかける想いの熱さに強く惹かれてるんですよ」
せつ菜「私たちは真逆のタイプに見えて、実は似た者同士ですからね。それで衝突してしまうこともありますが…これからはもっと仲良く、もっと高めあえたらと思っています」
かすみ「そんな……でもっ、いいんですか……?かすみんなんか…」
せつ菜「私は、かすみさんがいいんです。かすみさんだから、こうしてお話したいと思うんですよ」
せつ菜「…それなのに、私の意固地な行動で、かすみさんに不快な思いをさせてしまいました。本当にごめんなさい」
かすみ「……せつ菜先輩…」ウルウル
かすみ(せつ菜先輩は、やっぱりカッコイイ。さらっとすごいこと言ったり、素直に自分の気持ちを伝えることができるから)
かすみ(それに、人を惹きつける魅力と強さがある…。けど、それ以上に繊細だし弱さもある。だから、そういうところをもっと見せて欲しい)
かすみ(……なんて、言えたらいいんだけど。今は恥ずかしいし…いつか伝えられたらな…)
せつ菜「だから、責任をとってかすみさんをもっともっと大事にします。頼りないかもしれませんが、これからもよろしくお願いしますね」ニコ
かすみ「せ、責任…??いやそこまでしてもらわなくても……」 せつ菜「大切な人を泣かせたんですから、それくらいはさせてください」
かすみ「た、大切な人って…///えへへ…せんぱい…///」
せつ菜「でもかすみさん…同好会のメンバーはライバルでもあり仲間なんですから、輪をかき乱すようなことはしたらダメですよ?」
かすみ「え?あ、はい……さっきのは、その場で思いついたでまかせというか、色んな人から告白されてるせつ菜先輩にムッとしたので…」
せつ菜「…悪い子には、おしおきが必要ですね?」ズイッ
かすみ「せ、せつ菜先輩……?あの、急にどうし」
ドンッ!
かすみ「ひっ」
せつ菜「…もう逃げられませんよ」
かすみ(壁ドンってリアルでする人いるんだ…。って、じゃなくて!!///)ドキドキ
せつ菜「かすみさん…」
かすみ(え、え…!?/// 顔近っ……このままキスされる…ってこと?//)
せつ菜「ふふっ、私のことだけ見ていればいいんですよ。こんな風に…」グイッ かすみ「やっぱだめです!///」パシッ
せつ菜「……へぶっ…」ペチン
かすみ「ご、ごめんなさい…!用事思い出したので、また明日…!!」タタッ
せつ菜「いてて…用事ってなんだったのでしょう…??」
しずく「はぁ、かすみさん…あれだけ人のことヘタレヘタレって言ってたのに、自分がそうじゃん」
せつ菜「しずくさん!?」ビク
しずく「あ、こんにちは…。上手くいったみたいで良かったですね」ニコ
せつ菜「え?ずっと見てたんですか!?」
侑「まぁそりゃ…気になるよね。色々と」
歩夢「でも最後のは…///せつ菜ちゃんって、大胆なんだね…//」
せつ菜「最後の…?」
果林「かすみちゃんのこと、壁に押しつけてたでしょ。その後キスするつもりだったんだろうけど、逃げられちゃったわね」ニコ
彼方「彼方ちゃんもびっくりのイケメンムーヴなんだぜ〜。かすみちゃん顔真っ赤で可愛かったね〜」 せつ菜「いえ、最後は顔を近づけて額と額を合わせるだけでした…。とっておきの技だったんですけど、ダメでしたか?」
璃奈「…あ、嫌な予感。ごくり」
愛「技って…。せっつーさ、もしかして引用元って何かの漫画だったりする?」
せつ菜「はい!『歌舞伎町ホスト物語』に出てくる主人公が本命の想い人に愛を伝えるシーンで…」
エマ「えぇ……」
愛「なんつータイトルから引っ張ってきてんの!そりゃあんなクサイ台詞にもなるわっての!」
せつ菜「え、あ、あの…カッコよくなかったですか?あれ?」
侑「私はいいと思う!私はね!」
歩夢「かすみちゃんもこれから色々と大変だね…」
しずく「まぁ、かすみさん嬉しそうでしたし…良かったんじゃないですか?」
璃奈「ベッドの中で悶々として眠れないやつだと思う。璃奈ちゃんボードテレテレ[ 〃'ᴗ'〃 ]」
エマ「とにかく、これで仲直り?できたなら良かったんじゃないかなぁ〜」ニコニコ
せつ菜「いいえ、まだです!もっとかすみさんと仲良くなりたいので!」
果林「あらあら…若いっていいわね」
せつ菜「ですから、先にお付き合いされてる皆さんを見習って頑張りたいんです。どうか教えてください!」
『…………』
せつ菜「…え?どうして目を逸らすんですか?あの!皆さん!!」 このあといちゃいちゃし出すところまで見たかったけどおつ!
せつかすはいいぞ せつかす好き
他のカップルのイチャイチャも見たいぜ おつでした。付き合い始めてから主導権を握ろうとしてなかなか上手くいかないかすみんが想像できるね 続きの短編とかでも新しい話でも、また書いてくれたら嬉しい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています