【339】

 「うぅ〜ん♡」なんて色っぽい声と共に、いきなり花陽さんが上体を起こした。


 「ぐほっ!」

 俺の顔が彼女のお尻に押し潰される。

 「!?」

 何が起こったのか、理解するまでコンマ何秒かの時間を要した。


 だが、すぐにわかる。


 花陽さんは膝を付いた姿勢で、俺の顔に跨がったのだ。
 所謂『顔面騎乗』ってヤツだ。


 俺の攻撃に焦れてしまったのだろうか?
 「早くイカせてよ!」とばかりに、グリグリとお尻を押し付けてきた。

 柔らかなテンピュール枕のような『尻たぶ』が、俺の両頬をふんわりと圧迫する。