侑「……」


栞子「早く帰ってください」

侑「……見てたならわかるでしょ」

侑「止めてくれるのはうれしいけど、もう……私は……」

栞子「止める? 何を言ってるんですか?」

侑「え?」

栞子「私は完全下校時間を過ぎても校内にいるあなたを注意しにきただけですが」

栞子「先程、伝えたつもりでしたが。あなたがあの連中から酷い仕打ちを受け、身投げをしようとしていたとしても」

栞子「私にはどうでもいいことです」

侑「だ、だったらっ」

栞子「規則は規則ですから」

侑「え……?」

栞子「まさか自分の命が規則よりも重いと? 見掛けによらず傲慢な人ですね」

侑「……」

栞子「規則とは人のためにあるものです。それをあなた個人の判断で勝手に破っていいものではありません」

侑「……」


栞子「今のあなたは迷惑な存在でしかない。従ってください。規則に」


侑「…………はい」