志満「制定、我が家の記念日」
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志満「美渡、今日は何月何日?」
美渡「なに急に?まさかボケたの?」
志満「あらあら、そんな口を利くなんて随分偉くなったものね」
美渡「じょ、冗談に決まってるじゃない……あはは」
美渡「今日は3月10日火曜日でございますお姉様」
志満「そう、今日は3月10日」
志満「今日がなんの日だか、わかる?」
美渡「へっ?今日ってなんかの祝日だったっけ」
美渡「う〜ん、違うな……わからない」 美渡「別の普通の日だと思うけど」
志満「もう、本当にわからないの?鈍い妹ね」
美渡「いや、そんな事言われてもわからないもんはわからないし……」
志満「ヒント、あなたの名前は?」
美渡「私の名前?美渡だけど」
美渡「―あっ」
美渡「……もしかして、3月10日で『美渡の日』って言いたいの?」
志満「正解、今日はあなたの日よ。おめでとう美渡」
美渡「なんじゃそりゃ……んな事言われても反応に困るんだけど」 千歌「美渡姉〜おめでとう!!」
美渡「千歌までなに言ってんだ、誕生日でもあるまいし」
千歌「誕生日じゃないけど語呂がいいから記念日にしちゃおうよ」
美渡「記念日とか誰得……?」
志満「それはいいわね、国民の祝日として3月10日を美渡の日に」
美渡「しなくていいから‼なんなんださっきから2人して、いつまでもくだらない事言ってんじゃないわよ。ったく」
志満「まぁ国民の祝日は大袈裟だけど我が家の記念日として今日は美渡に色々サービスしてあげましょ」
千歌「さんせ〜い!!そうしましょ〜!!」
美渡「……どうしてこうなった」 千歌「肩をお揉みしますお姉様」モミモミ
美渡「お?おう……サンキュ」
千歌「凝ってますねぇ〜お客さん」モミモミ
美渡「まぁ毎日働いていますからねぇ」
美渡「あ〜そこそこ、気持ちいい〜」
志満「美渡、今日はあなたの食べたい物を作るわ。なに食べたい?」
美渡「えぇ〜なんだか悪いねぇ〜それじゃあ……」
美渡「焼肉、焼肉食べたい」
千歌「いいね焼肉‼私も食べたい‼」
志満「それじゃ、たまには奮発していいお肉を買って来ようかしらね」
志満「ちょっと買い物に行って来るからお留守番よろしくね」
千歌「いってらっしゃ〜い」 千歌「志満姉が帰って来るまで遊ぼうよ〜」グイグイ
美渡「遊ぶったってなにして遊ぶのさ、あんたもう高校生だろ」
千歌「あっち向いてほいやろう」
美渡「また懐かしいな。しゃーない、相手してあげる」
千歌「じゃんけんぽん」チョキ
美渡「ありゃ?」パー
千歌「あっち向いて、ほい」ヒョイ
美渡「うわっ?しまった」クイッ
千歌「やった〜私の勝ち〜」
美渡「た、たまたまだから。次は負けないし」
美渡「じゃんけんぽん」グー
千歌「あはっ」パー
千歌「あっち向いて、ほい」ヒョイ
美渡「ぬぁっ!?こっちかよ!?」クイッ
千歌「ぷぷぷ、美渡姉弱〜い」ニヤニヤ
美渡「くっそ〜まだまだぁ‼」 千歌「じゃんけんぽん」
千歌「あっち向いて、ほい」ヒョイ
美渡「うわっ!?」クイッ
美渡「あぁ〜ダメだ、どうしても引っ掛かる」
千歌「て言うかじゃんけん弱すぎるよ、1度も勝ててないじゃん」
美渡「じゃんけんは昔から弱いんだよな私」
美渡「今日は私の日だって言うなら少しは接待してくれたっていいだろ」
千歌「ふっふっふ、それとこれとは話が別なのだ」
千歌「勝負の世界は厳しいのだよ美渡姉」
美渡「くっ、私が相手だから勝てたようなもんだろ……」
志満「ただいま〜」
千歌「あ、志満姉帰って来た。おかえりなさ〜い」
志満「おまたせ、おいしいお肉見つけて来たから楽しみにしててね」
志満「あとは、これも」スッ
美渡「おっ、ビール。流石志満姉気が利いてる〜」
志満「千歌ちゃんにはみかんジュースを買って来たからね」
千歌「わ〜いやったぁ〜」 プルルルル……
美渡「あ、電話だ。―はいもしもし」
千歌ママ『もしもし、美渡ちゃん?』
美渡「母さん、どうしたの?」
千歌ママ『志満ちゃんから聞いてね、今日は美渡ちゃんの日らしいじゃないの』
美渡「志満姉……母さんにも話したのか」
千歌ママ『3月10日だから美渡ちゃんの日。うふふ、そう言われて気付いたわぁ』
千歌ママ『お母さんは遠くにいて一緒にいられないけど、皆で仲良くご飯食べて楽しんで」
千歌ママ『記念日おめでとう、今度帰る時はお土産買って行くからね』
美渡「うん、ありがとう。母さんも体に気を付けて、それじゃ」ガチャ
美渡「―母さんまでわざわざ電話してくるなんて大袈裟なんだよなぁ」
美渡「……」
美渡「……でも、なんか嬉しいな。ふふっ」 千歌「美渡姉、ご飯の支度出来たよ」
美渡「わかった、今行くよ」
千歌「誰と電話してたの?」
美渡「母さんだよ、美渡の日おめでとうだって。母さんにまで言われてむずがゆいよ」
千歌「美渡姉みんなにお祝いされて羨ましいな〜」
美渡「うちだけでしか通用しないよこんな記念日」
志満「来たわね、美渡。お父さんも今日は特別に腕を振るってくれたって」
美渡「おっ、カルビスープに豚キムチじゃん。おいしそ〜」
千歌パパ「……」ニヤリ
志満「じゃ〜ん。お肉もほら、超高級和牛よ。高かったんだからね」キラキラ〜
美渡「うおっ眩し、すっげー!!お肉が輝いて見える!!」
千歌「早く食べた〜い!!」 ジュージュー
志満「ほうら美渡、これ焼けたわよ」スッ
美渡「サンキュー志満姉」パクッ
美渡「―ん〜うんまっ‼いいお肉だねこりゃ」
千歌「美渡姉、ビールもどうぞ」トクトクトク
美渡「おっとっとっと……」
美渡「んぐ……んぐ……かあぁ〜!!うまい焼肉に冷たいビール、最っ高!!」
千歌パパ「……」チラチラ
志満「美渡、お父さんの作ってくれた料理も食べてみなさい」
美渡「うん、そんじゃまずは豚キムチから」パクッ モグモグ
美渡「う〜ん、このピリ辛な味付けはビールにピッタリ!!」ゴクゴク
美渡「―はあぁ〜うまい!!」
千歌「カルビスープもおいしい‼お父さんはなんでも作れるんだね、すごいよ」
千歌パパ「……」ニコッ
美渡「いやぁ、まさかこんなごちそう食べられるなんてねぇ〜」
美渡「私の名前、美渡でよかったよ。母さんと父さんに感謝しないと」
美渡「あ、そうだ。ちょっと外行くわ」
志満「どこに行くの?」
美渡「もう1人の家族のとこ」 美渡「おーい、しいたけ」
しいたけ「わんっ」
美渡「しいたけだけのけ者にしちゃかわいそうだもんな。ほら、今日のご飯は焼肉だぞ〜」
しいたけ「わふっ」ガツガツ
美渡「うまいだろ?ふふっ、志満姉が奮発して買って来てくれた超高級和牛だ。味わって食べなよ」
しいたけ「わんっ、わんっ」
美渡「もう食べちゃったのか?どれ、豚キムチもあるから食べな。これで最後だよ」
しいたけ「わふっわふっ」ガツガツ
美渡「こんな豪勢なご飯は今日だけだぞ、美渡の日の記念日なんだと。私に感謝しろよな」ナデナデ
しいたけ「わぅんっ」ペロペロ
美渡「ちょ、おまっ、やめろって。焼肉のタレやら豚キムチがくっつくだろーが」
しいたけ「わんわんっ」
美渡「あんたもお祝いしてくれてんの?ありがとしいたけ」ギュウッ
しいたけ「わおーん」 美渡「ただいま〜戻ったよっと」
千歌「美渡姉早く食べないとお肉なくなっちゃうよ〜」パクパク
美渡「あぁっ、ちょっとあんた食べ過ぎじゃない?私の分も残しておけよな」
志満「心配しなくても、まだまだお肉はあるから大丈夫よ」ガサッ
美渡「へへっ、それを聞いて安心した。今日はいくらでも食べられそう」
美渡「父さん、ビール飲む?」スッ
千歌パパ「……」コクン
美渡「ほい、どーぞ」トクトクトク
美渡「志満姉は?」スッ
志満「それじゃ少しもらおうかしら」
美渡「父さん、志満姉、今日は私の為にありがとね」トクトクトク
千歌「ちょっと私はぁ〜?私にはなにもないの?」
美渡「はは、忘れてた。あんたはジュースだな」トクトクトク
千歌「むぅ〜肩揉みの恩を忘れたのか美渡姉」
美渡「ありゃ千歌の好意じゃなかったのかよ」
千歌「そうだけどぉ」
美渡「千歌も、今日はありがとな」ナデナデ
千歌「……えへへ、どういたしまして」 美渡「はぁ〜食べた食べた、ビールも飲んだ飲んだ」
志満「満足してもらえたようでよかったわぁ」
千歌「久し振りの焼肉だったからいっぱい食べちゃった、おいしかったね」
千歌「今度はなんの記念日を作ろうか志満姉」
志満「そうねぇ、私達の誰かに恋人が出来たらその日を記念日にでもしましょうか」
千歌パパ「……!!」ガタッ
美渡「ちょ、父さん落ち着いて。そんな記念日まだまだ出来る訳ないから」
志満「あら、この前美渡が男の人と仲良さそうに歩いているのを見かけたんだけど」
美渡「は、はぁっ!?」
千歌パパ「〜〜〜!!」ガッタンガッタン
美渡「いやいや違うから‼ただの仕事仲間だから!!父さんに変な誤解を与えないで!!」
志満「うふふ、そんなんだからいつまで経っても彼氏出来ないのよ」
美渡「彼氏出来ないのは志満姉も一緒だろが!!」
志満「違います〜私は出来ないんじゃなくて作らないだけです〜」
美渡「そんなん言い訳だ‼屁理屈だ〜!!」
千歌パパ「……」ワナワナ
千歌「お父さん、安心して。私はお父さんと結婚するって決めてるから」
千歌パパ「……!!」ジ〜ン
千歌「……」ギュウッ
千歌「もうお父さん、苦しいよぉ〜」 これで終わりになります。3月10日は語呂合わせで美渡姉だとふと思ったので書いてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました。 乙面白くてよかった
ただ、3月10日は特に東京にとって祝日にはできない大事な日だ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています