果南「えっ?絵里と一緒に宿直?」
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絵里「えぇ、理事長に頼まれて今度の金曜日にやるんだけど私一人じゃ心細くて……」
果南「どうして私なのさ?」
絵里「鞠莉が言ってたのよ」
鞠莉『そういう事なら果南が適任よ〜ん』
絵里「なんだかやけにニヤニヤしてたけど」
果南「鞠莉のヤツ…後で覚えてなよ……」ボソッ
絵里「それで、どうかしら?他の皆は忙しくて断られちゃったのよ。お願い果南」
果南「う〜ん……」
果南(宿直って夜の学校を見回りとかするんだよね)チラッ
果南(ちょっと怖いけど、絵里が一緒なら大丈夫かな)
果南「いいよ。ここで断るのも悪いし、付き合ってあげる」
絵里「本当?助かるわ。それじゃよろしくお願いね」
絵里(断られなくてよかった……果南ってなんか度胸ありそうだし、頼りになりそうね) 金曜日 夜
果南「やぁ絵里、今日はよろしく」
絵里「果南、わざわざ来てもらってすまないわね」
果南「いいっていいって、でも宿直って私達の仕事じゃないよね」
絵里「本当は事務員の仕事なんだけどね。最近その人が辞めてしまって、新しい人が採用されるまで生徒会でやる事になったのよ」
果南「それで絵里と私に回って来たって訳だね」
絵里「やる事自体はそう難しくないわ。校内を見回りして、後は宿直室で明日の朝まで過ごすだけ」
果南「ふぅん……まぁ、二人で一緒にいれば平気だよね」
絵里「えぇそうね。頼りにしてるわ、果南」
絵里「そろそろ、見回りに行きましょうか」 ザァーッ
絵里「あら、雨が降ってきたわね」
果南「私が来る頃は小雨だったんだけど段々強くなってきたね」
絵里「そういえば、天気予報で今夜は雨だと言っていたわ」
絵里「ひどくならないといいけれど」
果南「小雨の内に着いてよかったよ。それにしても、見回りって退屈だね。パパッと回って宿直室でテレビでも見ようよ」
絵里「ダメよ、早く済ませたいのはわかるけど一応全部見て回らないと」
果南「絵里は真面目だねぇ。ーん?」
ゴロゴロ……ゴゴ……
果南「か、雷!?」ハグゥ‼
絵里「ちょっ、果南!?どうしたの急にー」
カッ‼ドーン‼
二人「キャアァァー!!」 フッ……
絵里「あ、灯りが……」
果南「あわわわ……暗いよぅ怖いよぅ……」ギュー
絵里「果南、お、落ち着いて。大丈夫、大丈夫だから」
絵里(こんな時に二人共パニックになっちゃいけない。冷静になるのよ、私……)
絵里「そうだ、懐中電灯があったわ」カチッ
絵里「ほっ……これでとりあえずは安心ね。ブレーカーが元に戻るか見に行きましょう」
果南「まさか電気が消えるなんて……ついてないよまったく」
絵里「もしかして、あなたも暗いの苦手なの?」
果南「えっ?あなたもって、絵里も?」
絵里「えぇ、情けない事にね……果南がいなかったらきっと動けずにいるわ」
果南(なんだ、私だけじゃなかったんだ)
果南「そっか。ねぇ……手、繋ごっか」
絵里「それは名案ね。じゃあ」ギュッ 絵里「ここね」
果南「どう?直りそう?」
絵里「ちょっと見てみるわね」ガチャン…ガチャン
絵里「ーダメね、これは素人じゃどうしようもないわ。今から業者さんを呼ぶ訳にもいかないし、明日連絡するしかないわね」
果南「それじゃ、これからどうするの?」
絵里「このまま放って帰る事も出来ないし予定通り見回りをして、後は宿直室で朝までおとなしくしていましょう」
果南「まだ続けるの?もういいじゃん戻ろうよ……」
絵里「そう言わないで、他に異常がないか調べないと。大丈夫よ、二人一緒なら」プルプル…
果南(絵里、体が震えてる……本当は怖いんだ)
果南(ー私も、弱音ばかり吐いてちゃダメだよね)
果南「まったく、わかったよ。本当、絵里は真面目だね」 絵里「さて、1年生の教室は終わったわね。次は2年生の教室を見るわよ」
果南「それにしても、昼間と夜じゃ全然印象が違うよね……」
絵里「そうね、夜だって普段は灯りがついてるから明るいけどこんな暗い中歩くのは気味が悪いわ」
絵里「自分で言って寒気がしてきた……」
果南「ちょっと、しっかりしてよ。私だって怖いの我慢してるんだから」
絵里「なにか怖さを紛らわせる方法でもあればいいんだけど……」
果南「紛らわせる方法……そうだ」
果南「おばけなんてなーいさ、おばけなんてうーそさ。ねーぼーけーたひーとが、みまちがえたーのさ」
絵里「うわ、びっくりした。なによ急に」
果南「いや、はは……歌でも歌って気を紛らわそうかと」
絵里「もう……ふふっ」
絵里「ありがとう、ちょっとは気が紛れたわ」 果南「ん?」
絵里「どうしたの果南?」
果南「いや、なんか反対側の廊下に誰かいたような」
絵里「え……?なに言ってるの?ここには私達しかいないはずじゃない」
果南「そうだよね、気のせいかな……」
絵里「でも、気になるわね。反対側を見に行ってみましょうか」
絵里「保健室の扉が開いてる……?」
果南「この辺りだよ、私が見たのは」
絵里「誰か残っていたのかしら」ガラッ
絵里「う〜ん、誰もいないわね……」
果南「見て、ベッドが乱れてる」
絵里「まだ暖かいわ、誰かがここで休んでいたのかしら」
果南「もしかして、泥棒がベッドに隠れて夜になったから動き出したとか?」
絵里「まさか、そんな事……」
果南「私としてはおばけより泥棒の方が現実感があっていいけどな」
絵里「どっちもいちゃダメでしょ!!」
絵里「とにかく、十分注意して先に進みましょう。泥棒だったら警察に通報しないと」
果南「それなら私がとっ捕まえてやるのに」
絵里「危ない真似はしないでよ……」 絵里「誰かいるんじゃないかと思うと緊張するわね……」
果南「人だったらいいけどね……」
絵里「果南、ごめんなさいね。こんな事になるとは思わなくて」
果南「しょうがないよ。電気消えたのは絵里のせいじゃないし」
絵里「そう言ってもらえると……あら?」
絵里「あそこ、3年生の教室。扉が開いてるわ」
果南「本当だ、あそこにさっき見た誰かがいるのかな」
果南「絵里、下がって。私が先に行くよ……」
絵里「気を付けてね。万が一泥棒だとしたら危ないわ」
果南「任せといて」ソローリ…ソローリ…
果南「灯りをつけてなにか探してる……?」
モゾモゾ……
果南「そ、そこにいるのは誰?」
???「ん?おや、誰かと思えば果南ちゃんに絵里ちゃん。二人お揃いでどうしたのかな?」
絵里「え?その声は」パッ
彼方「うわ、まぶし」
果南「彼方!?」
彼方「こんばんは〜」 絵里「あなた、こんな時間になにしてるのよ」
彼方「いや〜それがお恥ずかしい話でして」
彼方「放課後、保健室で眠ってたら今の時間までうっかり寝過ごしてしまってね。教室まで荷物を取りに来てたんだよ」
果南「保健室で寝てたのは彼方だったんだ」
彼方「二人の方こそなにしてたの?夜の学校デートかな?」
果南「違う違う、そんなデートしたくないって」
絵里「私達は宿直で学校の見回りをしていたのよ」
彼方「ははぁ、それで彼方ちゃんを見つけてここまで来たと。なるほどね〜」
彼方「遥ちゃんからメール来てた。帰らないとね」
果南「今から帰るの?外すごい雨降ってるよ」
絵里「雷も止まないし危ないわ」
彼方「う〜ん、それは困ったね〜」
彼方「ーあいわかった、そういう事なら」
彼方「『遥ちゃんへ、今日は遅くなるから友達の家に泊まってくるよ』っと、これでよし」
彼方「帰れないんじゃ、仕方ないね。彼方ちゃんも二人にお付き合いしますよ〜」
絵里「大丈夫なの?確かに家には帰れないと思うけど」
彼方「いいのいいの〜。二人のお邪魔をしちゃうのは気が引けるけどね〜」
果南「いや、だから違うってば」
絵里「こうなったら彼方にも一緒に付き合ってもらうしかないわね。よろしく頼むわ」
彼方「あいあい、よろしくね〜」 絢瀬のパクリ!怖がりネタ投下するな!
酒井監督のあほ! 彼方「誰もいない学校ってなんか新鮮だね〜」
果南「正直、彼方が加わってくれて助かったよ」ギュッ
絵里「えぇ、人数が一人増えただけでこんなに心強いなんてね」ギュッ
彼方「おや、二人に手を握られて正に両手に花だ。彼方ちゃんにもモテ期来ちゃったか〜」
果南「なにそれ?面白いね彼方」
絵里「あなたは暗いの平気なの?」
彼方「ふっふっふ……いつも目をつむって眠っている事によって彼方ちゃんには暗闇耐性が付いたのだよ」
果南「あんまりカッコいい理由じゃないね……」
絵里「あともう少しで見回りは終わりね」
絵里「宿直室に戻ったらコーヒーでも飲んで休みましょう。ガスは使えるはずから」
果南「いいね、さっさと終わらせちゃおう」
彼方「彼方ちゃんちょっと小腹が空いたよ。晩御飯食べてないからさ」
絵里「それなら夜食も持ってきたから食べさせてあげるわ」
果南「よ〜し、やる気出てきたぞ〜」
彼方「わわ、果南ちゃん急に引っ張らないで〜」 絵里「はい、コーヒー。ガスが使えてよかったわ」
果南「ありがとう、ーはぁ、おいしいね〜」
彼方「絵里ちゃんの持ってきたチョコレートも中々のお味で」
絵里「ごめんなさいねそんな物しかなくて」
彼方「いやいや、頂けるだけありがたいよ〜」
絵里「後は朝までここで過ごせばいいわ。二人共、お疲れ様。今日は付き合ってくれて本当にありがとう」
絵里「事務員の人が入るまでまたやるかもしれないけど、その時はまたお願いしてもいいかしら?」
果南「停電にさえならなければ付き合うよ」
果南「なんてね、また呼んでよ。私でよければ
」
彼方「彼方ちゃんも今回は成り行きで一緒になったけど」
彼方「今度やる時は遥ちゃんに断って最初から付き合うよ〜」
絵里「えぇ、その時はよろしくね」
果南「さて、朝まで何をしようか」
絵里「もう少しお喋りしてもいいけど」
彼方「ふわぁ〜なんだかまた眠くなってきたよ……」
果南「私達も寝ようか?」
絵里「そうね、今日は疲れたわ」
彼方「それじゃ、二人を彼方ちゃんの抱き枕にして皆で寝ちゃおう〜」
果南「ちょっと窮屈だけど」
絵里「たまには悪くないわね」
彼方「おやすみ〜」 終わりです。支援してくださった方、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。果南のちゃん付けについては知らなくて呼び捨てにしてしまいました。ご指摘、ありがとうございます、今後気を付けます。 各グループの一推し×3という俺得な組み合わせでした これ果南は雨でこれなくて彼方は実は家にいたってオチがあるんだよね… 野暮かもだけど、彼方ちゃん虹の子で舞台は音乃木だよね?
まるで在校生かのような立ち位置で疑問
μ's虹の合同練習後で果南は静岡から来てくれたのかな >>31
後からそれを聞いた絵里が立てなくなりそう
少しチビってそう 未成年の女子生徒一人に宿直やらせようとしてる理事長が地味にヤバい 呼び捨てについては仲良くなったあとと補完したからおk ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています