ダイヤ 「お母様がたばこを吸っていた」
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ダイヤ(あれはこの間の夜遅くの事)
ダイヤ(家族皆が寝静まった頃わたくしはトイレに起きましたの)
ダイヤ「ん?あれは……お母様?」
ダイヤ(お母様はなぜか周りを気にしながら
庭に出ていきましたわ)
ダイヤ(気になったわたくしはついお母様の後をついていきましたの)
ダイヤ(お母様は更に奥の方へ、古い蔵の陰へと消えていきました)
ダイヤ(こんな遅くに人目を気にしてなにをしているのかとそっと覗き込んで見ましたら)
ダイヤ(懐からたばこを取り出し口にくわえライターで火を点けたのです) はだけた浴衣に煙管を持って流し目のダイヤさんください ダイヤ(初めてではないのが煙の吐き方でわかりました)
ダイヤ(目を細め、心から安堵したようなお母様の穏やかな表情。久しぶりに見ました)
ダイヤ(思えば日中は心なしかイライラしているようにも見えます)
ダイヤ(お母様はたばこの禁断症状が出ていたのですね)
ダイヤ(当然家族の前、とりわけお父様の前ではたばこなんて絶対吸えませんものね)
ダイヤ(だからああやって人目の付かない夜にあんな所で吸ってるんですわ)
ダイヤ(それにしてもたばこを吸うお母様はなんだかすごく気持ちよさそうですわ)
ダイヤ(たばこって……そんなにおいしいのかしら) ダイヤ(あの日以来、お母様のたばこを吸っている姿と表情が頭から離れずついにわたくしは……)
店員「いらっしゃいませー」
ダイヤ「あ、あの…すみません。ええっと……セブンスターを、一つください」
店員「セブンスターがお一つで510円になります」
ダイヤ「510えん……⁉」
ダイヤ(たばこってこんなに値段が高いの?)
ダイヤ「はい、1000円で…」
店員「こちらの画面にタッチしてください」
『お客様は20歳以上ですか?はい、いいえ』
ダイヤ「ここ、でいいですか?」
『はい』ピッ
店員「ありがとうございます、どうぞ」
ダイヤ「はぁ、ありがとうございました」
アリガトウゴザイマシター
ダイヤ「………はぁ〜」
(とうとう、とうとう買ってしまいましたわ!) ダイヤ(沼津よりも先の町の目立たないコンビニなら、この町の人目につかない所ならたばこを吸っても大丈夫なはず!)
ダイヤ(あまり着ない私服を着てお化粧も普段より濃くしたから高校生には見えなかったようですわね……)
ダイヤ「まるで万引きでもしてきたかのようなスリルでしたわね」
ダイヤ「さて、どこかに移動しませんとね」
ダイヤ「ここいらなら人は来ませんわよね」
タバコノカミビリィッ
ダイヤ「最初の1本が中々出てきませんね…」
ダイヤ「お、取れました。これを口にくわえてあとはライターで火を点けると」シュボ
ダイヤ「初めてのたばこ、いざ!すぅ!」
ダイヤ「ーうおっへはっはおっうぇぇ」 ダイヤ「なっんですのこれは⁉喉がゴッホェ」
ダイヤ(思っていたのと全く違いますわ。味なんてわかる訳ない、ただ苦しかっただけではありませんの。こんな物に510円も使ったなんて馬鹿みたいですわ)
ダイヤ「わざわざこんな所まで来たものの、とんだ無駄足でしたわね。帰りましょうか」
ダイヤ「ただいま帰りました」
ルビィ「お帰りお姉ちゃん」
母「お帰りなさいダイヤ」
ダイヤ「………」ジーッ
母「なにかしら?そんなに見つめて」
ダイヤ「いえ、なんでもありませんわ」
ダイヤ(お母様、今夜もたばこを吸うのでしょうか……) ダイヤ(やはり今日もお母様はたばこを吸っている)
ダイヤ(わたくしは盛大にむせましたが慣れればお母様のように気持ちよくなれるのでしょうか?)
ダイヤ(試しに…気持ちよくなるまでです。どうせ一つしか買ってないのですもの。無くなったらそこで終わればいいのですわ)
ダイヤ「すぅ…ごほっ、すぅ〜はふぁぉっ」
ダイヤ(最初はむせてばかりで苦しいだけでしたが……)
ダイヤ(少しづつ、慣れてきた気がしますわね)
ダイヤ「どうせなら、味がわかるまで吸ってみたいものですわね」
ダイヤ(常習になる前に止めれば大丈夫ですわ) 数日後
ダイヤ(何日か吸い続けてだんだんとたばこの味というものがわかってきました)
ダイヤ(最初は煙を吸った時の苦しみも今では逆に心地いい刺激になりつつあります)
ダイヤ(それになんだか気持ちよくなってきましたわ。これでお母様に近づきましたわね)
ダイヤ「すぅ〜はぁ〜。慣れればたばこも悪くありませんわね」
ダイヤ「ただ困るのは吸う場所ですわね…今じゃ成人の方ですら喫煙者は肩身の狭い思いをしているのですしわたくしなど誰かに見られたら人生おしまいですわ」
(でも隠れてたばこを吸うというのも存外ドキドキして面白いですわね) ルビィ「お姉ちゃん今日も遅かったね」
ダイヤ「えぇ、生徒会の仕事が溜まってしまって」
ルビィ「無理しないでね、体壊したら元も子もないよ」
ダイヤ「ありがとうルビィ」
ルビィ「ん?」スンスン
ダイヤ「どうしたの?」
ルビィ「お姉ちゃん、変な匂いする」
ダイヤ「!!」ビックゥ
ダイヤ「そう?それならすぐに着替えませんとね。洗濯に出してしまいましょう」
ダイヤ「危なかったですわ……」
ダイヤ「ファブリーズとブレスケアで匂い対策はしましたがまさか匂いが残っていたとは……
やはり吸わない人は気づくものですわね」
ダイヤ(生徒会の仕事が溜まって。これは嘘ではありません。実際今は毎日遅くまで残って仕事をして…帰りにたばこを吸ってくる)
ダイヤ(たばこはストレス解消になるとはよく言ったもの。疲れている時こそたばこはおいしく感じてつい吸ってしまいますわ)
ダイヤ(すぐ止められると思っていたのに……
どんどん吸う本数も増えてきて)
ダイヤ(わたくしはたばこに依存し始めているのでしょうか) ダイヤ(あれからというものたばこを止める事は出来ずに気が付くとたばこに手を伸ばし吸っています)
ダイヤ(今ではどこでたばこを吸えば人にばれないか人目につかない場所まで覚えるようになりました)
ダイヤ(体力が落ちた気がします。集中力も散漫になりミスをよく犯します)
ダイヤ(たばこの作用だとわかりました。それでもたばこを吸った時のカタルシスには抗う事が出来ません)
ダイヤ(一度匂いを気にして電子たばこなるものを買って吸ってみましたが紙巻たばこほどの気持ちよさはなく結局戻しました)
ダイヤ(止めようかどうしようか悩んでいた時ついにその時は来てしまいました) 母「ダイヤ、ちょっといいかしら」
ダイヤ「お母様、なんでしょうか」
母「あなた、たばこを吸っているわね」
ダイヤ「は………?」
母「とぼけても無駄よ。お母さんにはわかるのよ。なんたって私もお父さんに隠れてたばこを吸っているんだから」
ダイヤ「わ、わたくしは……」
母「いつかの夜遅くに私がたばこを吸っているのを見たわね?」
ダイヤ「……はい」
母「ダイヤ」ツカツカ
ダイヤ(怒られる…!)
ぎゅう
母「ごめんなさいねダイヤ。私がだらしないばかりに」
ダイヤ「お母様…?」
母「私もストレスが溜まっていてそれでたばこを吸うようになってしまったのよ。ダイヤがそれを見て真似するなんてとんでもない反面教師よね」
母「ダイヤ、いい機会だから言っておくわ。私と一緒にたばこを止めましょう」
ダイヤ「わたくしも何度も止めようと思いました。でも」
母「止められなかった。でしょう?」 ダイヤ「はい」
母「一人だと自分の意思に負けてしまって禁煙出来ないみたいよ。お互いに注意し合えばきっとたばこを止められるわ」
母「たばこよりおいしいもの、楽しい事は他にも沢山あるわ。一緒にそれを探していきましょう」
ダイヤ「お母様…ありがとうございます」
ダイヤ「わたくし、たばこを止めますわ」
ダイヤ(きっかけがあれば止められる。お母様と秘密を共有してから不思議とたばこを吸いたいと思わなくなりました。むしろお母様やルビィと一緒にスイーツを食べるのがなによりの楽しみとなりましたわ)
ダイヤ(最後にわたくしはたばこの箱に書いてある文章を思い出しました)
人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます なんかちょっと前にもダイヤが誰かと隠れて煙草吸ってるssあったなやはり絵になるのかな 良かった乙
反面教師の使い方だけちょっと気になった おつおつ
>>49
依存が生じるので不可
主ににこちゃんの側に ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています