絵里「エリーチカは今日も頑張る」
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「エリーチカ、この街は好き?」
「はい!大好きです!おばあ様もおばあ様が守ってきたこの街も!」
「ありがとう....そう言ってもらえると今までこの街を守ってきた甲斐があるわね」
「えへへへ....」
私の小さい頃、私のおばあ様は「音ノ木坂」という街を影から守っていた
なんでこの街を守り始めたとか、なにからこの街を守っているかは教えてはくれなかったけど、街の為に色々と頑張っていた
そんなおばあ様が数年前に病気の療養で祖国に帰ることになってからはこの街は私が見ることになった、いや...私が自ら名乗り出たのだ
だって、私はこの街が大好きだから
だから....おばあ様の代わりにこの街で生活をすることにした
とは言っても最近ではこの街はずっと平和なもので、毎日この平和な街を見守っている感じのレベルなんだけどね
これはそんな私、エリーチカとこの街に住む人々とのお話 真姫「ふわぁ......」
絵里「真姫、あくびなんかしてないで真面目にゴミ拾いをしてよ」
海未「そうですよ、街の美化活動も大切なことなんですよ」
真姫「....私、夜勤明けなんだけど....」
絵里「え!」
海未「そ、そうだったんですか?てっきり私と同じで非番なのかとばかり」
真姫「エリーには言ったはずなんだけど....」
絵里「ご、ごめん....」
真姫「まぁ、いいわ...自分の街が汚くちゃこっちの眠りの気分も悪くなりそうだし」
絵里「今度なんか奢るわ、ね?」
真姫「じゃあ、エリーの喫茶店でなんかを提供してもらうわ」
海未「.........」
絵里「海未?」
海未「い、いえ!なんでもないです!」
絵里「?」 真姫「海未って意外と食いしん坊なのよね」
海未「!ま、真姫!!」
真姫「エリー、海未にもちゃんと奢ってあげないと拗ねちゃうわよ」
海未「真姫!!」
真姫「なにを恥ずかしがってるのよ、事実でしょ?」
海未「っ.....」
絵里「あー...そういえばそうだったわね...よくつまみ食いをしてるし」
真姫「そうそう、普段は行儀がすごくいいから初めて見たときには少し驚いたもの」
絵里「いいじゃない、海未にもそういう子供っぽい可愛らしい部分があるってことで」
真姫「そうね」
海未「っ〜!!!」
絵里「あらあら、真っ赤になっちゃって可愛いわね♪」
海未「からかわないでください!!!」 海未「...........」イジイジ
絵里「真姫、貴方のせいで海未がいじけちゃったじゃない」
真姫「私のせい?」
絵里「そうよ、真姫が食いしん坊なんていうから」
真姫「でも、そこからいじってとどめをさしたのはエリーなんじゃないの?」
絵里「でもきっかけは真姫よ」
真姫「それを言うならその流れのきっかけを作ったのはエリーじゃない」
絵里「っ....」
真姫「はい、エリーガンバッテー」
絵里「すっごい棒読み」
真姫「そんなことないわよ」
絵里「........」 海未「.......」ブツブツ
絵里「海未」
海未「どうせ私は行儀の悪い女ですよ...」
絵里「いいじゃない、人間らしくて」
真姫(それってフォローになってるの?)
絵里「話がちょっと変わるんだけど今度うちの店で新メニューのスイーツを出すのよ」
海未「」ピクッ
絵里「初めて和菓子に挑戦したんだけど、味見というか一般の人の意見が聞きたいのよねー」
海未「.......」
絵里「海未って和菓子好き?できればなんだけど試食をお願いしたいのよ」
海未「私...和菓子には結構うるさいですよ」
絵里「私、初めてなんだから優しくしてよ?」
真姫(とんだ茶番ね) 絵里「これが終わったら付き合ってもらえる?」
海未「絵里のお店の為です、喜んでお受けします」
絵里「ありがとう♪」
真姫「..........」ポチポチ
海未「そうと決まったら早く掃除を終わらせましょう」
絵里「そうね」
海未「〜♪」
真姫「...機嫌直ったみたいね」ボソッ
絵里「えぇ、海未って可愛いところがあるわよね」
真姫「ちょっと面倒だけどね」
絵里「それ真姫が言う?」
真姫「どういう意味よ」 カラン...カラン
絵里「適当に座って待ってて」
海未「はい」
真姫「今日は休みなの?」
絵里「今日の昼間は臨時定休日よー」
真姫「随分と好き勝手やってるのね」
絵里「そうね、でも夜の営業はちゃんとやるわよ?」
真姫「ふ〜ん....」
海未「それにしても相変わらずいい雰囲気のお店ですね」
絵里「ありがとう」 真姫「.........」ポチポチ
海未「........」ペラ
絵里「はい、コーヒーとお茶よ」
コトッ
海未「ありがとうございます」
絵里「真姫はブラックでいいのよね」
真姫「えぇ」
絵里「海未はお茶でいいわよね」
海未「はい」
真姫「...........」ポチポチ 真姫「........」
絵里「真〜姫〜」
真姫「!」ビクッ
絵里「さっきから何を聴いてるの?」
真姫「音楽」
絵里「もう...釣れないわね...そうじゃなくて」
真姫「別になんでもいいでしょ?」
絵里「む....」
真姫「.......」
絵里「そりゃあ!」
真姫「きゃ!!」 〜♪
海未「この曲どこかで聞いたことがあるような...」
絵里「これって...たしか...」
真姫「っ...なにすんのよ!!エリー!!!」
絵里「そうだわ!にこよ!矢澤にこ!」
海未「あー...結構前から話題になっているアイドルの方でしたっけ?」
絵里「そうそう、へー...あのクラシックとかしか聞かなそうな真姫が...へー...」
真姫「な、なによ...」
絵里「別にー?」ニヤニヤ
真姫「っ.....」
海未「可愛らしいですよね、この方」
真姫「!」ピクッ
海未「?」 真姫「海未...」
海未「はい?」
真姫「...わかってるじゃない」
海未「え?」
真姫「歌声もいいんだけど...それ以上にこの人の笑顔が素敵なのよね」
海未「??」
真姫「いい?この人の魅力的なところはね」
海未「ま、真姫?」
真姫「海未!」
海未「はい!」
真姫「今、大事な話をするんだからちゃんと聞いて」
海未「は、はい....」
絵里「...これは中々重症みたいね」 絵里「お待たせしました、今日はサンドイッチの盛り合わせっていったところかしら」
ゴトッ
海未「!」
真姫「もう...これから話のいいところだったのに」
絵里「真姫がそのアイドルにお熱だってことはわかったから」
真姫「別にそんなんじゃないわよ」
絵里「じゃあ、なんでそんなに熱心に語ってるのよ」
真姫「それは...見ればわかるわ、エリーも」
絵里「見ればねぇ...」
海未「........」モグモグ
真姫「私は見て、その凄さを感じたわ」
絵里「それはTVで?それともまさか...ライブに行ったとか?」
真姫「違うわよ、うちの病院に来たことがあるの!」 海未「真姫のところにですか?患者さんとしてですか?」
絵里「駄目よ真姫、患者さんに手を出したら」
真姫「違うっての!慰問よ!慰問に来たことがあるの!」
海未「慰問ですか...成程」
絵里「慰問?」
海未「慰問というのですね、簡単に言うと病気などで苦しんでいる人のところに行って見舞ったりすることのことです」
絵里「へー....」
真姫「私ね、本人と会うまではアイドルの慰問なんか一部の人しか喜ばないでしょって思ってたのよ」
絵里「私もそう思うわね」
真姫「でも違ったの」
海未「違った?」
真姫「あの人は老若男女問わずに皆を笑顔にしてたわ」 海未「すごいですね...老若男女にですか」
真姫「もちろん全員が全員とは言えないだろうけど...でも、私が見えた範囲ではそう見えたわ」
絵里「真姫にして他人に随分と高い評価をするのね」
真姫「笑顔よ」
絵里「笑顔?」
真姫「ずっとね元気がなかった患者さんがね...彼女が来て彼女と話したら笑顔になったのよ」
海未「........」モグモグ
真姫「私も私なりに患者さん達とに毎日一生懸命に向き合ってるつもりなんだけどね、私はその患者さんを笑顔にはできなかったのよ」
真姫「だからその人の笑顔を見た時にこの人はすごいなって思ったのよ」
絵里「成程ね」
海未「それで結果、ここまで真姫もはまってしまったんですね」
真姫「端折りすぎだけど...まぁ、そんな感じね」 絵里「矢澤にこね...今度見てみようかしら?」
真姫「CDなら貸すわよ?」
海未「完全にはまってますね、立派なファンの一人ですね」
真姫「彼女の曲を聴いてゆっくり過ごすのが最近の私の生きがいよ」
絵里「これは重傷ね」
海未「医者に診てもらったほうがいいですね」
絵里「残念ながら真姫が医者なのよね」
海未「あ、そうでしたね!うっかりしてました」
絵里 海未「あはははは」
真姫「なに漫才してるのよ!二人して!」
絵里「どうもー賢い可愛いエリーチカーでーす」
海未「.....?」
絵里「そこはノッてよ!」 「相変わらず3人とも仲がええな」
絵里 海未 真姫「!」
希「ハロー」
絵里「希....」
海未「いつの間に...」
真姫「全く気配に気が付かなかったわ」
希「ふふふ」
絵里「相変わらず神出鬼没ね」
希「それがうちやからねー職業柄的にも」
真姫「今日は何の用?胡散臭い探偵さん」
希「んー...今日は特に用事っていう用事はないんだけど....」スッ
海未「!」
希「うん...エリチの料理はいつ...食べても...美味しいなぁ」モグモグ
絵里「食べながら喋らない、お行儀悪いわよ!」
海未「さ、最後の一個....」 真姫「...海未って本当に食いしん坊よね」
海未「そ、そんなことは!....」
真姫「ここに私がキープしてたサンドイッチがあるわ」
海未「!」
真姫「まだこれには口をつけてないわ、どうする?」
海未「っ.......」
真姫「認めますか?認めませんか?」
海未「〜っ!.....」
真姫「いらないなら食べちゃうけど」
海未「み、認めます!!私は食いしん坊です!!」
真姫「ふふふ♪よくできました」
絵里「真姫は相変わらず意地悪なんだから」
真姫「これは私なりの愛情表現よ」 海未「そんな愛情表現はいらないです...」
真姫「あら、サンドイッチいらないの?」
海未「い、いります!いただきます!」
希「エリチーうちもなんか食べたいー」
絵里「貴方は支払いのつけをいい加減に払いなさい」
希「えー...」
海未「........」モグモグ
絵里「えーじゃないわよ、当然でしょ」
希「エリチとうちの仲やん?そこをなんとか」
絵里「駄目です」
希「むー....あ!なら...」ゴソゴソ
絵里「?」 希「...よいしょっと.....」ヌギヌギ
真姫「!」
海未「ぶっ!!」
絵里「!」ベチャ
真姫「ちょっとなにしてんのよ!!」
希「何って...お金がないから体で払おうと思って」
海未「けっほ!けっほ!!!」
真姫「もう!海未がびっくりしてむせちゃったじゃない!!」
希「あー...ごめんね?海未ちゃん」ススッ
真姫「そう言いながらも脱ぐんじゃないわよ!!」
絵里「.....希ぃ...」
希「!」ビクッ
絵里「........」
希「ワーオ....オコーチカ?」 絵里「もう、そんな恰好をして風邪ひいちゃうでしょ!早くちゃんと服を着なさい!!」
希「う、うん?」
絵里「はぁ...ちゃんと払いなさいよ?今度」
希「え?あ、うん....」
絵里「じゃあ、作ってくるから待ってなさい」
希「はーい」
絵里「全く返事だけはいいんだから」
希「えへへ...」
真姫「大丈夫?海未」
海未「はぁ...はぁ...なんとか...希は破廉恥です」 真姫「じゃあ、私はそろそろ家に帰って寝るわね」
絵里「ありがとね、真姫」
真姫「今度は私の予定もちゃんと見ておいてよ」
絵里「わかったわ」
海未「では、私もそろそろ失礼しますね」
絵里「海未も?」
海未「これからトレーニングをしないといけませんので」
絵里「海未は真面目ね」
海未「よく食べてよく動いてよく寝る!これが私の健康法ですから」
絵里「無理はしないでね」
海未「はい」
希「二人共またねー」
真姫「じゃあね」
海未「それでは失礼します」 希「.........」ジー
絵里「ん?なぁに?希?」
希「こうやってカウンターごしに料理をしてるエリチを独り占めしてうちだけが見てるなんて本当に自分がラッキーガールだなーって思ってね」
絵里「なによそれ、お世辞を言ってもつけは減らさないからね」
希「...っち」
絵里「せめてもう少しは隠しなさいよ」
希「でもお世辞は言ってないよーうちは」
絵里「舌打ちしておいてよく言うわよ」
希「本当だよ、うちはエリチのことが」
絵里「はいはい、ほらエリチカ特性のボルシチよ、これ食べていいから少しは落ち着きなさい」スッ
希「....はーい」
絵里「あとは...えっと....」ゴソゴソ
希「それは本当なんだけどなぁ....」ボソッ 希「はぁ...美味しかった♪」
絵里「そう笑顔で言ってもらえるとこっちも作った甲斐があるわ」
希「エリチいいお嫁さんになるよ」
絵里「ありがとう、でもお金はまけないわよ?」
希「いやー...こんな料理を毎日食べられたら幸せだなーって...」チラッ
絵里「いつでも私はお客様のご来店をお待ちしてますよ」ニコッ
希「むー!そうやなくて」
絵里「じゃあなんなのかしら?」
希「え?えっと...それは...」
絵里「んー?」
希「エリチ...もしかしてわざとやってる?」
絵里「さぁ?どうかしら?」 希「もう、意地悪なんやから」
絵里「それで今日は?」
希「はぁ...特には異常はないかな?」
絵里「そう」
希「平和そのものやね、いいことだよ」
絵里「でも気を抜いちゃいけないわ、いつ何が起こるからわからないから」
希「ねえ、エリチ」
絵里「なに?」
希「どうしてエリチはそこまでしてこの街の為に頑張ろうとするの?」
絵里「それは....」
希「それは?」
絵里「この街がとっても大切で大好きだからよ」 希「それは何度も聞いたよ」
絵里「なら何度も聞かなければいいじゃない」
希「あーあ、うちのこともそれくらい思ってくれればええのに」
絵里「思ってるわよ」
希「!本当!?」
絵里「この街に住む人は皆、大切だから」
希「あ...そっか...皆...皆、大切だよね....」
絵里「そういうことよ」
希「そうだよね...わかってた」シュン
絵里「.........」スッ
希「皆....うちも皆.....」ブツブツ
絵里「なーんてね♪」ギュッ
希「!!!」 絵里「特別って言ったら...希には意地悪だけど...ちゃんと特別に大切に思ってるわ」
希「な、なら!......」
絵里「私が私自身をちゃんと一人前だって思えるようになるまで待ってくれるなら私も...希の気持ちに答えることができるかもしれないわ」
希「待つよ」
絵里「...いつになるかもわからないわよ、それにその思いに答えらえるかもわからないわよ」
希「ならエリチの隣でエリチをずっと支えて隣で待ってるから」
絵里「....え?ストーカー?」
希「...本気で怒るよ?」
絵里「ごめん、ごめん」
希「もう....惚れた方が負けって言うんは本当のことなんやね、実感するわほんま」 絵里「いつもありがとね、希」
希「本当にそう思ってくれてるん?」
絵里「思ってるわよ?」
希「ならちゃんと態度で示してよ、このままじゃうちのハートはブレイクしたままだよ」
絵里「えー」
希「ほら!そうやってまた冷たい、寒いのはエリチの祖国だけにしといてよ」
絵里「軽口言えるくらいは元気があるじゃない」
希「むー!」
絵里「はぁ...わかったわよ」
希「....溜息つかないでよ!!泣くよ?本当に」
絵里「わかったら泣かないで」 希「.........」ムスッ
絵里「..........」ジッ
希「.........」
絵里「..........」スッ
希「!!!!!!!!」
絵里「あんまり怖い顔をばっかりしてるとチュウしちゃうわよ?」
希「っ...し、してるやん!」
絵里「ほっぺにね?」
希「っ〜!!!」
絵里「あらあら、真っ赤になっちゃって可愛いわね」 希「.....ほ...」プルプル
絵里「ほ?」
希「エリチのあほー!!!」ダッ
絵里「!」
タッタッタッ!カラン!カラン!!
絵里「またのお越しをお待ちしてまーす♪なんてね?」
真姫「やっと、家に着いたわ...さすがに体が重くなってきたわね」
ガチャ
真姫「....ふわぁ...本格的に眠いわ...」
〜♪
真姫「ん?パパからメール?......!!!!!」 ことり「んー....暇だなぁ...」
花陽「なら、その書類を処理してください!」
ことり「かよちゃんやっておいてー」
花陽「それは市長のお仕事です!」
ことり「うーん....」
花陽「働いてください!」
ことり「今日は気分が乗らないんです」
花陽「それじゃあ、市民の皆が困っちゃいますよ!」
ことり「かよちゃん...手強いなぁ...」
花陽「お仕事ですから」
ことり「...おやすみなさい」
花陽「どこから枕を出したんですか!寝ないでください!!」 コンコン
ことり「!」
花陽「?面会の予定はないはずですが....どうぞ」
「失礼します」
ことり「...この声は!」
ガチャ
海未「.........」
ことり「海未ちゃん!!」
花陽「ことりちゃんテンション変わりすぎだよぉ...」
ことり「今は市長だよ、かよちゃん」
海未「ちょっとお時間をいただいてもいいですか?」
ことり「いいよーいいよー、今ちょうど暇だったから」
花陽「市長....」 ことり「今日は何の用?」
海未「今日は実は非番だったんです」
花陽「え?非番なのに制服を着てるんですか?」
海未「この格好のがここに来るに色々と楽なので...それに緊急の案件で署に寄って来たのでついでに着替えてきた感じです、もちろん許可もちゃんと取ってます」
ことり「いいよーいいよー海未ちゃん制服姿カッコよくて好きだもん」
花陽「市長の趣味は聞いてません」
ことり「ねぇー海未ちゃん、この秘書さん手厳しいよぉ」
海未「花陽、いつもことりをありがとうございます」
花陽「いえ、お仕事ですから」
ことり「海未ちゃんことりの味方じゃないの?」
海未「私は市民の味方ですので」 花陽「それで今日はなんの用?海未ちゃん」
海未「はい、少しことりにご相談事がありまして」
ことり「相談?」
海未「はい、来月に開催されるイベントの件についてです」
ことり「イベント?色々あったと思うけど...なんのイベントかな?」
海未「私も先ほど聞いたばかりなのでことりの方に情報が回ってるかわからないのですが」スッ
ことり「これって....真姫ちゃんのところ?」
海未「はい、今度真姫の病院でイベントが行われることが決まったそうです」
花陽「病院で?」
海未「はい、慰問という形ですがね」
ことり「そのイベントがどうかしたの?」
海未「そのイベントの予定ゲストを見てください」
花陽「あ」
ことり「成程ね」 花陽「にこちゃんまたイベントやるんだ」
海未「お知り合いなんですか?」
花陽「うん、まぁ...一応」
ことり「で?海未ちゃんはなんでこのイベントで相談事があるのかな?」
海未「色々と問題点があるので私達が動くとになるかもしれません」
ことり「問題点?」
海未「実は...これは本当は言ってはいけないんですが矢澤さん宛に脅迫文が届いていてですね」
花陽「脅迫文...」
海未「このご時世ですその人に非が全く無くてもこのようなことが起きてしまうことがあるのです」
ことり「それでことりにどうしろって?これを中止にすればいいの?」 海未「たしかに中止も一つの手ではありますが」
ことり「いいよ、ことりは嫌われるのには慣れてるから」
花陽「ことりちゃん....」
ことり「今は市長だよ、かよちゃん」
海未「.........」
ことり「権力や名声とかがある立場の人達は人に嫌われたり妬まれたりするからね...特に親の七光りで市長になったって言われてることりなんかは特にね」
海未「ことりは今まで頑張っきました、それは私が自信を持って胸を張って言えます」
ことり「そうかな?」
海未「はい、まぁ...エンジンがかかるまでの時間が長いのは玉に瑕ですが」
ことり「だってプレッシャーが....」
海未「辛い時は私を頼ってください、力にはなれるかはわかりませんが」
ことり「海未ちゃん....」
海未「私はことりの味方でもありますから」 ことり「もう...海未ちゃんはずるいんだから」
海未「え?」
ことり「そんなまっすぐな目でお願いされたら断れないじゃん」
海未「ふふふ...昔は散々ことりにそうされましたらね、お返しです」
ことり「......かよちゃん」
花陽「はい」
ことり「凛ちゃんにまたお願いできる?」
花陽「わかりました....依頼してみます」
ことり「うん、お願い」
海未「ありがとうございます、二人共」 花陽「もう絵里ちゃん達には話したの?」
海未「まだです、絵里には話そうと思ってます」
ことり「?真姫ちゃんには話さないの?」
海未「えぇ、話すか話さないのかは絵里と相談します」
花陽「真姫ちゃんの病院だからってこと?」
海未「それもありますが....」
ことり「?」
海未「ちょっと色々とありましてね、真姫にはくれぐれも内密にお願いします」
花陽「海未ちゃんがそう言うなら...わかりました」
ことり「うん、わかった」
海未「さてと...どうしたもんですかね」 カランカラン
海未「.......」
真姫「!海未...」
海未「真姫、どうしたんですか?こんな時間に絵里の店にいるなんて」
真姫「まぁ、ちょっとね」
海未「...もしかして飲んでますか?」
真姫「ちょっとよちょっと、たまにはいいじゃない」
海未「まぁ...私は別に構いませんが」
真姫「〜♪」
海未(随分とご機嫌なようですね) 絵里「あら、海未」
海未「私も注文いいですか?」
絵里「今日はなににする?」
海未「うーん...今日はクラブサンドでお願いします」
絵里「OK♪」
海未「..........」
真姫「ねぇ、海未」
海未「なんですか?真姫」
真姫「いいことがあったの!聞いてくれる?」
海未「はい?なにかあったんですか?」
真姫「ふふふ...にこちゃんがうちの病院にまた来てくれるの」 海未「にこちゃん...あぁ、矢澤さんですね」
真姫「そうそう」
海未「また慰問とかですか?」
真姫「うん、うちの小児科の子供達がファンレターをいっぱい送ってくれたみたいでね...それがきっかけでまた来てくれるみたいなの」
海未「子供達のファンレターに答えてくれるなんて優しい方ですね」
真姫「えぇ...おかげで手術を嫌がってた子達も来てくれたら受けるって言ってくれてこっちは大助かりよ」
海未「すごいですね...アイドルの力って」
真姫「そうね...私じゃ全然敵わないわ、手術の件は本当に助かったわ」
海未「真姫....」
真姫「私が医者としては腕があったとしても人を笑顔や勇気を与える力はまだまだだから....」
海未「.........」
真姫「まぁ、笑顔のアイドルみたいなんて私のキャラらしくないものね」 海未「そんなことはないですよ?」
真姫「え?」
海未「たしかに真姫は不器用であまのじゃくでプライドも高いです」
真姫「...なに?馬鹿にしてるの?」
海未「しかし誰よりも努力をしていて弱音も吐かず誰にも頼らずこうして頑張っているじゃないですか」
真姫「...それは医者として当然のことよ」
海未「私はそう思いません、だからすごいと思ってます」
真姫「...........」
海未「それに....」
真姫「?それに?」
海未「真姫の笑顔だって可愛いですよ?」
真姫「!?」 海未「いつも不機嫌そうな顔をしないで笑っていればいいなと思うくらいですよ?」
真姫「っ.....」
海未「矢澤さんとは違いますが、真姫の笑顔だっていいと私は思いますけどね」
真姫「....海未」
海未「患者さん達にちゃんと笑顔で接していますか?真姫の笑顔なら皆きっと元気になれますよ」
真姫「海未!」
海未「?はい?」
真姫「っ....わかったから」
海未「?なにがですか?」
真姫「っ....だから...その!」
絵里「なーに口説いてるのよ海未」
真姫「!」 海未「口説く?私はただ真姫と」
絵里「無自覚なの?これは驚いたわ」
真姫「っ....エリー!!」
絵里「なにかしら?」
真姫「ワイン追加!」
絵里「いいの?飲みすぎじゃない?顔も真っ赤だし」
真姫「いいの!!」
絵里「はいはい...全く責任を取りなさいよー海未」
海未「え?」
真姫「..........」
海未「??」 真姫「うみの.....ばかぁ.....」
絵里「あーあ...酔いつぶれちゃった」
海未「.........」モグモグ
絵里「海未、ちゃんと真姫を家まで送るのよ」
海未「え?私がですか?」
絵里「そうよ、当然でしょ」
海未「当然?まぁ...構いませんが...」
絵里「天然なのも程々にしておきなさいよ?あとで怖いわよ?」
海未「?なんのことですか?」
絵里「...いつかそれがわかる時が来るかもね」
海未「??」 真姫「んー.......」
海未「真姫、帰りますよ」
真姫「うーん......」
絵里「これは結構酔ってるみたいね」
海未「仕方ないですね....よっと」
スッ
海未「タクシーまで運ぶしかないみたいですね」
絵里(さらっとお姫様だっこするなんて海未って本当に....)
海未「絵里、ご迷惑をおかけしました」
絵里「真姫をよろしくね」
海未「はい」
絵里「じゃあ、またね」
海未「はい、それではまた」 絵里「さてと...今日はそろそろ店じまいにしようかしら?」
「にゃー」
絵里「!.....」スッ
シーン......
絵里「...気のせい?」キョロキョロ
「こんばんわ、絵里ちゃん」
絵里「!!」ビクッ
「今日はもう遅いし、閉店かな?」
絵里「っ!!」クルッ
「........」
絵里「...凛、いつの間に私の背後に」
凛「........」 凛「それにしてもここはいつ来てもなんか落ち着くなー」
絵里「店のシャッターは閉めてきたわ...で?今日の本題は?」
凛「かよちんから依頼があったにゃ」
絵里「花陽から?...ってことはことりから?」
凛「うーん...その推理は間違ってないけど...正解まではあともう一歩かな?」
絵里「あと一歩?」
凛「正確には海未ちゃんから依頼があってね」
絵里「海未から?なんで海未が?」
凛「ちょっと色々あるみたいでね...これを見てほしいにゃ」スッ
絵里「....これは...」 凛「見てわかるようにこれは脅迫文にゃ」
絵里「しかもこれって...矢澤ってあのアイドルの?」
凛「そうそう、絵里ちゃん知ってるんだ」
絵里「真姫がちょっとお熱でね」
凛「あー....だから海未ちゃんはことりちゃんに頼んだのかな?」
絵里「かもね...海未も真姫に悟られない為にわざわざ回りくどい真似を」
凛「まぁ、この脅迫文が本当かどうかはまだわからないけどね」
絵里「ただの送り付けだけの愉快犯ならまだいいんだけどね」
凛「万が一ってことがあるから凛に依頼が来たって訳」
絵里「手伝ってくれるの?」
凛「かよちんの頼みだからね、断れないよ」
絵里「助かるわ」 凛「凛はそのイベントまでは基本的には単独で動くつもりだからよろしく」
絵里「了解」
凛「なにかあったらかよちんに連絡をして」
絵里「このまま真姫には黙っておくの?」
凛「海未ちゃんのこの感じだと凛は真姫ちゃんには黙っておくつもりだけど」
絵里「そうよね」
凛「真姫ちゃんが惚れこむなんてにこちゃんはすごいにゃ」
絵里「知り合いなの?矢澤さんと」
凛「まぁ、ちょっと昔ね」
絵里「へー....意外ね」
凛「じゃあ、またなにかあったら連絡よろしくねー」
絵里「わかったわ」 絵里「........」ペラッ
『慰問イベントを中止しろ、さもないと患者達の笑顔と平和は破壊されるだろう』
絵里「破壊ねぇ....私の街で皆の平和と笑顔と奪おうなんていい度胸をしてるじゃない」
絵里「できれば本当には中止にしたいけど...」
真姫『ふふふ...にこちゃんがうちの病院にまた来てくれるの』
絵里「笑顔って大事よね....いいわ、このエリーチカがこのイベントを必ず守って成功させてみせるわ!」 海未「さぁ、今日も一日お仕事頑張りますよ!」
「今日も精が出るねー、海未ちゃん」
海未「!その声は.....」
「ふふー」
海未「凛!...どうしてここに、それにその格好は」
凛「今日から応援で入ります、星空凛巡査です」
海未「応援?」
凛「はい、よろしくお願いします!園田巡査長!」
海未「成程...そういうことですか」
凛「〜♪」 海未「凛は私の部下という形でいいんでしょうか?」
凛「構わないよーここではね」
海未「...ここでは?」
凛「外ではまた違う肩書で会うかもしれないからね」
海未「相変わらず変幻自在ですね」
凛「まぁ、これもかよちんとことりちゃんのおかげなんだけどねー」
海未「ことり達には本当に頭が上がりませんね」
凛「そうだねー」
海未「貴方もですよ、いつもありがとうございます」
凛「!....どういたしまして!」 海未「..........」
凛「これが例の脅迫文?」
海未「そうです...しかも増えています」
凛「増えてる?」
海未「本人には伝えてはいませんが全て作りが同じような感じからして同じ人間が作っている可能性が高いでしょう」
凛「...じゃあ、にこちゃんはこのことを知らないって訳だね」
海未「マネージャーさんの配慮でしょう、本当に危険と判断すればイベントは中止になるでしょうし」
凛「無理だよ」
海未「はい?」
凛「にこちゃんの性格上、事情を話さずに中止なんて無理だよ」
海未「矢澤さんってもしかして...頑固だったりします?」
凛「すっごい頑固だよ」 海未「では...ちゃんと説明すれば納得をしてくれますか?」
凛「うん、納得はすると思う」
海未「...なんか引っかかる言い方ですね」
凛「多分、にこちゃんすっごい自分を責めると思うから、特に今回の件の場合だと」
海未「自分を責める?どうしてですか?」
凛「にこちゃんね...小さい頃にアイドルに勇気づけられてここまで来れたって言ってたことあったの」
海未「小さい頃ですか?」
凛「まぁ、それ以上は詳しくは聞いていないんだけどね...だから小さい子供のファンは特に昔の自分と重ねててすごく大事にしてるの」
海未「成程」
凛「だからそんな子達がイベントが中止になって悲しむ姿になんて絶対にしたくないと思うんだ」
海未「.......」
凛「しかも今回は元気がない病院の子達の慰問だからなおさらだよ」 凛「だから今回の件を話したらにこちゃんがまずいと思うの」
海未「まぁ、たしかにまずいですが...危険な場合は話さない訳には」
凛「元気がない人を元気にしたい!笑顔じゃない人を笑顔にしたい!って思ってるのにそれが中止になってその人達が悲しんだり元気がなくなったりしたらにこちゃんすごい自分を責めちゃうと思う...」
凛「でも、中止にしないで皆が傷つくのも絶対に嫌だろうし...それで最終的にはもうどうしていいかわからなくなっちゃうと思うんだ」
海未「しかし....」
凛「だからさ...凛達が守ってあげればいいんじゃないのかな?」
海未「!」
凛「その為に凛がここに送り込まれたんじゃないの?」
海未「凛...」
凛「絵里ちゃんもきっとそう言うと思うよ」
海未「............」 凛「だからさ...凛達だけじゃなくて皆で頑張ってみない?」
海未「皆ですか?」
凛「うん」
海未「皆とは...絵里ですか?」
凛「ねぇ、今日の夜は予定は空いてる?海未ちゃん」
海未「え?まぁ、空いてますが」
凛「じゃあ、今日はちょっと付き合ってもらってもいいかな?そこで詳しく話すから!」
海未「....わかりました」 海未「結局はここなんですね」
凛「いいじゃん、居心地いいし」
海未「まぁ、それは同意しますが」
凛「多分、皆待ってるから早く入ろう」
海未「はぁ....」
カランカラン
凛「お邪魔するにゃー」
花陽「凛ちゃん遅いよー」
ことり「あ、海未ちゃん!」
海未「ことり!?それに花陽!?」 希「うちもいるよー」
絵里「別に希は呼んでないのに」
希「ひどいよーそうやってうちを仲間外れにしようとするんだから」
絵里「はいはい」
希「もう...冷たいんだから...」
海未「これはまた勢ぞろいですね」
絵里「そうね...まずはご飯でも食べて英気でも養いましょうか?」
花陽「はい!!是非!お願いします!」
絵里「OK!任せて!」 海未「見事に真姫以外は集合ってことですね」
絵里「そうね」
ことり「絵里ちゃんのチョコレートケーキ美味しい♪」
花陽「ご飯もとっても美味しかったです!」
絵里「ありがとう、作った甲斐があったわ」
希「ねぇ、そろそろ本題に行こうよーこれじゃあただのパーティになっちゃってるよ」
絵里「あら、希にしては随分と真面目ね」
希「エリチうちに対する評価が低くない?なんなん?」
絵里「ごめんごめん」
希「............」ムスッ 海未「そろそろ気を取り直して話し合いをしましょうか...それでこれからどうするんですか?」
凛「凛の案としては警備を強化するしかないと凛は思うんだ、イベントをやるならの話だけどね」
絵里「イベント中止の方向は?それなら被害は起きないかもしれないわ」
花陽「イベントは中止になればなったらで犯人側が違うなにかしらのアクションを起こすかもしれません」
希「そうやね、病院...もしくはにこっち側に違う形でなにかをしてくると思うんよ、こういう輩は」
絵里「...イベントは中止をして意味がないと」
希「そうは言ってないよ、けど中止になったらなったで違う行動を起こしてきそうだと思わない?」
ことり「そうだね...むしろ標的や時間がはっきりしてる今回の方が現段階では対処がしやすいかもね」
海未「ならイベントはこのまま続行させるという形を取りますか?」
凛「凛はそっちのがいいと思う」
花陽「私もそう思います」 絵里「なら警備を強化するってこと?」
海未「やるのであればそうしたいですね」
凛「.........」チラッ
花陽「ことりちゃん、適当な理由をつけて警備を強化できない?」
ことり「適当な理由って...また無理なことを」
希「うちらが仮に警備に協力をするにしても頭数があまりにも場所に対して少なすぎるから人手は欲しいよね」
絵里「できれば真姫達には知られたくはしないし、上手い方法はないかしら....」
凛「うーん.....あ!」
海未「凛、なにか思いついたのですか?」
凛「いい手があるよ、目の前に」
絵里「目の前?」
凛「ね?ことりちゃん?」
ことり「え?」 絵里「なんで私が.....でも!これも使命ってやつよね!よし...今日から頑張るわよ!エリーチカ!」
コンコン
「はい、どーぞ」
絵里「失礼しまーす」
「.....あんたが臨時で入る新人のマネージャー?」
絵里「はい!」
にこ「私は矢澤にこよ、知ってるとは思うけどよろしくね」
絵里「はい!!エリーチカっていいます!至らないところもあるかもしれませんがよろしくお願いします!!」 にこ「エリーチカ?...それにその見た目はハーフ?」
絵里「いえ、私はクォーターです」
にこ「クォーター...成程ね...」ジロジロ
絵里「な、なんでしょうか?なにか変でしたか?私」
にこ「いえ、マネージャーにしておくにはもったいない容姿かなーって思っただけよ」
絵里「はぁ....ありがとうございます」
にこ「まぁ、にこの方が可愛いけどね♪」
絵里「あはは...」
花陽「絵里ちゃん大丈夫かなー?」
ことり「絵里ちゃんならなんとかなるよ、きっと」 『CLOSED』
真姫「あら、お休み?せっかく来たのに...」
海未「真姫」
真姫「!海未」
海未「どうしたんですか?絵里の店の前で」
真姫「エリーの店が閉まってるのよ」
海未「え?そうなんですか?私も絵里の店に来たんですが...」
真姫「全く...お互いにタイミングが悪いみたいね」
海未「そうみたいですね」
真姫「エリーの店は本当にきまぐれな営業スタイルなんだから」
海未「あはは...そうですね」 絵里「........」テキパキ
にこ「ねぇ」
絵里「はい?なんですか?」
にこ「あんたって本当に新人?」
絵里「そうですけど?」
にこ「それにしては手際がいいっていうか手慣れた感じが...」
絵里「そんなことはないですよ?まぁ、少しは勉強しましたけど」
にこ「勉強?」
絵里「はい、このノートを読んで勉強しました」スッ
にこ「ねぇ、そのノートちょっと見ていい?」
絵里「ちょっと見られるのは恥ずかしいんですけど...」
にこ「いいじゃない?ね?」
絵里「わかりました....」 にこ「な、なによこれ....」
絵里「??」
にこ(今の現任のマネージャーの簡単な説明に対してすごい色々と書き込んでる...すごい細かいところまで)
にこ「......」チラッ
絵里「........」
にこ(あのマネージャー何者?...前にどんな経歴を持ってるのよ)
にこ「ありがとう、返すわ」スッ
絵里「はい」
にこ(人の過去を詮索するのもあれよね、しかも今日来たばっかの人間だし....)
にこ(まぁ...とりあえずは有能な新人マネージャーが来たって思っておきますか) 絵里「ふぅ...慣れない仕事は疲れるわね」
凛「えーりちゃん」
絵里「!凛」
凛「どうだった?上手くできた?」
絵里「まぁ、なんとかこなせたって感じかしら?」
凛「にこちゃんはどうだった?」
絵里「うーん...まぁ、私が見た感じでは可愛いけどそれだけじゃないってところかしら?」
凛「そっかそっか」
絵里「ことりの方はどうなのよ」
凛「なんとかなりそうだよ、真姫ちゃんにも話したのかな?」
絵里「そうみたいね...矢澤さんも市長まで来るなんて珍しいって言っていたわ」 真姫「そうだ、海未は聞いた?」
海未「なにがですか?」
真姫「うちの今度のイベントにことりも来るそうよ」
海未「!成程...そういうことですか」
真姫「そういうこと?」
海未「いえ、真姫のイベントの警備をするようにという話が署でありましてね...イベントの警備なんて珍しいですからちょっと気になっていたので」
真姫「じゃあ、海未も来るの?」
海未「仕事でですがね」
真姫「ふーん...海未も大変ね」
海未「仕事ですから仕方ありませんよ」 『CLOSED』
絵里「...しばらくはお店の方は休業ね....」
カチャ...カランカラン
絵里「っ...えっと...電気、電気」
パチッ
希「お帰り、エリチ」
絵里「!!」ビクッ
希「ご飯作っておいたよ」
絵里「び、びっくりした....というかどうやって入ったのよ!希!!」
希「お疲れなエリチの為にご飯を作っておいたんよ」
絵里「答えになってないわよ」
希「まぁまぁ、気にしない気にしないー」
絵里「電気もつけないで待ってるなんて私を驚かす満々だったんでしょ?」
希「そういうのは後でいいからいいからーまずはご飯にしよ?」 希「じゃーん!」
絵里「あら...意外と凝ってるわね」
希「えへへ...これでも結構頑張ったんだよ」
絵里「ふーん....」チラッ
希「.......」
絵里「ありがとう、ありがたくいただくわ」
希「どうぞ召し上がれ♪」
絵里「美味しかったわ、ありがとう希」
希「エリチの口に合ってよかった」
絵里「これなら私の不在の時とかにお店をやってもらおうかしら?」
希「残念、うちはエリチ限定のお店なので」
絵里「あら残念ね」 希「どうだった?にこっちは」
絵里「今日は顔合わせだったけど芯が強そうな感じだったわ」
希「そうやね、たしかに頑固だからねーにこっちは」
絵里「前にもにこっちって呼んでたけど貴方、知り合いなの?」
希「こう見えてもうちはこの街の探偵だから顔は広いんよ、にこっちとはちょっと縁があってね」
絵里「ふーん...」
希「あ、大丈夫だよ!うちはエリチ一筋だから!」
絵里「はいはい」 希「今日は手紙来てたん?」
絵里「来てたわ...内容は相変わらず同じでね」
希「そっか...」
絵里「事前に相手の身柄を確保できればいいんだけど...消印の判子の地域も毎回バラバラ...指紋も前科がある人間とは照合されるものもなかったみたいだし」
希「そもそも犯人の指紋自体がついてるかも怪しいよね」
絵里「そうね、バラバラの場所で投函してるくらいだからね」
希「どうするん?エリチ」
絵里「どうするもなにも全てを守って全てを成功させる...ただそれだけよ」
希「エリチ、無理はないでね」
絵里「無理をしなければ達成できないこともあるわ、だからそれは約束できないわ」
希「わかった...うちも微力ながらも手伝うからうちにも協力させてね」
絵里「もちろんよ、ありがとね希」 ことり「どう?かよちゃん」
花陽「海未ちゃんとのすり合わせで警備はなんとか上手くはいきそうかな?」
ことり「さすがことりの自慢の秘書さんだね!」
花陽「でも百パーセント安全とは言えません、だからことりちゃんにも安心してって言いたいけど...言えないかも」
ことり「そっか...でもこの世界には百パーセントっていうものはないから仕方ないよ」
花陽「......」
ことり「だからことりは安心はするけど油断はしないから...ね?」
花陽「ことりちゃん....」
ことり「ことりも自分の身は自分で頑張るから!かよちゃんは皆のことと自分のことだけを心配してて大丈夫だから!」
花陽「頼もしいね、ことりちゃんは」
ことり「こう見えても市長ですから、ことりは!」
花陽「...そうだね」
ことり「えっへん」 真姫「〜♪」
絵里「随分とご機嫌みたいね、真姫」
真姫「そうかしら?」
海未「なにかいいことでもあったんですか?」
真姫「別にないわよ」
絵里「...あ、そっか!明日は例のイベントだったわね」
真姫「えぇ、明日はにこちゃんが来るわ」
海未「私は仕事で行きますけどね」
真姫「警備なんて大げさな気もするけどね」
海未「一応、市長も来ますからね、仕方ありませんよ」
真姫「...ことりだから志願したとかじゃないわよね?」
海未「むしろ向こうから指名された感じです」
絵里「...海未も大変ね」 真姫「エリーも来る?一般の人は基本的には入れないけど、私の知り合いなら入れるけど」
絵里「その日はちょっと用事があってね...うーん」
真姫「そうなの?」
絵里「でも行けるかもしれないから行けたら連絡するわ、その時はお願いできるかしら?」
真姫「わかったわ」
海未「私も気合を入れて警備をしますよ」
絵里「海未も程々にね」
真姫「...そんなに張り切る必要はあるかしら?」
海未「いつでも私は仕事に真剣ですから」 凛「配置は...こんなもんかな?」
「精が出るね」
凛「!」ビクッ
希「こんばんわ、凛ちゃん」
凛「希ちゃん...どうしてここに」
希「いよいよ明日だからね、うちも手伝おうかなーって思ってね」
凛「ありがとう、でも準備はある程度終わったから」
希「そっか」
凛「...ねぇ、希ちゃんはなんでそんなに頑張るの?凛みたいに依頼をされた訳でもないのに」
希「それはうちがそうしたいからしてるだけだよ」
凛「ふーん...ようは絵里ちゃんってことか」
希「.........」 希「もう、凛ちゃんには敵わないなぁ」
凛「凛じゃなくてもわかるよ、皆ね」
希「はぁ...たしかにうちはエリチのことが好き、だからエリチがしたいことには可能な限り全力で協力をしたいって思ってる」
凛「お熱いことで」
希「そんなんやないよ、うちの片思いなだけやから」
凛「そうなの?」
希「エリチの目にはうちは映ってない...映ってるのはこの街、この街に住む人々達だから」
凛「それなら希ちゃんも含まれてるじゃん」
希「そうやね、でも特別じゃない...うちはその中のただの一人すぎない」
凛「......」
希「だからうちはエリチを支えるだけ...エリチの隣にいられればうちはそれだけで幸せ...」
凛「希ちゃん....」 希「はい!うちの話はもうおしまい!今は明日のことだけを考えよう?」
凛「....そうだね!」
希「明日は凛ちゃんはどうするの?」
凛「今設置したカメラで館内や館内の周辺をモニターするつもりだよ」
希「ふむふむ」
凛「それでなにかあれば海未ちゃんやかよちん達に連絡をするつもりだよ」
希「成程成程」
凛「監視は凛に任せておいて、希ちゃんも明日はよろしくね!」
希「OK、明日は頑張ろう!」
凛 希「おー」 にこ「今日はあのマネージャーは休みなの?」
「えぇ、そもそも臨時みたいなもんだったからねあの子は」
にこ「ふーん...また来るの?」
「どうかしら?向こうの状況次第ってところかしら?」
にこ「そっか」
「気になるの?」
にこ「臨時しては筋がよかったからね...まぁ、この業界も入れ替わりが激しいから仕方ないか」
「今日は予定通り病院でイベントだからね」
にこ「OK、あの病院ね...よし!患者さん達もにこのパワーで笑顔にしてみせるわよー」
「.............」 海未「..........」チラッ
海未(そろそろ時間ですね)
海未「凛...そっちはどうですか?」ボソッ
凛『今のところは異常なしだよ』
海未「なにかあったらすぐに連絡を」
凛『了解』
海未「...........」
花陽「こっちも特には異常はないよ」
海未『なにかあればすぐに連絡をしてください、私か凛がすぐに行きますので』
花陽「わかった」
海未『そういえば...希を見ましたか?』
花陽「ことりちゃんと私は会ってないよ」
海未『全く...希はどこに行ったんですか』 「相変わらず変な変装をするんだから」
にこ「にこの可愛さを隠すにはこれくらいの格好をしないとだめなの」
「はいはい....そうですか」
絵里「........」
にこ「!あれは....」
にこ「あんたここに通院でもしてたの?」
絵里「!え?」
にこ「.........」
絵里「ど、どちら様ですか?」
にこ「あー...私よ私」スッ
絵里「え!やざ」
にこ「しー....騒ぎになるから名前で呼ばないで」
絵里「あ、は、はい...」
にこ「ちょっと向こうに行きましょうか」 にこ「病気でも患わってるの?あんた」
絵里「いえ、ここに知り合いがいるのでたまたま今日はここに来ただけです」
にこ「成程ね、お見舞いってこと?」
絵里「いえ、お見舞いではなく差し入れを持ってきた感じです」
にこ「差し入れ?...ってことは仕事?あんた看護師さんの知り合いがいるってこと?」
絵里「まぁ、そんな感じです」
にこ「ふーん....」
絵里「........」
にこ「まぁいいわ、ここであったのもなんか縁だしちょっと付き合ってもらってもいいかしら?」
絵里「え?」
にこ「時間があるならにこにーの特別ワールドへご招待してあげる」 凛「上手く絵里ちゃんはにこちゃんに合流できたみたいだね」
海未『これで矢澤さんの護衛は一応ついたってことですね』
凛「そうだね」
海未『あとは真姫に見つからなければいいんですが』
凛「今のところは真姫ちゃんは業務中だね、問題はなさそう」
海未『このまま何事も起きなければ一番いいんですがね』
ことり「たまには外回りってのもいいよねー」
花陽「ことりちゃん呑気すぎない?危ないかもしれないんだよ」
ことり「海未ちゃんや皆がいるから全然怖くないんだよねー」
花陽「信頼するはいいけど油断はしないでね」
ことり「わかってるって」 にこ「さぁ!皆ー!ご一緒にー?」
「「にっこにっこにー!!」」
にこ「大銀河宇宙ー?」
「「ナンバーワン!!」」
にこ「さぁ!盛り上がっていくわよー!」
花陽「さすがにこちゃんだね、もう会場の人たちの心を掴んでるね」
ことり「皆楽しそうだねー」
絵里「.........」
絵里(これが...アイドル矢澤にこ...こうやってアイドルをしてる姿を生で見るのはそういえば初めてね)
\ワー!!/
海未「!始まったみたいですね」 凛「..........」ジッ
海未『正面の入り口は異常なしです』
花陽『会場の方も異常はないかな?』
ことり『にこちゃん可愛いねー』
絵里『..........』
凛「このまま無事に終わってくれればいいんだけど....」
にこ『いえーい!!』
凛「にこちゃんノリノリにゃ」
真姫「ふぅ...やっと一休みできそうだわ」
真姫「まだ時間的に多分終わってないわよね...ちょっと見に行こうっと」
凛『!真姫ちゃんがそっちに向かい始めたにゃ』
絵里『...了解』 にこ「ふぅ...」
にこ(あれ?エリーチカがいつの間にかいなくなってる?もう、せっかくにこのステージを見せてあげてるのに)
「にこにー!!」
にこ「はーい♡」
にこ(まぁ、いっか...そもそも今日はここの人達に笑顔を届けに来たんだからね)
真姫「...なんとか間に合ったみたいね」
ことり「あ、真姫ちゃん」
真姫「!ことり」
ことり「真姫ちゃんも見に来たの?にこちゃんを」
真姫「ち、違うわよ!私は患者さん達が楽しんでくれてるかなって思って」
ことり「ふふ...そっか」クスクス
真姫「な、なによ......」
ことり「真姫ちゃんはにこちゃんが好きって聞いてたから見に来たのかなーってことりは思っちゃったよ」
真姫「っ......」 花陽「真姫ちゃんお疲れ」
真姫「花陽もお疲れ、大変ね付き添いなんて」
花陽「これもお仕事だから、それに真姫ちゃんのが大変なお仕事をしてるよ」
ことり「むっ...それはことりの付き添いが大変だって言ってるのかなー?」
真姫「さぁね?」
ことり「むむ.........」
花陽「それにしてもにこちゃんはすごいよね、小さな子から大人まで皆を笑顔にしてるよ」
真姫「...そうね、本当に憧れちゃうわ」
ことり「憧れる?」
真姫「!た、だだ!す、すごいなって意味よ!」
ことり「ふーん....」 凛「イベントはなんとか無事に終わったね」
絵里『とりあえずは一安心ってところかしら』
海未『最後まで油断は禁物です、イベント後に狙ってくる可能性もあります』
凛「........!」
海未『凛?』
凛「海未ちゃん!絵里ちゃん!皆!!動きがおかしい人がいる!!」
ことり『え!?どこに!?』
凛「今、階段を降りてる!西側の2階の廊下!」
絵里『!向かうわ!』
海未『凛、その人の格好は!!特徴は!!』
凛「えっと.....」
ブチッ!!
凛「なっ!!映像が!!」 海未「凛!!どうしたんですか!!」
凛『カメラの画面が一斉に消えちゃった!!』
海未「消えた!?」
絵里『凛!その人の特徴だけでも!』
凛『えっと.....と、く、う』ザザッ
絵里『凛!よく聞こ、いわ』
海未「これは...電波が急に....」
凛『なにか、殊なで...ぱ』
海未「っ...やってくれましたね」 『矢澤にこ様控え室』
「............」スッ
「その部屋にはにこっちはおらんよ」
「!」
希「..........」
「...........」
希「なんでにこっちやこの病院を狙ってるかは知らないけど...こっちだってそう簡単にはやらせないよ」
希「そもそも病院がそんな控え室なんて張り紙をするはずないやん?」
「..........」
希「それにしても白衣まで用意するなんて用意周到だね...でも....」
真姫「........」
希「委員長の娘には効かなかったみたいだね」 真姫「全く...エリーも海未達も私に気をつかいすぎなのよ」
希「うちらがここにいる訳ってことは...ね?」
真姫「覚悟はできてるわよね?」
「..........」ダッ
希「逃げた!!」
真姫「そう大人しくはしてくれないみたいね」
タッタッタッ
希「真姫ちゃん!この辺には一般の人はいないよね?」
真姫「人払い済み」
希「真姫ちゃん追うよ!」
真姫「......」スッ
希「真姫ちゃんなにしてるん?急がないと危ないよ!」
真姫「....もしもしエリー?」 「っ....ここもシャッターが」
タッタッタッタッ
「あれは外!?よし!!」ダッ
「ここは裏口?」
絵里「待ってたわよ」
「!」
海未「..........」
「!警察....」
海未「大人しく捕まるというのであれば...痛い思いをしないで済みますよ」
「!!」ダッ
海未「....忠告は無視ですか...ならば容赦はしません....」 「!」スッ
絵里「あいつ刃物を隠し持って!」
海未「.........」
「やあああああ!!!」
海未「!」ガッ
「なっ!」カラン!
海未「でやあああああああああ!!」ブン!!!
「がっ!!」ドン!
絵里「ひゅー...見事な一本背負い」
「ぐっ...この!!」
海未「.........」 絵里「相手さん意外とタフね...海未に思いっきり投げ飛ばされてもすぐに立ち上がってくるなんて」
希「エリチ!」
絵里「!希...成程、いないと思ったら貴方が真姫に」
希「違う!違う!!うちは真姫ちゃんに呼ばれて」
真姫「ふぅ...もう少し体力はつけた方がいいかもね」
絵里「真姫」
真姫「私を騙そうなんて百年早いわよ、エリー」
絵里「あら、これは最初からバレていたってことかしら?」
真姫「運動能力では貴方達二人には勝てないけど頭脳だけは負ける自信はないわ」
絵里「...恐れ入りました」
海未「はぁ!!!!」
ドン!!
凛「うわぁ...痛そう...」
真姫「凛、貴方もいたのね」
凛「今日は海未ちゃんの部下なのにゃ」 海未「確保!!!」
「ぐっ!!」
凛「えっと...16時35分逮捕にゃ!!」カチャ
海未「凛、罪状をちゃんと言ってからやりなさい」
凛「じゃあ、えっと...銃刀法違反の現行犯で逮捕にゃ!」
「........」
絵里「とりあえずはこれで一件落着かしら?」
希「そうやね...この人以外は誰もいなかったみたいだし」
真姫「まぁ...仮に仲間がいたとしてもゆっくりと尋問をすれば吐くでしょ?...ね?」
「!」ゾクッ
凛「うわっ....」
絵里「あれは相当怒ってるわね」
真姫「.........」 海未「真姫、取り調べは私がやっておきます」
凛「ほら!立つにゃ!」
「っ....」
海未「後でちゃんと話した内容は共有します、ここからは私に任せてください」
真姫「海未」
海未「その為に私はこの仕事をしているのです、大丈夫です!ちゃんとルールに則って絶対に吐かせますので何があっても」
絵里「...さらっと怖いことを言うわね」
海未「それではまた後で」
凛「ほら!!ちゃんと歩く!!」
「...........」 真姫「さてと...あとはにこちゃんの帰宅の安全の確保ね」
絵里「そういえば矢澤さんはどこに?」
希「うちらが用意した別室で待機中、安全性は真姫ちゃんの保証付き」
真姫「にこちゃんが無事に家に帰るまではまだ安心できないわ」
絵里「さすが真姫、勝って兜のなんとやらね」
希「なんか微妙に違うような....」
真姫「ほら行くわよ!二人共」
絵里「今日はまだまだ色々と終わりそうにないわね」
希「そうやね」 数日後
絵里「それにしてもこの間は真姫に助けられたわね」
真姫「今度からは隠し事はなしよ、しから絶対に許さないから」
絵里「わかった、わかった」
希「.......」ズルズル
真姫「...ここって一応、喫茶店よね」
絵里「えぇ」
真姫「なんで希はうどんを食べてるのよ」
絵里「あーそれはリクエストでね」
真姫「なんでもありなのね本当に」
希「美味しいよ、エリチのおうどんさん」
真姫「それはよかったわね」 花陽「お邪魔しまーす」
ことり「チーズケーキをホールでお願いしまーす」
真姫「開幕からすごいのを注文するわね、二人共」
ことり「え?二人?」
真姫「二人で食べるんでしょ?ケーキ」
ことり「ことりが食べるんだよ?」
真姫「え」
花陽「絵里ちゃん、いつものをお願い」
絵里「はいはい、2個でいいの?」
花陽「はい」
真姫「いつもの?」 絵里「はい」スッ
ドン!
真姫「でかっ!!おにぎりよね?これ」
絵里「そうよ、花陽スペシャルおにぎり」
真姫「もはやボールね...この大きさになると」
絵里「はい、お味噌汁と漬物」
花陽「ありがとう!」
真姫「この二人大食いだったの?...そんな見た目をしてないのに」
ことり「大食いって程じゃないよねー?かよちゃん」
花陽「はい、いつも通りです」
真姫「???私が小食ってことなの?これが普通なの?」
絵里「まぁ、真姫は小食だけどこの二人は普通じゃないわ」 花陽「そういえば、凛ちゃんから報告がありました」
ことり「この間の犯人は単独班で大金を積まれて犯行に及んだらしいよ」
真姫「大金?」
花陽「うん、ネットでそういうサイトがあるみたいでそこで依頼を受けたんだって」
ことり「それで調べようとしたらそのサイトはもう閉鎖されてたんだって...無線やカメラの妨害電波を出すなんて本格的だったよねー相手方も」
絵里「結局依頼主まではつかめなかったわけね」
ことり「うん、だから海未ちゃんは再発防止の為にサイバーパトロールを強化するって」
真姫「あれ?海未ってそういうの苦手じゃなかったっけ」
ことり「だから凛ちゃんが補佐してるんだって」
絵里「....凛も大変ね」 花陽「にこちゃん側には今のところは異常はないみたい」
ことり「脅迫文とかストーカー的なものもないって」
絵里「その監視は誰がやってるの?」
花陽「凛ちゃん」
絵里「凛を酷使しすぎじゃない!?大丈夫なの?」
希「あーそれはうちも手伝ってるから」
絵里「!そうなの?」
希「うん、凛ちゃんとうちの二名体制やね」
真姫「なら私も手伝うわ、にこちゃんのファンだし...お世話になってるし」
絵里「そう言って矢澤さんとお近づきになりたいだけじゃないの?」
真姫「そ、そんなんじゃないわよ!!」
絵里「ふーん」 真姫「っ...ならこう条件をつけるわ!にこちゃんの前には基本的に姿を見せない!緊急時以外には話しかるのもしない!」
真姫「それと名前や身分も隠すわ!これなら文句はないでしょ!!」
希「真姫ちゃんえらく気合が入ってるね」
真姫「当たり前よ!!私の病院の患者さん達に笑顔と勇気をくれた恩人なのよ!これくらい当然よ!」
花陽「真姫ちゃん....」
ことり「やるのはいいけどー程々にねー騒動をもみ消すのにも限度はあるからね」
真姫「...わかったわ」
絵里「私はもうマネージャーをする必要はないわよね?」
花陽「監視がつくのであれば問題ないと思うよ、絵里ちゃんまでついちゃうと逆に目立っちゃうかもしれないし」
絵里「じゃあ、よろしくね真姫」
真姫「エリーに言われなくてもわかってるわよ」
絵里「あら手厳しいわね」 真姫「そうと決まったら希、凛と合流をして役割配分を決めるわよ」ガシッ
希「へ?」
真姫「私達は先に失礼するわ、ご馳走様でした」
希「え、ちょっ!うち!まだ食べたいものが!!」
真姫「市民の平和は私や皆の思いよ」
希「あ、あー....うちのご飯」ズルズル....
カランカラン
絵里「真姫、燃えてるわね」
花陽「希ちゃん泣いてたね」
ことり「今度差し入れしてあげよっか」
花陽「そうだね」 こうして今回の事件は怪我人も一人もなく無事に解決した
凛「かよちんの差し入れ美味しいにゃ」
真姫「凛、気を抜かないで」
希「今は真姫ちゃんの監視の番なんだからええやん」
真姫「ちょっと、私の分も残しておいてよね」
凛 希「はーい」
私達の日常には一時の平穏が戻った
ことり「........」キョロキョロ
ことり「...よし」
花陽「なにがよしなんですか?」
ことり「!えっと...部屋の安全確認?」
花陽「ここは部屋の前ですよ」
ことり「ぐっ....」
花陽「追加の書類です、お願いします」
ことり「ぴぇー.....」
市長の仕事は少し増えたらしい 一応三話構成予定で一話終了
不測の事態が起きなければまったりと続きます ほう、まだあと2話続くのか。
控え目に言って期待せざるをえない。 #2
海未「........」モグモグ
絵里「どうかしら?この新作」
海未「とっても...美味しいです!」
絵里「そう?よかった....」
海未「〜♪」モグモグ
絵里(海未って食べる時とかは感情がかなり表に出るからわかりやすくて助かるわーまずいか美味しいか一目でわかるもの)
絵里(まぁ、海未の好みもあるだろうけど...)
海未「....?....」モグモグ
絵里「今日も平和ね」 「...この街は風景が変わっても雰囲気は全然変わってないなー」
「....ふふふ、会いに行くからね...待っててね」
海未「.....せい!」ブン!!
海未「つぇやぁ!!」ブン!!
絵里「今日も精が出るわねー」
海未「!絵里....」
絵里「こんな朝早くから公園で修練?」
海未「はい」
絵里「朝から元気ね、海未は」 海未「そういう絵里はなんでこんな朝早くに公園に?」
絵里「うーん、たまには早起きをしてランニングでもしてみようかなーって思ってね」
海未「いいことではないですか、早起きは三文の徳ですから」
絵里「まぁ、こうしてこんなところで海未にも会えたし、たしかに恩恵はあったかもね」
海未「終わったら絵里の店に行ってもいいですか?」
絵里「...もしかして朝食ってこと?」
海未「できれば、その....お願いしたいです!お金はちゃんと払いますから」
絵里「和食?洋食?」
海未「和食でお願いします」
絵里「かしこまりました」 海未「いただきます」
絵里「はい、召し上がれ」
海未「...........」モグモグ
絵里「そういえば凛はどう?」
海未「...なんやかんやで器用に職務をこなしてます、凛は飲み込みが早いですから」
絵里「成程ね」
海未「真姫もなんやかんやで熱心にやってますからね、助かってます」
絵里「大したSPなことで」
海未「生き生きとやってるようですよ」
絵里「ふーん....」
海未「絵里?」
絵里「なんか最近こっちには顔を出してくれないなーって思って」 海未「...絵里、もしかして拗ねてます?」
絵里「そんなことはないわよ、だって皆の憧れのアイドルを守ってるんだもん仕方ないじゃない?」
海未「ふふふ...」
絵里「なによ、海未」
海未「絵里にも子供っぽいところはあるんですね」
絵里「だって寂しいじゃないーなんやかんやで私と海未と真姫、3人で長くつるんできたじゃない」
海未「そうですね」
絵里「海未はことりとか小さい頃からの幼馴染がいるからいいけど私にはいなかったからそういうのは」
海未「........」
絵里「なんかうらやましいなーって」 希「ならうちがなってあげよっか?」
絵里「!希」
海未「相変わらず神出鬼没ですね」
希「おはようさん、二人共」
絵里「珍しいわね、こんな時間に外で会うなんて」
希「うちはエリチのストーカーやから」
絵里「え」
希「冗談だよ、ひかないでよ!」
海未「仮にも警官の前でその冗談はやめてください」
希「ごめんごめん」
絵里「逮捕されちゃうわよー?美人警官さんにー」
海未「絵里もふざけないでください」 希「〜♪」
海未「朝から随分と重いものを食べるんですね」
希「えー?そうかな?」
絵里「朝から肉ばっかよねー...希の注文」
希「だってお肉大好きだから、好きなものをいっぱい食べたいやん?」
海未「野菜も食べたほうがいいですよ、もっとバランスのいい食事を」
希「大丈夫、大丈夫ー海未ちゃんはお母さんみたいなんだから」
海未「誰が貴方のお母さん.....!」
『海未ちゃんってお母さんみたい...バーベキューなんだからお肉をいっぱい食べたいの!』
海未『だからと言ってなんですかその串は!お肉しか刺さってないじゃないですか!ほら野菜も!このピーマンも一緒に食べなさい!』
『だってピーマン苦手なんだもん!!』
海未「........」
絵里「海未?」
海未「!」
絵里「どうかした?」
海未「いえ、ちょっと昔を思い出してですね」
絵里「昔?」 海未「実はことり以外にも幼馴染がいまして、希を見ていたらそれを思い出してしまって」
絵里「希を見て?希に似てるのその人?」
海未「雰囲気がなんとなく似てますね」
絵里「へー」
希「うちに似てるとか中々見どころがあるね、その子」
絵里「何様よ...その子の写真とかないの?」
海未「ありますよ」
絵里「見せてもらっていい?」
海未「はい、いいですよ」スッ
希「どれどれー」
絵里「この海未とことりと一緒に映ってる子?」
海未「そうです」 希「なんか元気いっぱいそうな子やね」
絵里「そうね、たしかに希に少し似てるっていうのはわかるかも」
海未「小さい頃、いつも私やことりはよく色んなところへ連れまわされたものです」
絵里「へー名前はなんていう子なの?」
海未「穂乃果...高坂穂乃果っていいます」
希「穂乃果ちゃんか」
海未「穂乃果には色々と困らされることも多かったですが、自分達では尻込みしてしまう場面でもいつも前へ引っ張っていってくれてました」
絵里「成程、見た目通りに元気いっぱいってことね」
海未「私の見たことのない世界をたくさん見せてくれました、穂乃果は」
希「海未ちゃん嬉しそうな顔をしてるね、穂乃果ちゃんのことが大好きなん?」
海未「っ....まぁ、そうですね...ことりと同じくらいとっても大事な幼馴染です」
絵里「ふーん...幼馴染かぁ...」 真姫「で?なんで私のところに来るのよ、今日はせっかく一人で外でゆっくり飲んでたっていうのに」
絵里「だって真姫も幼馴染いない組じゃない」
真姫「なによ、その組は」
絵里「だから私達も幼馴染になりましょう?」
真姫「幼馴染ってなろうとしてなれるものじゃないと思うんだけど」
絵里「だってー凛も花陽と幼馴染だし」
真姫「希がいるじゃない、喜んでなるんじゃないの?」
絵里「んー.....」
真姫「....で?本題は?」
絵里「え?」
真姫「そんなくだらない理由でエリーが私に会いに来る訳ないでしょ?さっさと要件を言って」
絵里「もう...少しくらいはノッテくれたっていいじゃない」
真姫「私にはそういうノリはないから」
絵里「むぅ.....」 真姫「それで今度こそ本題はなんなの?」
絵里「矢澤さんはどう?」
真姫「どうって...特にはないわね、今のところは」
絵里「そう...」
真姫「まさか、それだけを聞きに?」
絵里「まぁねーあとは真姫と少し話したかったから?」
真姫「なによそれ...もしかして寂しがり屋なの?エリーって」
絵里「そうよーだからあんまり放っておかないでね」
真姫「...善処するわ」
絵里「もう...真姫は冷たいんだから」
真姫「くだらないことばっかり言ってるともっと冷たくするわよ、火傷をするくらいにね」
絵里「それは勘弁してほしいなー」 絵里「じゃあ、またね!お店にはちゃんと顔を出してね?」
真姫「別に顔を出さなくてもこうしてエリーが来るからいいんじゃないの?」
絵里「私からじゃなくて真姫から私に会いに来てほしいのよ」
真姫「なによそれ」
絵里「わからない?真姫はこの乙女心が」
真姫「面倒ね...エリーって」
絵里「怒るわよー?」
真姫「わかったわ、ちゃんと気にかけるわ」
絵里「うん、よろしい♪」 絵里「ねぇねぇ、今度からマッキーって呼んでもいい?」
真姫「お断りします」
絵里「もう...真姫の意地悪、本当にノリが悪いんだから」
真姫「はいはい、また行くからちゃんと私の好きなものを用意しておいてよね」
絵里「わかったわ、じゃあおやすみなさい」
真姫「はい、おやすみなさい」
真姫「..........」スタスタ
真姫(ふぅ...全くエリーは時々子供っぽいっていうか面倒っていうか....まぁ、それがエリーらしいって言えばエリーらしいのかしら?)
真姫「..........」
「.........」 真姫「.........」
「.........」
真姫(気のせいでは...ないみたいね...今日は全く次から次へと面倒ね)
真姫「...私に何の用かしら?」クルッ
「.........」
真姫「人をつけるのはよくないわよ、職業柄そうしないといけないとしたら話は別だけど」
「........」
真姫「まぁ、仮にそうだとしてもやるならもっと上手くやってほしいものね、それともわざとそうしてるのかしら?」
「.........」 真姫「今なら見逃してあげるわ、消えなさい」
「.......」スッ
真姫「!」
「.......」
真姫「竹刀?」
「.......」ダッ
真姫「そっちがその気なら...文句は言わないわよね?」
「.......?」
真姫「凛」
凛「全く、人使いが荒いにゃ」
ガキン!!
「!」
凛「だめだよー?いきなり人を竹刀で斬りかかったりするのは」 真姫「さすがね凛」
凛「さすがじゃないよー!危ないよー真姫ちゃん」
「っ........」
凛「そりゃあ!!」ブン!
真姫「凛の両手のそれはなに?」
凛「トンファーだよ!」
真姫「へー...様になってるじゃない」
凛「それはどうも!!」ダッ
「!!」
ガキン!ガキン!!
凛「てりゃあ!!」 凛「大人しくお縄につくにゃ!」
「っ.......」ゴソゴソ
凛「!」
「........!」スッ
ドン!!
真姫「っ!!」
凛「ま、眩しい!!」
真姫「っ.....いない?」
凛「っ...逃がしちゃったか...」キョロキョロ
真姫「今の一体なんだったのかしら?」
凛「わからない...でもそこそこできるそっち系の人かもね、閃光弾みたいなのを持ってるくらいだし」
真姫「まさか...にこちゃんを狙って!?」
凛「どうだろう?もしそうならにこちゃんがいる時を狙うんじゃないの?」
真姫「.....とりあえずはエリー達に報告かしらね....」 絵里「襲われた!?」
真姫「えぇ」
希「その割には随分と真姫ちゃんは落ち着いているね」
真姫「私はいつだって冷静沈着よ」
絵里「とにかく怪我とかしてないわよね?大丈夫よね?」
真姫「かすり傷一つないわよ、実際は凛が相手したからね」
希「その凛ちゃんは?」
真姫「万が一ってことがあるからにこちゃんを見張ってもらってるわ」
絵里「この間の連中と一緒ってことかしら?」
真姫「さぁどうかしら?でもその可能性も否定できないからエリーのところに来たって訳」
希「成程ね」 バタン!
海未「........」
絵里「!海未!?」
希「どうしたん?海未ちゃん、こんな時間に」
海未「...事件です」
真姫「事件?こっちも事件が起きたんだけど」
海未「!まさか...誰か襲われたんですか?」
真姫「えぇ、私がね」
海未「!」
絵里「海未、なにがあったか教えてくれる?」
海未「...通り魔です、通り魔が現れたそうです」 絵里「通り魔....」
希「これはまた物騒な話やね」
海未「幸いとは言えませんが犯人は木刀で通行人を襲っていたので死者は出ていません、私の知る情報の限りでは」
真姫「木刀...私を襲ったやつと一緒かもね」
希「ある意味で辻斬りみたいなやね」
絵里「.....」
海未「今、捜査本部が置かれてこれから街へ捜査員がパトロール兼犯人の捜索に入ります」
絵里「そう....」
海未「これから私も現場に入ります、情報が入ればそちらにも伝えますので」
希「了解、海未ちゃんも気を付けてね」
海未「はい...ですが、その前に真姫から情報をいただきたいのですが...いいですか?」
真姫「...どうぞ、ご自由に」 乙です そういえばある時空では剣道部の人がいたな… 海未「まずは相手の背格好や特徴などを教えていただけますか」
真姫「背格好は中肉中背で服装は作業着って感じかしら?」
海未「作業着?」
真姫「えっと...ツナギね、黒いツナギみたいのを着てたわ」
海未「顔は?」
海未「帽子を深くかぶっていたから顔はよく見えなかったわ」
海未「そうですか」
真姫「私よりも実際にやりあった凛なら私よりは見えていたかもしれないわ」
海未「成程...凛にも後で確認ですね」
真姫「私が知ってる情報はこれくらいかしら?」
海未「わかりました、ありがとうございます」 海未「なにかあればすぐに連絡をください、すぐに駆け付けますので」
絵里「わかったわ」
海未「3人とも大丈夫だとは思いますが、くれぐれも夜道などには気をつけてくださいね」
希「了解」
真姫「.......」
絵里「海未も無理はしないでね」
海未「はい」
カラン...カラン
バタン!
絵里「また物騒なことになったわね」
真姫「そうね」 絵里「真姫」
真姫「なに?エリー」
絵里「明日は仕事?」
真姫「いえ、休みだけど」
絵里「ならよかった」
真姫「よかった?どういうこと?」
絵里「真姫、今日はうちに泊まっていきなさい」
希「!」
真姫「え」 絵里「今、不用意に一人で出歩くのもあれだし...真姫を狙って襲った説も完全に否定できた訳じゃないし」
真姫「いいわよ、別にそこまでしなくても」
絵里「するわよ、大事な仲間が襲われたっていうのに一人にしておけるもんですか」
真姫「...エリーって過保護なの?」
絵里「過保護じゃないわ、これは自然な流れよ」
真姫「自然な流れねぇ...」
絵里「いいからつべこべ言わずに泊まりなさい!!!」
真姫「!」ビクッ
絵里「.........」
真姫「わ、わかったわよ...今日は泊まっていくからそんな怖い顔しないでよ」
絵里「...よろしい」 希「....よいしょっと」ヌギヌギ
真姫「は?」
絵里「ちょっと希なにしてんのよ」
希「へ?」
真姫「なに服を脱ぎ始めてるのよ」
希「?今日は皆でお泊り会なんでしょ?パジャマパーティでしょ?」
絵里「希も泊まるの?」
希「え.....」バサッ
真姫「あ」
希「...........」 希「........」
真姫『ちょっとエリー、希が落ち込んじゃってるじゃない』
絵里『いや、だって...つい...』
希「...........」
真姫『俯いて黙っちゃったじゃない』
絵里『あー....』
真姫『エリーは希をいじめたいの?嫌いなの?』
絵里『そ、そんなことないわよ』
真姫『ならもっと優しくしてあげなさいよ、どういう形であれ貴方に尽くしてくれてるんだから』
絵里『.......』
真姫『ほら!さっさと慰めてにいく!!』ドン!!
絵里「うわっ!」 希「..........」
絵里「えっと....希?」
希「なに?.......うち、もう帰った方がいい?」
絵里「いや...その....違うわ!」
希「なにが違うん?」
絵里「希のことを忘れていたわけじゃないのよ、真姫が襲われたっていうからちょっと頭に血が行ってて...ごめん」
希「.......」
絵里「希だって私にとってはその大切な人よ?だから希にもなにかあったら嫌だし...その...」
希「......」
絵里「あー!もう!!!私が悪かったわ!!お詫びはちゃんとするから許して!!お願い!!」
希「...お詫びって...なにしてくれるん?」
絵里「今は思いつかないけど...ちゃんとした形で責任取るから」
希「...わかった」
真姫「.........」 希「ふふふ.....」
絵里「!」
希「責任かぁ....どう取ってくれるんだろう?」ニヤニヤ
絵里「希...まさか貴方!」
希「楽しみだなー♪」
絵里「芝居してたの!?」
希「えー?なんのこと?」
絵里「っ....真姫、私はめられたみたい...って?あれ?」
「茶番に付き合うのが面倒なので先にお風呂を借ります」
絵里「真姫ぃ!」
希「エリチー楽しみにしとくよー?」
絵里「...ここには敵しかいなかったわ」
希「敵なんてひどいなーうちのハートをブレイクした癖に」
絵里「っ...私もまだまだってことね」 凛「ふわぁ.....」
海未「凛、少し休んでいいですよ」
凛「ありがとう、あとちょっとしたら休むよ」
海未「凛、今回の事件をどう思いますか?」
凛「どうもこうもただの通り魔って感じかな、現状では」
海未「そうですよね、襲われた方々は年齢や職業もバラバラ...しかも被害者同士の交友していたなどの接点もない」
凛「無差別って感じかな、これは」
海未「凛は対面してなにか感じたことはなかったのですか?」
凛「感じたことか....少しだけ手合わせしたけど手練れって感じだったかな?」
海未「手練れですか....」
凛「うん、自分自身を過大評価してる訳じゃないけど、凛とやりあえるんだから中々だと思うよ」
海未「そうですか....」 凛「ねぇ...凛が囮になろうか?」
海未「!」
凛「このまま被害者が出るくらいならその方が手っ取り早いよ」
海未「それはそうかもしれませんが...それでは凛に危険が!」
凛「この仕事をしている以上危険は避け慣れないよ」
海未「ですがそこまで貴方がする意味が!」
凛「あるよ」
海未「なんでそこまでするんですか、貴方は」
凛「かよちんの為だよ」
海未「花陽の為?」
凛「この街が危険になれば市長であることりちゃんに責任の追及が行く可能性はある..ってことはその秘書をしているかよちんにも当然責任の追及がいくにゃ」
海未「...その為に貴方は犠牲になると?」
凛「海未ちゃんだって一緒でしょ?ことりちゃんの為だったらルールを破ったって行動するでしょ」
海未「!......」
凛「それと一緒だよ」 凛「この街にはおかしい人が多いんだよ」
海未「........」
凛「街の平和をおばあちゃんから引き継いだ人もいれば親から市長を引き継いだり、警官になって幼馴染を支える人もいれば表の顔でも裏の顔でも人の命を守ろうしている人もいる」
凛「全く...物好きな人が多いよね?海未ちゃん」
海未「貴方もその一人ではありませんか」
凛「だから頑張る...皆、頑張る、凛も頑張る...それだけだよ」
海未「.........」
凛「この街は不思議だよね、そんな変わった人達が何人も集まってるんだから」
海未「...そうですね」 絵里「........」
希「〜♪」
真姫「どうしたのよ、エリー...朝から顔が死んでるわよ」
絵里「希のせいよ」
真姫「希のせい?」
絵里「一晩中、人のことを抱き枕にするから寝れなくて...しかも電気まで....」
真姫「電気?」
絵里「っ...と、とにかく寝苦しくて寝れなかったの!」
真姫「って言ってますけど、希」
希「だって責任取ってくれるって言ったんだから仕方ないやん?」
真姫「あー...なら仕方ないわね」
希「でしょ?」
絵里「....そういえばここには私の味方はいなかったんだわ、忘れていたわ」 希「いやー朝からエリチの美味しいごはんが食べられてうちは幸せや」
真姫「たしかにエリーのご飯は美味しいからその意見には同意するわ」
希「あ!でもエリチはうちのだからね!あげないよ!」
真姫「別に取らないしいらないわよ」
絵里「いつから私は希の物になったのよ、それにいらないって言わないでよ真姫、なんか悲しいわ」
カランカラン
絵里「!あれ?」
真姫「たまにはちゃんと営業しないとね、オープンにしておいたわ」
絵里「真姫.....」
真姫「潰れないように頑張りなさい」 「いい匂い.....」
絵里「お好きな席にどうぞ」
「はい!うわっ!美人な店員さん!」
絵里「え?」
「あ!えっと、すいません!」
真姫「なんか随分にぎやかなお客さんみたいね」
希「そうやね...うちのエリチは渡さんからね!」
真姫「はいはい、他のお客さんに迷惑はかけない」スッ
希「!...もご...もご...」 「うわっ!!すっごく美味しい!!なんてパンなんですか!これ」
絵里「ピロシキって料理よ」
「ピロシキ...なんかお洒落な名前....」
絵里「お洒落かどうかはわからないけどロシアの料理よ」
「ロシア...成程!お姉さんその見た目....ロシア人なんですね!なのに日本語がペラペラなんてすごいです!」
絵里「まぁ...正確にいうとクォーターなんだけど」
「クォーター?ピザですか?大好きです!」
絵里「えっと...クォーターっていうのはね」
真姫「なんかぐいぐい来る人ね」
希「むー....」 「美味しかったぁ...また来ます!このお店!」
絵里「ありがとうございます、ご贔屓していただければなによりです」
「よーし!フルパワー!今日も頑張るぞー!」
絵里「元気ですね」
「はい!元気が一番です!」ニコッ
絵里「!」
「ご馳走様でした!」
カランカラン!
真姫「随分とにぎやかなお客さんだったわね」
絵里「.........」
希「...エリチ?」 真姫「エリー?」
絵里「!なに?」
真姫「なにって...貴方がなんかぼけーってしてるから呼んだのよ」
絵里「別にしてないわよ」
真姫「本当に?」
絵里「本当よ」
真姫「ふーん、あとはさっきの人の見惚れていたとか」
絵里「は?なにそれ」
真姫「違うの?」
絵里「違うわよ」
真姫「ふーん...でもこっちは簡単には納得してくれないかもよ」チラッ
希「........」
絵里「!」 ことり「噂のマカロン食べたいな...」
花陽「.......」
ことり「食べたいなー」
花陽「だめですよ」
ことり「食べたいってしか言ってないよ」
花陽「そう言って脱走をしようとしてるんじゃないの?」
ことり「そんなことないよー」
花陽「.........」
ことり「かよちゃんに買ってきてほしいなーって」
花陽「花陽がいない間に脱走するんじゃないの?」
ことり「食べたいなー」
花陽「誤魔化した」 ことり「あ!そうだ、ねぇねぇ」
花陽「なんですか?」
ことり「通り魔の事件はどうなってるの?」
花陽「気になるの?ことりちゃん」
ことり「そりゃあ一応市長ですから、街の治安情勢は気になるよ」
花陽「海未ちゃんが捜査してます」
ことり「凛ちゃんも?」
花陽「そうですね、希ちゃんや絵里ちゃんももしかしたらもう動いてるかもしれません」
ことり「この街には優秀な人が多くて助かるなー」
花陽「そうだね」
ことり「ことりと違って...皆すごいよ...ことりにはなにもできないから」 花陽「ことりちゃんだって色々やってるじゃない」
ことり「かよちゃん今は市長、それにこの市長はお母さんから引き継いだようなもんだし....」
花陽「でも立派にやってるじゃない」
ことり「どうだろう?ことりはただお母さんの真似事をしてるだけだよ」
花陽「そんなことないよ」
ことり「かよちゃんはなんやかんやで優しいよね、こんな市長を補佐してくれてるんだから」
花陽「.......」
ことり「地位や権力があっても...威厳をないんだからことりは」
花陽「だからそんなことないよ!」
ことり「あるよ、特に年配の方達からの支持はボロボロですから」
花陽「ことりちゃん....」
ことり「悔しいなぁ....なんか....」 花陽「..........」ゴソゴソ
ことり「?どうしたの?かよちゃん」
花陽「花陽はことりちゃんじゃないからことりちゃんの気持ちを軽くすることはできないけど...」
花陽「少しくらいはことりちゃんにエネルギーを与えることくらいはできます!」バッ
ことり「それって...おにぎり?」
花陽「はい、花陽特製のおにぎりです!これを食べればエネルギーは確実に補給できます!」
ことり「えー...おにぎりよりもマカロンの方が」
花陽「............」ギロッ
ことり「な、なんでもないです....ごめんなさい」
花陽「食べて元気を出してください」
ことり「かよちゃん....」
花陽「えへへ」
ことり「...ありがとう!」 絵里「はぁ.....」
凛「絵里ちゃん随分とお疲れみたいだね」
絵里「まぁね...凛に比べたら大したことないとは思うけど」
凛「海未ちゃん達が手伝ってくれるから凛は平気だよー」
絵里「凛は元気ね」
凛「体力だけは誰よりもあるっていう自信があるよー」
絵里「うらやましいわね、はいお待ち」
凛「おー...絵里ちゃんはラーメンも作れるんだね!」
絵里「あんまり作ったことがないから自信はないけどね」
凛「.........」ズルズル
絵里「どう?口に合う」
凛「うん!とっても美味しいにゃ!」 凛「そういえば今日、なんか希ちゃんが機嫌が悪そうだったけどなにかあったの?」
絵里「あー...まぁ、うん」
凛「喧嘩でもしたの?」
絵里「喧嘩はしてないけど希がちょっと誤解というかちょっとあってね」
凛「誤解?」
絵里「まぁ、色々あったのよ」
凛「色々ってなに?」
絵里「色々は色々よ」
凛「ちゃんと教えてほしいにゃ」
絵里「えー....」 凛「凛は仮にだけど今は海未ちゃんと希ちゃんとチームを組んでるんだから、メンバーのことはちゃんと知っておかないとね」
絵里「凛はなんやかんやで仕事には熱心よね」
凛「かよちんの依頼は絶対だから」
絵里「相変わらずね、貴方も」
凛「まぁねー海未ちゃんも昨日から家に帰らないでずっと頑張ってるくらいだし」
絵里「海未はちょっと頑張りすぎなのよね、何事にも」
凛「そうだねーでも、それが海未ちゃんのいいところでもあるよね」
絵里「私も人の立場は言えないけど、海未に無理は程々にって言っておいて」
凛「了ー解」
カラン!カラン!
絵里「!」
凛「こんな遅くにお客さんなんて珍しいにゃ」
絵里「貴方、たしか昼間の....」
「...........」 「いやー!まだ開いててよかったです」
絵里「お店に来ていただいてもらっておいて言うのもあれなんですけど、別に他のお店でもよかったんじゃないですか?わざわざうちじゃなくても」
「えへへ...実は昼間食べた味が忘れられなくてそしたらまた食べたくなっちゃって」
絵里「そうですか...わざわざありがとうございます」
「それにお姉さんも美人でなんか癒されるし」
絵里「!」
凛「おー...絵里ちゃんがなんか口説かれてる?」
「え!いや、そんなつもりじゃ!」
絵里「じゃあーどんなつもりなんですか?」
「えっと...いや綺麗だなぁって思っただけなんです!特に口説くとかそういう訳では」
絵里「ふふふ...ありがとうございます」 「.........」
絵里「随分と荷物が多いんですね」
「はい!海外から帰ってきたばかりなもので」
絵里「海外に行ってたんですか?」
「そうです」
絵里「へー....」
凛「.........」
「?どうかされましたか?」
凛「!いや、えっと...その長い筒みたいなのは」
「マイクスタンドです」
絵里「マイクスタンド?歌でも歌うんですか?実は歌手とか?」
「いやいや歌手なんてとんでもない、私はただのしがないストリートミュージシャンですよ」 凛「ストリートミュージシャン...なんかかっこいいですね」
「そうですか?」
凛「はい」
絵里「そういえば私も昔に少しだけギターをかじってたわね、なんかそういうのにあこがれて」
「ギターできるんですか?」
絵里「少しだけね、やってたのは学生の時だけどね」
凛「へー凛もそれは知らなかったよ」
「またお店に来るのでその時に弾いてほしいです」
絵里「えー...できるかしら?」
「できますよー」
凛「........」 「ご馳走様でした!また来ますー!!」
絵里「ありがとうございます、またのご来店をお待ちしてます」
カランカラン
絵里「元気な人ね、本当に」
凛「..........」
絵里「凛?どうかした?」
凛「絵里ちゃん感じなかった?」
絵里「?なにが?」
凛「さっきの人なんかただ者じゃない感じがしたから」
絵里「え?そうなの?」
凛「絵里ちゃんが感じてないってことは凛の気のせいだったのかな?」 絵里「たしかにさっきの人は苦労をしている感じはしたけど、悪い感じはしなかったわよ」
凛「うーん....」
絵里「引っかかるの?」
凛「あの人が持っていたマイクスタンドの筒」
絵里「それがどうかしたの?」
凛「置いた時の音とかがスタンドの音じゃない気がしたにゃ」
絵里「音?」
凛「マイクスタンドって大体金属とかカーボンとか使ってると思うんだよ」
絵里「私はそこまで詳しくないけどそんなイメージはたしかにあるわね」
凛「あの筒からは木製のような音が聞こえたんだよね」
絵里「木製....!まさか...」
凛「あくまで可能性があるって話だけどね」 絵里「音で判断できるなんて貴方くらいよ、凛」
凛「凛も中身を見た訳じゃないから絶対とは言えないけどね」
絵里「....用心しておいた方がいいってことかしら?」
凛「用心しておいて損はないよ」
絵里「...そういえばさっきの人がいた時からなんか凛に違和感があると思ったらそういうことだったのね」
凛「え?」
絵里「口癖が無くなってたわよ?凛」
凛「あ」
絵里「ふふふ」
凛「次からは気をつけるにゃー」 コツ...コツ...
海未「.........」
「..........」
海未「私に何か用ですか?」
「.......」
海未「...人を付け回すなら警察を呼びますよ?」
「.........」スッ
海未「!?」
「..........」ダッ
海未「!!」 ガキン!
「!」
海未「どうしたんですか?」
ググッ....
「っ....竹刀?」
海未「そちらが先に手を出してきたんです、これは正当防衛です」
「........」ブン!
海未「!おっと....」サッ
「........」
海未「もしかして貴方が昨日から騒ぎになってる通り魔ですか?」
「.........」
海未「やめといた方がいいですよ、こう見ても私、意外と強いんです」 希「おー...海未ちゃんやり始めたね」
海未「でやぁ!!!!!」
希「エリチに連絡しておくかなー」
〜♪
絵里「希?もしもし」
希『ハロー♪エリチ』
絵里「どうしたの?希」
希『海未ちゃんと例の通り魔が接触したよ』
絵里『!それは本当!?場所は!』
希「場所は」 絵里「凛!」
凛「うん、行こう」
絵里「全くあの子は....無茶をするんだから!」
凛「場所は?」
絵里「乗って!そこまで飛ばすから」ヒュ
凛「おっと!バイクは安全運転でね」パシッ
絵里「わかってるわ」カチャカチャ
ブォン!....カタタタ...
絵里「しっかり掴まっててね!」
凛「OK!」
絵里「行くわよ!!」 バキッ!バキン!
希「あの人やるなぁ...海未ちゃん相手に互角にやりあってる」
「.........」
希「貴方も観戦?それともうちになにか用?」
「.........」スッ
希「ふーん...うちらもうちらでやりあおうってこと?」
「.........」
希「いいよ、相手してあげるよ」
凛「もしもし、真姫ちゃん?」
真姫『どうしたの凛、こんな遅い時間にそれになんかすごい周りがうるさいし』
凛「海未ちゃんが例のとぶつかったにゃ、今から絵里ちゃんと一緒に現場に向かうにゃ」
真姫『成程、この音はエリーのバイクね』
凛「だから真姫ちゃんには」
真姫『わかったわ、万が一に備えて色々用意しておくわ』
凛「さすが真姫ちゃん、話が早いにゃ」 海未「はぁ...はぁ....」
「っ.........」
海未「思っていたよりもやりますね、まさかここまで粘られるとは」
「........」
海未「なぜそんな実力があるのにこんなことをするんですか、そんな力があるなら人を傷つけるのではなく人を守る為に使えたはずです」
「.......」
海未「答えてはくれませんか...まぁ、聞いたところで私には理解ができないかもしれませんね、貴方の考えなんかは」
「.........」
海未「なので私は貴方を倒してこの街に平和を取り戻してみせます!」ダッ
「!」
海未「でやぁ!!!!!!」 バキ!!
カラッ....カラ...
海未「勝負ありのようですね」
「っ........」
海未「こう見えても私は警官でしてね、貴方を逮捕します」
「知っていたさ」
海未「!」
「...お前たちの仲間も全てな....」
海未「それはどういう....」
ドン!!
海未「!」
希「っ....ぁ....」
海未「希!!!」
「私は負けたようだけど、あっちは勝ってるみたいね」
海未「!」 希「痛たたた....」
海未「希!大丈夫ですか!?」
希「なんとかね...向こうも強いとか厄介そうな連中に目をつけられてしまったみたいやね」
海未「連中....」
「..........」
海未「!」
「「.........」」
希「海未ちゃんが戦っていた以外にも何人かいたみたいやね」
海未「気配からしてあいつを含めて4人といったところでしょうか」
希「さぁ?うちはそういう感知みたいなのは苦手だから」
海未「これは中々骨が折れそうですね....」 絵里「っ....ここも工事中...」キッ!
凛「これで3回目?」
絵里「多すぎよ....全く税金の無駄使いなんじゃないの?」
凛「これはことりちゃんに報告かな」
絵里「仕方ない...また迂回しないと」
凛「....待って、絵里ちゃん」
絵里「どうしたのよ?凛」
凛「常識的にいくら何でもこれはおかしいよ...まるで凛達を向こう側に行かせないようにしているようにしか」
絵里「まさか...」
凛「そうじゃないにしても今は緊急事態だし、無理やりここを進んだ方がいいかもしれないね」
絵里「....OK」 カチャン...カチャ...チャキン...
絵里「ふぅ...こんなもんかしら?」
凛「柵もどけたし、これで先に進めそうだね」
絵里「よし...凛!乗って」
凛「絵里ちゃんここから先はもしかしたら罠があるかもしれないから気を付けてね」
絵里「わかってるわ」カチャ
ブゥーン!!!!
凛「にゃあああ!!」
絵里「凛!ちょっと無理するわ!」
凛「と、飛ばしすぎにゃ!!」
絵里「私の華麗なるバイクテクニックを見せてあげるわ!」 海未「っ...さすがに他人数相手は厳しいですね....」
希「ごめんなぁ...役に立てなくて....」
海未「いえ、希は悪くありません、私の実力不足と準備不足が招いた結果です」
希「海未ちゃん....」
海未「しかしここで屈しては...この街の平和は....」
「「.........」」
海未「ぐっ....」フラッ
希「エリチ......」
「随分と大変なことになってるみたいだね」
海未「!」
「「!?」」
「..........」 希「あの人はたしかエリチの店にいた....」
海未「まさか....貴方は」
「久しぶりだね.....海未ちゃん」
海未「穂乃果?」
穂乃果「..........」
希「え?あの人が」
海未「そうです、前に話していた幼馴染の穂乃果です、しかし何故ここに?何故このタイミングに」
穂乃果「........」チラッ
海未「っ........」
「.........」
穂乃果「....海未ちゃんをいじめたのは貴方達でいいのかな?」 「.......」
穂乃果「あ!そんなことを聞くだけ時間の無駄だよね!うん...」
海未「穂乃果....」
穂乃果「貴方達さぁ...誰に手を出してるのかわかってるのかな?」
バサッ
穂乃果「...海未ちゃん、ちょっと帽子とか持ってて」ブンッ
海未「!おっと...」スッ
穂乃果「いいよ...穂乃果が相手してあげる、かかってきなよ」
「「........」」
穂乃果「穂乃果は海未ちゃんにみたいに優しくないよ」 穂乃果「..........」ゴソゴソ
「「.........」」
穂乃果「竹刀か...ちょうどいいね、穂乃果も持ってるよ」
希「海未ちゃん、あの子一人で相手をする気?無茶だよ」
海未「穂乃果!私も加勢します!」
穂乃果「海未ちゃんは無理しなくていいよ、体フラフラでしょ?」
海未「しかし!」
穂乃果「まぁ、見ててよ...穂乃果だってやる時はやるんだから...」
「「...........」」
穂乃果「よし....いつでもいいよ、来なよ」ギロッ
「「!」」
希「っ...すごい殺気....」
海未「...........」 穂乃果「ちょっとさ....私が街をさ」ブン!
「がっ!!」
穂乃果「離れてる間に、よくも好き勝手やってくれたもんだね!」ブン!
「っ!!」
穂乃果「この街は!!海未ちゃんとことりちゃんが守っている大切な街なんだよ!!」ブン!!
ガキン!
「..........」ギリギリ....
穂乃果「この街に害をなすもの...海未ちゃんやことりちゃんを傷つけるものは穂乃果は容赦しないよ!!!」
希「すごい....海未ちゃん以上の動きかも」
海未「悔しいですがその通りかもしれません....」
希「海未ちゃんの幼馴染さん何者なん?」
海未「実家は和菓子屋さんなんですが...今はなにをしているのかまでは」
希「そっか...なら、戦う和菓子屋職人ってところなのかな?」 ブロロロ!!
希「!」
海未「この音は.....」
希「エリチのバイク!」
ブォン!!
穂乃果「!」
キキッー!!!
絵里「希!!海未!!」
凛「し、死ぬかと思ったにゃ...」
海未「絵里、それに凛も」
凛「全然安全運転じゃなかったにゃ....」
穂乃果「!成程...あれが例の....」 ガキン!ガキン!!
絵里「状況は?それにこの地面に転がっている連中は」
希「それが例の通り魔、だけど通り魔は一人じゃなかったみたい」
絵里「!あの人は.....たしかさっき...」
希「あの子は実は海未ちゃんの幼馴染だったんよ」
絵里「幼馴染...まさか前に話していた?」
穂乃果「でやぁ!!!」
「」バタン
穂乃果「ふぅ...こんなもんかな?」
海未「穂乃果!!」
穂乃果「....いぇい!やっつけたよー海未ちゃん!」
海未「怪我はないですか?それにどうしていきなりここに?」
穂乃果「海未ちゃんこそ怪我してるじゃん、大丈夫なの?」
海未「これくらいはかすり傷です」 希「ふわぁ...」ドサッ
絵里「希!?大丈夫?」
希「あー平気平気、ちょっと急に緊張感が抜けたから」
凛「それにしてもこの人数...一体なにが?」
海未「穂乃果、いつ戻ってきたんですか!戻ってきたらのなら連絡ぐらい」
穂乃果「連絡したよー!!でも出ないんだもん!!」
海未「え?...あ、プライベート用の携帯を家に置いてきてしまったんでした....」
穂乃果「家に行っても誰もいないし」
海未「事件で没頭して何日かまともに帰ってないんでした....」
穂乃果「もう...海未ちゃんってば頭がいいんだか悪いんだか」
海未「ほ、穂乃果だけにはそれを言われたくないです!!」
穂乃果「なにおぅ!!」 凛「盛り上がってるところ悪いんですけど...なんでここに幼馴染の貴方が、それにあの強さは」
穂乃果「とある人から情報をもらってね」
凛「とある人?」
穂乃果「うん、その人から海未ちゃん達がいるこの街が危ないって聞いてね、海外からの武者修行から帰ってきたって訳」
絵里「貴方は...私達の味方ってことでいいのかしら?」
穂乃果「うーん...正確に言えば海未ちゃんとことりちゃんの味方ってところかな」
海未「穂乃果、そのある人とは一体誰なんですか?」
穂乃果「名前は言うなって言われてるけど、この中の誰かしらはその人を知ってるはずだよ」
凛「それはどういう意味なんですか?」
穂乃果「貴方達の知り合いから情報をもらったってことだよ」
絵里「知り合い...一体、誰が....」
穂乃果「..........」 凛「..........!」
絵里「...........」
希「ん?どうしたん?二人共そんな急に怖い顔をして」
穂乃果「その二人は鼻が利くみたいだね」
海未「?.....!な、なんですか?この殺気は....」
穂乃果「...もう出てくるんだ、もうちょっとは様子を見てるかと思ったのに」
「久しぶりだね」
絵里「なんで貴方ががここに」
「伝えないといけないことがあるからってところかな?」
絵里「.........」
「お姉ちゃん」 希「お姉ちゃん?」
凛「このすごい殺気を感じるこの子、もしかして絵里ちゃんの妹さん?」
絵里「亜里沙....」
亜里沙「こっちで会うのは何年ぶりだろうね、最後に会ったのはお姉ちゃんが日本に行く前だから」
絵里「どうして日本に」
亜里沙「おばあ様から伝言を預かったからかな?」
絵里「おばあ様から!?」
亜里沙「うん...でもここじゃあ、あれだから...少し場所も変えようか?」
絵里「....そうね、でもその前にここの連中を片付けないと」
海未「それなら私がやります」
絵里「海未、でも貴方」
海未「大丈夫です、これが仕事ですから」 穂乃果「なら穂乃果もここに残る、いいよね?亜里沙ちゃん」
亜里沙「構わないですよ」
海未「穂乃果」
穂乃果「海未ちゃんは昔から頑張りすぎちゃうからね」
海未「ありがとうございます....」
亜里沙「じゃあ、行こうかお姉ちゃん」
絵里「えぇ」
凛「海未ちゃん、凛は」
海未「絵里についてあげてください」
凛「わかったにゃ」
希「海未ちゃんよかったね、頼もしいナイトさんが来てくれて」
穂乃果「えっへん」
海未「ふふ...そうかもしれませんね」 亜里沙「このお店、懐かしいなーおばあ様が日本にいたころにはよく来たっけ」
絵里「それでおばあ様の伝言ってなに?」
亜里沙「うーん...簡単に言うとお姉ちゃん狙われてるよ」
絵里「え?」
亜里沙「狙われてるって話、色んな人にね」
絵里「どういう意味よ」
亜里沙「そのままの意味だよ」
絵里「.........」
亜里沙「お姉ちゃんのことをよく思っていない連中が本格的に手を回し始めた」
凛「まさか...最近この街で事件が多いのは....」
亜里沙「そういうことです」 絵里「なんでそんなことを....私を狙うなら私を直接狙えばいいじゃない!!なんでそんな回りくどいことを!」
希「エリチ」
亜里沙「連中も最初は脅し程度のつもりでやっていたのかもしれない、街で不祥事が起きて支配している人間達が責任を取っていなくなればいいって感じでね」
凛「まさか...ことりちゃん達も狙って?」
亜里沙「さぁ?そこまでは亜里沙は知っているのはこの街をおばあ様から引き継いだお姉ちゃんのことをよく思ってない人たちもいるって話」
絵里「.......」
亜里沙「亜里沙はそれを伝えに来るためにお姉ちゃんに会いに来たんだ」
絵里「警告ってこと?」
亜里沙「そうだね」
絵里「..........」 希「ってことはこの街はやばいってこと?」
亜里沙「そういうことです、簡単に言えば」
凛「厄介なことになったかもしれないにゃ」
絵里「....それでも......」
亜里沙「.........」
絵里「それでも私はこの街を守っていきたい...途中で投げ出したり逃げ出したりなんかできない!!」
希「そうやね...エリチならそう言う思った」
凛「凛はかよちん次第だけど...きっと絵里ちゃんと似たような答えを出すんだろうな」
亜里沙「亜里沙は警告はしたから、まぁ、最終的にはお姉ちゃんが決めることだから」
絵里「亜里沙....」
亜里沙「でもどんな困難が待ってるかわからないんだよ、それでもいいの?」
絵里「それでも私は....頑張らないといけないから」
亜里沙「....そっか」
絵里「..........」 真姫「へー....エリーの妹さんがこの街に」
希「そうなんよ、見た目はすっごい可愛らしいんだけどオーラがすごかったよ」
真姫「ふーん」
希「最近の事件はその敵対勢力みたいなやつらの仕業なんだって」
真姫「本当にそうなのかしら?」
希「え?」
真姫「もしかしたら裏を引いてるのは妹さんだったりして」
絵里「真姫」
真姫「冗談よ、そんな怖い顔をしないで」
絵里「.........」
真姫「幼馴染は大切にしてよね」 希「!!ちょっと!いつから真姫ちゃんはエリチと幼馴染に!!」ガタッ
希「!痛っ.......」
真姫「ほら、手当てをしてる途中なんだからじっとしてなさい」
希「...はーい....後でその件は詳しく話してよね」
真姫「はいはい、よし....こんなもんかしら?」
希「ありがとう、真姫ちゃん」
真姫「怪我はそんなにはひどくはないけど、無理はしないようにね」
希「OK、わかった」
絵里「.......」
真姫(全く...こっちはこっちで別な処方が必要な感じね) ことり「〜♪」
コンコン
「ことり、失礼します」
ことり「海未ちゃん?どうぞー」
海未「ことり」
ことり「お疲れー通り魔を逮捕できたんだって?よかったねー」
海未「はい、それで実は....」
ことり「?」
穂乃果「こっとりちゃーん!!!」ダッ
ことり「!?」
ガキン!!
穂乃果「!」
花陽「............」 花陽「貴方...誰ですか?市長にいきなり飛びつくのはマナー違反ですよ」
穂乃果「おー...見た目は可愛らしいけど、これはまた腕がありそうな子が」
ことり「かよちゃん、大丈夫だよー知り合いだから」
花陽「知り合い.....」
海未「すいません!花陽、うちのお馬鹿が!」
穂乃果「ちょ!ひどいよぉ!海未ちゃん!!」
海未「ひどくありません」
穂乃果「むー...」
花陽「市長、あの方は?」
ことり「穂乃果ちゃんだよー、ことりと海未ちゃんの幼馴染なんだー」
花陽「幼馴染....」
穂乃果「海外への遠征から帰ってきました!」 花陽「市長の幼馴染の方でしたか、これはとんだご無礼を」
海未「こちらこそ穂乃果がとんだ無礼を...失礼しました」
穂乃果「貴方、中々手練れそうだね!」
海未「穂乃果!」
花陽「ありがとうございます」
穂乃果「ことりちゃんが貴方を近くに置いている理由もわかるよ」
ことり「ふふ♪自慢のかよちゃんです」
花陽「ありがとうございます」
凛「当然にゃ」
花陽「!凛ちゃん?」
凛「かよちんは凛よりも強いんだから」 穂乃果「へー...なら手合わせでしてみたいもんだね」
凛「それはだめにゃ」
穂乃果「え?なんで?」
凛「かよちんは秘密兵器だから滅多には実力は見せたりはしないの!」
穂乃果「ふーん...そっか、残念」
海未「....って!今はそんな話をしている場合じゃないんでした!」
花陽「なにかあったんですか?」
海未「少々と厄介な案件がありまして」
ことり「....厄介な案件?」
海未「えぇ、穂乃果がこの街に帰ってきたのもそれが理由です」
ことり「わかった....かよちゃん」
花陽「はい」
ことり「お茶とお菓子の準備をお願いします」
花陽「えぇー...かしこまりました」 海未「はい、ここ最近の事件がそれが原因かと」
穂乃果「美味しいー!!」
海未「穂乃果.....」
花陽「その話が本当なら色々と対策は打った方がいいかもね」
海未「そうですね、可能であれば皆の力をお借りしたいです」
穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんののお願いなら穂乃果はいいよー」
凛「かよちんのお願いなら凛も協力するよー」
海未「ぶれませんね...貴方達は」
ことり「.........」 花陽「ことりちゃんどうしたの?珍しく難しい顔をして」
ことり「かよちゃん!今は市長です、狙いは本当に絵里ちゃんだけなのかな?」
海未「というと?」
ことり「狙いはことりも含まれてるかもしれないかなーって思って」
花陽「.......」
ことり「ことりの今の地位をね、よく思ってない人がいるからー事件を起こして市長の責任とかなんとかだのを狙ってるんじゃないのかなーってね」
凛「たしかに可能性は否定できないにゃ...」
海未「たしかにその狙いも....」
穂乃果「なら絶対に頑張らないとね!」
ことり「!」
海未「穂乃果....そうですね!」 ことり「ふふふ」
海未「どうしたんですか?」
ことり「穂乃果ちゃんは相変わらずだなーって思ってね」
穂乃果「そうかな?」
ことり「うん、さすがことりの自慢の幼馴染です」
穂乃果「えへへ」
ことり「でも帰ってきてたのなら連絡とかことりのところに来てくれればよかったのに」
穂乃果「来たけど門前払いされたよ」
ことり「そうなの?」
穂乃果「市長の幼馴染だって言っても聞いてくれなかったし、それで海未ちゃんに会いに行ったら海未ちゃんは海未ちゃんでお家にいないし」
海未「地味にしつこいですね、貴方は」
ことり「かよちゃん?」
花陽「市長の身の安全の為です」 穂乃果「いいよいいよ、気にしてないから」
凛「じゃあ、共同戦線を張るって感じでいいんですかね?」
穂乃果「そうだねー」
海未「二人共仲良くしてくださいね」
花陽「凛ちゃん、喧嘩とかはめっ!だめからね」
穂乃果 凛「はーい」
こうして通り魔事件が一旦は解決しました
けれどそれはこれから起こる大きな出来事の予兆...
ことり「不安な部分もあるけど、皆がいるから心強いね」
海未「そうですね」
その影は少しずつ私達やこの街に近づいてきていたのでした 最終話に続く
いつも読んでいただいている方保守をしていただいてる方ありがとうございます ことり「〜♪」
花陽「.......」
穂乃果「........」モグモグ
ことり「よし、これでー終わりー♪」
花陽「お疲れ様です」
ことり「んー...今日も頑張ったかなー?」
花陽「そうですね、今日やるべき仕事は予定より早く終わったので頑張ったかと思います」
ことり「ならー」
花陽「?」
ことり「飲んでもいいかなー?」
花陽「駄目です、飲むのは職場を出てからにしてください」
ことり「お水かもしれないよー?」
花陽「なら水でいいですね、水道水で」
ことり「そんなー冷たいのはグラスだけいいよー...」
花陽「やっぱりお水じゃないじゃん」 穂乃果「..........」
花陽「?どうかしましたか?」
穂乃果「あ、ことりちゃんがこうわがまま言うのがなんか珍しいなーって思っちゃって」
花陽「いつもこうですよ?」
穂乃果「へー」
ことり「いやーなんかね、かよちゃんだとなんかわがままを言いたくなっちゃうの」
花陽「私限定!?」
ことり「かよちゃんの困った顔を可愛いんだもん」
花陽「意地悪をしないでください」
ことり「まぁ、わがままを言いすぎた結果かよちゃんがたくましくなっちゃったけどね...」
花陽「........」
ことり「涙目でオロオロしていた可愛いかよちゃんはどこに....残念」
花陽「残念なのはこっちです」
穂乃果「仲がいいんだね、二人共」 ことり「うん、仲はいいよー」
穂乃果「穂乃果よりも?」
ことり「穂乃果ちゃんとは年季が違うじゃない」
穂乃果「それもそうだね」
ことり「.......」
穂乃果「.........」
ことり 穂乃果「いえーい」パシン!
花陽「...一体なんなんですか?このノリは」
ことり「よくわかんないけど」
穂乃果「なんとなく?」
花陽「そうですか....」
ことり「今日は平和だったねー」
穂乃果「そうだねー」
花陽「..........」 絵里「........」
海未「さてと今日は久々に私と真姫がオフということでこれからについての話し合いをしましょう」
真姫「なんか3人だけで集まるのは久々の感じね」
絵里「そうね」
海未「.....絵里」
絵里「?なに?」
真姫「貴方、さっきから顔がこわばりすぎよ」
絵里「!....ごめんなさい、気をつけるわ」
海未「絵里も疲れているんですね、呼び出してしまってすいません」
絵里「気にしないで!大丈夫だから」
真姫「..........」 絵里「海未の方はどう?なにか情報は」
海未「特にはなにも」
真姫「前回の通り魔をやっていた連中も結局はお金が雇われた連中で雇い主まではたどり着けなかったし」
海未「そうですね、しかしこちらも悪いことばかりではありません」
真姫「なにかいいことでもあったの?」
海未「穂乃果が戻ってきたのでこちらの戦力は上がってます」
真姫「あー海未とことりの幼馴染だっけ」
海未「真姫はまだ会ってないんでしたっけ?」
真姫「その人が海未達の幼馴染って知る前にエリーの店で少し会ったくらいかしら」
海未「そうでしたか」
真姫「正直なところ海未には悪いけど、頼りになるとは思えない感じだったわ」
海未「穂乃果はスイッチが入ってない状態はたしかにそうですね」 真姫「この街もなんやかんやで色々な問題を抱えることが多くなってきたわね」
海未「そうですね」
絵里「なんとかしなきゃ....」
真姫「.......」
海未「と言いましても相手側がどう出てくるかがわからない以上こちらとしては中々動きづらいですね」
真姫「わざわざ動く必要はないんじゃないの?もちろん護衛が必要な対象はいるでしょうけど」
絵里「ことりかしら?」
海未「そうですね、あとは絵里も」
絵里「私?」
海未「絵里の妹さんの話通りならこの街の権力者と絵里を狙ってる感じでしたからね」
真姫「ことりならまだしも、エリーは護衛が必要なのかしら?エリーはなんやかんやで腕は立つし」
海未「なにが起こるのかはわかりませんから、用心に越したことはありません」 絵里「私よりもことりを優先して頂戴、ことりになにかがあったらこの街は大変なことになるから」
海未「絵里、貴方に何かが起こってもそれは大変なことなんですよ!」
絵里「それは私達、個人間の話でしょ?」
真姫「........」
絵里「市長とかたや街の喫茶店のしがない店主...どっちがいなくなったら大変?」
海未「比べる時点でそれは間違っていると思います、二人共同じ一人の人間です!」
絵里「海未は優しいわね...でも普通なら市長を優先すべき場面よ」
海未「絵里」
絵里「大丈夫!こう見えても私結構強いんだから」
海未「しかし!」
真姫「わかったわ」
海未「!」
真姫「護衛はことりが優先ね」 海未「真姫、貴方!」
真姫「怒らないでよ、第三者目線で見た時にどっちを優先するっていうならことりでしょこの場面は」
絵里「そうね」
真姫「だから戦力的には...ことりの方に」
海未「!!」ガッ
真姫「!...なによ」
海未「貴方は絵里のことが心配じゃないんですか!」
真姫「...襟元を引っ張らないでよ、苦しいし服が傷むわ」
海未「服なんかよりも絵里です!」
真姫「全ての人間を救えるならこの世界に医者はいらないわ、時には選択をしなければならない場面があるのよ」
海未「っ.....真姫...貴方って人は!」
絵里「やめなさい!!!!!!」
海未「!!」 絵里「私を心配してくれるのはとっても嬉しいわ、でもこうやって喧嘩をするのはやめてほしいわね」
海未「すいません...」
真姫「........」
絵里「そうやって本気で思ってもらえてるだけ私は幸せ者よ、私は」
海未「絵里...」
絵里「私からお願いするわ、ことりを守ってあげてお願い」
海未「っ......」
絵里「市長になにかあって街がめちゃくちゃになってしったらおばあ様に顔を向けることができなくなっちゃうしね」
真姫「私はエリーの意思を尊重するわ」
絵里「ありがとう、真姫」
海未「私は......」
真姫「........」
海未「なら!私は私で好きに動かせてもらいます...私は絵里を守ります!!」
絵里「海未....」
海未「私には誰かを切り捨てることなんてできないです!!」
絵里「....ありがとう」
真姫「............」 真姫「はぁ.......」
「..........」
真姫「なんか用?エリーなら今は海未と店にいるわよ」
希「そっか...じゃあ真姫ちゃんだけこれから別の用事で別行動?」
真姫「....別に何もないわよ......」
希「随分といつも以上に目つきが悪いけど、なんかイライラしてるの?」
真姫「別になんでもいいでしょ」
希「釣れないなぁ...3人でどんな話をしてたん?」
真姫「秘密よ秘密」
希「ふーん....」
真姫「このままだとエリーを海未に取られちゃうわよ」
希「え」 海未ちゃんのこういう頑固というか実直なところが好き
真姫ちゃんのリアリストなんだけど多分裏で色々考えてそうなところも好き 希「ふーん、海未ちゃんがねぇ」
真姫「海未は頑固だからね」
希「というかなんでうちをその集まりに呼んでくれなかったん?」
真姫「今回は久々に3人だけで話をしたかったのよ」
希「じゃあ、凛ちゃん達もいなかったんやね」
真姫「そうよ」
希「仲がいいんだね、三人とも」
真姫「...そうかもね」
希「いいなーうちもエリチともっと仲良くなりたいなー」
真姫「用はそれだけかしら?それなら私は早く帰って寝たいんだけど」
希「........」
真姫「?」 希「...真姫ちゃんは優しいんやね」
真姫「?急に何よ?」
希「危険が迫ってるから自分達から人を遠ざけようとしてるんでしょ?」
真姫「なんのこと?」
希「真姫ちゃんは不器用だからね」
真姫「...なにがよ....」
希「にこっちへの監視も真姫ちゃん自身は最近してないみたいだし、本気でやばそうって感じなんやね」
真姫「してるわよ、にこちゃんの安全は私が守ってるんだから」
希「嘘、凛ちゃんに色々指示してたでしょ、いつも以上に離れて警戒しろって」
真姫「!...っ...全くお喋りなんだから」
希「あ、本当だったんだね」
真姫「...は?....貴方!」
希「引っかかる方が悪いんだよー」 真姫「希にやられるなんて...ショックだわ...」
希「そんなに凹まれるとそれはそれでうちもショックなんだけど」
真姫「で?どうするつもり?」
希「なにが?」
真姫「私の考えを見抜いたうえで私に何の用なのかしら?」
希「さすが真姫ちゃん、話が早くて助かるねー」
真姫「なにが目当てなの?」
希「ふふふー」
真姫「なんか嫌な予感...」
希「ちょっとやりたいことがあるんだけど、協力してもらってもいいかな?」
真姫「どうせ拒否権がないんでしょ、さっさと話しなさいよ」
希「OK!えっとねー」 絵里「....あの...希さん?」
希「なぁに?エリチ?」
絵里「私、こんなことをしている場合じゃないんだけど」
希「まぁまぁ!あれから2週間経ってもなにも特にないし、たまには気分転換でもしよ?」
絵里「気分転換ねぇ...」
希「だから...エリチは今日はうちとデートするんよ!」
絵里「それって、ただ希が私と出かけたかっただけなんじゃ」
希「もー!せっかくのデートなんやから!ぶつぶつ言わない!!ほら行くよ!!」グイッ
絵里「あ、ちょっと!」
希「レッツゴー!!!」
絵里「わかったから!腕を引っ張らないで!!」 凛「希ちゃん楽しそうにゃ」
海未「そうですね」
凛「よかったの?海未ちゃん的にこれは」
海未「よくはないですけど...警戒をしてずっと引きこもってるのも色々と毒ですから」
凛「意外と甘いんだね、海未ちゃん」
海未「希のせいです」
凛「希ちゃん?」
海未「希に頼まれましてね、絵里を少しでもリフレッシュさせたいと」
凛「そっか、希ちゃんらしいね」
海未「我々は二人が安全に楽しめるように今日は頑張りましょう」
凛「了解にゃ」 真姫「.......」
凛「真姫ちゃんも海未ちゃんと合流すればよかったのにー」
真姫「私達が固まって行動をしたら目立つでしょ」
凛「まぁ、それはそうかもしれないけど」
真姫「いいから二人から距離を取りながら監視を続けなさい」
凛「わかった」
真姫「凛」
凛「なに?」
真姫「ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら?」 絵里「希?ここはやめない?」
希「なんで?せっかく遊園地に来たんだからいっぱい遊ばないともったいないよ!」
絵里「いや、ほら!だってここって密室だし....暗いし、なにかあったら危ないわよ」
希「もしかしてエリチ...」
絵里「な、なに?」
希「怖いん?お化け屋敷ー」ニヤニヤ
絵里「なっ!」
希「そっかそっか、あのクールでカッコイイエリチにそんな弱点があったなんてなー」
絵里「こ、怖くないわよ!!」
希「またまたーそうやってテンプレみたいな誤魔化し方をしなくたっていいのにー」
絵里「だから怖くないって!!!」 絵里「い、行くわよ?」
希「怖いんなら入らなくてもええんよー?」
絵里「行くったら行くのよ!!希こそ怖いんじゃないの?」
希「どうやろー?」
絵里「ほら、行くわよ」グイッ
希「!」
絵里「っ.......」
希「..........」
海未「私も続いて入ります、凛は外からの監視をお願いします」
凛『了解にゃー』 絵里「く、暗いわね...」
希「お化け屋敷やからねー」
絵里「足元とか危ないし、はぐれたりしたら危ないから手を離しちゃだめよ」グッ
希「はーい」
絵里「っ.......」
希「〜♪」
絵里「随分と余裕そうね、こういうのは得意なの?」
希「さぁ?どうやろ?」
絵里「もしくはやせ我慢とか?」
希「うーん...それはないかなー」
絵里「言い切るわね」
希「だってエリチがいるから」 希「エリチがこうやってうちの手を離さないでうちのことを引っ張っていってくれてる...これだけでうちはすっごく安心できるし、嬉しいんよ」
絵里「希....」
希「だからずーっと隣でうちの手を握っててほしいなーって」
絵里「なによ、それプロポーズのつもり?」
希「うーん...そんなつもりで言ったつもりじゃなかったんだけど、言われてみればそうやね」
絵里「ふふ...希らしいわね」
希「だからうちはエリチがいれば元気百万倍なんよ」
絵里「へー、なんか馬鹿っぽいわね」
希「なっ!」
絵里「でもなんか嬉しいわ、ありがとう希」
希「どういたしまして♪」 絵里「..........!」
希「?どうしたん?エリチ?」
絵里「いや、ちょっと...なんか視線が...」
希「視線?どこから?」
絵里「背後から...」
希「振り返ってみる?」
絵里「え」
希「なんたいたりしてーお化け屋敷だしー」
絵里「っ......」
希「だるまさんが....」
絵里「!」
希「転んだ!!」クルッ
絵里「!!」ビクッ 希「........」
絵里「ちょっと希、いきなり大声出さないでよ!」
希「なんもおらんよ?エリチ」
絵里「え?」クルッ
希「ほら、周りの装飾とかしかないよ?」
絵里「本当だ」
希「気のせいだったんじゃないの?」
絵里「そうだったのかしら?」
希「.........」
絵里「うーん.....」
「.........」
絵里「....!!!」
希「どうしたん?エリチ」
絵里「あ、あそこの陰に誰かいる!!」 希「んー?あの作りものの木のところ?」
絵里「えぇ!なんか髪の毛が見えたわ!」
希「髪の毛?気の葉っぱとか枝じゃないの?」
絵里「違うわよ!!髪の毛がゆらいでたわ!!長い髪!!」
希「えー....」
絵里「.....!!!」グッ
希「エリチ?」
絵里「ここは危険だわ!!早く逃げましょう!!」グイッ
希「あ、ちょ!!エリチ!!」
絵里「っ〜!!!!」ダッ
「!!」ガサッ
希「!」
絵里「!!!!!!!!!!」 凛「海未ちゃんどうしたの?え?絵里ちゃんが急に走り始めた?」
真姫「エリーはあぁ見えて暗闇とか怖いのが苦手なのよ」
凛「!真姫ちゃん」
真姫「多分怖くなって早く出たくなったんじゃないの?」
凛「へー...絵里ちゃんにそんな弱点が」
真姫「あとは...もしかたら監視をしていた海未がたまたま見えてそれを幽霊と勘違いしてたりして」
海未『人をお化け扱いしないでください!!!』
真姫「あら聞こちゃってたのね」
凛「海未ちゃん駄目だよ、怒って顔までお化けっぽくなっちゃったら絵里ちゃん達もっと怖くなっちゃうから」
真姫「確かにそうかもね」
海未『二人共、後で覚えていてくださいね』
真姫「じゃあ、凛また後で」
凛「真姫ちゃん!!一人で逃げないでよ!!」 お、いいタイミングで更新来てた
いつも乙です
真姫ちゃんのセリフ回しがホント上手くてすごいと思います 果南・真姫から1人
海未・ダイヤ・新ことりから1人(↑が2人なら不要)
ルビィ曜花陽絵里から1人
梨子
この4つ満たしてないと人権ないぞ
リセマラに戻る方がマシ 絵里 希「はぁ...はぁ...」
希「ど、どうしたん?エリチ?」
絵里「いたのよ」
希「いた?」
絵里「私達の後ろにいたのよ!」
希「え?」
絵里「..まさか....!」キッ
希「?」
絵里「...........」 希「やっぱりエリチお化けが苦手だったん?」
絵里「ち、違うわよ!もしかしたら私達をつけている奴が」
希「え?本当?」
絵里「............」
希「でもーこんなお化け屋敷みたいなやりづらいところでそんなことをするのかな?」
絵里「可能性は否定できないでしょ」
希「まぁ、それはそうだけど」
絵里「ちょっと出口が見えるところに張り込むわよ」グッ
希「!」
凛「絵里ちゃん鋭いなー....」 絵里「.........」
希「特に変わった人は出てこんね」
絵里「うーん....」
希「気のせいやったんやないの?」
絵里「...そうだったのかしら?」
希「あとは....」
絵里「?」
希「本物のお化けさんだったのかもね」
絵里「!!!!」
希「ひっひっひ....」
絵里「希!!」 海未「.........」
「うわぁ!これよくできてるね」
「そうだねー、髪の毛とか生々くて怖いね」
海未(なんでこんなことに....)
「きゃあ!!」
海未(私は幽霊の置物、私は幽霊の置物.....)
希「エリチー次行こうよー、何人か出てきた人はいたけどそれっぽい人いなかったし」
絵里「...そうね、一本道のアトラクションで中にも長くは滞在できないはずだし、私の気のせいだったみたいね」
希「じゃあ!次はあれに行こうよ!」
絵里「あ、こら!希、急に走らない!!」 凛「海未ちゃんー絵里ちゃん達移動を始めたよー」
海未『...わかりました』
凛「先に行ってるねー」
海未『....はい』
凛「?なんか元気がない?海未ちゃん」
海未『........』
凛「??」
絵里「えーなんか子供っぽくない?ゴーカートなんて」
希「そういうのがええんやん、楽しみに来てるんだからいっぱい楽しまないと」
絵里「まぁ、それはそうかもしれないけど」
希「それともエリチ、運転に自信がないとか?」
絵里「むっ!私のバイク捌きを知らないの?希」
希「なら、勝負しない?勝ったらなんかおごりで」
絵里「いいわ、その勝負受けて立つわ!」 希「コーナーがうちに告げるんや!」
絵里「エリーチカに敗北の二文字はないのよ!!」
真姫「なんであの二人はゴーカートでレースバトルしてるのよ...思いっきり満喫してるわね」
凛「真姫ちゃん、発見!」
真姫「遅かったわね、凛」
凛「もー置いてかないでよ」
真姫「海未は?」
凛「海未ちゃんは置いてきた、この戦いにはついていけないと思うから」
真姫「は?」
凛「時期に合流するって」
真姫「そう」 凛「おー、白熱した戦いをしてるね」
真姫「どうやったらゴーカートでドリフトできるのよ」
凛「二人共楽しそうだね」
真姫「本当に普通のデートって感じね」
「凛、真姫」
凛「あ、海未ちゃんお疲れ.....!!」ビクッ
真姫「!?」
凛「う、海未ちゃんだよね?」
真姫「な、なによ...その姿は...」
海未「...ふ....ふふ...」
凛 真姫「!?」ビクッ
海未「ふふふ....」 真姫「もう...怖いことをしないでよ」
凛「そうにゃ!そうにゃ!」
海未「貴方達が人のことをお化け扱いするからお化けみたいになってみただけですよ」
真姫「悪かったわよ...」
凛「似合いすぎてて怖すぎるにゃ」
海未「ほう...まだ言いますか」ユラッ
凛「!」
真姫「その髪の長さでうつむきながらこっちに来るのはやめなさい!」
凛「しかもぼさぼさにしてるから怖さが倍増にゃ....」
海未「.........」 希「はい!うちの勝ち!!」
絵里「っく....」
希「さーてとなにをおごってもらおうかなー?」
絵里「やるわね、希」
希「勝負事にはうちは強いんよー」
絵里「いつかリベンジしてやるわ」
希「ふふふ...さてとエリチにはー」
絵里「.......」
希「指輪をおごってもらおうかなー?」
絵里「....はぁ?」
希「冗談よ、そんな怖い顔をしないでもええやん」 希「本当は焼肉がよかったんやけど、これで許してあげる」
絵里「園内に焼き肉屋があるわけないでしょ」
希「〜♪」
絵里「それはそれとしてお昼はどうするの?それだけじゃ足りないんじゃないの?」
希「ふふふー」
絵里「?」
希「実は....」ゴソゴソ
希「じゃーん、お昼を作ってきましたー!!」
絵里「あら、希が珍しいわね」
希「エリチの為に愛妻弁当を作ってきましたー」 何か不穏な事が起こるかと思ったけど、絵里が楽しそうで良かった 絵里「愛妻っていつから希が」
希「もう!細かいことはええの!ほら!お昼!!」グイッ
絵里「!」
希「レッツゴー!!!」
希「〜♪」
絵里「これって希が?」
希「そうだよー頑張って作った!」
絵里「へー...意外とまともなお弁当でびっくり」
希「意外にまともってどう意味?」ムスッ
絵里「希だから焼肉弁当だーって言ってお肉だけ出してくると思ってたから」 希「もう!うちだってこういう時はちゃんとするよ」
絵里「ごめんごめん」
希「初めてのデート....なんだから....」
絵里「え?」
希「なんでもない、ほら!うちが食べさせてあげる♪」
絵里「いいわよ、自分で食べるから」
希「はい、あーん」
絵里「いや、だから」
希「あ ー ん !」
絵里「はぁ...わかったわ」 凛「わーお、二人共ラブラブにゃ」
真姫「どっちかっていうと希の一方通行的な感じにも見えるけど」
海未「人まで.....あんなことを...」
真姫「...海未はうぶなんだから」
海未「だって、人目のあるところでなんて」
真姫「それがいいんじゃないの?」
海未「私にはわからない世界です....」
凛「そう言ってる真姫ちゃんもずーっと恋人がいないくせにー」
真姫「........」イラッ
凛「へ?」
真姫「....怒るわよ」ぎゅー...
凛「すへにおこっへるにゃあ!!」 真姫「.......」
凛「ほっぺが痛いにゃ...」
真姫「自業自得よ」
凛「むー.....」
海未「我々はどうしましょうか?昼食は」
真姫「二人を見張るって決めた時点で昼食は持ってきたわ」
凛「凛も」
海未「皆考えることは一緒みたいですね」
凛「凛はかよちんにつくってもらったおにぎりにゃ!」
海未「私は自分で軽食を」
真姫「私はこれ」スッ
凛「トマトジュースはご飯じゃないような...」
真姫「いいでしょ、別に」 絵里「ふぅ...結構色々回ったわね」
希「途中からエリチもノリノリだったね」
絵里「まぁ、せっかくだし楽しまないと損だと思ってね」
希「エリチが楽しいとうちも楽しい♪」ニコッ
絵里「そ、そう....よかったわ」
希「ん?」
絵里「なんでもないわ」
希「そう?」
絵里「あ!最後はあれに乗りましょう!」
希「おっ!ええやん♪最後にはもってこいやね」
絵里「よし、行きましょう」 希「夕日は綺麗やねー」
絵里「そうね」
希「街の景色も一緒に見渡せるからいいね」
絵里「この時間帯ならやっぱり観覧車でしょ」
希「さすがエリチ!いいセンス」
絵里「この街を...この景色をこれからも守っていかないと」
希「そうやね...」
絵里「だから私、頑張るわ」
希「うちもお手伝いするよ」
絵里「ありがとう、希」
希「だってうちはエリチのお嫁さんだから」
絵里「それは認められないわ」
希「そんな」 絵里「ふふふ....」
希「エリチは中々振り向いてくれないなー」
絵里「あら?そんなことはないわよ」
希「え?いつ結婚してくれるん?」
絵里「話が飛躍しすぎよ」
希「えーだってー」
絵里「いつか...この街を安心して任せられる新しい世代が来れば...かな?」
希「OK、なら早く引退をして、うちと新婚旅行に!」
絵里「まだ私が安心して任せられる人はいないし、なにより前も言ったけど私が一人前としてこの街を守れた、この街をよくしたっていう納得ができてないから」
希「じゃあ、まだまだってことかな?」
絵里「そういうことね」 希「なら今日はそれへの大きな第一歩!」
絵里「第一歩?」
希「やっぱりうちには待ってることはできない、だから少しずつだけどエリチに侵食していくよ!うちは」
絵里「侵食って」
希「エリチをうちがいないとだめなようにしていくよ!」
絵里「へー...大した宣言ね」
希「思いは言葉にしなきゃ伝わらないし、実現もしないから!」
絵里「.......」
希「これからも覚悟してねーエリチ」
絵里「お手柔らかに....」 真姫「特にはなにも起きなかったわね」
海未「そうですね....」
凛「二人のいちゃつきをずっと見せられていただけだったにゃ」
真姫「そうね」
海未「でもよかったです」
凛「よかった?まぁ、なにも起きなくてよかったけど」
海未「そうではなくて絵里です」
凛「絵里ちゃんがどうしたの?」
海未「最近ずっと難しい顔をしていましたので少しはリラックスできたのかなと思いまして」
凛「あー」
真姫「.......」 希「今日は楽しかった!また来ようねエリチ!」
絵里「まぁ、たまになら」
希「やった」
絵里「じゃあ、そろそろ帰りましょうか?」
希「........」
絵里「?希?」
希「.........」グイッ
絵里「どうかしたの?...!まさか、なにかが!?」
希「ねぇ、エリチ...」
絵里「なに?希?」
希「うち今日はまだ帰りたくないなー....」
絵里「え?」 希「........」
絵里「希?」
希「ねぇ....どっかで休憩していかない?」
絵里「休憩?どこか具合でも悪いの?」
希「...あそこのお城みたいなところで休憩していかない?」
絵里「あそこのお城みたいな?....!!!」
希「......」
絵里「の、希?あそこがなにかわかって言ってるの?」
希「行かない?....」
絵里「行かない?ってい、いきなり何を言ってるのよ!」
希「うちじゃ...だめ?」
絵里「!!!!!」 希「........」
絵里「っ.....貴方、何を言ってるのかわかってるの?」
希「わかってるよ」
絵里「わかってるって....いきなりそんな...それにもっと自分を大切に」
希「ぷっ....」
絵里「へ?」
希「冗談よ、エリチ真っ赤になって可愛いなー♪」
絵里「?..........」
希「どうだった?うちの演技」
絵里「...!希ぃ!!!!!」
希「あはは!!」ダッ
絵里「こらー!!待ちなさい!!」
希「待たないよー」
絵里「希!!!」 希「..........」テクテク
希(〜♪今日は楽しかったなーエリチも可愛かったなー)
希(こうやってエリチと楽しい毎日を過ごせたらいいなー....なんてね)
「..........」
ドン!
希「おっと!...すいませ....」
ザクッ
希「!」
「..........」
希「.........え?」 希「なっ.....」
ドサッ
キャー!!!!!
「..........」ダッ
希「.....血?...」
誰か警察を!!
人が倒れてる!!早く救急車を!!!
希「.....ぁ....うち....」
大丈夫ですか!!!
希「...........」
希(エリチ......) バタン!!
絵里「希!!!!!!!!」
海未「!絵里」
絵里「希は?希は無事なの!?」
海未「今、緊急の手術中です」
絵里「助かるのよね?ねぇ?」
海未「落ち着いてください!絵里らしくないですよ!」
絵里「!」
海未「今は真姫や病院の先生方達が全力を尽くしてます、皆を信じて待ちましょう」
絵里「っ........」
海未「..........」 凛「海未ちゃん!絵里ちゃん!」
海未「凛!それに皆も....」
花陽「希ちゃんは」
海未「今は手術中です」
穂乃果「..........」
ことり「一体なにがあったの?」
海未「まだ情報が錯綜していて詳しくはわかりませんが街中でいきなり襲われたみたいです」
花陽「ようは通り魔ってこと?」
海未「そうみたいです、しかも人通りの多いところで」
凛「まさか....また?」
海未「それはまだ...その事件でうちの署に緊急の捜査本部が設立されて捜査中です」 絵里「..........」
凛「絵里ちゃん.....」
海未「ことりに花陽、それと穂乃果と凛、ここをお願いできますか」
凛「?海未ちゃんは?」
海未「私も捜査に加わってきます、希にこんなことをしたやつを捕まえに行ってきます」
穂乃果「海未ちゃん!でもそれって危険だよ?きっと」
海未「危険でもやらなければいけないこともあるんです」
穂乃果「海未ちゃん....でも、一人は穂乃果が許さないよ!一人では行かせないよ」
海未「穂乃果....」
ことり「じゃあー穂乃果ちゃんも一緒に行っちゃう?」
穂乃果「いいかな?ことりちゃん」
ことり「許可しまーす」 海未「しかし、それではことり達の警護が」
ことり「大丈夫ーかよちゃんがいるしー凛ちゃんもいるもん」
花陽「お任せください、海未ちゃん」
凛「凛とかよちんは無敵のコンビだから!」
海未「凛、花陽....」
穂乃果「頼もしいねぇ」
絵里「..........」
海未「わかりました、お願いしますね」
凛「任せてにゃ!」
花陽「かしこまりました」 ことり「それにしても...絵里ちゃん元気ないね」
絵里「こんな時に元気だったらおかしいでしょ」
ことり「まぁ、それはそうだよね」
絵里「.........」
ことり「どっちのせいだろうね」
絵里「......え?」
ことり「希ちゃんが襲われた理由って絵里ちゃんが理由なのか...それともことりなのかなってね」
絵里「......」
ことり「まぁ、どっちの可能性ってのもあるけどね」 海未「.........」
穂乃果「どうしたの?海未ちゃん怖い顔をして」
海未「穂乃果、私を殴ってください」
穂乃果「!?何を急に言ってるの?」
海未「私が希の方にもきちんと目を向けていればこんなことには....ならなかったはずなんです」
穂乃果「.....ふーん....」
海未「お願いです」
穂乃果「うーん...嫌だ」
海未「!」
穂乃果「だってそんなの海未ちゃんの自己満足にすぎないじゃん」
海未「.......」
穂乃果「そんなことの為に海未ちゃんを殴ることなんて私にはできないよ...今はそんなことよりも今起こったことを解決しないと」 穂乃果「後悔はしてもいいよ、でもそこで立ち止まるのは駄目、前に進まなきゃ何も解決しないよ」
海未「穂乃果....」
穂乃果「.........」
海未「穂乃果にお説教をされてしまうなんて、私にも焼きが回ってしまったようですね」
穂乃果「穂乃果だって大人になったんだよ」
海未「そうですね、随分と見ない間に成長したようです」
穂乃果「伊達に海外まで行ってないよ」
海未「ありがとうございます」
穂乃果「さぁ、行こう!海未ちゃんには海未ちゃんにしかできないことがあるんだから」
海未「...そうですね、今は自分の役割を全うしないといけませんね」
穂乃果「うん!」 絵里 ことり「..........」
花陽「私がもっと希ちゃんにも注意を促していれば....」
凛「かよちんのせいじゃないよ、凛がもっと皆のことを見ていれば」
ことり「たらればとかはいいよ、それに誰が悪いとかもやめて」ギロッ
花陽 凛「!」
ことり「襲われた原因もまだはっきりしてないんだから」
絵里「........」
ことり「一番悪いのは希ちゃんを襲ったやつなんだから.....ね?」
凛「わ、わかったにゃ...」
ことり「今は真姫ちゃんが無事に終わらせてくれることを祈って待ってよ?」
花陽「.......」 ガララ....
絵里「!」
真姫「.........」
凛「真姫ちゃん!終わったの?」
花陽「希ちゃんは!」
真姫「あー...えっと...」
絵里「希は!希は大丈夫なの!?」
真姫「!」
絵里「答えてよ!真姫!教えて!!」
真姫「っ...ちょっと!少しは落ち着きなさいよ!!いっぺんに喋られても答えられないわよ!」
絵里「!ご、ごめん....」
真姫「今からちゃんと話すから...場所をちょっと変えましょうか?」 真姫「ふぅ...」
絵里「........」
凛「それで希ちゃんの容態は?」
真姫「現状は一命を取り留めてるわ」
花陽「現状はってことは....結構重症なの?」
真姫「まぁ...でも、とりあえずは命は危機はないわ」
凛「よかったにゃ...」
真姫「.........」
ことり「ありがとう真姫ちゃん、希ちゃんを助けてくれて」
真姫「私も他の先生も医者としての責務を果たしただけ、あとは希の頑張り次第ね」 絵里「いつ希は目を覚ますの?」
真姫「さぁ?」
絵里「さぁ?ってどういうことよ」
真姫「しばらくは面会謝絶よ、それだけ重症ってこと」
絵里「そんな....会うことも声をかけることもできないの?」
真姫「今は駄目よ、会えるようになったらちゃんと言うから」
絵里「っ.....」
ことり「.........」
真姫「今は希や先生を信じて待っていて」
絵里「....わかったわ」 真姫「それでこれからの話だけど、希がまた襲われる可能性もあるから処置が落ち着いたら病室を特別病棟に移させてもらうわ」
ことり「特別病棟?」
真姫「他の患者さんを下手に巻き込まないようにね、隔離って訳じゃないけど...まぁ、そんな感じかしら」
凛「警護とかはどうするの?」
真姫「こっち側でも動くけど、人手は欲しいわね」
絵里「なら、私が!」
真姫「ありがとう、考えておくわ」
凛「考えておく?」
真姫「エリーがいるから狙われるって可能性もあるから」
絵里「!」 ことり「真姫ちゃん、それはどうかな?」
真姫「なに?ことり?」
ことり「ことりを狙って希ちゃんを狙ったって可能性もあるんじゃないの?」
真姫「可能性は否定しないわ、けど希はことりとはそこまで接点が強い訳でないわ、どっちかっていうとエリー寄りよ」
花陽「......」
真姫「希は今日、エリーと一緒に出掛けていたはずよ」
絵里「!」
真姫「はたから見たら二人がどう見えるかしら?」
凛「親密な関係....」
真姫「エリーの護衛が面倒そうならどっちを狙うかしら?」
花陽「それは....」
真姫「まぁ、これはあくまで私の推測なだけだけどね」 絵里「私のせい....」
真姫「別に貴方のせいではないわ、希自身も油断をしていたっていうのもあっただろうし」
絵里「....希を悪く言わないで」
真姫「とにかく私の許可出るまでは面会はだめだから、いいわね」
絵里「.........」
花陽「私達も?」
真姫「もちろん」
ことり「市長命令でも?」
真姫「だめなものはだめです」
ことり「むー....」
真姫「とにかくなにかあったら連絡するから、今日は帰った!帰った!」 凛「むー...真姫ちゃんに追い出せれちゃったにゃ」
花陽「あれは真姫ちゃんなりに私達に気を使ってくれたってことなんじゃないの?」
ことり「どうだろうね?私達は真姫ちゃんじゃないから真姫ちゃんの考えまではわからないから」
絵里「.........」
凛「...これからどうする?」
花陽「一回情報を整理するためにどっかに移動する?」
ことり「今日は普通に帰らない?」
凛「え?」
ことり「捜査は穂乃果ちゃんと海未ちゃんが動いてるだろうし、いざって時に備えて休むのも大事だとことりは思うよ」
凛「けど」
ことり「体が万全なじゃない状態でなにができるの?全力を出せるの?」
凛「!」
ことり「休むのは悪じゃないよ、もっと皆、自分をちゃんと大切にして!」
花陽「ことりちゃん...もしかして怒ってる?」
ことり「...........」 ことり「ことりだって希ちゃんがあんなことになって辛いし、気分だって最悪だよ...でもここで腐ったってなんにもならないんだよ」
凛「.......」
ことり「起きてしまったことは仕方ない、なら起きたことに対してこれから何をすべきかを考える、それが大事だと思うんだよ」
花陽「ことりちゃん.....」
ことり「これは市長としてではなくて、仲間として言ってるつもり...大丈夫!後で無茶なことになってもことりも頑張るから」
ことり「だから今日は休もう?これ以上誰かがあぁなったりするのはことり見たくないから」
絵里「わかったわ....」
凛「ことりちゃんがそこまで言うなら....」
ことり「よし!今日はことりのお家でごちそうしてあげる!皆をご招待!」
花陽「招待?....まさか...」
ことり「いいチーズケーキが入ったんだ、皆にごちそうしてあげる」
花陽「!!」 凛「凛はお菓子よりラーメンの方が」
ことり「んー?」
凛「!」ビクッ
ことり「.........」
凛「な、なんでもないです...にゃ...」
花陽「...またチーズケーキでなんかなんかしようと企んでませんか?」
ことり「なにも企んでないよー?そもそも企むってなにを企むのー?」
凛「?」
花陽「前にチーズケーキを鍋に入れたことは忘れてませんから」
絵里「は?」
凛「え?」 ことり「だからあれは不可抗力だってー」
凛「かよちん、それって本当?」
花陽「本当だよ、いきなりお鍋に入れるからびっくりしたよ」
絵里「それって味とかは大丈夫だったの?闇鍋?」
花陽「味はご想像にお任せします」
凛「ひぇー....」
ことり「もう、かよちゃん!その件は謝ったのにしつこいなぁ...」
花陽「ことりちゃんってたまにとてつもないやらかしをするんですよ」
絵里「へー...なんか意外ね」 ことり「間違いは誰にもでもあるんです!」
花陽「そうですね」
ことり「かよちゃん!そこんとこをちゃんと覚えててね」
花陽「はい、鍋のことは覚えておきます」
ことり「そうじゃなくて」
花陽「じゃあ、枕がなくて視察の飛行機の便を」
ことり「かよちゃーん?」
花陽「はい?」ニコニコ
ことり「っ...とんだ手強い秘書だよー....」
絵里「花陽ってなんやかんやですごいわよね、色々と」
凛「凛はこっちのかよちんも大好きにゃー」 真姫「..........」
希「........」
真姫「さてと....容体は安定してきたわね...」
希「........」
真姫「大丈夫...貴方にはエリーや皆が着いているわ...それにこのスーパードクターの真姫ちゃんが着いてるんだからね」
希「......」
真姫「エリーは...大丈夫かしら...」
穂乃果「....海未ちゃん」
海未「はい、わかってます」
「「.......」」
穂乃果「隠れてないで出てきなよ、気配は隠せても殺気が隠せてないよ」
海未「今宵の私は気が少し立ってます、容赦はしませんよ」
穂乃果「おー、海未ちゃんかっこいい」
海未「茶化さないでください、穂乃果」 「「..........」」
穂乃果「数は4人?」
海未「そうみたいですね、ちょっと人気のない路地裏に入った途端にこれとは」
穂乃果「海未ちゃん、準備は」
海未「いつでも」
穂乃果「海未ちゃんがそんなにやる気なんだから、思いっきりやってもいいんだよね?」
海未「構いませんが、正当防衛といえるくらいにしておいてくださいよ」
穂乃果「はーい」
海未「...行きますよ、穂乃果」
穂乃果「OK!!」
海未「はぁ!!」ダッ
穂乃果「でやぁ!!!」ダッ 凛 花陽「zzzzzzzzz」
絵里「.........」
ことり「二人共寝ちゃったね」
絵里「そうね」
ことり「絵里ちゃん」
絵里「なに?」
ことり「寝る前にことりのお話をちょっと聞いてもらってもいいかなー?」
絵里「...別にいいわよ」
ことり「ありがとう、絵里ちゃん♪」 絵里「それで話ってなに?」
ことり「絵里ちゃんってさ、ことりと似てるよね」
絵里「どういう意味?」
ことり「言葉が足りなかったね立場っていうか境遇が近いよね」
絵里「.....まぁ、そうかもね」
ことり「先代からこの街のことを引き継いで時には先代と比べられながらもこの街で頑張っている?」
絵里「なんで疑問形なのよ」
ことり「絵里ちゃんはともかくことりは頑張ってるかどうかはわからないから」
絵里「ことりは頑張ってるわよ」
ことり「ありがとう...でもね、ことりの場合は評価をしてくれるのは市民の人達だから」
絵里「私だって市民の一人よ」
ことり「そうだね、でもことりが言ってるのは仲間内じゃなくて一般の人って話」 ことり「だから難しいよね、皆が皆が評価してくれるかがわからないから」
絵里「まぁ、そうね」
ことり「だからね、ついついかよちゃんに愚痴を言いながらだらけちゃんだよねー」
絵里「なんか想像できるね、その光景」
ことり「絵里ちゃんはさ...」
絵里「?」
ことり「ちゃんと愚痴を言える人がいる?」
絵里「え?」
ことり「自分の弱いところを見せることができる人がいる?」
絵里「そんなの....」
ことり「いない?」
絵里「まぁ、いないわね...多分」
ことり「そっか」 絵里「それがどうかしたの?」
ことり「絵里ちゃん、時には誰かを頼るのも悪くないよ」
絵里「頼っているわよ、皆に」
ことり「言い方が悪かったね、たまには誰かに甘えたり泣いたりしてもいいんだよ」
絵里「......」
ことり「ことりはたくさん泣いたし、甘えたりもしてきた、周りにそうさせてくれる人もいたし」
絵里「私は別に甘えたり、泣くようなことは別に」
ことり「絵里ちゃんは一人じゃないんだから、ことりは絵里ちゃんに色んなしがらみとかがあるのもわかってるつもりだから」
絵里「......」
ことり「ことりじゃなくてもいいからたまには弱いとこを誰かに見せてもいいんだよ」
絵里「だから私は....」
ことり「........」 ことり「えい」ギュッ
絵里「!!」
ことり「こうやってね...ぎゅってされるとね、とっても温かくて楽になれるの」
絵里「こ、ことり?」
ことり「絵里ちゃんは頑張りすぎ!海未ちゃんと本当に似てる、本当にお馬鹿さん」
絵里「お馬鹿って...ひどいわね」
ことり「今はことりしかいないんだから...無理はしなくていいんだよ?」
絵里「.......」
ことり「絵里ちゃんずーっとすごいひどい顔をしてるよ」
絵里「!」
ことり「隠せてないよ?隠せないなら我慢しなくてもいいんだよ?」
絵里「..........」 毎回続きが楽しみだ。
時間かかっても最後まで書ききって欲しい。 ことり「........」
絵里「.......」
ことり「大丈夫だよ、今はことりと絵里ちゃんしかいなんだから」チラッ
凛 花陽「zzzzzzzz」
絵里「....私は.....」
ことり「うん」
絵里「別になにも....」
ことり「うん」
絵里「......っ....」
ことり「.........」
絵里「なんでそんなに...私に優しくしてくれるのよ...」
ことり「さぁ?なんでだろうね?」 絵里「...やめてよ....私は....」
ことり「絵里ちゃんはたしかに守らなきゃいけないものがある...それが使命だっていうのもわかってる....」
絵里「やめてよ....ことり」
ことり「でもね、その前に絵里ちゃんだってこの街の大切な市民なんだから、ことりは市長として友達として」
絵里「やめて...」
ことり「絵里ちゃんが大切だから...このままだと絵里ちゃん、壊れちゃいそうなんだもん、放っておけないよ」
絵里「........」
ことり「全部を一人で背負い込まないで、皆がいるんだから」
絵里「........」
ことり「絵里ちゃんが皆が大切なように皆も絵里ちゃんが大切なんだから」
絵里「...私にはそんな価値はないわよ」
ことり「それは絵里ちゃんが決めることじゃないよ、皆が決めることだよ」 絵里「だって...私は...おばあ様から託されたこの街を守るって決めたのに...」
ことり「......」
絵里「それ、...も守れなくて....希....だ、って」
ことり「うん」
絵里「...私だって...私だって!!!」
ことり「........」
絵里「大好きよ....希の想いに答えたかったわよ!でも...私には....」
ことり「うん」
絵里「街を守る使命があった!....一緒になって...自分だけならまだしも万が一希が危険な目に遭ってしまうんじゃないかって...そう思うとすっごい怖かったし!不安にもなったわ...だから...」
ことり「うん」
絵里「素直に希の想いに答えることはできなかった...でも、私は希とは離れたくなくって中途半端な形でずるずるとずっと...ここまで来てしまって...」
ことり「うん」
絵里「私は..それで....そのせいで希が....希が!....」
ことり「うん」
絵里「なんで....なんで希なのよ!!なんで私じゃないのよ!!」 絵里「私が狙いなら私でいいじゃない!!なんで希を....」
ことり「......」
絵里「私のせいで....っ〜!!!」
ことり「今はいいよ、どんなことでも好きに言って」
絵里「っ.....っ......」
ことり「.........」
絵里「っく........っ....」
ことり「泣いてもいいんだよ...悔しかったり悲しかったりする時は泣いていいんだから」
絵里「ごめんな...さい....希.....」
ことり「よし...よし...」
絵里「っ.....ぐっ.....ごめんなさい....」
凛 花陽「..........」 ことり「ふぅ.....」
絵里「zzzzzzz」
ことり「絵里ちゃんが寝てるところ初めて見たかも...」
絵里「zzzzzz」
ことり「色々とあったから仕方ないか....こんなに目を腫らしちゃって」
絵里「zzzzzzzz」
ことり「...で、いつまで寝たふりをしているの?二人は」
凛 花陽「.........」
ことり「........」
凛「....ばれちゃってたんだね」
花陽「...結構自信あったんだけどなー」 凛「絵里ちゃんのあんな弱々しい声を初めて聞いたにゃ」
花陽「泣いてるところも初めてかも」
ことり「それだけ追い詰められちゃってるんだよ、絵里ちゃんは今」
凛「.......」
花陽「どうするの?ことりちゃん」
ことり「ことりが絵里ちゃんを励ましたりすることはできてもそこから立ち上がるかそのまま折れてしまうかは絵里ちゃん次第だから」
花陽「まぁ、そうだね」
ことり「もちろん支えてはあげるつもりだよ、そうしないと希ちゃんにも顔が合わせられないしね」
凛「うん、希ちゃんに怒られちゃうにゃ」
花陽「明日からは誰かが一緒にいた方がいいかもね、絵里ちゃんと」 絵里「...........」
真姫『エリー....貴方でも今は面会はできないわ、許して』
凛「さすがに翌日じゃ、希ちゃんに会わせてはくれないか...」
絵里「希....」
凛「絵里ちゃん....明日は会えるかもしれないから、また来よう?」
絵里「そうね....」
凛「........」
絵里「.........」
凛「そうだ、絵里ちゃんなにか飲む?」
絵里「え?」
凛「ちょっと待ってて!今、なんか飲み物を買ってくるから!」
絵里「え、ちょっと!凛!」
凛「その辺のベンチにでも座って待っててー」 絵里「....喉なんて別に乾いてないのに....凛にまで気を使わせてしまってるわね...はぁ...」
絵里「..........」
「なんつー顔をしてんのよ、あんた」
絵里「え?」
「.............」
絵里「?ど、どちら様ですか?」
絵里(サングラスにマスク....見るからに怪しいんだけど...まさか!!)
「オーラでわからない?もしくは声で?」
絵里「オーラ?」
スッ
にこ「........」
絵里「あ、貴方は!や」
にこ「!ちょっとあんた!ちょっとこっちに来なさい!!」グッ
絵里「え?うわっ!!」 にこ「..........」キョロキョロ
絵里「えっと...なんか用ですか?私に」
にこ「あんた馬鹿じゃないの!!」
絵里「!!」
にこ「あんな人がいる病院の中庭で私の名前を言ったらどうなるかわかるでしょ」
絵里「あ!あー....すいません」
にこ「全く....」
絵里「あはは....」
にこ「まぁ、いいわ...久しぶりに見かけたら声をかけてみたのよ」
絵里「あー....成程」
にこ「久しぶりね」
絵里「どうも、ご無沙汰してます」
にこ「..........」 にこ「..........」ジッ
絵里「!な、なにか?」
にこ「あんた今日はなんか用事があってここに?」
絵里「えぇ...まぁ、知り合いのお見舞いって感じです」
にこ「ふーん....そう」
絵里「?」
にこ「ひどい顔ね」
絵里「え」
にこ「そんな顔じゃ、お見舞いされる方も気の毒ね」
絵里「!」
にこ「..........」 にこ「あんまり人のプライベートには口は突っ込みたくはないけど、そんな顔でお見舞いされても元気にはなれないわよ」
絵里「........」
にこ「いつでも笑顔でいろとは言わないわ、でもね、元気を出してほしい人とか大切な人の前では笑顔でいないと」
絵里「笑顔....ですか...」
にこ「にっこにっこにー」
絵里「!」
にこ「誰かを笑顔にしたいならまずは自分が笑顔でいないとね!」
絵里「........」
にこ「まぁ、これは超個人的なにこの考えだけどね」
絵里「.......」
にこ「!ごめん!なんかお説教みたいになっちゃったわね...つい、あんたを顔を見てたら放っておけないって思っちゃって...大きなお世話だったわよね」
絵里「いえ、そんなことは....」
にこ「ごめんなさい、貴方の事情も知らないのに勝手になんか熱くなっちゃって....」
絵里「いえ、お気になさらないでください...そうお気遣いをいただけるだけでも嬉しいです」 凛「えっりちゃーん!!」
絵里「!!」
にこ「?」
凛「見つけたにゃーもう!探したんだよー」
にこ「....あれ?あんた....」
凛「!?なにこの変な人...まさか変質者!?」
にこ「!あんたねぇ...相変わらずね....」
凛「...?...あ....」
にこ「久しぶりね、凛」スッ
凛「....どちら様でしょうか?」
にこ「あんたねぇ!」
凛「あははは」 にこ「ふーん、あんた達二人共知り合いだったのね」
凛「うん!にこちゃんも絵里ちゃんと知り合いだったんだね」
にこ「まぁ、ちょっと仕事で一緒にね」
凛「仕事?あー...そういえば絵里ちゃんが前にアイドル系の仕事の見習いの手伝いだのなんだのって言ってたやつってにこちゃんのところの話だったんだね」
にこ「意外といい仕事してたわよ、うちに欲しいくらい」
凛「絵里ちゃんはお店やってるから無理だよー」
にこ「は?お店?」
凛「街で個人のお店をやってるんだよー、美味しいよー凛がおススメするよ」
にこ「あんた...そうだったの?じゃあ、なんであんな仕事を」
絵里「まぁ...色々とあって」
凛「絵里ちゃんはね、顔が広いっていうか...なんでもできちゃうから色んなところに引っ張りだこなんだよ」
にこ「なにそれ、どんだけスキル高いのよ」
絵里「あはは...」 にこ「そういうあんたは久しぶりに見たけど、今は何をやってるよ」
凛「えーなんでもいいじゃんー」
にこ「あんたねぇ...まさか...ニートじゃないわよね?」
凛「もう!ニートじゃないよ!今はかよちんのお手伝いをしてるにゃー」
にこ「花陽の手伝い?ってことは市の仕事ってところかしら」
凛「まぁ、雑用ってかんじだけどねー」
にこ「ふーん....」
凛「そういうにこちゃんはアイドル活動順調なのー?」
にこ「当然よ!!スーパーアイドル矢澤にこの前には壁はないわ!!」
凛「おー」
にこ「仮にそこに壁があったとしてもそれを壊して前に進むだけよ」
凛「にこちゃんが珍しくまともなことを言ってるにゃ」
にこ「...うん?なんですってー?」ぎゅー
凛「ほっへがいはいにゃー」
絵里「.........」 にこ『誰かを笑顔にしたいならまずは自分が笑顔でいないとね!』
絵里「さすがアイドルってところね...」
海未「?どうかしましたか?」
絵里「いえ、なんでもないわ....」
穂乃果「zzzzzzzzz」
海未「希はどうでしたか?会えましたたか?」
絵里「いえ、今日はまだ面会謝絶だって」
海未「そうですか...」
絵里「海未の方はどうだった?」
海未「特に大きな収穫は....今夜はことりと絵里の警護に当たりながら情報を待つ感じにしようかと」
絵里「そう、ありがとう」
海未「穂乃果も....」
穂乃果「んー....zzzzzzz」
海未「今はあんな感じですがいざって時には」
絵里「えぇ、実力は目の前で見ているからとっても心強いわ」 ことり「〜♪」
絵里「随分ご機嫌ね、ことり」
ことり「だってー今日は穂乃果ちゃんに海未ちゃんにー絵里ちゃんがお泊りなんだもん」
海未「ことり...そんな呑気な場合ではないんですよ」
ことり「この3人がいるから呑気でいられるんだよーこんな心強い3人が集まってるんだから」
海未「ことり....」
ことり「ここで安心できなければことりはどこに行っても安心ができません」
穂乃果「zzzzzzz」
ことり「まぁ、穂乃果ちゃんはどこに行ってもあんな感じだろうけどねー」
海未「あれはあれでどうなんでしょうね...」 ピッ...ピッ...ピッ...
真姫「...........」
希「.......」
真姫「今日はエリーが会いに来てくれてたわよ」
希「.......」
真姫「私達も全力で頑張るわ、だから希も...エリーの為にも...」
希「.......」
真姫「後でまた来るわ...頑張ってね...希」
ガチャ...バタン
真姫「.........」 にこ「あの新人がどっかの店の店主だったなんて...えっと...なんて店だったかしら?」
カタ...カタカタ...
にこ「このお店かしら?....って!めちゃくちゃ評判いいお店じゃない!」
にこ「....今度行ってみようかしら?」
「..............」
カチャ...カチャカチャ...
「「.............」」
『特別治療室』
カチャ.....ガララ...
ピッ...ピッ...ピッ...
「「............」」スッ
「何をしてるのかしら?」
「!!!」 真姫「ここには私に許可をされている人間しか入れないはずよ」バサッ
「..........」
真姫「希かと思った?残念、真姫ちゃんでした」
「..........」
真姫「3人...うちの白衣までわざわざ用意して結構なことで」
「.........」
真姫「で?どうする?ここには希はいないわよ」
スッ...
真姫「ふーん...希がだめなら私でってことかしら?」
「..........」
真姫「全く...人の病院で好き勝手やってくれるわね、本当に」 真姫「............」
「「..........」」
真姫「はぁ...あんた達ど素人が人様の体に刃物を入れようなんて頭が痛いわ....」
真姫「いいわ...エリーを悲しませた罪、希を傷つけた罪...万死に値するわ」
「..........」ヒュ!
真姫「おっと」スッ
真姫「たしかにエリー達に比べたら身体能力は低いけど、そんな簡単には当たらないわよ」スッ
「.....!.....」
真姫「........」ポチッ
ザー!!....
「....水?」 真姫「この部屋は特殊な作りでね、ようはこの部屋は完全に私の管理下にある部屋なのよ」
グラッ...グラグラッ...ガシャン!ガシャン!
「....!今度は、床から透明な壁!?.....」
真姫「ようはからくり部屋って言えばいいのかしら?完全に外部と密閉できるから水だってこんな感じで溜めることもできるわ」
カン!!カン!!
真姫「無駄よ、特殊な防弾ガラスだから簡単には割れないわ」
「っ.......」
ガチャ!!ガチャ!!
真姫「扉も同じようで簡単には開けられないわ、逃がすわけないでしょ?」
「........」
真姫「この部屋に入った時点で貴方達の運命は決まっていたのよ」 ガン!!ガン!!
「っ.........」
真姫「随分と水も溜まってきたわね...このままだとそっち側は水が溜まって水没しちゃうかもね」
「.........」
真姫「さてと...知ってる?水ってね、純粋な水ってものを人工的に作れば感電はしないらしいわよ」
「.......」
真姫「でも普通は空気中の埃とか色々なものは混ざり合って感電しやすくなるんですって知ってた?」
「........!」
真姫「さて...貴方達の足元はどうなってるでしょうか?」
バチ!...バチバチッ!
真姫「刑の執行の時間よ」ポチッ
「!!!」
真姫「体はビリビリ....ってね」 真姫「あーあ...何個か機材をだめにしちゃったわね...パパに怒られちゃうかしら?」チラッ
「」
真姫「.....まぁ、死なない程度に調整しておいたから死んではいないでしょう......」
〜♪
真姫「....もしもし?」
「電話に出られるってことは...平気だったってことですね」
真姫「えぇ、今片付いたところよ」
「片付いた?」
真姫「向こうの確認が取れたら一人応援が欲しいってかんじかしらね?」 真姫ちゃんえげつねえな…いやそれだけのことされてるんだけど にこ「うーん...色んなレパートリーがあるみたいね...和食に洋食に中華...」
にこ「すっごい気になるわね、今度絶対に行ってみよう...って営業時間と営業日が不定期!?...どんな店よ」
にこ「それでもこの評価の高さ....これは本当にすごいお店なのかも」
『.............』
海未「応援?まさか、真姫の予測通りに!?」
真姫『えぇ、ビンゴだったわ』
海未「ならすぐにそちらに!!」
真姫『こっちは片付いたから、あとはそっちの警戒をしてほしいわね』
海未「しかし、真姫!貴方一人では」
真姫『一番の狙いはエリーのはずだから...あとはもう一人狙われそうな人はいるけどね』
海未「他にも誰かが!?ことりですか?」
真姫『いえ...違うわ、できれば私もそっちにも行きたかったんだけどね』
海未「なら私がそっちに」
真姫『大丈夫よ、すでに動いてるから安心して』 コツ...コツ....
「............」
『838』
カチャ...カチャ....カチャン....
「............」
キー.....パタン...
「............」
カチッ...カチッカチッ
「...........」スッ
にこ「〜♪」
「...........」 にこ「...はぁ...本当に貴方達は愚かなんですね」
「!!」
にこ「....ここにはにこちゃんはいませんよ...だって私は」バサッ
花陽「にこちゃんではありませんですから」
「!変装?」
花陽「..........」
「お前はたしか.....市長の」
花陽「あぁ、お話はいいです、後でゆっくり聞きますので」
「..........」スッ
花陽「抵抗しますか...全く....」
「........」
花陽「....凛ちゃん」
バタン!!
凛「出番にゃー!!クローゼットから華麗に参上!!」 花陽「どうします?二対一ですよ、人数ではこっちのが有利ですね」
「........」ダッ
凛「逃げた!!このっ!」
花陽「.........」スッ
凛「!かよちん!?なんで止めるの?」
ガチャ!!バタン!!
凛「逃げられちゃうよ!!」
花陽「ここだとにこちゃんの部屋に被害が出るし、他の住人の方にも迷惑になっちゃうから」
凛「そうだけど、このまま逃がしちゃうの!?」
花陽「逃がす訳ないじゃん、追うよ」
凛「じゃあ、早く行かないと!!」
花陽「大丈夫、手は打ってあるから」 「はぁ....はぁ....」
「...........」キョロキョロ
「ここまで来れば一旦は....」
凛「大丈夫なの?」
「!!」
凛「鬼ごっこはもうおしまいかな?」
「何故ここが...」
凛「逃げる時は服をちゃんとチェックした方がいいよー」
「服?.....まさか!!...」
凛「........」
「これは発信機?」 花陽「ふぅ...やっと追いついた」
「いつの間にこんなものを」スッ
花陽「うん?あーそれはさっき貴方が逃げ出した時にね、敵に背中を不用意に向けるのは危ないですよ」
凛「さぁ!大人しく観念するにゃ!」
花陽「貴方達には色々と聞きたいこともありますからね」
「..........ふ」
花陽「?」
「居場所を突き止められたのは想定外だったけど...こっちだって無暗にここまで逃げてきた訳ではない」
「「........」」
凛「!」
花陽「..........」 花陽「凛ちゃん何人くらいいそう?」
凛「うーん...5〜6人ってかんじかな?囲まれちゃったみたいだね」
花陽「そっか...」
「数ではこっちのが有利よ、それに武器だってね」スッ
凛「銃....」
花陽「今回は随分とお金がかかってるみたいだね」
凛「どうする?かよちん?」
花陽「許可するよ、凛ちゃん」
凛「え?いいの!?」
花陽「うん、非常事態だし」
凛「やったー!」 凛「ほい」スッ
「?一体、何を」
凛「よいしょっと」スルスル
花陽「........」
凛「えい!」ポイッ
ドン!!
「!」
凛「凛ね...少年漫画とか好きでね、よくその真似とかをしてるんだー」
花陽「全部で何キロだったっけ?」
凛「今日は10キロだよ」
「10キロ?」
凛「今日の凛はいつもよりー早いよー?」 凛「.........」スッ
「早い!!」
凛「!」ブン!
「」
バタン
凛「うーん....今宵の凛のトンファーは一味も二味も違うよー」
「っ!この!」カチッ
花陽「えい」ブン!
ボン!
「!煙幕!?視界が!」
凛「てぇやあああああ!!!」
「ぐぁ!!」
バタン
凛「....次」 「っ....このままだと全滅してしまう」
花陽「.........」
「なら!そっちを狙うまで!」
凛「!かよちん!」
「でやああああああああ!!」ダッ
花陽「........」
「このぉ!!」ブン!
パシッ
花陽「..........」ググッ
「!!」
花陽「..........」
「う、動かない.....」 「っ!なら!!」サッ
花陽「.........」パシッ
「なっ....」
花陽「..........」ググッ
「がっ....あああああ!!」
花陽「..........」
凛「うわぁ....かよちん怒ってるにゃ」
花陽「...離してほしいですか?」
「っ....は、離して...」
花陽「.........」スッ
「はぁ...はぁ....」 花陽「.........」スッ
「な、なんて馬鹿力なの....腕が....」
花陽「.........」グニッ
「!」
花陽「........」ポイッ
「警棒がそんな簡単に捻じ曲がるなんて....」
花陽「お仲間さんは皆、倒れてしまったみたいですね」
「!」
「「」」
凛「ブイ!!」
花陽「貴方も『これ』みたいになりますか?」チラッ
「!!!」 凛「かよちんはこう見えてもすっごい強いんだよー?舐めてたでしょ?」
花陽「こちらの要求に答えるようであれば恩赦を与えましょう、答えない場合は...あぁなりたいですか?」
「..........」ブン!ブン!!
花陽「そうですか、なら貴方だけは恩赦を与えましょう...凛ちゃん」
凛「なーに?」
花陽「転がってる人達の処理をよろしく」
凛「えー」
花陽「お願いね?凛ちゃん」
凛「もう...わかったよぉ、海未ちゃんに応援でももらおうかなー」
「...........」
花陽「じゃあ、時間がもったいないから質問を始めましょうか?」
「は、はい....」
花陽「.........」 海未「絵里、ことり」
ことり「どうかしたの?海未ちゃん?」
海未「どうやら動きがあったようです」
絵里「!!希を襲った奴が見つかったの!?」
海未「落ちついてください、絵里」
絵里「!......」
海未「真姫と凛から連絡がありました、襲撃があったと」
絵里「!」
ことり「.....それで被害は」
海未「こちら側には被害はないそうです」
ことり「......そう」 絵里「襲撃って今度は真姫と凛が襲われたってこと?また私のせいで?....」
海未「正確には真姫と凛ではなく希と矢澤さんだそうです」
絵里「!」
海未「矢澤さんを狙った理由はわかりませんが、今花陽がそれについて尋問をしているそうです」
ことり「え?かよちゃんが?」
海未「凛の話だとそうらしいです」
ことり「あーあ...可哀想に」
海未「可哀想?」
ことり「かよちゃんの尋問は怖いよー?ことりには絶対にやだもん」
海未「そうなんですか?」
ことり「うん、海未ちゃんもかよちゃんを本気で怒らせないようにね」
海未「は、はぁ...わかりました」 海未「それで今から襲撃してた者達も確保や処理に動かなければならなくなってしまったので」
ことり「応援に出るってこと?」
海未「えぇ、私は仮にも警官ですからね、立場上動きやすいですし」
絵里「なら私も!」
海未「絵里はここに残っていてください」
絵里「でも真姫や凛が!」
海未「それはこちらで上手くやります、ここで穂乃果と一緒にことりをお願いします」
絵里「でも.....」
海未「絵里やことりが今の私達には要なんです、わかってください」
絵里「っ.......」
ことり「ことりは反対です」
海未「え?」 ことり「海未ちゃん、ことりは反対です」
海未「ことり?なんでですか?」
ことり「皆で手分けしていくことを提案します」
海未「いや、危険ですよ!!ことりや絵里に万が一のことがあったら」
ことり「でもさ、各所で襲撃があるならここも襲撃される可能性もあるんじゃないの?」
海未「!そ、それは...」
ことり「いくら穂乃果ちゃんが強いっていっても一人じゃ限度があるよ」
海未「それはそうかもしれませんが...」
ことり「ならここは二手に分かれて真姫ちゃんや凛ちゃんに合流した方がいいと思うの」
海未「しかし....」
ことり「海未ちゃん!」
海未「は、はい!!」
ことり「この世界には絶対に安全なところなんてものはないの、だから安心できるところにことりはいたいなーって思うの」
海未「っ.....」 穂乃果「海未ちゃん諦めた方がいいよ」
海未「穂乃果?いつの間に起きたんですか?」
穂乃果「こんなに騒がしければ起きるよ、穂乃果だって」
ことり「........」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃんのあの目を見てよ」
海未「.......」
穂乃果「あれ絶対に折れないよ、納得するまで行かせてくれないよー多分」
海未「.....はぁ、わかりました.....」
ことり「ふふ...わかればよろしい♪」
海未「ことりは昔から変な時に頑固なんですから」
穂乃果「海未ちゃんだって人のことを言えないよー」
海未「むっ!穂乃果には言われたくないです!」
穂乃果「えーなんでー...」 海未「では真姫の方には私と絵里が凛の方には穂乃果とことりが」
絵里「.........」
海未「ことりのことを頼みましたよ、穂乃果」
穂乃果「まかせておいて、海未ちゃんこそ気を付けてね」
海未「はい」
ことり「絵里ちゃん」
絵里「?なに?ことり」
ことり「絵里ちゃんは一人じゃないよ、こうやって各々の考えは違うかもしれないけど同じ方向を向いている仲間がこれだけいるんだから....ね?」
絵里「...そうね、ありがとうことり」
ことり「市民を思いやるのは市長として当然です!」
絵里「ふふ...本当に頼もしい市長ね」 真姫「さてと.....」
ガチャ
海未「真姫、すいません今着きました」
絵里「......」
真姫「エリー?どうしてここに」
海未「色々とありましてね、凛の方には穂乃果とことりが向かってます」
真姫「....そう」
絵里「真姫、貴方怪我とかは?大丈夫!?」
真姫「かすり傷一つないわよ」
絵里「そう....よかった....」
真姫「.......」 海未「成程、これが襲撃してきた輩達ですね」
絵里「これ...全部真姫が一人で?」
真姫「えぇ...体をビリビリってね」
海未「...服がこげてるんですがこれ生きてるんですか?」
真姫「さぁ?」
絵里「さぁって...」
真姫「うちの患者に危害を...大切な人の命を奪うようなことをする相手に情なんて湧かないもの」
海未「真姫、目が怖いです...」
絵里「ま、真姫がこんなに怒ってるの初めて見たかも」
真姫「........」 海未「そ、そういえば...希は」
真姫「他の安全な部屋に移してあるわ」
絵里「........」
真姫「エリー」
絵里「!な、なに?」
真姫「こいつらを片付けるのを手伝ってくれる?目障りだから」
絵里「え、あ、うん....」
海未「全く...今月は検挙率が半端ないですよ」
真姫「報奨金とか出るの?」
海未「そんなものはないです」
真姫「あら、そう」
絵里「.........」 真姫「なんかゴミ掃除をしてると夜勤明けにゴミ拾いをしていた頃を思い出すわ」
海未「真姫、もう突っ込みませんよ」
真姫「ノリが悪いわね、私達にとっては有害ゴミじゃないこいつら」
海未「まぁ、それはそうかもしれませんが...もう少し言い方というものが」
真姫「エリーもそう思うでしょ?」
絵里「え?あ、うん...そうかもね?」
海未「.....絵里....」
絵里「え?え?」
真姫「.........」
真姫(心ここにあらずってかんじね...完全に) 更新おつです
かよちん激おこでも優しいね
普通だったら警棒じゃなくて襲撃犯の手足が簡単に捻じ曲げられるところだろうに 真姫「はぁ....仕方ないわね」
海未「真姫?」
真姫(荒治療だけど...今のエリーには....)
真姫「エリー」
絵里「なに?真姫」
真姫「希に会いたい?」
絵里「!」
海未「!.....」
真姫「.........」 絵里「ここで私が会いたいって言えば...会えるの?真姫」
真姫「........」
絵里「ねぇ、真姫」
真姫「えぇ、もちろん」
絵里「!....会えるなら希に会いたい...でも...」
真姫「でも?」
絵里「こんなことになって...どんな顔をして希に会えばいいのよ」
海未「絵里...」
絵里「会いたいけど...今の私には希に会う資格なんて....」
真姫「っ.....!!」グッ
絵里「!!」
真姫「どっちなのよ!!はっきりしなさい!!!」 海未「真姫!!落ち着いてください!!絵里から手を離してください!!」
真姫「貴方が会いたいって言うから無理をしてでも会わせてあげてるって言ってるのよ!!それなのに会いたいだの会いたくないだの!」
絵里「....でも」
真姫「でもじゃない!!!いつまで落ち込んでるつもりなのよ!!」
海未「真姫!絵里もここのところ色々あって憔悴してるんです!!わかってあげてください!!」
真姫「希だって今頑張ってるのよ!!それなのに貴方がこんなでどうすんのよ!!」
絵里「!!」
海未「真姫!!」
真姫「ここで立ち止まっていたら!!何も乗り越えることはできないわよ!!それでもいいの!?」
絵里「っ....なによ....」
真姫「なに?よく聞こえないんだけど!」
絵里「私だって...私だって!!!そんなことはわかってるわよ!!!」 絵里「私だって覚悟はしていたわ!!役目を引き継いだ以上いつかこういうことが起きるかもしれないっていうのも!!」
海未「絵里....」
絵里「でも実際に起きて...大切な人が命だったり...仲間が危険に巻き込まれるのを見てて....怖かった!!目の前が真っ暗になった!!自分の危機感のなさにも呆れたわ!!」
真姫「......」
絵里「もう...よくわからないの、自分の目の前の守りたいものをろくに守れもしないのに街を...街を守ろうなんて...」
海未「.......」
絵里「全く笑っちゃうわよね....はは...あはは....」
真姫「本当に貴方は馬鹿ね」
海未「真姫!これ以上、絵里を傷つけるようなら真姫でも容赦しませんよ!!」
真姫「.....ほら、いるじゃないここに頼れるいい仲間が」チラッ
絵里「え?」
海未「!」
真姫「貴方はなんでも一人で抱え込みすぎなのよ、本当に」 真姫「どんな優秀な人間でも一人の力には限界があるわ、病院だってそう...パパみたいな優秀な医者がいても一人では限界がある」
真姫「だから色んな人達が協力し合って皆の命を守ろうとしている...貴方も限界なら限界でもう少し人に頼ったり自分の思いを話したりしてもいいんじゃないの?」
絵里「.......」
真姫「そこに貴方が傷つけられそうなら仲間でも本気で怒ってくれる人もいるんだから」
海未「真姫...貴方、まさかわざと?」
真姫「別に...私は言いたいことを言っただけよ、腑抜けてたエリーを見てイライラしたから」
絵里「真姫....」
真姫「なんでもかんでも溜め込んじゃダメ、いつか壊れるわよ、そんなことを続けていたらいつかね」
絵里「.........」
真姫「で...どうする?会う?会わない?」
絵里「....私は......」
真姫「.........」 海未「真姫は本当に素直じゃないですね」
真姫「は?どういう意味よ」
海未「絵里のことを思ってあえてさっきみたいにぶつかったじゃないですか?わざと感情的になったフリをして」
真姫「あれは見ててイライラしたから言っただけよ、他意はないわ」
海未「真姫こそちゃんと思ってることを言った方がいいんじゃないですか?」
真姫「言ったわよ、だから海未だって私に本気でキレてたじゃない、さっき」
海未「あれは...あの状況ならそうなりますよ!誰だって!!」
真姫「まぁ、幼馴染としてたまには厳しくしないとね」
海未「幼馴染?...ってまだ設定続いていたんですか」
真姫「エリーから解消されない限り続けていくつもりよ」
海未「とんだ厳しい年下の幼馴染ですね」
真姫「年下って...別にいいでしょ!!海未なんか私と一か月くらいしか変わらないんだから」
海未「ふふ...そういえばそうでしたね」 海未「....絵里、大丈夫でしょうか?」
真姫「...さぁね?」
「お姉ちゃんがすいません」
海未 真姫「!」
亜里沙「.......」
真姫「たしか貴方はエリーの妹の」
亜里沙「亜里沙です」
海未「亜里沙さん...一体どうやってここに」
亜里沙「ちょっとお話をしてもいいですか?お二方」
真姫「....えぇ、構わないわよ」
海未「...お話ですか....」
亜里沙「..........」 ピッ...ピッ....
希「.........」
絵里「希....」
希「.......」
絵里「ごめんなさい...こんなことになってしまって...貴方を守れなかった」
絵里「今ね、私ねすっごく苦しいの...希をこんな姿にしてしまって...私がこうなってればよかったのに何回も何回も思ったわ」
絵里「それでね...落ち込んじゃって...訳わかんなくなっちゃって...そしたらねさっき真姫に怒られちゃったの....全く情けないわよね」
絵里「貴方の前ではこんな弱い姿を見せたくなったんだけど...無理そうね...」
絵里「っ....希.....っ.....」
『おーエリチが泣いてるー珍しいこともあるもんやね』
絵里「え?」 希「.......」
絵里「...気のせい?なんか希の声が聞こえたような気がしたんだけど.....」
『あれ?うちの声聞こえてるん?』
絵里「!!気のせいじゃない?希!?希なの!?」
希「..........」
絵里「え?げ、幻聴?え?え?」
『エーリーチー』
絵里「え」
希『見えてるー?』ホワン...ホワン...
絵里「なっ....な、なななな!!」
希『おーやっぱり見えてるんやねー』
絵里「お、お化けぇ!!!!!」
希『うん、お化けだよ』 絵里「え?え?希死んじゃったの!?え?」
希『勝手にうちを殺さんといて、死んでないよー多分』
絵里「じゃあ、貴方はなんなのよ!!」
希『幽体離脱ー』
絵里「は、はぁ?」
希『気が付いたらこうなってた』
絵里「い、意味がわからない」
希『うん、うちも意味がわからない』
絵里「なんで貴方がわからないのよ!!」
希『だって、うちも今気が付いたらこうなってたんだもん!!』
絵里「え、えー?....」 希『エリチに呼ばれてる気がして目が覚めたらこうなってたの』
絵里「意味わかんない」
希『真姫ちゃんのもの物真似?』
絵里「違うわよ」
希『通りで似てないって思った』
絵里「貴方ねぇ...霊体?になっても相変わらずね」
希『うちはうちやからね!』
絵里「そうよね、希は希よ、ね...っ....っ...」
希『あー!!あー!!泣かないで!!泣かんといてエリチ!』
絵里「だって...だってぇ...」
希『こんなエリチを見るなんて夢みたい』
絵里「貴方の方がよっぽど夢みたいよ...っ...」
希『たしかにそれもそうやね』 真姫ちゃんってSSだとこういう相手の本音を引き出す汚れ役とか裏方仕事とかのイメージ多いよね
実際こんなに洞察力ないだろうけど、
まあ可愛いからいいか 絵里「っ.......」
希『エリチって意外と泣き虫さんなん?』
絵里「...大切な人が自分のせいでこうなってるのよ!そんな自分が情けなくて....」
希『エリチがうちのことをエリチの大切な人って思ってくれていてうちはとっても嬉しい!けど...自分のことをそうやって責めるエリチは好きじゃないかな』
絵里「だってそうじゃない!私がしっかりしてれば!...いえ、そもそも私が希と出会わなければ!」
希『エリチ!!!!』
絵里「!!」
希『出会わなければとか言わないで!うち怒るよ』
絵里「でも!私のせいで」
希『うちがエリチといるのはうちがエリチと一緒にいたいから、だからエリチは悪くない、うちが好きで一緒にいるんだからこれはうちの責任』
絵里「.......」
希『エリチと一緒にいるんだからこれくらいは覚悟はしてたよ』 絵里「......」
希『エリチにはいつも笑顔でいてほしい、だからうちはそれをずっと近くで見ていたし、エリチを笑顔にしたい...だからこれからも隣にいたい』
希『もちろんそれが茨の道だとしても...それがうちの決めた居場所だから、だからずっと一緒にいるつもりだから』
絵里「希....」
希『だから覚悟しておいてね、うちはたとえ幽霊になってもエリチから離れないからね』
絵里「幽霊だと...なんか複雑ね」
希『大丈夫、多分悪霊にはならないから』
絵里「多分って...」
希『ふふふ....』
真姫「それで話ってなに?」
海未「まさか、なにか動きが!?」
亜里沙「お二人はお姉ちゃんと仲良しさんですよね?」
真姫「仲良し?うーん...」
海未「真姫、私達は仲良しですよ!仲間です!」
亜里沙「そうですか...二人にお願いがあります」 真姫「お願い?」
亜里沙「はい、お姉ちゃんのことです」
海未「........」
亜里沙「お姉ちゃんのことをお願いします」
海未「それはどういう意味ですか?」
亜里沙「失礼だとは思いますが、ここ何日か皆さんのことを監視させていただいきました」
真姫「...気が付かなかったわ、海未は?」
海未「私も気が付きませんでした」
亜里沙「亜里沙は...いえ、私は訳があってお姉ちゃんを表立って助けることができません」
真姫「訳?訳ってなによ」
亜里沙「お姉ちゃんの性格を知ってればわかりますよね?自分の失態を妹が手助けするなんて言ったら」
海未「多分...断りますね」
亜里沙「そういうことです」 真姫「で?私達にどうしろって」
亜里沙「これからもお姉ちゃんのことお願いします」ペコリッ
海未「え?」
亜里沙「..........」
真姫「それだけ?」
亜里沙「はい」
真姫「ふっ....」
亜里沙「?」
真姫「なによ、すごい真剣な顔をして言うから何事かと思ったら」
海未「絵里の妹さんらしいって言えばらしいかもしれませんね」クスクス
亜里沙「??」 亜里沙「なにか私、変なことを言いましたか?」
海未「いえ、そんなことはないですよ」
真姫「言われなくてもそのつもりよ」
海未「えぇ、その通りですね」
亜里沙「!」
海未「そうじゃなかったら今まで一緒にいたりしません」
真姫「そうね」
海未「ですから安心してください、絵里のことは私達に任せてください」ニコッ
亜里沙「!は、はい...あ、ありがとうございます」
真姫「..........」
亜里沙「こんな優しくて頼もしい方達がいてくれてお姉ちゃんは幸せ者ですね」 海未「いい妹さんでしたね」
真姫「そうね、しかも私達を見張っていてもわからないなんて...さすがはエリーの妹さんってところね」
海未「そうですね、妹さんの為にも私達も頑張らないと」
真姫「それはそれでいいけど、海未は海未で気をつけなさいよ」
海未「?なにをですか?」
真姫「貴方、モテるんだから」
海未「??」 ピッピッピ
絵里「...ん?朝?....いつの間にか寝てたみたいね....」
希「.........」
絵里「...希....あれは夢?だったのかしら?」
ファサッ
絵里「毛布?」
海未「zzzzzzz」
絵里「海未....」
真姫「zzzzzz」
絵里「真姫....」
絵里「.....ありがとう、二人共」 海未「希と喋った?」
絵里「えぇ、幽体離脱してたわ」
真姫「夢でも見てたんじゃないの」
絵里「夢...だったのかしら?」
海未「希はなんて言ってたんですか?元気でしたか?」
絵里「ずっと一緒にいるって、たとえ幽霊になっても」
真姫「幽霊にはならないわよ、容体は安定してるんだから」
絵里「だって希がそう言ってたんだもん」
海未「希らしいとはいえば希らしいかもしれませんね」
真姫「そんなオカルトな...非現実的だわ」 絵里「...........」
海未「真姫」
真姫「なに?」
海未「治療は成功したみたいですね」
真姫「どうかしら?」
海未「表情が昨日とは別人です、魂が戻ってきた感じです」
真姫「それならいいんだけど、希の幽霊を見たっていうからなんか心配なんだけど」
海未「私は絵里の話を信じますよ」
真姫「え?貴方、幽霊を信じてるの?」
海未「私は幽霊ではなく絵里を信じてますので」
真姫「信じるのはいいけど変なことにならなければいいんだけど...」
海未「頼まれた以上、約束は果たしましょう真姫」
真姫「....わかったわ」 ガララ
凛「おはようー」
真姫「凛」
海未「おはようございます」
凛「ぷっ...真姫ちゃん髪の毛がボサボサにゃ」
真姫「うるさいわね...朝からどうしたのよ」
凛「えっと...その...」
海未「?どうかしたんですか?」
凛「いや...ちょっとお知らせがあって」
真姫「歯切れが悪いわね...まさか、なにかあったの?」
凛「えっと...ちょっとしたニュースがあるんだけど...」
海未「ニュースですか?」
凛「うん...いいニュースと悪いニュースどっちを先に聞く?」 真姫「なによそれ、どっちでもいいから早く話しなさいよ」
凛「えっと、じゃあ!いいニュースから!かよちんが相手の拠点を絞り込んだにゃ」
海未「!本当ですか!!」
凛「うん、今かよちん達がそれの最終確認をしてる」
真姫「じゃあ...悪いニュースは?」
凛「えっと....」
「ふーん...成程、こうやって繋がっていたのね、あんた達」
真姫「!!!」
海未「なっ!」
にこ「どうも...矢澤です」スチャ
凛「にこちゃんに色々とばれちゃったにゃ」 にこ「ふーん...成程、成程」
海未「凛....」
凛「あはは....」
真姫「........」
にこ「貴方はたしか西木野総合病院の院長の娘よね」
真姫「....はい」
にこ「あんたもどっかで見たことあるような....」
海未「.......」
真姫「海未は警官よ、公僕ってやつね」
海未「!真姫!!」
真姫「ここまできたなら隠しても無駄でしょ」 にこ「警官に街の大きな病院の院長の一人娘」チラッ
海未「.......」
にこ「さらには市長にその秘書、その秘書の戦闘員...」
凛「凛は戦闘員じゃないよ!」
にこ「そして謎の経歴のあんた」
絵里「.........」
にこ「中々のメンバーね、あとは希のやつもいるんでしょ」
海未「凛、全部喋ったのですか?」
凛「かよちんが変に誤魔化すよりは全部をちゃんと話した方がいいって言うから、それにことりちゃんにもちゃんと許可は取ってるよ」
海未「.......」
凛「守る対象なら事情を知っていた方が守りやすいでしょ?変に疑いとかを持たれるよりは」
海未「まぁ、それはそうかもしれませんが....」 にこ「まるで映画みたいね」
真姫「映画って貴方、自分が今どういう状況なのかわかってるの?」
にこ「わかってるわよ、狙われてるんでしょ?にこ」
真姫「なら、どうして」
にこ「だから貴方達が守ってくれるんでしょ?」
真姫「!」
にこ「なら別に心配しなくてもいいんでしょ?守ってくれるんでしょ?にこのことを」
真姫「それはそうかもしれないですけど....」
にこ「なら別に辺に怯える必要はないでしょ?」
真姫「........」
凛「それは図太いって言うんだよ、にこちゃん」
にこ「......」ベシッ
凛「にゃ!」
にこ「チョップするわよ」
凛「もうしてるにゃ!」 にこ「また会ったわね」
絵里「そうですね」
にこ「それにしてもあんたが希の言ってた人だったなんてね」
絵里「...希が言っていた?」
にこ「えぇ、たまに会うとヘラヘラしながらあんたのことを言っていたわ」
絵里「ヘラヘラ?」
にこ「まぁ...惚気ってやつなのかしら?」
絵里「........」
にこ「こんな形で知ることになるとは思ってなかったけどね」
絵里「えっと...希のことは」
にこ「えぇ、知ってるわここに入院してるんでしょ?」
絵里「はい....」
にこ「........」 絵里「全部知ってるみたいですね」
にこ「えぇ、あぁ大丈夫よ?希の件は別に...えっと、エリーチカじゃなくて絵里さんでいいかしら?」
絵里「...構いません」
にこ「絵里さんを責める気はないわ、希が選んだ道ならね」
絵里「.......」
にこ「そもそも私は絵里さんを責める権利もないからね、責めることができるとしたら希くらいかしら」
にこ「だから私に気を使う必要はないわ、変に構えなくていいから」
絵里「...ありがとうございます」
にこ「せっかく大人気アイドルにこにーがこんなに近くにいるんだからもっとにこっ!て笑顔でいてほしいくらいねー?」
凛「うわぁ...」
にこ「凛?」
凛「なんでもないにゃ」 ガチャ
ことり「到着ー」
花陽「...全員揃ってるみたいですね」
穂乃果「ふわぁ....」
海未「!ことり」
ことり「おはよー海未ちゃん」
絵里「戻ってきたってことは」
花陽「はい、もちろん割れましたよ」
凛「さすがかよちんにゃ!」
真姫「...この場所でこの人数だと少し手狭だし、少し場所を移動しましょうか?」 凛「うわぁ...広い部屋にゃ、ここって病院だよね?」
真姫「ここは私のちょっとした私室みたいなものなの、仕事で帰れないこともよくあるから」
絵里「さすがは院長の娘ってところね」
海未「とんだ職権乱用というか...やりたい放題ですね」
真姫「海未には言われたくないわね」
にこ「ふーん.....ん?これって」スッ
真姫「!!」
にこ「にこのCDじゃない」
真姫「あ、えっと...それは」
凛「真姫ちゃんはねーにこちゃんのファンなの」
にこ「へーなんか意外....雰囲気的にアイドルとか興味なさそうな感じだったから」
真姫「っ......」 花陽「そろそろ本題を話してもいいかな?」
真姫「!そ、そうね!今は世間話よりも本題よ!今は緊急事態なんだから」
海未「その通りです、今はこの状況を早急に打破しないといけません」
にこ「いやーにこのファンがこんなとこいるとは思ってなかったらつい、なんかごめんね」
真姫「べ、別に...そのこちらこそなんかごめんなさい」
ことり「じゃあーかよちゃん報告お願い♪」
花陽「はい」
真姫「.....ふぅ.....」
凛「...上手く逃げたにゃ」ボソッ
真姫「.........」ギロッ
凛「〜♪」 花陽「今までの事件を手引きしていたのはこの人です」スッ
海未「...この方は外国の方ですか?顔立ちが日本人っぽくないですが」
花陽「えぇ、おそらくは外国の方です」
絵里「.........」
凛「なんでそんな人がこんなことを?」
花陽「すいません、理由はまではまだ正確にはわかっていません、ただこの人が裏で手を引いてるのは間違いないはずです」
海未「では今すぐにこの人をなんとかして令状を」
ことり「それなんだけどー結構面倒くさい感じなんだよねー」
絵里「面倒?」
ことり「うん、簡単に言えばこの人ねー街で結構な力がある人と接点があるみたいなんだよねー」 真姫「ふーん、そういうことね」
絵里「あら、真姫も気付いた?」
真姫「えぇ、なんとなくだけどね」
凛「二人で納得しないでよー凛にも教えてよー」
絵里「真姫」
真姫「凛、ことりがわざわざ街に対して力があってそれを面倒って言ってるのよ」
絵里「ってことはことりにとって手が出しづらい人物ってこと」
海未「!成程、ようはことりにとっての敵対勢力ってことですね」
花陽「その通りです、その人はことりちゃんが市長であることを快く思ってない人物です」
絵里「なんとなくだけど今までの事件の意図がようやく見えてきたって感じね」
真姫「そうね」 にこのCD持ってるのを、必死でごまかすまきちゃんがかわい過ぎる 凛ってSSだとウザキャラになるよねwww
りんまき最高 「それだけじゃないですよ」
花陽「!」
海未「貴方は....」
亜里沙「.........」
絵里「亜里沙...」
亜里沙「お話の途中に失礼します」
穂乃果「おー亜里沙ちゃんー元気ー?」
亜里沙「亜里沙は元気ですよ、穂乃果さん」
絵里「亜里沙!どうしてここに、それにそれだけじゃないってどういうこと?」
亜里沙「その写真の人、亜里沙が知ってる人だから」
絵里「!」
亜里沙「..........」 にこ「ねぇ、その子は誰?貴方達の知り合いなの?味方?」
海未「この子は絵里の妹さんです」
にこ「へー、妹....」
絵里「亜里沙、この人を知っているの?」
亜里沙「うん、知ってるよ」
絵里「なんで知ってるのよ」
亜里沙「その人はお姉ちゃん....ううん、お婆様に関係がある人だから」
絵里「!お婆様と!?」
亜里沙「そう、だから亜里沙は日本に来たんだよ」 絵里「どういうことなの?亜里沙」
亜里沙「今までの騒動はことりさんやお姉ちゃんを失墜...もしくは抹消を目的とした仕組まれた騒動ってことなの」
海未「抹消....」
亜里沙「そうしてこの街の権力を握ろうと暗躍をしているんです」
真姫「...ようはその連中がこの街を仕切りたいから表の権力者であることりを狙って色々やってたってこと?」
亜里沙「はい、それと合わせてお婆様からこの街を引き継いだお姉ちゃんを狙ってです」
真姫「それでエリーが狙われた理由はことりとの結びつきが強く、その人のエリーのお婆様と関係があるからってことね」
亜里沙「その通りです、先ほどの写真の方はかつてお婆様とこの地で権力争いをした人の子供なんです」
海未「成程...ようは復讐ということですか」
亜里沙「おそらくはそうですね、ロシアにいる亜里沙にもちょっかいを出してきたので」
絵里「!お婆様は、皆は大丈夫なの!?」
亜里沙「うん、お姉ちゃんが心配しなくても皆は大丈夫だから」
絵里「そう.....」 花陽「皆、盛り上がってるところごめんね、ちょっといいかな?」
凛「どうしたの?かよちん」
花陽「話が戻るんだけど、相手の拠点とかも割れたんだけどね...」
海未「!なら!すぐに行きましょう」
穂乃果「お?殴り込み?穂乃果も行きたーい」
花陽「その時に相手方の幹部みたいな人が来てね、戦闘とかにはならなかったんだけど、こんなものを渡されたんです」スッ
真姫「手紙?」
花陽「これを絵里ちゃんにって」
絵里「私に?」
花陽「うん、中は開けたけど中身までは読んでないから、特に変なものとかも入ってなかったから安心して」
絵里「........」 絵里「.....これは」
真姫「なんて書いてあったの?エリー」
絵里「どうやら相手さんも決着を早くつけたいらしいね」スッ
海未「.....!これは」
真姫「成程ね」
花陽「場所は...割れた拠点の場所と一緒ですね」
凛「絵里ちゃん行くの?」
絵里「行かなければなにも終わらないわ、私はこの街を...いえ、自分の守りたいものの為にね」
ことり「.........」 海未「では、早速その場所へ」
ことり「待って」
凛「どうかしたの?ことりちゃん?」
ことり「行くのはいいけど、行く人数を選定しないと」
花陽「そうです、相手の誘いに乗るのはいいですが希ちゃんを一人にはするのも危険ですし」
真姫「私は残るわよ、医者は患者の為にいるんだから」
絵里「真姫...」
真姫「希のことは任せなさい、だからちゃんとケリをつけてきなさい」
絵里「えぇ、もちろん」 海未「なら私が同行します」
穂乃果「なら穂乃果も行くー!」
海未「遊びに行くんじゃないですよ?穂乃果」
穂乃果「わかってるよー」
花陽「ことりちゃんはどうする?」
ことり「うーん...ことりは行きます」
花陽「なら私も行きます、凛ちゃんここを任せてもいいかな?」
凛「了解にゃ、にこちゃんは残るよね?」
にこ「にこは行っても仕方ないし、残るわ」 海未「絵里に同行するって自分で言っておいてなんですが、ここに残るメンバーと行くメンバーとの戦力差にバランスが悪くないですか?」
絵里「たしかに....」
亜里沙「それなら亜里沙に任せて、お姉ちゃん」
絵里「え?」
亜里沙「.........」パチンッ
ガチャ
「「.........」」
凛「!」
海未「これは....」
亜里沙「亜里沙の仲間だよ、亜里沙よりは力はあれだけ人数は結構いるよ」
にこ「...本当に映画の世界ね」
亜里沙「亜里沙もここに残るから、お姉ちゃんはここを気にせず行ってきて」 絵里「亜里沙....」
亜里沙「希さんのことは真姫さんや凛さんと守るからお姉ちゃんは安心して行ってきて」
絵里「....ありがとう」
穂乃果「亜里沙ちゃん、穂乃果は行ってもいいの?」
亜里沙「いいですよ」
穂乃果「やった、部屋にこもってじっとしてるのは性に合わなくて」
真姫「....海未」
海未「はい」
真姫「エリーを頼んだわよ」
海未「はい、任せてください」
真姫「.......」 花陽「本当に行くんですか?」
ことり「うん、今回の件はことりにも責任があるからね」
花陽「そうですか....」
ことり「ごめんね?いつも、ことりのわがままに付き合わせちゃって」
花陽「....いいよ、わがままなんていつも聞いてますから」
ことり「ありがとう、かよちゃん」
凛「今日はお留守番にゃ」
にこ「よろしくね、凛」
凛「うん」
真姫「...........」 カチコミ組
絵里、海未、穂乃果、ことり、花陽
留守番組
真姫、凛、にこ、亜里沙軍団、(希) 624氏の表が分かりやすくて助かる
相手が、ロシアンマフィアの類とかで、手強そう にこちゃんは実質戦力外かな?
だとすると留守番チームがちと不安だが アリサ軍団ってくらいだから、人数居るから強いんじゃないかな 花陽「ここです」
海未「ここは....」
絵里「街外れの洋館ね、ここは長い間空き家のはず...たしかに身を隠すにはいいかもね」
ことり「........」
穂乃果「見て、庭の雑草とかが一部踏みつぶされた跡があるよ」
海未「最近、ここに誰かが入ったのはたしかみたいですね」
絵里「行きましょう」
海未「もしかしたら罠があるかもしれません、注意してください」
穂乃果「はーい」 花陽「........」ゴソゴソ
海未「花陽?どうかしましたか?」
花陽「ちょっと待ってくださいね」
穂乃果「?」
花陽「.........」スチャ
海未「眼鏡...ですか?」
花陽「表向きにはそうですが、実はこれは赤外線センサー搭載の眼鏡なんです」
絵里「なにその、便利アイテムは」
ことり「真姫ちゃんに作ってもらいました!試作品みたいなものだけどね」
絵里「真姫...そんなものをいつの間に」 花陽「さてと....」カチッ
ことり「どう?かよちゃん」
花陽「特にはなにもなさそうですね、念のために私が先行して進みます」
海未「待ってください」
花陽「?なに?海未ちゃん」
海未「これだと花陽を盾にして進む感じでして嫌です」
花陽「花陽は別に構わないけど、それが市長を補佐する人間の役目でもあると思うから」
海未「ならその眼鏡を私に貸してください、私が先行します」
絵里「海未」
海未「市民を守るのは私の仕事です、私は警官ですから」 ことり「かよちゃん、海未ちゃんにそれを渡して」
花陽「え、でも」
ことり「こういう時の海未ちゃんは絶対に引かないから」
海未「.......」
花陽「.........」
ことり「かよちゃん」
花陽「...わかりました」
ことり「ありがとう、かよちゃん」
花陽「..........」スッ
海未「ありがとうございます」
花陽「これの依頼料高かったので壊さないでくださいね」
海未「わかりました」 穂乃果「大きな扉ー」
海未「特には罠とかはなさそうですね」キョロキョロ
絵里「入れそう?」
海未「........」カチャ
ことり「開いてる?」
海未「みたいですね、開けますよ」
ギー....
海未「.........」
穂乃果「なんか人気がないね...」
ことり「まるでお化け屋敷みたい」
絵里「!」
花陽「.........」 穂乃果「なんか埃っぽくて鼻がむずむずする...しかも薄暗いね」
花陽「長いこと放置されているはずですからね、足元には気を付けてくださいね」
海未「しかし、ところどころ埃が少ないところが見受けられます」
花陽「おそらく最近誰かが出入りしたという痕跡ですね」
絵里「........」
ことり「絵里ちゃん?」
絵里「な、なに?」
ことり「なんかそわそわしてるような感じがしてるけど大丈夫?」
絵里「大丈夫よ、ちょっと緊張しちゃって」
ことり「そっか....」
花陽「この建物の館内図だとこの先は大広間です」
海未「一旦、広いところに出てみましょう...もしかしたら相手方もそこにいるかもしれませんしね」 海未「ここにも特には罠はなさそうですね」
穂乃果「もしかしたらもう待ち構えたりして」
絵里「注意して開けましょう」
花陽「ことりちゃん、花陽の後ろに」
ことり「うん」
海未「....開けますよ」
ギー....
海未「.........」
穂乃果「うわー...ここも広い」
絵里「.......」
花陽「ここが大広間みたいですね」
海未「そうみたいですね」 海未「この部屋だけ、異様に綺麗です、誰かがここにいたはずです」
花陽「ここが拠点で間違いないですね」
「ようこそ、我が屋敷へ」
絵里「!!」
穂乃果「....あの椅子の方から聞こえたよ」
花陽「........」
「お待ちしてましたよ」クルッ
海未「気配を全く感じませんでした...只者ではなさそうですね」
ことり「わぁ、映画みたい」 「やはり似ているわね、あいつの孫というだけはあるか」
絵里「........」
「市長にその秘書...警官まで、随分とお集まりのようで」
海未「貴方が私達を襲ったことはわかっています、貴方を逮捕します」
「逮捕ねぇ.....」パチンッ
「「「.......」」」
花陽「.........」
穂乃果「わぁ...いっぱい出てきたね、忍者みたい」
「ふふふ...」
絵里「..........」 「貴方達の実力は知ってるわ、でもこの人数を相手はきついんじゃないの?」
海未「っ......」
「この場で貴方達を消してもいいけど、それじゃあ面白くない」
穂乃果「面白くない?」
「絢瀬絵里...いえ、エリーチカ!私と勝負をしなさい」
絵里「!私?」
「そうよ、私は貴方と勝負をしたいわ」
絵里「勝負?一体、何の勝負よ」
「そうねぇ...これなんかどうかしら?」スッ
絵里「...カード?」
「えぇ、トランプなんてどうかしら?」 絵里「トランプ?」
「そうよ」
海未「絵里、待ってください」
絵里「どうしたの?海未」
海未「相手の要求をそんなに簡単に飲まない方がいいですよ」
花陽「そうだよ、相手に有利な条件のゲームを挑まされるかもしれないよ」
絵里「そうかもしれないわね」
海未「ならもう少し慎重に」
絵里「でもこの状況なら受けるしかないんじゃないの?」
ことり「そうだね、敵の囲まれたこの状況、断りたくても断れないよね」
海未「それはそうですが...」
絵里「大丈夫、私は負けないから」 「で?どうする?受けるの?受けないの?」
絵里「受けるつもりだけど...トランプだとしてなにで勝負するの?」
「そうね...ポーカーなんてどうかしら?」
絵里「ポーカー...」
「えぇ、でも普通のポーカーじゃ面白くないからちょっと遊びを加えるつもりよ」
絵里「遊び?」
「カードはこういうカードを加えて遊ぶつもりよ」スッ
絵里「普通のカード?」
「いいえ、これは表も裏も絵柄の方が印字されている特殊なカードよ」
絵里「.......」
「これを加えて遊ぶなんてどうかしら?」 「あと使用するカードも制限するわ」
絵里「制限?」
「使用するカードは9〜Aまでのカード、ジョーカーを1枚加えて25枚でやるの」
絵里「25枚....裏表のカードは何枚使うの?」
「絵柄や数字は適当にして6枚混ぜるわ、やる時にその点については細かく説明をするわ」
絵里「.....」
「どう?面白いと思わない?」
絵里「私がその勝負に勝てば貴方はこの街からを手を引くの?」
「えぇ、でも貴方が負けた場合は」
絵里「...負けた場合は.....」
「貴方をこの街から消す」 海未「絵里、落ち着いてください」
絵里「?海未?」
海未「そんな勝負に乗る必要はありません」
「...........」
海未「我々に色々とやってきて何が今更勝負ですか!!ふざけないでください」
絵里「海未、私達だってこの街で色々やってきているわ、逆恨みをされても仕方ないくらいにね」
海未「!それはそうかもしれませんが...」
絵里「それにこの状況で勝負を受けないのはまずいと思うわよ」
「「.........」」
海未「!」
絵里「任せて、絶対に勝って見せるから」
海未「絵里.....」 「話は終わったかしら?」
絵里「えぇ、受けて立つわ」
「そうこなくちゃっね」
絵里「さっさと始めましょうか」
「まぁ、慌てない慌てない」
絵里「..........」
「まずは軽く勝負の前に、軽く肩慣らしといきましょうか」
絵里「肩慣らし?」
「えぇ、軽く違うゲームをしましょう」 絵里「違うゲーム?」
「貴方のセンスを試させてもらうわ」
絵里「センス?」
「....ポーカーには使わないけど、このカードでちょっと遊んでみましょう」
絵里「それもトランプ?」
「えぇ、ちょっとした余興よ」
絵里「........」
「まぁまぁ、そう身構えないでこれは勝負とは関係ないから」
絵里「で?何をするの?」
「ブラックジャックでもしましょうか?」 「........」サッサッ
絵里「...........」
穂乃果「海未ちゃんブラックジャックってなに?お医者さん?」
海未「また貴方はベタな質問を」
花陽「ブラックジャックっていうのは簡単に言えば手札の合計の数字を21に超えないようにしながら相手より高い数字を狙うゲームです」
穂乃果「へー...」
花陽「基本はディーラーとプレイヤーが戦うのでディーラーはその中でカードを一枚公開しないといけないの」
穂乃果「じゃあ、プレイヤーのが有利なんだね」
花陽「そうとは限りませんよ」
穂乃果「え?」 花陽「たしかにプレイヤーはディーラーのカードが確認できたりはしますが手札が21を超えてしまった時点でプライヤー側は負けになってしまうのでそうとは限りません」
穂乃果「それはディーラー側さんにも同じなんじゃないの?」
花陽「ディーラー側は21を超えていてもプレイヤー側から勝負を挑まれて手札を公開するまで負けにならないの」
穂乃果「??」
ことり「簡単に言うと21を超えててもディーラーさんは隠してて勝てる可能性があるけどプレイヤー側は超えた時点で負けを申告しないといけないの」
穂乃果「成程...」
海未「一見プレイヤー側に有利に見えてそうでもないパターンもあるんです」
穂乃果「へー...穂乃果には難しそうだからやらないでおこう」
海未「そうですね、貴方は賭け事は苦手そうですからね」
穂乃果「むっ!海未ちゃんには言われたくないなぁ」
海未「え?な、なんでですか?」
穂乃果「だって海未ちゃんババ抜き弱いじゃん」
海未「それは昔の話では!?それに今は弱くないですよ!!」 絵里「ヒット」
「.........」
絵里(一体何を考えているのかしら?)
絵里「スタンド」
絵里「19」
「こっちも19、引き分けね」
絵里「.........」
絵里(このブラックジャックになんの意味が?考えすぎかしら?)
「............」シャシャシャ 「ふー...じゃあ、そろそろ本番に行こうかしら?」
絵里「私はいつでも構わないわよ」
「じゃあ...カードを準備しましょう」
絵里「.........」
「さてと...カードを25枚この黒い箱の中に入れる、そうしないと表裏のカードは見えちゃうからね」
絵里「わかったわ」
「表裏のカードについてだけど...こちら側とそちら側のゲームに参加しない人間がこの箱の中のカードを入れる役割をしてもらうつもりだけ、どうかしら?」
絵里「構わないわ」
「じゃあ、ここに25枚の普通の9〜Aのカードと裏表の9〜Aのカードを25枚用意してあるわ」スッ
絵里「?」
「私達が見えてしまったら意味がないでしょう、目隠しよ」
絵里「...目隠し...」
「はい、どうぞ」
絵里「.........」 「お気に召さない?」
絵里「!そういう訳じゃないけど...」
「?」
絵里「な、なんでもないわ、やりましょう」
「それじゃあ、カードを入れる人間を指名して」
絵里「じゃあ、海未お願い」
海未「わかりました」
絵里「........」 絵里「っ.........」
「...........」
海未「では私はこれを」
「では私はこちらを」
ガサガサ.....
海未「用意できました」
「目隠しを外していただいて結構です」
「.........」スッ
絵里「.........」スッ
「用意できたわね、じゃあ卓に移動しましょうか」 絵里「.........」
「さて...お互いに席に着いた訳だしボックスを持ってきて」
「はい」
絵里「........」
「あ、そうだ!これを」スッ
絵里「手袋?」
「指先とかでカードの絵柄を判断できないようにね、これをつけてカードをボックスから引く」
絵里「わかったわ」
「それじゃあ、本番と行きましょうか」 続き来てた!
前哨戦の意味ってなんだろう…癖とか見てんのかな… ん?ちょっと良くわからん
25枚のうち
普通のカード19枚
表裏とも絵柄のカード6枚
でok?
表裏とも絵柄っていうのは、例えば表裏キングでカードがバレた状態、ってことだよね 「まずはカードをお互いに引きましょうか」
絵里「わかったわ」
「取る時に相手にカードは見えないように気をつけてね」
絵里「.........」ゴソゴソ
「...........」
絵里「5枚引いたわ」
「じゃあ、私も引かせてもらうわね」
絵里「どうぞ」
「ふふふ.....」ゴソゴソ
絵里「..........」 「カードをお互いに引いたからゲームの細かい説明をさせてもらうわ」
「プレイヤーは最初に5枚カードを引く、そしてお互いにチップを10枚持ってスタート、そのチップを賭けて勝負をするの」
絵里「チップが無くなった方が負けってことかしら?」
「そうね、でも勝負は上限で7回にするつもりよ、だらだら勝負してもつまらないし」
絵里「..........」
「手札の入れ替えは一回まで、交換の枚数の上限がないわ、全部変えたい場合は全部変えても構わないわ」
「その後、勝負をするかしないかを決める、ちなみにジョーカーはどのカードとしても使うことができるってルールよ」
絵里「わかったわ」
「まぁ、ジョーカーは引ければラッキーってところね」
絵里「.........」
「じゃあ、ゲームスタート」 絵里(私の手札は....)
ダイヤの9 ハートのJ スペードのQとA クラブのK
絵里(両面の絵柄カードはスペードのQ....そもそも役なしねこの状態だと)
「........」
絵里(相手の公開されているカードはハートの10...とりあえずこっちにハートのJがあるから他の絵柄を含めてストレートフラッシュとかの可能性は低い)
絵里(私が役なしのこのバラバラな手札のおかげで相手のフォーカードの可能性も低いわね、あるとすれば10のフォーカード...けどジョーカーもあるから現段階では判断は難しいわね)
絵里(ここは全交換をした方がいいのかしら?でもそれだと相手に私は役なしだと言ってるようなもんだし....ここは3枚交換が無難かしら?勝負するかどうかその後決めましょう)
絵里「3枚交換するわ」
「私も交換するわ、私も1枚」
絵里「............」 絵里(よし...とりあえず役ができてたわ)
スペードの9 ハートのJのK クラブのK ダイヤのK
絵里(Kが3枚こっちにあるからKのフォーカードはまずない...スペードが3枚とダイヤも2枚見えるからストレートフラッシュの可能性は低い)
絵里(あとはフルハウス...表だった10を捨ててるから10を含んだ組み合わせではないはず)
絵里(9が2枚見えているからAとJとQの組み合わせで...1枚しか交換しないという訳は...そうだ、相手のカードが引いたカードが表裏のカードなら....)
「........」
クラブのK
絵里(スペードのK...ってことはあれがあるってことは...これでスペードは4枚見えてるからストレートフラッシュやフルハウス、フラッシュはないわね)
絵里(あとは...10とK以外のフォーカードだったら私の負けね...ストレートの可能性も...でもストレートならさっきの私の手札と似たような状況だったはず...その状況で一枚だけの交換はリスクが高い...なら...フォーカードかフルハウスに近い形?ならスリーカード?)
絵里(フォーカードなら負け...それ以外なら...ここは勝負ね、流れを掴んでおきたいし)
絵里「勝負するわ」 >>687
絵里(よし...とりあえず役ができてたわ)
スペードの9 ハートのJのK クラブのK ダイヤのK
絵里(Kが3枚こっちにあるからKのフォーカードはまずない...スペードが3枚とダイヤも2枚見えるからストレートフラッシュの可能性は低い)
絵里(あとはフルハウス...表だった10を捨ててるから10を含んだ組み合わせではないはず)
絵里(9が2枚見えているからAとJとQの組み合わせで...1枚しか交換しないという訳は...そうだ、相手のカードが引いたカードが表裏のカードなら....)
「........」
スペードのK
絵里(スペードのK...ってことはあれがあるってことは...これでスペードは4枚見えてるからストレートフラッシュやフルハウス、フラッシュはないわね)
絵里(あとは...10とK以外のフォーカードだったら私の負けね...ストレートの可能性も...でもストレートならさっきの私の手札と似たような状況だったはず...その状況で一枚だけの交換はリスクが高い...なら...フォーカードかフルハウスに近い形?ならスリーカード?)
絵里(フォーカードなら負け...それ以外なら...ここは勝負ね、流れを掴んでおきたいし)
絵里「勝負するわ」 「あら、いい手札になったのかしら?」
絵里「さぁね」
「ふーん.....」
絵里「........」
(最悪負けても相手の手を見ることができる...ここは勝負よ)
絵里「私は賭けるわ」スッ
「随分と強気ね」
絵里「........」
「なら、お手並み拝見といこうかしら?その勝負受けて立つわ」
絵里「...勝負!」スッ
「..........」 絵里 スペードの9 ハートのJとK クラブのK ダイヤのK
相手 ハートの9 クラブの9とJ スペードのJとK
絵里「Kのスリーカード」
「私はツーペア...やるわね」
絵里「.........」
ことり「やった!絵里ちゃんが勝ったよ」
海未「さすがですね」
穂乃果「んー....」
ことり「どうしたの?穂乃果ちゃん」
穂乃果「穂乃果、ポーカーのルールがわからないからよくわかんなくて」
海未「ポーカーも知らないんですか?穂乃果」
穂乃果「だってやらないんだもん」 ことり「かよちゃん」
花陽「はい、ではポーカーを簡単に説明しますね」
穂乃果「わーい」
花陽「ポーカーというのは色々種類はありますが今回の場合は自分の手札5枚で役を作るポーカーみたいです」
穂乃果「役?」
花陽「簡単にいえば...そうですね、ババ抜きとか七並べとかは知ってますか」
穂乃果「それなら知ってるよ」
花陽「役には強い順はありますが、例えば同じ数字が揃えば1ペア、ペアが2つ揃えば2ペアっていう役になります」
穂乃果「なんかペアを揃えるってババ抜きみたい」
花陽「そうですね、それでその役もたくさん種類や強い順番などがあるんです」
穂乃果「へー」 花陽「同じ数字が三枚揃えばスリーカード、4枚揃えばフォーカード」
海未「花陽は教えるのが上手いですね」
ことり「なんでもできるよ、かよちゃんは」
花陽「絵柄に関係なく、2〜6みたいに数字が続く揃い方をすればストレート、同じ絵柄ならもっと強い役になってストレートフラッシュ、そして10〜Aまでが揃えばロイヤルストレートフラッシュ」
穂乃果「おーなんか格好いいね」
花陽「ロイヤルストレートフラッシュが一番強い役です、あとはスリーカードとワンペアの組み合わせだとフルハウスって役もあります」
穂乃果「いっぱいあるんだね」
花陽「はい、強さで言うとロイヤルストレートフラッシュ→ストレートフラッシュ→フォーカード→フルハウス→フラッシュ」
穂乃果「フラッシュ?」
花陽「フラッシュは同じ絵柄で5枚揃うとできる役です」
穂乃果「そんなものあるんだ....」
花陽「あとはストレート→スリーカード→ツーペア→ワンペアの順です」 穂乃果「ありがとう!これでなんとなくだけだけどわかったよ!」
花陽「いえいえ」
海未「すいません、穂乃果が」
花陽「大丈夫ですよ」
ことり「かよちゃん、ありがとう」
花陽「はい」
ことり「さてと...さっきのはお互いに様子見だったはず...もし動きがあるとすれば次からかな」
花陽「...そうですね」
ことり「絵里ちゃん...頑張れ」
花陽「...........」 絵里「..........」
絵里(これでまずは1勝、あと6回....)
「..........」ジッ
絵里「......なに?」
「やはり似てるなって思ってね...あの人と」
絵里「似ていて当たり前よ、孫なんだから」
「それもそうね...ふふふ、失礼したわ」
絵里「..........」
「じゃあ、さっさと2回戦と行きましょうか」
絵里「そうね」
「............」 2回戦
絵里「フラッシュ」
「スリーカード」
ことり「また絵里ちゃんが勝ったね」
海未「幸先がいいですね、このまま流れを乗れればいいんですが」
花陽「........」
海未「どうしたんですか?花陽」
花陽「なんか嫌な感じがして」
海未「嫌な感じですか?」
花陽「私の気のせいかもしれませんけどね」
ことり「........」 絵里(これで二勝....チップは12枚)
「.........」
絵里(こっちが有利な状況...けど)
「また負けちゃったわね、やるわね貴方」
絵里「...どうも」
絵里(相手のこの余裕な感じはなんなの?こっちのペースを乱そうとしてるだけ?)
「次こそは負けないわ、三回戦と行きましょうか」
絵里「..........」 3回戦
絵里(いい手札ね....)
スペードの10 ダイヤのKとA ハートのK クラブのK
絵里(表裏のカードが1枚あるけどこれは役にははまってないからこれは問題ないわね...相手は)
ハートのQ
「..........」
絵里(とりあえずハートのストレート系は成立の可能性はなさそうね、チェンジは2枚が無難ね)
絵里「2枚チェンジで」
「私も2枚」 絵里(いい引きだわ)
クラブのK ダイヤのK ハートのKとA スペードのA
絵里(フルハウス....相手の手札は)
スペードのQ
絵里(Qが2枚、Aが3枚、Kが3枚、10が1枚わかってる...スペードが10とA見えてるからQがあってもストレートはない)
絵里(ここはフォーカードの可能性もあるけどここは余裕があるはずだし、勝負するところね)
絵里「私は賭けるわ」
「じゃあ、私も」
絵里「.....勝負!」 絵里「フルハウス」
「9のフォーカード」
絵里「!」
「あら、今回は私の勝ちみたいね」
絵里「....そうみたいね」
絵里(9は裏表のカードはないのね、負けたけどこれはいい情報を手に入れたわね)
「ここから巻き返していくわよ」
絵里「.........」
絵里(まだこっちがリードをしている、焦らずに行きましょう) 4回戦
絵里「私は2枚交換するわ」スッ
「私も2枚」
絵里「........」
ダイヤのK クラブのK ダイヤのK ハートのA ジョーカー
絵里(私の手はジョーカーを含めてのKのフォーカード...お互いに裏表のカードを2枚ずつ捨てている、お互いに公開されているカードはクラブの10とダイヤのJ、スペードのQとK)
絵里(まず9以外のフォーカードは絶対に出ない、Kも出尽くしているからストレート系も出ない...この勝負はほぼ勝ちみたいなものね)
絵里「私は賭けるわ」
「........」
絵里(仮に9のフォーカードでも引き分け、この勝負はもらったわ)
「....私は降りるわ」
絵里「!........」 「今回は私は降りるわ、はい」
ハートのJ スペードのJ クラブのJとA ダイヤのA
「まぁ、一応フルハウスだけどね」
絵里「...フォーカード」
「あら、いい手札だったのね」
絵里「........」
「これで私の三敗、背水の陣ってところかしら」
穂乃果「これで多分、リーチだよね?これでほぼこっちの勝ちだね」
海未「そうですね、さすが絵里です」
花陽「どうでしょうか」
穂乃果「え?」
花陽「........」 海未「今、絵里のチップは12枚、相手は8枚、次で勝てばこちらの勝利は決まりなんですよ?なんでそう思うんですか?」
花陽「嫌な感じがします」
海未「嫌な感じ?」
ことり「さすがかよちゃん、いい嗅覚をしてるね」
穂乃果「くん...くん...え?なにも匂いはしないけど」
海未「なにをやってるんですか、喩えですよ穂乃果」
ことり「相手を見て」
「.........♪」
花陽「全く追い詰められている感じがしません、ただの虚勢なのかそれとも....」 絵里「........」
絵里(次に勝てば私の勝ち、圧倒的に私が有利な状況....でも)
「〜♪」
絵里(さっきからこの相手の余裕そうな感じはなんなの?私のペースを乱すため?)
「..........」ジッ
絵里「!」
「ふふふ....」
絵里「....なんですか?....」
「なんか焦ってる?」
絵里「別に焦ってはいません」
「ふーん....そう...」 5回戦
絵里「.........」スッ
絵里(冷静に...相手のペースには乗らないようにしないと)
海未「たしかに余裕そうな感じが...なにかを企んでいるようで不気味ですね」
ことり「どう見る?かよちゃん」
花陽「まだわかりません、でも...この5回戦」
穂乃果「......」
花陽「なにかあるなら相手が必ずなにかをしかけてくるはずです」
海未「絵里.....」 続きだ
絵里ちゃん揺さぶりに強いとは思えないから心配だわ… ここまで読んだ感じだと駆け引きは苦手そうだからなぁ……
大丈夫だろうか 何か仕掛けがありそうだけど正攻法のイメージしか無いえりちが見破れるとは思えない 絵里「......」
クラブのQとK スペードのJとQ ハートのK
絵里(ツーペアは揃っている、Aを切ればフルハウスになる可能性もある...相手のカードは裏表のカードはない...こちらのスペードのQだけがお互いに公開されている状況)
絵里「一枚交換するわ」
絵里(とりあえず交換して、相手の出方を見る...この勝負に勝てば私の勝ちなんだから焦ることはないわ)
「私は二枚」
ハートのQ
絵里(よし...フルハウスができたわ、相手はダイヤのJを引いたみたいね)
絵里(現状表裏が判明しているカードはダイヤのJとクラブの10、スペードのQとK、ハートのQ)
絵里(こちらの手札が2枚公開なのはきついわね、Qのペアを公開してるんだから...相手はJが絡む役ならさっきスペードのJを切ったからペアかスリーがいいところ)
絵里(他の公開される10やKも見えないから見えてない9のフォーカードくらいかしらね...こっちは悪い手ではないし、ここも勝負ね) 絵里「勝負よ」
「ふふふ、受けて立つわ、受けないと負けちゃうしね」
絵里「フルハウスよ」
クラブのQとK ハートのQとK スペードのQ
「ふふふふ...」
絵里「?なによ、早く出しなさいよ」
「本当にいい運を持ってるわね、貴方」
絵里「...だったらなんなのよ」
「でもね...上には上がいるのよ」
ダイヤの9 10 ジョーカー J Q
「ストレートフラッシュ」
絵里「!?」 絵里「なっ...」
「私の勝ちね、これでまだ勝負は終わらないわね」
絵里「っ.......」
「そう簡単には勝たせてはあげないわよ」
絵里「面白いじゃない....」
穂乃果「!」
海未「絵里!」
ことり「.......」
海未「本当にことり達が言っていた通りになりましたね」
ことり「うん....」
海未「ん?そういえば花陽はどこに」キョロキョロ 花陽「戻りました」
海未「花陽どこに行っていたんですか、絵里が」
花陽「わかってます」
ことり「どうだった、かよちゃん」
花陽「はい、すごい引きというか...びっくりしました」
海未「?どういうことですか?」
花陽「あの人の後ろでちょっと観戦をしていたんです」
海未「いつの間に」
ことり「なにか動きはあった?」
花陽「いえ、特に不審な点は見えませんでした」 ことり「そっか...」
花陽「ただ...」
ことり「なにかあったの?」
花陽「いえ、さっきの試合なんですがカードに捨て方に少し違和感を感じまして」
ことり「違和感?」
花陽「はい、最初相手の手札はダイヤの9と10、クラブのJにハートのAそれとジョーカーでした」
穂乃果「それがどうかしたの?」
花陽「絵里ちゃんの手札を含めるとあの人が捨てたカードを切るのが2枚がもっとも効率的なんです」
穂乃果「??」
海未「詳しく説明をお願いできますか、花陽」
花陽「はい」 花陽「さっきあの人はクラブのJとハートのAを捨てました」
海未「バラバラの手札ですから2枚捨てるのは効率がいいからなのではないですか?」
ことり「そうだね、ジョーカーがあるからワンペアはできてるから...最低でもスリーカードはできやすいからね」
花陽「それはわかるんですが、残したダイヤの9やダイヤの10...絵里ちゃんの手札にはなかったんです、それを踏まえると相手の有効札は見えてない9と10の枚」
穂乃果「手札がお互いに10枚あるから残りが15枚中6枚」
花陽「条件があるとはいえ他にもダイヤのJとQとKも有効札、15枚うちの9枚が有効札になるんです」
海未「たまたまなのでは?あくまで確率が高いってことですよね?」
花陽「はい、でもなんか引っかかったので」
ことり「でも、その話を聞いてるとまるで相手が絵里ちゃんの手札のわかってるみたいだね」
海未「!」 海未「まさか...イカサマを?」
花陽「それはわかりません、ただなんとなく引っかかっただけなので」
ことり「不審な動きとかはなったの?」
花陽「特には不審な動きは」
穂乃果「...わかった!あのカードに細工がされてるんだよ」
海未「可能性は否定はできませんね」
ことり「でも、やってるっていう証拠もないよね」
花陽「はい、下手に証拠もないのにこちらが言ってもただの言いがかりになってしまいます、こちら側が不利になるだけです」
穂乃果「じゃあ...どうすれば」
ことり「絵里ちゃんに頑張ってもらうしかないよ、私はここで絵里ちゃんを信じて待つことしかできないから」 花陽「ことりちゃん」
ことり「なに?かよちゃん?」
花陽「...........」カチャ
ことり「眼鏡?今日はコンタクトじゃなかったの?」
花陽「実は私、特殊な眼鏡を持ってきてまして」
穂乃果「なんかカッコイイ眼鏡だね」
ことり「その眼鏡でどうするの?」
花陽「今更かもしれませんが相手の様子をこれで探ってみます」
ことり「.......」
花陽「だめですか?」
ことり「海未ちゃん」
海未「はい?」
ことり「かよちゃんをよろしく」 穂乃果「ことりちゃんは相手が不正してると思う?」
ことり「わからない、けど相手方が用意したゲームなんだからこっちが不利なのは確実だよね」
穂乃果「なんか不平等だね」
ことり「この世界にはそうそう平等なんてものはないからね」
花陽「すいませんね、私の我がままに付き合ってもらっちゃって」
海未「構いませんよ、あのままあそこでじっとしてるのもあれですし」
花陽「ありがとうございます」
海未(花陽は頼もしいですね...ことりはいい部下に恵まれたものですね) 真姫「あの眼鏡を持っていったの?」
凛「うん、かよちんに渡しておいたよー」
真姫「もう、勝手に人の試作品を持っていかないでよ」
凛「いいじゃない、いいじゃない」
真姫「まぁ...花陽だからいっか」
凛「そうそうかよちんだから...ん?かよちんなら?」
真姫「........」
凛「なんか引っかかる言い方だなー」
真姫「ほら、ちゃんと見張りをする!!」
凛「はーい....」 6回戦
「あと2回」
絵里「!」
「あと2回勝てば私の勝ちね、そしてこの勝負もちょうど終わるわね」
絵里「それは貴方が後2回連続で勝てばの話ですよね」
「そうね、でも流れはこっちに来てる感じよ」
絵里「御託はいいです、早く始めましょう」
「焦らなくてもすぐにわかるわよ」
絵里「..........」 クラブの9 スペードの9とA ダイヤのK ハートのK
絵里(相手のペースの乗ってはダメよ....落ち着いて)
「.........」
絵里(ここはクラブのAを捨てるしかないわね...最低でもツーペア、上手くいけばフルハウスね)
「私は3枚交換するわ」
絵里「!」
「手が悪くてね....」
絵里「一枚交換するわ」
絵里(三枚ってことはワンペアしかないってことだから....これは私の勝ちの可能性が高そうね) 花陽「....スキャン開始」
「..........」
花陽「........」
花陽(特にはカードやあの人からは変な熱源や赤外線などの類いは見受けられないですね)
ハートの9とA スペードのJ クラブのK ジョーカー
花陽(手札が見事にバラバラ...ジョーカーがあるとはいえ、ワンペアかストレートになれるかどうか....)
「私は3枚交換するわ」
花陽「三枚、たしかにこの場面なら3枚を捨てれば役は高確率でできるはずですし」
「.........」
花陽「........」 絵里(クラブのJ...役はツーペアからは上がれなかったわ...でも相手は3枚も交換をしていたということは交換前はワンペアだったはず)
絵里(ここで勝負を避けても得はないわ、私はあと一回でも勝てば勝ちなんだから)
「あと一回が遠いのよね」
絵里「!」
「なんてね?図星かしら?」
絵里「........」
「どうする?勝負する?」
絵里「えぇ、もちろんするわよ」
「なら私も...って言っても私は勝負を降りたら負け確定だし、元々受けるしかないんだけどね」
絵里「勝負」 「スリーカード」
絵里「ツーペア」
「私の勝ちね、この勝負も」
絵里「っ.......」
花陽「絵里ちゃんのあの手札....!まさか...」ダッ
海未「花陽!?」
花陽「ことりちゃんのところに戻りましょう!!謎が少し解けたかもしれません」
海未「!本当ですか」
花陽「はい、あくまでまだ仮説ですけど、とにかく一回集合をしましょう」
海未「わかりました!」 穂乃果「相手がこっちの手札がわかってる?」
花陽「あくまで仮説ですけど」
ことり「かよちゃん詳しく」
花陽「はい、さっきの6回戦...あの人は手札にハートの9とA、スペードのJ、クラブのK、ジョーカーでした」
海未「花陽、トランプです」スッ
花陽「ありがとうございます...対する絵里ちゃんはクラブの9、スペードの9とA ダイヤのK、ハートのK」スッ
穂乃果「ふむふむ」
花陽「その時に捨てた手札がこの3枚」スッ
ことり「ハートの9とAにクラブのKだね」
花陽「9とKは2枚絵里ちゃんが持っていて、Aも一枚持っている....この9とKとAはペアになりづらい、特に9とKは」
海未「成程...」
ことり「........」 花陽「そもそもこの勝負自体、絵里ちゃんはツーペア以上になるのはそもそも難しい状況だったんです」
穂乃果「難しい?どうして」
花陽「絵里ちゃんは9かKを引かないと上のランクの役にはなれない...でも9とKが相手から1枚ずつ捨てられている訳だから...有効札はあと2枚しかないんです」
海未「15枚中2枚...これはかなり低い確率ですね...」
花陽「対する相手は3枚残ってるJを一枚でも引けばスリーカード...一番役に結びつきにくい残ってるカードはクラブのKとスペードのAとダイヤのAの3枚」
ことり「相手はかなり有効札を引きやすい状況ってことね」
花陽「その通りです...そしてこの3枚を捨てるということはここでの最善策」
ことり「じゃあ、この3枚を捨てたってことは....」
花陽「相手には絵里ちゃんの手がわかっていたかもしれないっていうことです」
穂乃果「!」 穂乃果「じゃあ、それってイカサマなんじゃ!」
花陽「これはあくまで可能性を感じただけです、まだ証拠とかを見つけた訳ではないです」
穂乃果「でもこのままだと...まずいよね」
海未「変にこのことを絵里に伝えようとすればこちら側の不正を疑われる可能性もありますし、どうすれば」
花陽「これも相手の戦略かもしれませんね」
穂乃果「っ......」
ことり「なら私達にできることは一つしかないんじゃないの?」
花陽「なにかいい手があるの?ことりちゃん」
ことり「絵里ちゃんを信じるんだよ」
穂乃果「信じる?」
ことり「うん、絵里ちゃんを信じて待つ!それだけだよ」 海未「ことり....」
ことり「私達が絵里ちゃんを信じなければ誰が絵里ちゃんを信じるの?このまま絵里ちゃんが負けるって本気で思ってるの?」
花陽「!」
ことり「絵里ちゃんが諦める前に勝負が終わる前に私達が諦めてどうするの?絵里ちゃんに失礼だよ」
海未「そうですね....その通りですね」
ことり「だからー3人共、絵里ちゃんが勝ったらここでなにが起きても大丈夫なように用意しておいて」
穂乃果「....OK!」
花陽「はい!」
ことり「念には念をね....」
海未「さすがやる時にはしっかりやるカリスマ市長ですね」
ことり「どうもー」 絵里(....ここに来て連続で負け....たまたま?)
「次で正真正銘最後ね.....」
絵里「そうね...」
絵里(相手に運がよかっただけ?私の運が悪かっただけ?...そういえば相手は必ず私が捨てる枚数を宣言してから捨てる枚数を宣言してることが多かったわね)
絵里(たしかに相手が捨てる枚数で何が揃っているかはある程度は読める...けど宣言が相手のが先でも私が負けてるケースもあったわね...)
「どうかした?」
絵里「!いえ...ちょっとだけリラックスしてもいいですか?」
「今更緊張?まぁ、次で最後だし...お好きにどうぞ」
絵里「どうも」
「ただし席から離れないようにね」
絵里「わかりました」 海未「ん?なにやら絵里の様子が」
ことり「絵里ちゃんも気が付いたみたいだね」
絵里(考えるのよ....カードには仕掛けは施してないはず...バレた時に言い逃れもできないし)
絵里(周りに私の手札を伝えている協力者がいる?いや、それならことり達が気が付くはず...それにどう伝えるっていうの、変な音や光は感じなかったわ)
絵里(...そういえば...相手の視線をやたら感じたような....まさか!)
絵里(成程...それならバレても証拠は残らないし、私の手の内をわかるわね)
「..........」
絵里(次はさせない、純粋な勝負で私は勝ってみせようじゃない) 絵里「もういいわ、始めましょう」
「OK、これで最後...勝者が決まる」
絵里「.........」
7回戦
絵里「..........」
「さぁ、始めましょうか」
絵里「.........」チラッ
「?」
絵里「..........」スッ
「どうしたの?カードを伏せたままにして」
絵里「これでいいの、カードはもう確認したわ」 「?負けっぱなしだから流れを変えようとところかしら?」
絵里「そうね」
「まぁ、別にいいけど...捨てるカードを間違えて役なしで負けるとかは辞めてよね、興醒めするから」
絵里「私は負けない選択をしてるつもりよ、だから大丈夫よ」
「..........」
絵里「さぁ、貴方は何枚交換するの?」
「...貴方からどうぞ」
絵里「じゃあ、同時にしない?これなら不平等にはならないでしょ」
「.......」
絵里「それとも相手のデータがないと駆け引きをするはダメなのかしら?」
「!どういう意味よ」 絵里「これはあくまで可能性の話、そうね...私の妄想でいいわ」
「妄想?」
絵里「貴方は私の手の内がわかっていた」
「わかっていた?貴方の手札を私が?」
絵里「えぇ」
「なによそれ、私がイカサマをしているっていうの?証拠とかはあるの?」
絵里「物証的な証拠はないわ」
「ならただの言いがかりじゃない!まさか、そうやって勝負を煙に巻こうとする気?」
絵里「そんなつもりはないわ、だからこの勝負はちゃんと受けるわ」
「ならなんなのよ、いきなり人に向かって変なことを言わないでくれる?」
絵里「だから言ったじゃない、妄想だって」 「お騒がせな妄想なことで」
絵里「貴方は....」
「なによ」
絵里「私の瞳に映っていたカードを見ていたのよ」
「!」
絵里「.........」
「貴方の目に映ったカード?」
絵里「えぇ、それなら証拠はほぼ残りませんから」
「何を言い出すかと思えば....」
絵里「この試合中に私は何度も貴方からの視線を感じました」
「!」
絵里「最初は私にプレッシャーをかけているのかと思いましたが実はそうではなく私が見ていたカードを見ていた、瞳越しにね」
「..........」 絵里「だから後半になって貴方はまるで調子がよくなったかのように連勝をした」
「黙って聞いていれば大した妄想ね」
絵里「えぇ、妄想ですから」
「.........」
絵里「でもこの勝負に勝つのはただの妄想で終わらせないわ...3枚交換するわ...そしてこの勝負に勝つ」
「....!なら、私は1枚」
絵里「........」スッ
(ジョーカーを引いたわ!これでKが3枚、Qが一枚...フォーカードね)
絵里「......」
(相手はスペードのQとスペードのKを引いたみたいね、Kはこっちで抑えてあるから...役にほぼ絡まない死に札ね)
(この勝負もらったわ) 絵里「だから後半になって貴方はまるで調子がよくなったかのように連勝をした」
「黙って聞いていれば大した妄想ね」
絵里「えぇ、妄想ですから」
「.........」
絵里「でもこの勝負に勝つのはただの妄想で終わらせないわ...3枚交換するわ...そしてこの勝負に勝つ」
「....!なら、私は1枚」
絵里「........」スッ
(ジョーカーを引いたわ!これでKが3枚、Qが一枚...フォーカードね)
絵里「......」
(相手はスペードのQとスペードのKを引いたみたいね、Kはこっちで抑えてあるから...役にほぼ絡まない死に札ね)
(この勝負もらったわ) 「Kとジョーカーでフォーカードよ」
海未「最後の最後でなんていい手を...」
花陽「.........」
ことり「絵里ちゃん....」
絵里「....いい手ね...」
「そうね、貴方の手は?いつまでもひっくり返したままじゃあ勝負が終わらないわよ」
絵里「....そうね」ペラッ
「.......」
絵里「スペードの10...スペードのJ」
「!っ...ま、まさか!そんな」
絵里「そして...スペードのA!」
「!!」
絵里「ロイヤルストレートフラッシュ」 「そんなバカな....」
絵里「カードが....」
「え?」
絵里「カードが私に勝利を告げてくれたのよ」
「っ.........」
穂乃果「ロイヤルストレートフラッシュって一番強い役だよね」
海未「はい、そうです」
穂乃果「ってことは.....」
花陽「絵里ちゃんの勝ちです」
穂乃果「やったあああ!!」
海未「さすがです!絵里」
ことり「決める時には本当に決めるよね、絵里ちゃんって」 「馬鹿な....まさかイカサマを?」
絵里「そんなことはしてませんよ」
「なら、どうして」
絵里「運...いえ、運命ってやつかしらね」
「運命?」
絵里「まぁ、私が勝手に決めた運命だけどね」
「.......」
絵里「でも強い思いは時に理想を現実にする力がある」
「思いねぇ....」
絵里「私はここに来るまでに自分自身を含め色んな思いに触れてきたから」
「........」 絵里「これで勝負は私の勝ちよ、さぁ、この街から手を引いてもらいましょうか」
「っ.......」
絵里「.........」
「わかった...約束は守りましょう」
絵里「......」
「ただし」
絵里「?」
「ここから無事に帰れたらね!!」
絵里「!!」
ことり「!皆!!」
穂乃果「待ってました!!」
海未「穂乃果と花陽はことりを!!私は絵里を助けに行きます!!」
花陽「わかりました」 『花陽』
花陽「!?」
ことり「どうしたの?かよちゃん?」
花陽「今、誰かに呼ばれたような」
穂乃果「誰か?」
『花陽』
花陽「!」
穂乃果「この声って...」
ことり「真姫ちゃん?」 花陽「え?真姫ちゃん?どこ?」
『ここよ』
花陽「え?」
穂乃果「眼鏡から声が聞こえるよ!!」
花陽「私のこの眼鏡?」
『右横の縁にあるボタンを押して』
花陽「ボタン?えっと....これかな?」カチッ
パー....
真姫『.........』
ことり「え?真姫ちゃん?」 真姫『ホログラムってやつよ、どうかしら?』
穂乃果「わぁ!!すごい!!!本当にここにいるみたい」
花陽「そうですね...って!今はそんな場合じゃないんですよ!!!」
真姫『途中から見てたから全部わかってるわ』
ことり「見てた?」
真姫『花陽がその眼鏡をかけてからね...まぁ、こっちも色々とあったらから』
花陽「色々?」
真姫『そろそろ着くと思うから、安心しなさい』
穂乃果「着く?」
真姫『...........』 絵里「勝負には勝ったのよ、往生際が悪いわよ」
「目撃者がいなければ残った人間の証言だけが真実になるのよ、死人に口なしよ」
絵里「.........」
海未「絵里!!」
「貴方のお仲間共々ここで始末させてもらうわ...ここにいない連中を含めてね」
絵里「.........」
ドン!!
「!!なに!?」
「ふぅ...やっと着いたにゃ....」
海未「!あれは....」
凛「ヒーローは遅れて登場するものだもんね」
絵里「凛!」 花陽「凛ちゃん!」
凛「やっほー!かよちん!お迎えに来たよー」
「外にも人は配置していはず....それにお前らがいるところにも戦力は送ったはずなのに」
凛「あー....それはね」
真姫『バレバレだったのよ....亜里沙ちゃんにはね』
「バレバレ?」
凛「もう!凛が言いたかったのに!」
真姫『別にいいでしょ...亜里沙ちゃんが不自然な人達が病院に周りにいるってね...全く、怖ろしい子よ』
絵里「亜里沙.....」
凛「だから亜里沙ちゃんと凛達でそっち側にいたのは全部始末したの」
真姫『それでこんなことをするくらいだからエリー達も危ないと思って凛とこっちの戦力のそっちに回したって訳よ』
凛「病院にはちゃんと真姫ちゃんと亜里沙ちゃんも残ってるから戦力的には大丈夫だよ」
真姫『こっちだって黙って待ってるだけじゃないってことよ』 凛「さてと....無駄の抵抗はやめて諦めるにゃ!!」
「っ.......」
凛「............」
「.........」スッ
バン!!!!
「!」
凛「凛は絵里ちゃんみたいには優しくないよ、次に動いたら体に撃つよ」
「.........」
ことり「凛ちゃんいつもと雰囲気が違う...」
花陽「凛ちゃんオンとオフが激しいから」 凛「ふぅ...入っていいよー」
「「...........」」
凛「さぁ!一斉逮捕にゃ!!」
凛「よし....これで一段落かな?」
海未「凛!!」
凛「あー海未ちゃん、無事だったー?」
海未「なに勝手に発砲してるんですか!!発砲の許可はしてないですよ!!」
凛「え!?そこ?というかさっきは緊急事態で....」
絵里「終わったのよね....」
ことり「お疲れ様です」
絵里「ことり」
花陽「これで一件落着ですかね?」
絵里「.....そうね」 真姫『エリー』
絵里「相変わらず貴方は面白いものを作るわね」
真姫『どうも...貴方と話したい人がいるから変わるわね』
絵里「え?」
亜里沙『お姉ちゃん』
絵里「!」
亜里沙『ずっと見てたよ、お疲れ様』
絵里「亜里沙...貴方にはなんてお礼を言っていいか」
亜里沙『お姉ちゃんはずっと昔から私のヒーローだから』
絵里「!」
亜里沙『だから亜里沙はそんなお姉ちゃんの役に立ちたいと思ってた...だから亜里沙は嬉しいの、お姉ちゃんの役に立てて』
絵里「亜里沙....」
亜里沙『お姉ちゃんには仲間以外にも亜里沙っていう妹がいるんだから忘れないでね?』
絵里「....もちろんよ!こんなできた妹がいて私は幸せ者だわ」 亜里沙『えへへ....お姉ちゃんに褒められるの久しぶりかも』
絵里「ふふ...そうかもね」
亜里沙『あとね...お姉ちゃんと話したい人がいるから変わるね』
絵里「まだ誰か?....矢澤さんかしら?」
『エーリチ』
絵里「!?」
希『なんか久しぶりな感じがするね』
絵里「の...希?え?」
真姫『ちょっと前に目を覚ましてね、検査をする前にエリーと話をさせろってうるさくてね』
希『うるさいは余計じゃない?』
絵里「希....」
希『エリチ...よかった、元気そうやね』
絵里「っ......」 凛「ほら!!キリキリ歩くにゃ!!」
花陽「凛ちゃん手伝うよ」
凛「かよちんいいよ、こっちは警官の凛と海未ちゃんとで」
穂乃果「いやーなんか向こう居づらい雰囲気で」
ことり「二人の邪魔をしちゃ悪いし」
凛「二人?あー希ちゃん?」
海未「希が目を覚ましたんですか?」
ことり「うん、さっき覚ましたみたい」
海未「そうですか...」
絵里「希....私...私っ....」
希『あー泣かんといてエリチー』
海未「今はそっとしておいたほうがよさそうですね」
花陽「そうですね」 ことり「ふぅ....」
花陽「お疲れ様です、これで事後処理は全部終わりですかね」
ことり「疲れたー....」
あの騒動から一か月、街は平和は取り戻しました
ことりちゃんや私はその後処理に追われていました
花陽「お疲れかと思い、今日は世間で話題のお菓子を用意しましたよ」
ことり「本当!?」
花陽「お茶にしましょうか」
ことり「わーい!かよちゃん大好き!」 『〜♪』
花陽「あ、にこちゃんだ」
ことり「相変わらずTVに引っ張りだこだねーこの曲って新曲だっけ?話題になってるよね」
花陽「はい...実はこの曲の作曲を真姫ちゃんが作ったらしいですよ」
ことり「へー!真姫ちゃんピアノができるのは知ってたけど、作曲もできちゃうんだ!すごい!」
花陽「たまたま真姫ちゃんがピアノを弾いてるのをにこちゃんが見たみたいでその流れでらしいです」
ことり「いい曲だね」
花陽「そうですね」
真姫「〜♪」
「なんか最近、西木野先生機嫌がいいわよね...」
「そうね、そういえば音楽をよく聴いてるわよね、最近」 穂乃果「海未ちゃーん」
海未「穂乃果....なんの用ですか?今は修練中なのですが」
穂乃果「いやー...なんかこう平和だと体が鈍っちゃってさ...海未ちゃん丁度道着を着てるしさ」
海未「はぁ....」
穂乃果「久々にさ...剣道で勝負しない?」
海未「!....」
穂乃果「そうだなー...勝った方がお昼を奢るっていうのはどうかな?」
海未「賭け事は好きではありませんが...挑まれた以上、この園田海未...全力でお相手しましょう」
穂乃果「そう来なくっちゃっ!」
海未「....いつでもどうぞ....」
穂乃果「よし....いっくよー!!!!」 凛「じゃあ、亜里沙ちゃんお願い」
亜里沙「わかりました」
絵里「二人共無茶はしちゃだめよ」
亜里沙「大丈夫だよ、お姉ちゃん程々にしておくから」
凛「程々だと特訓にならないような....」
亜里沙「大丈夫です、手は抜きませんから」
凛「そっか...ありがとね、亜里沙ちゃん」
亜里沙「いえいえ、こちらこそ凛さんとの手合わせは私の成長に繋がりますから」
凛「じゃあ、行ってくるねー」
絵里「遅くならないようねー」
亜里沙「はーい」 バタン
希「二人共元気やね」
絵里「元気すぎるくらいよ、毎日あの二人特訓してない?」
希「誰かを守るために強くなろうとすることはええんやないの?」
絵里「まぁ、それはそうかもしれないけど」
希「うちも特訓した方がいいのかなー?」
絵里「!駄目よ!!退院したばっかりなんだから!!駄目!!」
希「!お...おぉ...わかった、やめとく」
絵里「.........」
希「エリチ、ちょっとうちに対して過保護になった?」
絵里「そんなことはないわよ」
希「ふーん」 絵里「この間の騒動が解決して私に対する脅威はなくなったとはいえ、それは一時的なものかもしれないからね」
希「そうやね...ことりちゃんをよく思ってない勢力との繋がりも不透明なまま終わちゃったからね」
絵里「本当に繋がりがなかったのか...それとも口止めが徹底されてるのか」
希「真相は闇の中....ちょっと大袈裟かな?」
絵里「だから亜里沙もこうしてここに残ってくれてるからね」
希「それに皆もいるし、うちもいるし!」
絵里「そうね...でも無茶はしないでね」
希「わかってる...誰かを苦しめてまで無茶はするつもりはないから」
絵里「うん....」
希「.........」 絵里「さて...今日も一日自分の為、この街の為に働くわよー」
希「うん、うちもお手伝いするよ」
絵里「ありがとう、希」
お婆様から引き継いだこの街
まだまだ私は一人前ではないかもしれないけど、私には私を支えてくれる助けてくれる心強い仲間達がいる
時にはぶつかったり喧嘩をしたりすることもあるけれど私にとってとても心強い仲間
だから私はこれからもこの街で私がやりたいことをやっていける気がする
だから今日も.....
絵里「今日も一日頑張るわよ!」
エリーチカは頑張る これでおしまいです
長々とお付き合いいただきありがとうございました
今年もよろしくお願いします 完結お疲れさん。お礼にエリチカのポニテを贈ろう
つ乙 完結お疲れさん。お礼にエリチカのポニテを贈ろう
つ乙 完結お疲れさん。お礼にエリチカのポニテを贈ろう
つ乙 完結お疲れさん。お礼にエリチカのポニテを贈ろう
つ乙 完結おつです
みんなカッコいい活躍を見せてくれたし大団円で終わって良かった
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