穂乃果「百年経ったらまたおいでッッ」千歌「ライタイ祭?」 ファイナル
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穂乃果「百年経ったらまたおいでッッ」千歌「ライタイ祭?」(開幕〜一回戦)
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1549115360/
前スレ
穂乃果「百年経ったらまたおいでッッ」千歌「ライタイ祭?」2回戦 (二回戦〜準決勝第二試合途中)
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1549715493/
ド遅刻ゴメンナサイッッ(土下寝) 前回のラブライブ!デスワッッ
ライタイ祭(ラブライブ!タイマン最強決定トーナメント)もいよいよ大詰め、準決勝第二試合はせつ菜さんvs穂乃果さんです。
中国拳法を武器に、三回戦まで恐ろしい強さを見せてきたせつ菜さん。
しかし穂乃果さんはそんなせつ菜さんの攻撃をことごとく予見し、圧倒して見せたのですわ。
その理由(わけ)はッッ
穂乃果『人間その気になればなんだってできるんだよッッ』
穂乃果『体重100kgのカマキリとの試合だって創造れるんだ!!』
なんと穂乃果さんは、そのズバ抜けた意志力によってイメージ化したせつ菜さんを試合前に既に倒していたのですわ。
この絶望的な事実を知ったせつ菜さんは…… >>1が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ 俺達は君を待っていたッッッ せつ菜「私は一向にかまいませんッッ」
ワアアアアアアアアアア
『啖呵を切ったぞ優木せつ菜ッッ』
『イメージでの勝敗なんぞどこふく風ッッ見事な蛮勇っぷりだァ〜〜〜ッッ』
穂乃果「そうこなくっちゃッッ」ニィッ
ダイヤ(リアルシャドーの結果にも全く屈しませんか)
ダイヤ(伊達ににこさんを下してはいませんわね。精神力は流石ですが…)
海未(穂乃果に一方的に手の内を全て読まれている、この窮まった状況は変わりません)
海未(打開策はあるのですか?)
せつ菜「穂乃果さん………」
せつ菜「アナタは中国武術を嘗めたッッッ」ダッ 『さあ試合再開だ〜〜〜〜!!』
『せつ菜が行ったァ――』
せつ菜「――」ボッ
鞠莉(左の崩拳ッッ)※中段突き
千歌(また一段と速いッ)
海未(―――が)
穂乃果「――」タタタンッ
にこ(ダンスのステップ!)
カスッ…
かすみ「くうッ紙一重だけど…ッッ」
果林「躱されちゃったわね…」
ダイヤ(やはり読まれてますわ…) タラ…
ダイヤ「!」
穂乃果「……ッ」
千歌「血…」
千歌「穂乃果さんのほっぺから血が…」
ダイヤ「爪ッッ」
ダイヤ「せつ菜さんの親指の爪ッ四角く切ってありますわッ」
ダイヤ(今の攻撃は拳ではなく斬撃ッッ)
ダイヤ(せつ菜さんの攻撃は当たっていた!!)
せつ菜「ハイイィッッ」
ドドドドドッ
ダイヤ「顎部のみに集中させた六連撃ッッ」
穂乃果「〜〜〜〜」
曜「まともに喰らったッッ」
ダイヤ「穂乃果さんの頭部内壁に起こる未曾有の脳震盪、恐らくは数千回ッッ」 せつ菜「――」ピッ
せつ菜が人差し指を一本突き立てる。
梨子「まさか……ッ」ゾクッ…
せつ菜「フンッッッ」ボッ
ルビィ(おヘソに指を――――ッッ!?)
ズボォッッッ
穂乃果「〜〜〜〜〜ッ」 真姫「根本まで入ってるわね…」
凛「痛そ〜〜」
花陽「あれは辛い!」
ドシャアアアッ
ワアアアアアア
観客「穂乃果がダウンしたアアッッ」
穂乃果「…………ッ」
せつ菜「私は――中国拳法は三回戦までの闘いで全てを見せてはいません」
せつ菜「したがって試合前の時点で穂乃果さんが作り出した私のイメージは不完全ですッッ」 鞠莉「まだ使ってない技術(わざ)があんなにあったのね……」
千歌「引き出しが多すぎるよッッ」
にこ「中国四千年……」
にこ「やってられないわね……ッッ」
せつ菜「だからシャドーの結果なんて参考にも……」
穂乃果「今のはね……」ガバッ
せつ菜「!」
穂乃果「スリップダウン」ニイッ
穂乃果「正直言うと最後のおへそはちょっぴりキツかったけどね」ザッ…
エマ「ちょ……ちょっぴりだってェッ………」 果林「まともにヒットしても効かないのあの子はァ――――ッ」
かすみ「ウソでしょ――!?」
海未「穂乃果はハッタリは言いません…」
ダイヤ「三回戦までに見せていない技……」
ダイヤ「言い換えるなら穂乃果さんがイメージできない技、予想外の技」
ダイヤ「それらなら今のように攻撃を当てることは容易いでしょう」
ダイヤ「しかし穂乃果さんはせつ菜さんの打撃の威力自体を既に体験しているのです」
ダイヤ「その体験から想定されるダメージ―――技が当たる際、穂乃果さんが瞬時に“覚悟”するダメージ――――」
ダイヤ「これを大きく超越しなければ、ノックアウト級のダメージは望めませんわ」
ダイヤ「有り体に言うなら……」
穂乃果「今のせつ菜ちゃんにはインパクトがないッッッ」ビシッッ
愛「参ったね〜〜こりゃ」
しずく「万事休すですか………ッッ」 せつ菜「……ナルホド」
せつ菜「自らの身体を地面に転げ落とす肉体の鍛錬法に加えて」
せつ菜「神がかった意志の強さからなる覚悟の強さ……」
せつ菜「それが穂乃果さんのタフネスの核でしたね」
穂乃果「エッヘン」ドヤ
せつ菜「命拾いしましたねェ…」
穂乃果「……?」
せつ菜「ねェ穂乃果さん」
せつ菜「あなた死ぬところでしたよ」
穂乃果「――――」 善子「ハア?」
花丸「何を…」
ダイヤ「はて……?」
せつ菜「この言葉……………信じるもよし」スタ…
せつ菜「信じぬもよし………………」スタ…
愛「なにを言ってんの……??」
歩夢「ワカらない」
歩夢「ワカらないけど………………………」
歩夢「せつ菜ちゃんはぜったいにハッタリを言わないよッッ」 せつ菜「とは言ってみましたが」
せつ菜「しょせんは“体験済み”のパンチ」
せつ菜「受けてみますか…」ニヤリ
穂乃果「真っ向勝負だねッ」
穂乃果「それはこっちも望むところだよッッ」ダッ
『今度は穂乃果から行ったァ――――ッ』
せつ菜「流石です…」シュルルルルル…
穂乃果「!?」
千歌(え――――!?)
観客「な…」
観客「なんだ?」 せつ菜「…………」シュルルル…
ゆる〜…
善子(お……)
花丸(遅い!!)
ダイヤ「………………ッ」
にこ「……ッ」
海未「フン…」
シュルルル…
ゆ〜っくりつきだしたせつ菜の拳に正面から突っ込んだ穂乃果の身体が接触―――― 穂乃果「ッッ!!!」カッ
バッ
『!?』
観客「オオッ」
穂乃果「………………ッ」ヒヤ…
海未(穂乃果が…ッッ)
海未「さ…」
海未(逃げた…!!?)
海未「避けた……!?」
穂乃果はすんでのところでせつ菜との接触を回避した…………。 せつ菜「オヤ…?」
せつ菜「若輩のパンチを」
せつ菜「避けましたか……」シュルルル…
穂乃果「ッ!」バッ
凛「またッッ」
真姫「〜〜〜〜ッッ」
真姫(何が起こっているの…!?)
せつ菜「はてさて………」ジャリ…
穂乃果「―――ッ!」ビクッ
ザザッ
絵里「穂乃果……」 穂乃果「…………ッッ」ハーハー
せつ菜「これはこれは…」
観客「何を逃げてんだ穂乃果…」
観客「しかも追い詰められた…」
希「もう後がないよ……」
千歌(あの……穂乃果さんが壁際に…ッッ)
梨子「………ッ」ゴクリ
にこ「バカ穂乃果」ペッ
にこ「なにビビッてんのよ」アセタラ… せつ菜「らしくないもらしくないですね」
せつ菜「高坂穂乃果さんとは思えない臆病さ…」
スタ…
穂乃果「…………ッ」
せつ菜「何を恐れます……」
せつ菜「何をそんなに……」シュルルル…
穂乃果「―――ッ」バッ
穂乃果が三度身を躱すとせつ菜のスロー拳は壁に接触――――
ドンッッッッッ
『!!?』 ピシピシピシ…
観客「ウオッ」
観客「オワッ」
観客「ひィッ」
ボ コ …
『〜〜〜〜ッッ』
『こ……これは…………ッッ』
千歌「バケモノじゃん…」ダラダラ
『せッせつ菜のゆる〜いパンチが………ッッ』
『壁に…ッ巨大なクレーターを作ってしまったァ〜〜〜〜ッッッ』 せつ菜「バレちゃいましたか……♡」
穂乃果「だろうと思ったよ」ヒヤ…
善子「どういうこと!?」
花丸「なんであんなに遅いパンチで……」
ダイヤ「消力ですわッッ」
ダイヤ「己の体重をも消し去る程の――――脱力を生み出す消力」
ダイヤ「その究極のリラックスから繰り出される打拳」
ダイヤ「守りの消力転じて………」
攻めの消力!!! ダイヤ「消力とはつまるところ弛緩(リラックス)…」
ダイヤ「武術格闘技に限らず近代スポーツで瞬発力を要求される際必ず指摘される弛緩」
ダイヤ「投球(ピッチング)――――打撃(バッティング)――――投擲(スローイング)――――打突(ヒッティング)――――」
ダイヤ「そして舞踊(ダンシング)」
ダイヤ「いずれも強調されるのはリラックス」
ダイヤ「脱力――――弛緩(リラックス)しているほどよいとされる」
ダイヤ「優れたアスリートほど筋肉が柔らかいのはそのためですわ」
絵里「いつか言ったでしょう、『柔軟性を上げることは全てにつながる』と」
絵里「弛緩と緊張の振り幅が―――打撃の要」
ならばあり得る!あのバカげた打撃力も納得できる! ルビィ「……でも当たらなければ……」
千歌「そうだよ、いくらスゴイ威力でも、あんな緩いパンチ……」
穂乃果「ステップも使用える私には」タタタンッ
穂乃果「絶対当てらないよッッ」ビシッ
せつ菜「既に言ってますよ穂乃果さん」ザッ…
にこ「!!」
せつ菜「“舞”についても最強で最高なのは」ザッザッザッザッ…
千歌(マホメド・A-RISE流ステップ!!)
せつ菜「中国ですッッ」シュララッッ 穂乃果「ッッ」
穂乃果(まずいッ見失……)
ヒュラ…
にこ「穂乃果ァッッ!!」
穂乃果(背後ろ……)ざわ…
せつ菜「チェックメイトです」シュルルル
ガキィンッッッ
『ク……ッッ』
穂乃果「〜〜〜〜〜ッッ」
『クリーンヒット〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ』 ドッシャアアアアアッッッ
海未「穂乃果ッッ」
ことり「穂乃果ちゃんッッ」
雪穂「お姉ちゃんッッ」
『壁にクレーターを造る超絶威力の正拳をまともに喰らったッッッ』
『今度こそダメージは深刻だァ〜〜〜〜ッッッ』
ダイヤ「深刻どころではありませんわ」
ダイヤ「あの攻めの消力の破壊力は恐らく果南さんの全力クラス」
ダイヤ「いや、下手したらそれ以上かも知れません」
鞠莉「想像したくもないわね」
ダイヤ「大逆転でしたね」
ダイヤ「決着ですわ」 ピクッ
せつ菜「!」
穂乃果(こんなインパクトいらない…………ッッ)ピクピク
せつ菜「流石…本当に流石です」
『穂乃果の指の先ッッ僅かに動いているッッ』
『目も虚ろだが意識はトんでないように見えますッッ』
ダイヤ「辛うじて意識があっても、立ち上がれなければ同じことです」
ダイヤ「戦闘不能の状態―――即ち“勝負あり”」
ダイヤ「およそ格闘技では10秒で立ち上がれなければKOとなります」
ダイヤ「ラブライブには明確な基準はないので審判の裁量によるところが大きいとはいえ、あのまま経過時間10秒を超えたなら、“勝負あり”はいつ下されてもおかしくありません」 千歌「10秒……ッッ」
穂乃果「…………ッ」ピクピク
曜「とてもムリだよ……」
観客「穂乃果ァ――立ってくれェェッッ」
観客「がんばれ穂乃果ァッッ」
ドクン
せつ菜「!」
穂乃果「………………」
穂乃果「…………」
穂乃果「……」ムズ…
オオオオオオオオオオオ 穂乃果(立ち上がれる身体(からだ)――――に産んでくれたお母さん)
穂乃果(立ち上がれる精神(こころ)――――を与えてくれたお父さん)
穂乃果(立ち上がれる私――――に育ててくれた――――――)
雪穂「お姉ちゃん………」
穂乃果(雪穂、μ'sのみんな、ヒデコ、フミコ、ミカ、亜里沙ちゃん、A-RISE、そして―――――――)
ホーノーカ!ホーノーカ!ホーノーカ!ホーノーカ!
“全てのファン達”へ―――――感謝したい!!
スクッ… ・武神、園田海未氏。この時の様子を後にこう語っている。
海未「言葉で説明すると長くなりますが……あの一瞬に多くを感じたのです」
海未「『なるほど』と」
海未「つまずいた時、転んだ時、倒れてしまった時」
海未「だから穂乃果は立ち上がってこれたのだと」
海未「こういう力の源があったのかと」
海未「前に雪穂がこんなことを言っていたそうです」
海未「“『応援しなきゃ』という気持ちに不思議とさせてくれる”」
海未「それがμ'sというグループなのだと」
海未「アドレナリンを操る―――――ライタイ祭がそれくらいのここまで勝ち残れるほどヤワなものではないことは百も承知です」
海未「しかし………環境全てが穂乃果の味方をしたらどうでしょう」
海未「草も…………木も…………大地も………水も…………風も…………」
海未「そしてお客さんも」
海未「全てが穂乃果に加勢してくれたとしたら」 海未「環境利用闘法?」
海未「イヤ……ダイヤには悪いですが…フフ…」
海未「そんな程度のものではありません」
海未「ダイヤのそれは別名”地球に優しい戦闘術”……などと称されることもあるそうですが」
海未「その意味では、似ているところがないこともないというか……ある種の上位互換とは言えるかもしれませんがね」
海未「………………」
海未「………」
海未「理解りませんか」
海未「高坂穂乃果の――――いえ」
海未「私たちのキャッチ・フレーズがなんであったか………」
みんなで叶える物語…………
海未「え……?」
海未「一秒に満たない一瞬で――なぜそこまで考えられたか…………?」
海未「口を慎みなさい。数瞬を詳しく語っているだけです」 ワアアアアアアアアア
『た……立ったアアアアアッッ』
『穂乃果が立ち上がったァ―――――ッッッ』
穂乃果「…………」キリッ
海未「あの時の穂乃果の顔といったら…………」
海未「惚れてしまいますよね…………女として…………」
海未「穂乃果の魅力とはそういう……」ペラペラ
海未「え?」
海未「物語(はなし)が 進んでいない……?」
海未「…………………」ジトッッッッ
海未「決着は直後でした」 花陽「ここからは私が話します」
・音の木坂学院1年、“緒に切り”の小泉花陽。
花陽「立ちあがった穂乃果ちゃんがしかけたんです」
花陽「どろ…って」
花陽「ゴキブリタックルです」
穂乃果「―――」ビュバッ
せつ菜「―――ッッ!!」
花陽「アドレナリンも最高潮―――みんなの力を乗せて放たれた穂乃果ちゃんの必殺技です」
花陽「私はですねェ…」
花陽「自分の耳を疑いましたよ」
花陽「初めてですもの――――――あんな音ッッッ」
ド゙アアアンッッッ 花陽「『No brand girls』ってあるじゃないですか」
花陽「『壁は Hi Hi Hi 壊せるものさ』っていうあの歌詞………」
花陽「私は最初はてっきり―――――限界とか、常識とか、人間関係とか…」
花陽「そういう抽象的?な“壁”を壊せる…………ってイミだと思ってたんです」
花陽「ちがったんですよね……」
花陽「もっと単純に―――」
せつ菜「〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」ドシャアアアアッ
穂乃果「…………」スクッ
『せつ菜ダウ〜〜〜ンッッ』
『そッそして……ッ』
ボコ…
『壁に………またクレーターだァ〜〜〜〜ッッッ』 せつ菜「カハッッ」ビシャッ…
せつ菜「…………ッ」ムズ…
ガクンッ
せつ菜「ッッ」
『立てないッッ』
せつ菜「あッ……がッ…………ハア………」ガクガク
『せつ菜が立ち上がれないッッ』
愛「こ…これはいよいよ……ッ」
彼方「ヤバみ〜〜〜」 穂乃果「どうかなせつ菜ちゃん」
穂乃果「これがスクールアイドルの力だよ」
穂乃果「廃校を救うために始めた技術が――」
穂乃果「仲間とともに研磨かれ―――お客さんに応援してもらうことで―――」
穂乃果「“楽しい”で継続(つな)がれている」
手放せない―――この連鎖
穂乃果「これが進化だッッ」
穂乃果「私たちは中国拳法の技術から“舞台”(ステージ)と“観客”(ファン)を」
穂乃果「楽しみ、楽しませることを手に入れたッッ」
穂乃果「ここは一歩も譲らないよッッ」 せつ菜「………………ッ」ジーッ
観客「よく言った穂乃果ァッッ」
観客「中国拳法なんてなんちゃないッ」
観客「俺たちゃスクールアイドルだァッッッ」
オオオオオオオオオオオオオオ
善子「完全にお客さんを………ッ」
千歌「味方につけた……ッッ」
ホーノーカ!ホーノーカ!ホーノーカ!
穂乃果「ヘヘヘ………」ニコ…
せつ菜「……………ッ」ムズ… せつ菜(仲間…………ファン…………楽しい…………)
シュウウウウ…
穂乃果「!」ハッ
己の背景(れきし)に目覚めた穂乃果の眼に―――――それが目撃(みえ)るのは寧ろ必然。
せつ菜(私だってそうですよッッ)
せつ菜の背後には8人の魂―――8人のスクールアイドル―――8人の光―――
現在の自分を支える友人たちが――――
穂乃果「そうだよね」
穂乃果「せつ菜ちゃんにだって虹ヶ咲のみんなが………」
穂乃果「!」 しかもそれら8人に混じりどこか異質な……
せつ菜「ッッ」スクッッッ
穂乃果(…………そ………そっかァァァァ…ッッ)
鞠莉「シャイニー……」
千歌「輝き……」
にこ「…………フンッ」
愛と笑い合い鞠莉が、エマを睨んで千歌が、果林と並び立ちにこが
せつ菜「私だって……ッ」キリッ…
確かにせつ菜を支えていた。 穂乃果「ワカったよせつ菜ちゃん……」ス…
せつ菜「…………」
花陽「次に続く穂乃果ちゃんの言葉―――」
花陽「私は聞く前から理解っていました」
花陽「だって私は一足先に、あの今世紀最高のスクールアイドルとやったんですから」フスーン
穂乃果「殴り合おう」
穂乃果「正面から」
穂乃果「スクールアイドルらしく、堂々と」
花陽「その時のせつ菜ちゃんですか?」
花陽「イヤ、それはもう………」
せつ菜「いざ……ッ」キラキラ
い〜〜〜い風貌で笑ってましたよ……… 花陽「その時でした」
ダイヤ「ブッブ〜〜〜〜ッッッ」
穂乃果せつ菜「!」ピタッ
ダイヤ「絶対に打ち合ってはいけませんッッ」
ダイヤ「どちらかが殺されますわッッ」
花陽「客席から急に大声を飛ばしたのは、天下の黒澤流柔術・環境利用闘法師範――――――」
花陽「黒澤ダイヤさんその人です」
花陽「普通こういう水差し野郎は警告なしにスタッフさんに排除されるんですが……」
花陽「言ってることが真実(ただし)すぎて……みんな聞き入ってましたよ…………」 ダイヤ「お二人とも相手の力が―――自分の力がワカっていませんッッ」
ダイヤ「お二人の攻撃をノーガードで受けることなど自殺行為ですわッッ」
ダイヤ「私ですらがアナタ方の前には立たないッッ立てないッッ」
穂乃果「ワカったよダイヤちゃん…」ズチャ…
せつ菜「ヤル価値十分というワケですねッッ」スタスタ
ダイヤ「〜〜〜〜ッッ」
花陽「もう……………誰も止められません………」
花陽「限られた時間の中で精いっぱい輝こうとする―――――」
花陽「それがスクールアイドルですから」
カッ… ダダダダダダダダッ
ドッ ベキッ ガシッ ゴシュッ バキッ ボゴッ
絵里「絵里です」
・語りのバトンは極北の怪物エリーチカへ。
絵里「どんな殴り合いだったか…?」
絵里「イヤ…ほんと申し訳ないのだけれど」
絵里「説明できないのよ…」
絵里「スゴすぎて」
せつ菜「――――」ゴガッ ドドッ ガッ
穂乃果「…………ッ」ベキッ…
観客「せつ菜だッッ」 観客「押してるのはせつ菜だッッ」
真姫「うっそでしょ………ッッ」
海未「強い…ッッ」
海未「これほど強い女がいたのですか…ッッ」
オオオオオオオオ
観客「スゴいぞせつ菜ッッッ」
観客「勝っちゃえ〜〜〜ッッ」
セーツーナ!セーツーナ!
理亞「高坂穂乃果に傾いた観客を………」
聖良「実力で取り戻しましたか……」 セーツーナ!セーツーナ!
これは夢かな? 夢ってステキな言葉
言ってるだけでイイ気分
せつ菜「――――」ニコッ
きっと夢だと決めてしまえ
ああっ勇気が湧いてきた!
せつ菜「オオオオオオ」ババババババ
エマ「もはや………拳法に見えないぐらいのオリジナル」
璃奈「これが…拳法…?」
歩夢「せつ菜ちゃんがやってるんだよ」
歩夢「中国拳法以外の何物でもないよ!」 せつ菜「ハイイイッ」ボシュッ
穂乃果「――――ッ」
グワキィッ
ことり「穂乃果ちゃんッッ」
ズサアアアアッ
『穂乃果ダウ〜〜〜ンッッ』
『これは決まっ………』
ガバッ
せつ菜「!」 穂乃果「……ッ」ヌグッ
穂乃果(知っているさッッ)
穂乃果(せつ菜ちゃんが優秀な戦士であることは既に知っていた)ダッ
穂乃果(でも変わらない………)
穂乃果(変えられないッッ)グワンッ
ボゴォッ
せつ菜「―――ッ」
穂乃果(これしか知らないッッ)ブンッ
ゴチャッ
せつ菜「〜〜〜〜〜ッッ」
穂乃果(立ち上がり……前に出る)
ドドドドドドドドドド
穂乃果(これしか知らない!) 穂乃果(押し切る…ッッ)
ドドドドドド
せつ菜「………ッ」ジリ…
穂乃果(向こうの壁へ)
穂乃果(壁の向こうへ)
ホーノーカ! セーツーナ! ホーノーカ! セーツーナ!
絵里「いるのよね……ああいう女が」
絵里「あるのよね……ああいう闘いが」
絵里「気高くて……崇高で……犯し難く……」
絵里「抱きしめたくなるような…………」 せつ菜(技術では―――――)
せつ菜(私の………半分にも遥かに満たない穂乃果さんが―――――)
せつ菜(今私を追い詰めつつあるッッ)ジリ…
否!
穂乃果「―――ッ」ガガガガッ
せつ菜「〜〜〜ッッ」ゴッ
にこ「これが高坂穂乃果よッッ」
果林「バカにウレしそうね」スッ…
にこ「!」
果林「打ちのめされているのはラブライブの大会で結果も残してない新人だというのに」
にこ「新人…?」
にこ「バカ言ってるわね……」
にこ「相手はキャリア4000年の超スクールアイドルよッッ」 せつ菜(追い詰めつつ――――――ではありません)
ガガガガガガガガッ
せつ菜(“伝説”を作ったこの方に)
せつ菜(私が――――中国が―――――)
せつ菜(四千年が―――――)
にこ「いっけええええええッッッ」
海未「穂乃果ァッッ」
穂乃果「おおおおおおお」ガガガガガガガッ
絵里「私は穂乃果に、一番大切なものを教えてもらったの」
絵里「打たれることを恐れずに突き進む勇気――――」
壁は Hi Hi Hi 壊せるものさ Hi Hi Hi 倒せるものさ ……
ドッガラガアアアア……… 絵里「象徴的なシーンだったわ……」
ス…
絵里「気が付いて……顔を上げてみたらね…」
穂乃果「!」
せつ菜「」
壁の残骸「」
もう………………自分の前には誰も……いない………ッッ
審判「勝負ありッッ」 『ついに決着〜〜〜〜〜〜ッッッ』
『準決勝第二試合!!』
『高坂穂乃果の勝利で決着だ〜〜〜〜〜ッッッ』
穂乃果「……………」スクッ…
絵里「穂乃果……」ニコッ
穂乃果「うわぁ〜〜〜〜〜んッッ」ダッ
絵里「穂乃果ッッ」バッ
穂乃果「絵里ちゃ〜〜ん」ピョンッ
ハグウッ 穂乃果「痛かったよ〜怖かったよ〜〜〜ッッ」
穂乃果「ここでおしまいなんて絶対にいやだったんだよ〜〜〜ッッッ」ウワンワン
穂乃果「みんなで結果を残せるのはこれが本当に最後だし、こんなに頑張ってきたのに決勝にμ'sが残れないなんて悲しいよ〜〜〜〜〜ッッ」
穂乃果「だから……」
絵里「ありがとう」ギュッ
ワアアアアアアアアアア
観客「穂乃果ちゃ〜〜んッッ」
観客「穂乃果よくやったァ〜〜〜ッッ」
穂乃果「…………!」
絵里「みんなにお礼しなきゃね」
穂乃果「…………」
穂乃果「うんッ」ニコッ 穂乃果「みんな……本当にありがとうッッ」
穂乃果「私、一生懸命闘います!」
穂乃果「今のこの気持ちをありのままに、大好きを、大好きなまま、大好きって闘います!!」
穂乃果「絶対………優勝するねッッッッ」
オオオオオオオオオオオオオオオ
・青竜側廊下。
せつ菜「……………………」
せつ菜「完敗ですね」ハアー
せつ菜「喧嘩で負け、試合で負け」
せつ菜「そして“大好き”で負けました」
暫くは引きこもりたいですね………… せつ菜「……………………」ズーン…
しずく(こんなせつ菜さん……初めて見ます…………)
璃奈(空気が重…)
愛「ダメッッダメだよせっつ〜〜〜」チッチッチ
愛「これもいい経験じゃんか」
せつ菜「………」
愛「来年のラブライブ!」ビシッ
愛「優勝するっきゃないでしょ……………ねェ」
愛「あたしらには“チャンス”がある」
せつ菜「…………」グ…
せつ菜「ハイ……ッッ」 歩夢「そうだね……!」
歩夢「μ'sやAqoursに負けないぐらい………いや、μ'sやAqoursを超えて…………」
愛「その意気だよ歩夢!」ウンウン
愛「これからはあたし達がラブライブ!の顔になるんだからねッ」
エマ「決定事項なんだ……」アハハ…
彼方「悪くないね〜〜〜」ファアア
果林「まあ、志は高く、よね」フフフ
せつ菜「その為にはッ今回の経験を必ずッッ」
せつ菜「次に活か………」
かすみ「あれえ?」
かすみ「せつ菜先輩は、引きこもるとか言ってませんでしたっけ?」ニヤニヤ
せつ菜「…………」カア…
せつ菜「スクールアイドルにとって の“自室”は“部室”――ひいては練習場所です」オホン…
せつ菜「みんなで引きこもって猛練習ですよッッッ」キラキラ
準決勝第二試合 穂乃果〇 せつ菜× Dancing,dancing! Non-stop my dancing…………
英玲奈「イイのか…………」
英玲奈「松浦果南vs高坂穂乃果――――」
・例の車でドライブ中のA-RISE。
英玲奈「決勝が始まろうとしているが…」
ツバサ「…………」
英玲奈「スクールアイドルの頂点が決まるライタイ祭の決勝だぞッッ」
英玲奈「やはり現場で…生で…目の前で…同じ空気を……」
あんじゅ「そんなに見たいのぉ…?」
あんじゅ「自分が敗けた大会の決勝が」イジリイジリ 英玲奈「………」
英玲奈「イヤ…」シュン…
ツバサ「………」シャラン
あんじゅ「……」イジリイジリ
英玲奈「み……」
二人「…………」
英玲奈「見たいぞ!!」カアア…
あんじゅ「……プッ」
ツバサ「英玲奈……」クスクス
私も……………… ・アキバドーム地下闘技場。決勝の行方を予想する穂乃果の親友二人。
ことり「海未ちゃんはこないだ、内浦で果南ちゃんと手合わせしてたよね」
ことり「印象を語ってくれないかな?」
海未「彼女の参戦は栄えあるμ'sの“伝説”史―――――」
海未「未曽有の一大事件かと………………」
ことり「質問の答えになってないけど……」
ことり「それほどの実力の持ち主ってことかな」
海未「例えるなら…」
海未「大国が仕掛けてくる近代兵器による武力に対し」
海未「我々スクールアイドルが素手のみを武器に戦うことに似るかと……」
ことり「それはそれは」フッフッフッフッフ
ことり「ならはじめから結果は見えてるね」
海未「はい。我が高坂穂乃果の圧勝かと……」ニヤア… 聖良「松浦果南が勝利します 必ずッ」
曜「ナルホド…」
曜「聖良さんはそう思いますか」
・時同じくしてやはり決勝の勝敗を予想するのは聖良と曜。果南に敗けた者同士。
曜「で…その根拠は」
聖良「言わずもがな」
聖良「我々のせいです」
聖良「果南さんはまだ底を見せていない……私たちはそこまで彼女を追い詰められなかった」
聖良「おそらくは穂乃果さんならばやってのけるでしょう」
聖良「と、まさに試合のさ中にッッ」
松浦果南が 完成するッ
曜「一致しましたね………」 モニュ…
絵里「!」ピタッ
絵里「餃子……なの?これは」
ダイヤ「………はい」
・控室。決勝を前にディナーに舌鼓を打つのは絵里とダイヤ。
絵里「甘い」
絵里「い〜〜い甘みがあるわねコレ」
ダイヤ「野菜の甘みですわ」
ダイヤ「肉よりキャベツや玉ネギを多くしてあります」
絵里「野菜…」
モグ…モニュ… 絵里「ハラショーたしかに」
絵里「甘みがジューシーだわ」
ダイヤ「行き過ぎた肉食信仰のせいでカン違いされていますが」
ダイヤ「餃子とは本来野菜料理なのですからね」ニヤリ
絵里「へえッそれは意外だわ」
絵里「肉料理ではないと」
ダイヤ「敗戦による欧米へのコンプレックスが産んだ弊害――」
千歌「ど〜〜〜〜でもいいよそんなことはッッッ」ズンッ
絵里ダイヤ「!」
千歌「絵里さん、こんな時に何やってるんですかッッ」
希「ダイヤちゃんも」
希「餃子やったら、きっとうちの海未ちゃんの方が詳しいんやからね」 ダイヤ(ダイヤちゃん…)ニヤァ…
真姫「そんなことより…」
絵里真姫「考えなきゃいけないことがあるでしょッッ」
真姫「!」
絵里「ワカってる、ワカってるわよ真姫」
絵里「私はこれでも穂乃果、果南とともにあの自由の国に衛星で監視されている……」
絵里「ある意味二人と“同格”のスクールアイドルだものね」フフン
真姫「……」ムス…
にこ「能書きは良いから、さっさと聞かせなさいよ」
にこ「アンタはどっちが勝つと思うワケ?」 絵里「……その前に」
絵里「私はダイヤの予想が聞きたいわ」
ダイヤ「!」
絵里「解説はあなたの真骨頂でしょう?」
ダイヤ「…………」
花陽「わっ私も聞きたいですッッ」
花陽「あの黒澤流、ダイヤさんの実践解説術……ッ」ゴクリ
ダイヤ「仕方がありませんわね……」
ダイヤ「私はどっちでも良いのですよ、別に…」ポリポリ
鞠莉「……」ニヤニヤ ダイヤ「仮に…」
ダイヤ「体長3メートル1トン級の鮫と果南さんが対峙したら」
ダイヤ「勝負にもなりません」
ダイヤ「1トンクラスなら――――苦戦することすらが難しい」
善子「でしょうね」
花丸「今更すぎるずら」
ダイヤ「しかしながら……」
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「ピギッ!?」
ダイヤ「貴方はどちらだと思います?」
ルビィ「え…?」 ダイヤ「穂乃果さんがこれまで下して来た強敵たち――――」
ダイヤ「この絵里さんの足……」
絵里「……」
ダイヤ「海未さんの無弓……せつ菜さんの攻めの消力……」
ダイヤ「と」
ダイヤ「鮫の歯」
ダイヤ「どちらが上ですか…?」
ルビィ「〜〜〜〜」
花陽「流石ダイヤさん……」
花陽「オモシロイ事言いますねェ〜ッッ」ウ~ン ダイヤ「梨子さん」
梨子「はい?」
ダイヤ「レズとの融合で拳法を50年は進化させた貴方が」
ダイヤ「黒澤流柔術三段のルビィと二人がかりで」
ダイヤ「陸に上がったアシカさんに勝てなかった」
梨子「…………ッ」
ダイヤ「あるいはにこさん、大会ベスト8の貴方でさえ―――」
ダイヤ「体長10センチそこらのリスに大切なリストバンドを奪われてしまう」
にこ「〜〜〜〜ッ」
にこ(どこで仕入れたのよそんな情報ッッ)
ダイヤ「それほどまでに野生は手強(てごわ)い」 凛「でも、いくら手強いって言っても、流石に」
凛「海未ちゃんやせつ菜ちゃんと比べたら、やっぱり……」
ダイヤ「なるほど凛さんはそう思いますか」
ダイヤ「では、絵里さんにお聞きしましょうか」
絵里「!」
ダイヤ「絵里さんにもアルパカには手を焼いたそうですが……」
ダイヤ「そんな野生をこともなく従える果南さんに対して、穂乃果さんがどこまで……」
絵里「……私は………」
絵里「私は決められない」
絵里「それを決めるのは穂乃果たちなんじゃないかって」
絵里「私たちはもう敗退したの」
絵里「だから、その後のことを言ってはいけない」
絵里「それを決めるのは穂乃果と果南だから」
………………ッッ 千歌「いい加減に………」スウ…
絵里「?」
千歌「しろ〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
千歌「もーッ!なんかよくわからない話をいつまでもず〜っとず〜〜〜っとず〜〜〜〜っとッッ!!」
千歌「御託は良いから、どっちが勝つかだけ早く言いなさいッッ」
ダイヤ「いや、ですが…」
千歌「ダイヤさんもッ」
千歌「勝つのはどっちですかッッ!?ハイッッッ」
絵里ダイヤ「〜〜〜〜ッッ」
千歌「どっちッッッッ!!?」
ダイヤ「果南さんと…………」ウーン
絵里「穂乃果…………」クーッ
絵里ダイヤ「どっちが上だ〜〜ッッ」 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
理事長「地上最強を目指してなにが悪い!!!」
理事長「人として女として生まれたからには誰だって一度は地上最強を志すッ」
理事長「地上最強など一瞬たりとも夢みたことがないッッそんな女はこの世に一人として存在しないッッ」
理事長「それが真理よ!!!」
理事長「ある者は生まれてすぐにッ―――――――ある者は母親のゲンコツにッある者はガキ大将の腕力にッ」
理事長「ある者は世界チャンピオンの実力に屈して、それぞれが最強の道を諦めそれぞれの道を歩んだ」
理事長「医者教師船長漁師の網元学校の理事長」
理事長「しかしッッッ」
理事長「今夜諦めなかった者がいるッッ」
理事長「偉大なスクールアイドル2名!!!」
理事長「この地上で誰よりもッ」
理事長「誰よりもッ」
理事長「最強を飢望んだ」
2名
果南「…………」
穂乃果「よしッッ」
『決勝(ファイナル)!!!』
『両者入場!!!』 次回はたぶん明後日
前スレでは決勝は分けて投稿するって言ったけど良い感じに切れるとこがなさそうなので一回でまとめると思います この作者バキもラブライブも使い方めちゃ上手いわ
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Rock54: Caution(BBR-MD5:b73a9cd27f0065c395082e3925dacf01) 『参加選手38名31度の死闘を勝ち上がり最強の座を争う強者2名!!!』
『今ここに超人2人が雌雄を決しますッ』
果南「…………」ザッ…
穂乃果「…………」ズチャ…
審判「両者前へ……」
二人「…………」スタスタ
ピタッ
果南「……」
穂乃果「……」
しばし無言で見つめ合う二人。
審判「…………?」 果南「エライね」
果南「その体格(からだ)でよく上がってきた」
果南「心配しないで。思いっきり叩き潰してあげる」ニコッ…
穂乃果「うん……うん……」
穂乃果「アリガト…………私も………」
穂乃果「私もそうする………」
果南「……」ス…
ハグウッ
穂乃果「!」
ギュッ…
観客「…………………ッッ」 しん……
凛「…これから……」
凛「闘うんだよね……?あの二人……」キョトン
善子「どういう……ッ」
『なんとッこれは異様な雰囲気ッッ』
『過酷な闘いをここまで勝ち上がってきた二人ッ両者にしか理解らない何かがあるのかッッ』
『まるで血を分けた姉妹同士が闘うような共有感で満たされているッッ』
審判「両者下がってッッ」
果南「……」パッ
穂乃果「……」クルッ
スタスタスタ… 海未「フフ……」
鞠莉「…………」
鞠莉「かける言葉が見つからないわ」
『しかしこれから始まるのは正真正銘ッッ』
『偉大な二人のスクールアイドルによる―――血で血を洗う激闘ッッッ』
『我々はどう応援したら良いのか!!?』
審判「開始めいッッ」ゴワアアアンンン
スタスタ…
果南「……」ニコ…
穂乃果「……」ニコ…
ザッ…
ゴシャッッッ
! ガチッ ズコッ ガコッ ビシィッ ボゴッ ベキッ ガッ ドガッ
ワアッ
『こッ』
果南「―――」ガガッ ガコッ
穂乃果「〜〜」ビシッ ガッ バキッ
『これは凄いッッ』
ゴチャッッッ
ダイヤ(クロスカウンター!?)
花陽(相打ちッッ)
二人「〜〜〜〜」ドシャアアッ
『なんという打撃戦だァ〜〜〜〜ッッ』 ワアアアアアアア
観客「すんげ〜〜〜こいつらッッ」
観客「いきなりクライマックスだァッッ」
バッ
『!!』
穂乃果「――」ドッ ガッ ガキッ
果南「――」ビッ ゴッ ベチイッ
『〜〜〜〜ッッ』
にこ「息つく暇もないわね……」
ぴと…
『!!』 『かッ』
『果南が泣いている!?』
『涙を流しているッッッ』
果南「………」キラ…
『夥しい汗ではありますが』
『その目には確かに光るものが……』
ガキッ ガガッ ゴッ バシッ
『痛みッ』
『悲しみッ』
『絶望ッ』
『歓喜ッ』 ガッ ドガッ バッ ゴシュッ
『そのどれか!?』
『またはそれら全てッッッ』
『またはどれでもないのか!?』
ぴ…
!
観客「…………ッッ」
『し…ッ』
『失禁!!?』
ピチャ…
花丸(いや……) 花丸(水ずら……)
ダイヤ(果南さんの身体を構成する大量の水が……)
ピチャッッッ
『汗とッ涙とッオシッコの混じったしぶきをッ誰もよけようとはしませんッ』
曜「……………ッ」
梨子「………………」ゴク…
『闘いの聖水を――――誰もッッ』
『誰もよけることは許されないのですッ』
ガシッ
穂乃果「!」
『アアッアッ穂乃果がつかまった』
『こうなるとやはり体力差が……』 穂乃果「――」タタタンッ
果南「!」
スカッ
『オオッ』
ことり(ダンスのステップッッ)
『穂乃果が上手くいなし……』
果南「―――」タタタッ
穂乃果「!」
曜(甘くみたね穂乃果さんッ)
ルビィ(ダンスなら果南ちゃんだって―――) 果南「フンッッ」ブンッ
穂乃果「――っと」タタタンッ
スカッ
理亞「!」
聖良(ダンスで果南さんの上を行きますかッッ)
穂乃果(……ッッ)
穂乃果(読めるッッ)
ヒデコ「ナイスッ上手いよォッ」
ミカ(ゲームセンターのダンスマシーン――――途中からでも私に勝っちゃう穂乃果のダンス力)
フミコ(甘く見ちゃダメだよッッ) タタンッ
穂乃果(イケるッッ)
タタタンッ
果南「――ッ」
穂乃果(これなら――ッッ)
穂乃果(カウンターをッッ)グッ…
果南「フンッッ」ブンッ…
タタタンッ
穂乃果(ここで!!!)ビャオッ スカッ
穂乃果「!?」
果南「――」ズン…
希(下!?)
にこ(潜り躱したッッ!?)
絵里(罠…)
聖良(流石のリズム感――しかしこれはダンスというより――――)
穂乃果(ダイビング…)ぞ くッ
果南「せいッッ」スクッッ
グワキィッ カッ…
穂乃果「!」パチ…
ユラ…
穂乃果(ライトか…)
穂乃果(上を向いてるんだ私は…)
ズン…
穂乃果(アレ…?)
穂乃果(真っ暗に……)
ドウンッ
穂乃果(倒れたッッ)
穂乃果(仰向けだッッ) 海未「穂乃果ァァッッ」
穂乃果「!」ハッ
審判「まだできるかッッ」
穂乃果(あれ……?審判さん……?)
穂乃果(ダウン…今…一瞬意識が…)
穂乃果(寝て……)
雪穂「お姉ちゃんッなにやってんのォォッ」
雪穂「早く立ってェッッ」
穂乃果(一体何秒……?5秒…6秒……!?)
穂乃果(10秒以上はまずいッッ) 穂乃果(果南ちゃんッッごめんッすぐ起きるッ)
7ッ
穂乃果(待ってッッ)
ザッ
穂乃果(やっとここまできて―――)
穂乃果(まだ開始まったばっかりじゃんッ)
ブル…
穂乃果(アレ!?)
ブルブル
穂乃果(ヒザが伸びない…ッッ) 8ッッ
穂乃果(待ってってば…ッッ)
穂乃果(脚………)
ガクガクガクガク
穂乃果(ホントに私の脚!!?)
9ッッ
穂乃果「!!!」
穂乃果(10ッッ)
負 KO 敗
穂乃果「おわわわわ」ガッ スクッ…
ワアッ
観客「立ったァァ」
にこ「……ッッ」ゴクリ
穂乃果(立った…けど)
ブルブル ブルブル
まだ効いてる……ッッ
凛「膝が……」
真姫「無理もないわ」
果南「……」
穂乃果(やれるさ)キリッ 穂乃果(心配しないで果南ちゃんッッ)
穂乃果(まだまだこれからだよ)ハァ ハァ
絵里「穂乃果ッッやれるのッ」
穂乃果「あたりまえだよッッ」イラッ
ことり「!」
にこ(めったにキレない穂乃果が……)
海未(少し焦っていますね……)
穂乃果「……………ッ」グ…
やれるに決まってるッッ
ブル… ブルブル 審判「ファイッッ」
ダッ
穂乃果「!!」
果南「―――」ブンッ
穂乃果「―――ッ」タタタンッ
カスッ
穂乃果(くう……ッッ)
穂乃果(まだ…ッまだ回復しきってないッッ)
果南「―――」バッ ガシッ
雪穂(まずい!!)
亜里沙(捕まっ…)
穂乃果「……ッ」
ガッ
穂乃果「!」
彼方(足をかけた……)
せつ菜(倒れるッッ)
穂乃果(寝技!!?) 果南「―――」ガッ…
穂乃果(寝技に持ち込む気!!?)
穂乃果(うまいね果南ちゃん)
穂乃果(でも――)
穂乃果「フヌッ」
グッ
にこ「よしッ持ちこたえたァッ」
穂乃果(そうはさせないッッ)ぐるっ
果南「!」
パシッ 月(上手いッ身体を入れ替えて……)
亜里沙(逆に果南さんを掴んだッッ)
果南「………………ッ」
希(あの体勢は――)
絵里(受けてみなさい果南)
穂乃果「ッだァッッ」ゴォッ
果南「―――」
せつ菜(穂乃果さんスペシャル!!) ブワッ…
果南「……ッ」
ヒュオオッ
観客「上がったッ」
観客「でもチョット低いか!?」
ルビィ「よしッッ」
千歌(果南ちゃん相手にあの高さじゃ大したダメージはないッ)
穂乃果(構わないッ)
ヒュオオオ
穂乃果(休める……)
穂乃果(一秒の何分の一でもッッ) 穂乃果(深呼吸を)
穂乃果「―――」スウ…
穂乃果(一つ―――二つ―――)ハアー…
ダンッ
果南「っと……」ヨロ…
果南「フンッッ」ブンッ
穂乃果(来たッッ)タタタンッ
スカッ
穂乃果(深呼吸二つ半――――)
穂乃果(上出来だッ) タタタンッ
ゴスッ
穂乃果(それにしても―――)
致命的な一撃をステップでいなしつつ、果南と殴り合いながら穂乃果は考える。
さっきのダウン
穂乃果(果南ちゃんは私が起きるのを待っててくれたけど)
穂乃果(もしにこちゃんや聖良ちゃんみたいな容赦ない人が相手だったら)
穂乃果(たちどころに頭を蹴られて負けていたんじゃ――!?)
ガッ
穂乃果(相手が待ってくれなかったらあのダウンで決着がついていたんじゃないか!?)
穂乃果(敵の優しさに助けられたのか私はッッ)
タタンッ
穂乃果(否ッッ そうじゃない!!!) 穂乃果(相手は果南ちゃんだ)
穂乃果(にこちゃんや聖良ちゃんじゃない)
タタンッ
穂乃果(果南ちゃんだって疲れててトドメはさせなかったのかもしれないし)
穂乃果(私が“擬態”してると思って警戒して近づかなかったのかもしれない)
穂乃果(ほんとに効いちゃってたんだけど)
穂乃果(とにかくッッ)
穂乃果(始まった闘い(ステージ)に「もしも」はない)
穂乃果(それよりも「もっと」―――)
穂乃果(私がもし逆の立場でもあのダウンで自分が勝ったとは思わない)
穂乃果(そんなことはステージ上では思わないし思っても意味はない)
穂乃果(でも私はそんな意味もないことを思っている) 思っている思っている考えているそんなことを思うのはやめなきゃとも思っている無駄なことを考えるのはやめなきゃ今は果南ちゃんを倒すことを考えないといけないから―――
穂乃果「………」どろ…
穂乃果(「もっと」――――)
集中して闘うことを考え―――
穂乃果「――」ビュバオッ
海未(ゴキブリタックルッッ)
ドチャッッッ
果南「〜〜〜〜」グラ…
穂乃果(ほら入った……)
ドシャアアアッ 穂乃果(立ってよ果南ちゃん――――)
果南「………」
穂乃果(これで終わりになんかしないでよね!)
穂乃果(こんなんで終わる試合じゃない!!)
穂乃果(誰もが認める“内浦最強の生物”)
穂乃果(でも最初は普通の女の子だったハズ――――)
穂乃果(そんなあなたが最強になるまで――――)
穂乃果(いったいどれほどのものを犠牲にしてきたのか)
果南「……ッ」ムズ…
その犠牲にしてきたもののために立ち上がれ!! 穂乃果(ねェ果南ちゃん―――)
穂乃果(私たちはここで何を比べあうんだ―――!?)
穂乃果(体力?技術?根性?哀しみ?捨てたものの量?)
穂乃果(どれも違う!)
果南「……」
穂乃果(上手く語れない―――)
うまく語れないからここにいる!言葉ではわからないからここにいる!!
果南「……」ズ…
穂乃果(そうだッッ起きろッ)
穂乃果(海の底から浮いてくるいつものあのやり方で!)
果南「――――」スクッ ワアアアアアアアア
穂乃果「ハラハラさせるね」
アリガトウ
審判「やれるかッ」
果南「やれる」
果南「やらせて…」
オオオオオオオオ
審判「ファイッ」
穂乃果(じきに二度と起きるなと願う――――)
穂乃果(だけど今は起きてくれてアリガトウ) 果南「………」ス…
穂乃果(いい顔してるよ果南ちゃん)
高坂穂乃果と松浦果南というものを根こそぎ使って根こそぎ比べあおう
ダッ
私とあなたの―――
カッ
どっちが上!!? 穂乃果「うおおおおお」ドッ ガガッ
果南「――――ッ」ベキッ ガコッ
両雄の肉体――――
痛みの上に―――重ねられる痛み
疲労の上に―――重ねられる疲労
ガガッ ドスッ ベキッ ドッ バシッ ガキッ ズガッ ゴッ バキッ
幾層にも―――幾層にも―――
幾層にも―――幾層にも―――
千歌「………………ッッ」 にこ「そりゃ痛いでしょうがねェ…」
にこ「苦しいでしょうがねェ」
花陽「…」
にこ「そ〜〜〜と〜〜〜に幸せな状態よ二人とも」
花陽「たしかに……」
せつ菜「なんて…」
せつ菜「うらやましい……」
ガガッ メタッ バキッ
その時
果南「…………ッ」
果南の心の内は 果南(やめて…………ッ)
穂乃果「―――ッ」ブンッ
ドギャッッ
果南「ッッ」
雪穂「やったッッ」
月「まともに入ったッッ」
穂乃果「――」ドッ
バキッ
果南「うぐッッ」
せつ菜「流石……ッ」
にこ「穂乃果が押してきたわッ」 果南(出る…ッ)
果南(やめて穂乃果さん――――)
穂乃果「―――」ブンッ
ボゴォッ
果南「〜〜〜〜〜」
果南(やめろッほんとッッ)
果南(知らないよどうなっても)
果南(ヤバいんだってッッ)
ミシイッ…
鬼(こいつ)が出ちゃう!! 果南「〜〜〜〜〜〜〜」プルプル…
『果南が小刻みに震えているゥ――――』
『内浦最強の不沈艦も限界が近いかァ〜〜〜〜〜ッッ』
果南(ちぎれるッッ)
果南(筋肉がッ)
果南(鎖がッッ)
果南(こいつが出てきてしまったらッッ)
ザッ ザッ ザッ…
・観客席の上段に三人(と一人)の影。
あんじゅ「随分遅れちゃったわねェ…」
あんじゅ「アナタの運転がノンビリしてるから……」イジリイジリ
マネージャー「だって…カーナビが………」 ツバサ「それは後でジュースの一本でも奢ってもらうとして」
ツバサ「ステージの上…エライことになってきたわね」
英玲奈「…のようだな」
果南(私じゃないッ)
果南(鬼を出そうとしているのはあなただッ)
果南(もたない)
果南(繋ぎとめておけない)
もう……あなたを救えない!!!
穂乃果「よしッッ」ダッ 『穂乃果がしかけるッッ』
ドッ バガッ ガキッ ベコッ バチッ
観客「果南は防戦一方だッッ」
観客「キマるぞこれッッ」
果南(私じゃないよあなただよ)
果南(いいじゃん敵なんだから)
メキィ…
果南(出る…ッッ)
ツバサ「かまわないわ……」
ツバサ「出しちゃいなさい果南さん…そいつを…」 穂乃果(これで―――)どろ…
穂乃果(どうだッッッ)ビュオッッッ
バチイィィィィッッッ
海未(鞭打!!)
ことり(ここで……)
果南(痛ッたァアァアアァアア)ヨロッ…
梨子「効いてるわッッ」
千歌「果南ちゃんが追い詰められてるッ」
曜「…………」
果南「〜〜〜〜〜〜」ブルブルブル
果南(あなたがそんなことするからッ)
果南(あなたがそんなに強いからッッ) 穂乃果「…………………」
ことり「穂乃果ちゃんッッ」
真姫「何ボサッとしてるのよッッ」
にこ「トドメッッ」
果南(よしッッ 見せてやるッッ)
拝みやがれ
ミシ…
穂乃果「…ッわぁ〜…………」
人間がどこまで凶暴になれるかッッ 果南(綺羅ツバサにも)
果南(優木せつ菜にも)
果南(渡辺月にも)
果南(絢瀬絵里にも)
果南(堕天使ヨハネにも)
メキイッッッ
どこまで鬼になれるか!!!
聖良「…ッッ」
海未「とうとう……」
曜「果南ちゃん……!」
『でッ出た〜〜〜〜〜ッッッ』
『果南の背中!!おッおッ』
『鬼の貌だァ〜〜〜〜〜ッッッ』 ポタッ
穂乃果「!?」
果南「ここからは…………………………」ポロポロ
試合じゃない
千歌「果南ちゃん………ッッ」
千歌「なんで……泣いて………ッ」
ダイヤ「今こそお話しましょう」
ダイヤ「果南さんの背中に“鬼”が出るようになったいきさつを……」
ダイヤ「そして今度こそ、真実を告白しましょう」
鞠莉「……え……………………?」
ダイヤ「私たち三年生―――元祖Aqoursが東京の大会で“闘えなかった”もとい“闘わなかった”」
その本当の理由を……………
―
――
――― 〜シークレットウォー・イン・TOKYO〜
二年前……当時既に浦の星の存続情勢は悪化の一途……
故に、私達のこの東京遠征に賭ける執念は明らかに常軌を逸していました。
特に鞠莉さんは…………
鞠莉「今回の大会で少しでも良い結果になるように、使用える力は全部使用うわ」
鞠莉「この小原グループの力も…………ッ」
ザッ…
ダイヤ果南「!」
鞠莉「紹介するわ」 鞠莉ママ「マリーズマザーで〜〜す♡」
鞠莉「私のママよ」
果南「…今聞いたよ」
ダイヤ(鞠莉さんのお母様……)
ダイヤ(きちんとお会いするのは初めてですわね……)
鞠莉「東京で私たちがベストなパフォーマンスを発揮できるように、ママ達にサポートしてもらうことにしたの」
鞠莉さんのお母様と―――――
鞠莉ママ「ヨロシクオ願イシマース」
後の鬼神(オーガ)、果南さん――――
果南「…………」
忌まわしき出逢いの瞬間でした…… 鞠莉ママ「アナタの話はよく聞いていまーす」
鞠莉ママ「三度の飯よりハグが好き……」スタスタ
パッ
鞠莉ママは果南の目の前に歩み寄って両手を広げる。
果南「…………」
鞠莉ママ「友好の証デース……」
鞠莉ママ「ここでイッパツやっちゃいましょう」
果南「…………」ジーッ
鞠莉「……?」
ダイヤ(果南さん…何故応えないのです!?)
鞠莉ママ「……おや」 鞠莉ママ「怖じ気づいちゃったのかしら…………」
鞠莉ママ「それとも…………」
鞠莉ママ「ハグゥはまだ大人のオンナを知らないのデスカ」ニヤリ
果南「……」クルッ…
鞠莉「ちょ…」
ダイヤ「果南さん!」
鞠莉ママ「当たっちゃったみたいデスネ」クス…
ダイヤ「申し訳ございません、果南さんはアレで人見知りなところがあって……」
鞠莉ママ「ノープロブレム、気にしてマセーン」
鞠莉ママ「フフ♡」クルッ…
果南の背中を見送ると鞠莉ママも踵を返す…… メギョッ…
!!!
果南「このまま頭蓋骨ムキ出してやろうか…………………」
鞠莉ママ「〜〜〜〜〜〜ッッ」
一瞬の間に果南は鞠莉ママの背後につき、後ろから鞠莉ママの口に指を突っ込んでいる。
鞠莉「果南…………ッ」
ダイヤ「果南さんッッッ!!」
果南「あなたが私を選ぶんじゃないんだ……」
果南「抱くにふさわしけりゃ黙っていても抱いてやる…………………」
鞠莉ママ「〜〜〜ッッ」
果南「ワカったね………………」 鞠莉ママ「――」カッ
ガリ…
鞠莉「ッッ」
ダイヤ(噛み……)
果南「……」グ…
鞠莉ママ「!!!」ググ…
鞠莉「〜〜〜〜」
ダイヤ(指二本で……こじ開け………ッ)
果南「フン」グイッ
ポイッ 鞠莉ママ「〜〜〜〜ッッ」ズサアアアッ
果南「直情的だけどアナタ優秀だよ」
果南「しばらく私たちのそばにいな」
鞠莉ママ「――――ッ」
果南「アナタとならいいステージができそうだ」
鞠莉(だから、最初からそう言って……)
果南「ただし」
果南「お互い自分の身は自分で守る」
果南「スクールアイドルは」
それがルールだ ・東京出向の直前。
ねェ ダイヤ 鞠莉
果南「浦の星が好き?」
ダイヤ「この世界…………」
ダイヤ「私情を押し通せるほど甘くはありませんわ」
鞠莉「でも勝てるケンカしかしない奴は許せない…………ッッ」
鞠莉「果南はどうなのよ」
果南「私は少しだけ二人が好きだよ」
二人「〜〜〜〜」カー…ッ
つかの間の蜜月―――― ・東京。ホテルの一室。大会前夜。
三人「…………」スースー
ザッ… ビシャッ… バカッ…
屋根裏から、水槽の中から、恐竜の置物の中から――――
旧Aqours三人が寝静まった部屋に武装した男達が現れる。
男3「これではまるで夜這いではないか」
男1「にしても、こんな可愛いガール達がねェ……」
男2「油断するな。特にこのポニーテールの戦闘力は一個師団に匹敵するとの情報だ」
男2「さっさと終わらせるぞ」チャカ…
男1「待てッそのポニーテール……」 果南「…………」スースー
男2「なんだ、どうかしたか」
男1「……いや、なんでもない。気のせいだった」
男2「集中しろ、仕事中だぞ」
チャカッッッ
男達は三人に対して銃を構える。
男1「恨むなよ…………」ス…
ドンッッッ !
男2「なッッ」
男1「消えたッッ!?」
果南「バーカ」
男達「!!!」
果南はダイヤと鞠莉を小脇に抱えて一瞬で男の背後に回り込んでいた。
男1「ひ……」
男3「救命阿」
果南「フンッ」
ボゴボゴボゴォッ 男達「」
鞠莉「…………」スヤスヤ
ダイヤ「ん…………」ムニャ…
ダイヤ「!」ハッ
果南「ふん……」
ダイヤ「果南さん…ッ!?これは一体…………ッッ」
???「危ないところだったわね」ス…
!
ダイヤ「鞠莉さんのお母様ッッ!?」
鞠莉ママ「とりあえずこの場は逃げましょう」 ザッザッザッザ…
夜の東京を逃走迷走メビウスループする四人。(一人は爆睡中)
ドンッッ
ダイヤ「ひいい」
果南「…………」ザッザッ
ダイヤ「これは一体どういうことですのッッ!?」ザッザッ
ダイヤ「さっきから何故私たちが狙われ…………しかも銃って…………」ハアハア
鞠莉ママ「敵スクールアイドルの仕業デースね」ザッザッ
鞠莉ママ「アナタ達Aqoursは明日の大会の優勝候補の一角ッッ」
鞠莉ママ「性悪なスクールアイドルがライバルを減らすために……」
ダイヤ「そんな…………ッッ」ザッザッ ドンッッ
ダイヤ「ひいいいい」
鞠莉ママ「このままじゃ殺されるのは時間の問題デスネ………」ザッザッ
果南「……」ザッザッ
鞠莉「…………」スヤスヤ
鞠莉ママ「ひとまずこの建物にこもりましょうッッ」
・追っ手サイド。
兵士1「チッ」
兵士1「奴ら…屋敷にこもりやがった」
上官「構わんさ…」ニィ…
上官「砲撃で建物ごと破壊するんだッッ」 ・屋敷の中。
ダイヤ「鞠莉さんのお母様のおかげで命拾いしましたわ……」
鞠莉ママ「安心するのはまだ早いデース」
ズ……ン
鞠莉ママはどこからか持ってきたドラム缶を三人(一人爆睡中)の前に下ろす。
ダイヤ「これは…?」
鞠莉ママ「彼らにおみやげよ」
鞠莉ママ「中身はTNT120キロとベアリング80キロ。そして中心部に…………」
鞠莉ママ「現在研究中の最新高性能爆薬テトリル300グラム……」
鞠莉ママ「Coke一本で浦の星女学院が消滅するってシロモノよ」 ダイヤ「〜〜〜〜」
果南「…………」
鞠莉ママ「さ……出よっか」
ダイヤ「出るって…どこから…………」
ス…
ダイヤ「!」
鞠莉ママが部屋の本棚中段の本を数冊抜くと、謎のスイッチが隠されている。
ポチッ
ズズズ…
スイッチを押すと、本棚が横に動き出す。その裏には地下へ続く隠し通路が。 鞠莉ママ「ここを通れば少し離れた倉庫に出られるハズ」
鞠莉ママ「敵を完全に撒けるわ」
果南「あなた………」
鞠莉ママ「ぐずぐずしてられないわッ砲撃が始まるッ」
ダッ…
四人(一人爆睡中)は一目散に階段を走り下りる…………
・その倉庫。
上官「構えいッッッ」
チャカッッッッ
上官「後3分以内にあの倉庫の扉が開き小原様が出てくる」
上官「君らの標的はその横にいる二人の東洋人だ」 ピタッ
ダイヤ「!?」
果南「…………」
地下通路。不意に果南が立ち止まる。
鞠莉ママ「何をしているのハグゥッ吹き飛ばされちゃうわよッ」
果南「ここは襲われた私たちが偶然逃げ込んだ屋敷だよね」
果南「そのトンネルを何故あなたが知っているの」
鞠莉ママ「―――ッ!!」
ダイヤ「…………!」
ダイヤ(確かに!!) 果南「扉のスイッチを迷わず作動させた動きは初めてのものじゃない」
果南「それと…あなたはさっき爆薬で浦の星が吹っ飛ぶっていったけど」
果南「本気で私たちを応援する気持ちがあるならたとえにしたってそんなこと言うハズがない」
鞠莉ママ「…………ッッ」ブル…
果南「あなたが私とダイヤのことをよく思ってないのもよく理解ってる」
果南「スクールアイドル活動もね」
鞠莉ママ「………………ッッッ」ワナワナ
果南「荷が重すぎたねオバさん」ザッ…
ハグウッ
鞠莉ママ「〜〜〜〜〜〜」
ベキベキィッ… 上官「そろそろだ……………………………」
兵士「…………ッ」ゴクリ…
ギ…
兵士「ッッ」チャカッッ
倉庫の扉が開くと――――
!
果南「……」ハグウッ
鞠莉ママ「」
兵士「シィィット」
兵士「ヤロウッ」
兵士「小原様を盾にッッ」 果南「フンッ」ポイッ
ドガッ
兵士「うわアアッ」
兵士「投げやがったッッ」
果南「―――」ダシュッ
兵士「撃……」
果南「邪ッッッ」
ボゴボゴボゴォッ
兵士ら「〜〜〜〜〜ッッッ」
ドシャッ ドシャッ ドシャシャアアアッッ しん…
その間実に2秒。兵隊は上官一人を除いて全滅した。
上官「動くなッッ」
果南「!」
上官「一歩でも動いてみろッ」
上官「釣り目のパッツンを殺すッッ」チャカッ
ダイヤ「果南さん……ッ」ブルブル
鞠莉「…………」スヤスヤ
上官はダイヤに銃口を向けている。 果南「…………ッ」タジ…
ダイヤ「果南さんッッ私に構わないでくださいッッこの悪党めを……」
上官「やかましいッッ!!」バキュンッ
果南ダイヤ「!!」
ボタッ…
鞠莉「……?」ムニャ…
鞠莉「…………」グー…
ダイヤ(銃弾が鞠莉さんの足に……ッッ)
果南「…………」 上官「クソッ狙いがズレやがったッッ」
上官「まぁ良いッこれで俺の言っていることが冗談じゃないことが……」
果南「………………」
上官「オイ聞いてんのかてめえッッ」
ミシィ…
ダイヤ「!!」
ダイヤ「……………ッッッッ」ガクガクブルブル
果南「…………」メキッ…
ダイヤ(アレは………何…………………!!?) 上官「てめえに言ってんだぞポニーテールッッ」
上官「黙りこくってんじゃ……」
果南「――」ボッ
上官「!!?」
上官(消え……)
ドグシャアッッッ
グルンッ
メギョッッッッ
しん…
ダイヤ「…………ッッッ」ブルブル
ダイヤ(全く見えませんでしたわ…………ッッ)
上官「」ズボッ…
ダイヤ(殴られた…?頭から……地面に埋まって…………ッッ)
果南「…………」スウ… ダイヤ(強すぎるッッ果南さんが強いなんて今に始まったことじゃありませんが…それにしても今のは……あまりにも次元が…………ッッ)
ダイヤ「か…果南さん…今のは一体……」
果南「ん?どうかした?」
ダイヤ「えッ…!?」
ダイヤ「あ…イヤ……」
ダイヤ「…なんでもありませんわ……」
果南「それより鞠莉は……」
鞠莉「…………」スヤスヤ
ダイヤ「大丈夫、命に別状はありません」
ダイヤ「が」
ダイヤ「大会で闘うのは諦めた方が良さそうですわね…………」
―――
――
― 鞠莉「………………………」
ダイヤ「それ以来、果南さんは”鬼”になった―――――」
ダイヤ「と、いうわけですわ…………」
千歌「よくしゃべるなァこの人」
梨子(確かに、あのMIRACLE WAVEの振付で鞠莉ちゃんがケガするのはおかしいとは思ってたけど……)
善子(気づくでしょ……鞠莉………フツーは!!)
ガタッッッ
ダイヤ「何をする気ですの」
鞠莉「一発ぶん殴るッッそんなことッッ一言も言わずにッッ」
ダイヤ「おやめなさい」
ダイヤ「今の果南さんの間合いに入ったら、あなたも殺されますわ」 果南(こないだ、内浦に………………穂乃果さんを筆頭に集まっちまった)
果南(死刑囚………五名……)
果南(いい風貌(つら)構えの五名だった)
ことり「???」
真姫「……ッ」
絵里「フフ……」
海未「フン…」
穂乃果「………………」
果南(合言葉は……)
敗北を知りたい…?
果南(ああいうのって理解るよ……)
果南(痛いほど実感る…)
強すぎちゃって私は手こずれないんだよ!!? 果南「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ」
メキメキメキメキィッ………
聖良「とうとう見れますね」
聖良「本気の本気、MAXフルパワーの松浦果南が」
曜(聖良さんの時も、私の時も、果南ちゃんは鬼になったとはいえ相手を殺さないように一応加減していた)
曜(でも今は違うッッ)
曜(果南ちゃん、全力で筋肉を開放する気だッッ相手のことなんか考えずに思いっきりやるつもりだッッ)
穂乃果「…………ッッ」ゴクリ
ザッ…
人知れず客席に一人の影。
鞠莉ママ「グッドラック……………ホノカコーサカ………………」ジュウジキリー 果南「フウーッ…………」ミシ…
グニャア…
凛「…………この会場…」プルプル…
凛「ちょっと寒くないかにゃー?」ブルルンッ
真姫「……寒いんじゃないわ」カタカタ…
希「果南ちゃんの…“鬼”の本気を前にして細胞が怖けている……ッッ」ガクガク
絵里「なんて殺気……ッ」ビリビリ
絵里「ここにいても噛み殺されそうに感じるわ……ッッ」ワナワナ
にこ「反則でしょこんなもん………ッ」ガチガチ
花陽「誰か……助けて……ッッ」ハーハー ことり「…………ッッ」
ことり(それでもッッ)
ことり(それでも穂乃果ちゃんなら……ッ)
果南「穂乃果さん………………」スウ…
穂乃果「……ッ」
穂乃果(フツーに振りかぶった……)
海未「!!」
海未(アレは……)
ダイヤ「悪魔に授かった筋肉でただ思いきりブン殴る…………」
ダイヤ「たったそれだけの技ですが………スピード・破壊力・タイミング共に………人智を越えています………つまり……」
千歌(防御ぎようがない!!!)
海未「穂乃果ッッ!!!」ガタッ
果南「楽しかったよ」バオ゙ンッッ
ドウンッッッッ 穂乃果「―――――――――――」
ゆら…
それは――――スクールアイドルを知る者なら誰でもわかる―――誰でも確信する―――――
ドッシャアアアッ
「勝負あり」の倒れ方。
海未「―――――ッ」
雪穂「お姉ちゃんッッッ!!」
ことり「穂乃果ちゃんッッ」
この倒れ方をした者は
穂乃果「………………」
絶対に起き上がれない。 絵里(あの倒れ方は)
花陽(絶対に―――)
にこ(起きないッッ)
ワアッ
穂乃果「………………」
おい
―
――
―――
おい…
穂乃果「………ッ」カカ…チ…チ…カチ…カチ…
高坂穂乃果 十六歳 おいッ
穂乃果「…………ッッ」ダラダラ
てめェも……
花陽「てめェもああなりてェかッッ」ビシッ
Can I do ? I Take it baby ! Can I do ? I take it baby ! …………
四月。UTX前。ビジョンの中のA-RISEに刮目する穂乃果。傍らには後に共に“伝説”を作ることとなる凛と花陽、そしてにこがいる。当然、この時は互いに面識はない。
穂乃果「――」ガクガクガクガク
凛「かよちん、先輩だよッッ」アワアワ
にこ「……フンッ」
にこ(アンタ達なんかにゃ一生かかってもなれないっての)
なりたいッッッ 穂乃果(私もああなりたいッッ)フルフル
穂乃果(見つけたッッ)
オオオオオオオオオオオオオオ
初めて耳にする裡(うち)なる咆哮
穂乃果(スクールアイドル…………ッッ)キラキラ
主の意志に先行する細胞の意志
穂乃果「―――」グッ
にこ花陽「!」
穂乃果(私、闘るったら闘るッッ)
少女の裡なるものが生き方を決定した。 絵里「なぜ?」
絵里「これ以上続行けても意味があるとは思えないけど」
穂乃果「闘りたいからですッッッ」
絵里「……」
穂乃果「今、私もっともっと闘いたい、踊りたいって思ってます」
穂乃果「こんな気持ち、初めてなんですッッ」
穂乃果「闘(や)って良かったって本気で思えたんですッッ」
穂乃果「今はこの気持ちを信じたい…」
穂乃果「このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない」
穂乃果「応援なんて全然もらえないかもしれない」
穂乃果「でも、一生懸命がんばって、私たちがとにかくがんばって届けたいッ」
穂乃果「今、私たちがここにいる、この思いをッ」
絵里「…………」
穂乃果「いつか……いつか私たち…………必ず……」
…オオオオオ
ここを満員にして見せますッッッ
―――
――
― オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
穂乃果「………」スクッ…
審判「………」
審判(2秒で起きた…)
絵里「………………」フッ…
果南「……」
ワアアアアアアアアアアアアッ
観客「2秒でハネ起きたッッ」
観客「起きるかよふつう!?」 千歌「………………ッッッ」ガチガチ
せつ菜「…………ッッ」ダラダラ
ツバサ「………ッッ」ゴクリ
穂乃果「……………」フウ
にこ「穂乃果……ッッ」
希「穂乃果ちゃん……ッ」
絵里「…………驚かないわよ……私は」
絵里「とっくに知ってたはずじゃない。こんなことぐらいで終わる穂乃果じゃないって……」
希「…………」
希「絵里ち……声震えとるよ?」
穂乃果「つけようか果南ちゃん」
穂乃果「決着を」 鞠莉「……全く………ッッ」
鞠莉「どこまでもサプライズしてくれるわね…………ッッ」
鞠莉(………でも、結果が変わることはないわ)
鞠莉(決着がほんの少し延びただけ……)
果南「いいよ…………」ス…
曜(また振りかぶった……)
ダイヤ(終わりです)
ダイヤ(鬼の果南さんの一撃はどうしようも……)
雪穂(いやッッッ)
雪穂(お姉ちゃんにはまだアレがあるッッ)
穂乃果スペシャルでも……ゴキブリタックルでも……リアルシャドーでも……
雪穂(そしてダンスのステップでもないッッ)
雪穂(私たち家族で極めた技がたった一つだけッッッ) 果南「これで…………」
雪穂(神様ッッ)パアンッ
果南「決着だッッッッ」ボッ…
カッ…
穂乃果「―――――――」
―
――
―――
ほのママ『両足でこう…』
ほのパパ『…………』スウ…
ほのママ『餡を皮で挟み込むように……』 果南の拳に顔面を射抜かれる刹那―――
タンッ
果南「!」
パシッ…
穂乃果は打ちだした果南の右腕をつかみ、同時に足は地面を蹴って身体は宙に浮く――――
雪穂(上皮と………下皮………)
雪穂(右脚と………)
ガキッ
穂乃果の右脚は果南の首後ろにかかり 雪穂(左脚………)
ビュオッ
果南「……ッッ」ぞく…
左膝は果南の顎へ――――
ガチィッッッ
雪穂(餡を挟み込むほむまんの皮になぞらえた秘技)
果南「―――――――」ユラ…
その名も “穂王”!! ドシャアアアアアッ
雪穂「ぃやったあッッ」ピョンッ
穂乃果「――――ッ」ガッ
果南「ぅぐッッ」ギチ…
穂乃果はうつぶせに倒れた果南の上に乗り、首元に全体重をかける。
右腕はとったまま関節をかけて―――
穂 王 完 了
ワアアアアアアアアアアアアアッッ
観客「取ったッ」
観客「打ち取ったッ」
果南「…………ッッ」
観客「形勢逆転ッッッ」 真姫「関節が完全にキマっているわッッ」
凛「ってことは……」
花陽「脱出不可能―――――」
雪穂(完璧だよお姉ちゃん……)
雪穂(完璧に決まった穂王は絶対に破られないッッ!!!)
海未(立ち合いの勝敗は決着時の頭上の標高の高さで決まります)
海未(とするなら―――)
果南は今――――確かに穂乃果の下にいる!!!
穂乃果「…………」ギチッ…
にこ「やりやがったわね穂乃果……」グッ… 果南「……………ッッ」モゾ…
ツバサ「油断し過ぎよ果南さん」
ツバサ「穂乃果さんのはあの自由の国がアナタと同格と認めた怪物(モンスター)なのよ」
ツバサ「嘗めすぎだっていうのよ」
ジッ………
梨子「ほんとに……ッッ」アセタラ…
梨子(ほんとに動けないのッあの果南ちゃんがッッ)
梨子(敗け………)
千歌「……………………………」
千歌「……んな…」
曜「!」 千歌「フザケンナよ果南ちゃんッッ!!」カッ
千歌「このまま終わる気じゃないでしょうねッッ!!!」
しん…
千歌「認めないよそんなこたァッッ!!」
千歌「逆転してみろッッッ!!」
果南「…………」
穂乃果「千歌ちゃん……」
千歌「それが松浦果南ってもんだろがァッッ!!!!」
果南「……………………」
ざわ ざわ ざわ
曜「よーし…」 曜「そうだぞ果南ちゃんッッ」ガタッ
曜「この天才曜ちゃんに勝っておいて準優勝止まりなんて、そんなの許さないのでありますッッ」
ダイヤ「内浦最強の名が廃りますわよッッッ」
鞠莉「Aqoursの――浦の星のためにもッッ」
ルビィ「がんばルビィ!」
梨子「私たちに勝利の音を聞かせて―――ッッ」
善子「果南ッ仮にもこの堕天使ヨハネと並び称される貴方が…」
花丸「カッコ良いとこ見せるずら〜〜〜ッッッ」
善子「被せないでよッッ」 観客「そうだァッッ」
観客「果南負けるなあッッ」
観客「ここで終わるタマじゃねえだろッッ」
カーナーン! カーナーン!
鞠莉「……!」
鞠莉「UR(ウルトラレア)ね……ッ」
ダイヤ「応援される最強……ですか………」フッ
果南「………………」
カーナーン! カーナーン! カーナーン! カーナーン!
メキ…
穂乃果「!」 穂乃果(あの時も―――)
聖良「これは……ッッ」ガタッ
穂乃果(あの時も―――)
曜「〜〜〜〜ッ」
穂乃果(そんな貌見せなかった)
知ってるのかい果南ちゃん―――!?
ツバサ「ほう…」
穂乃果(知ってるのかい?)
果南「…………………」ミシィ… 海未「果南…」
海未「鬼が……」
ダイヤ「――――ッッツ」
ダイヤ「果南さん…」
穂乃果(果南ちゃんの背中 今――――)
果南「…………」ス…
笑ってるよ!!!
ドキャッッッ
上に穂乃果を乗せ、うつぶせのまま―――果南は僅かに浮かせた左腕を真下に振り下ろした。 穂乃果「うわッ…」グラ…
観客「おッおッ!?」
観客「ヒビだ…ッ」
ビキ…
絵里(地面に腕を突き刺したッッ)
にこ(一体何を―――!?)
果南「フン………ッッ」ビキビキ…
真姫(まさか――――)
花陽(このまま地面を――――)
ドリュッッッッ
穂乃果「ッッ!!」
ボゴォッ 穂乃果「〜〜〜〜〜〜〜ッッ」ブワッッッ
ドシャアアアアッ
果南「…………フウーッ」スクッ…
ワアアアアアアアアアアッッッ
観客「あの状態から地面ブチ抜きやがったァッッ」
観客「地下からパンチをッッ」
観客「そんなんありかァ〜〜ッッ」
ダイヤ(たしかに………たしかにそう…)
ダイヤ(果南さんにとっては地面の認識が違う)
ダイヤ(プリンやゼリーの上で闘ったなら―――寝技(グラウンド)は寝技(グラウンド)にならない………)
穂乃果「…………ッ」ムクッ… 観客「穂乃果ァッッまだまだァ〜〜〜ッッ」
観客「果南〜〜やっぱりお前が最強だァ〜〜〜〜ッッ」
穂乃果「果南ちゃん………あなた………」ハアハア
果南「……ごめん……つけそこなっちゃったね………決着………」ハアハア
ホーノーカ! カーナーン! ホーノーカ! カーナーン!
あんじゅ「お客さんは最高にフルハウス…………」
英玲奈「だが、やってる二人はとうに限界を超えている」
ツバサ「…………次ね」
ツバサ「次で決まるわ……………“海皇”……………………」
果南「正真正銘…………」 果南「これ…最後の技です…………………」
穂乃果「…………ッ」
果南「この技を最後に私…………倒れます…………」ス…
鞠莉「!!」
ダイヤ(あれは……)
果南「その時あなたが立っていたなら――――――――」
あなたの勝ちだ!!!
ギュッッッ
果南「ハグ…………しよ?」 穂乃果「イイね………シンプルで…………ッッ」
ス…
ことり「穂乃果ちゃん……」
海未「らしいというか…ッ」
穂乃果「この闘い―――――」
穂乃果「ここがラストステージだッッッッ」ギュッッッ
『抱き合った両雄〜〜〜』
ググググググ 果南「…………ッッ」ググググ…
『力が入ってるッッッ』
果南「……………ッッッ」ギギギギギ
『力が入ってるッッッ』
千歌「果南ちゃんの勝ちだッッッ」
千歌「果南ちゃんがハグで負けるハズないッッ」
曜「そうだッッ」
曜「ハグなら果南ちゃんが絶対に最強だよッッ」
ダイヤ「…………と、言いますか、アレ…………」
ダイヤ「穂乃果さんのハグ…………」 穂乃果「………………」ギュッ…
にこ「弱い……ッッ」グ…
真姫「攻撃になってないわッッ」
凛「穂乃果ちゃん………もう力が残って――――」
ギュッ…
果南(なんか…………………この感じ……………)
幸せを
果南(あったかい……………)
微笑みを
果南(太……………陽………………?)
届けましょう… ガクンッ
ダイ鞠莉「!!!」
こと海未「…………ッ」
ツバサ「……………………」
ツバサ「ナルホドね……ッ」
穂乃果「…………」スクッ…
果南「」ザウ…
最愛に比べたら 最強なんて
審判「勝負ありッッ」 『決っちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜く!!!』
ワアアアアアアアッ
穂乃果「…………」ニコッ
果南「……………………」
『弱冠17歳ッッ』
『高坂穂乃果がッッ』
『アキバドーム地下闘技場ライタイ祭トーナメント……』
穂乃果「闘りとげたよ………最後まで」ザンッ
『チャンピオンだ〜〜ッッ』 『参加選手39名ッッ』
『試合数32ッ』
『死闘実に十数時間ッッ』
理事長「おめでとう……」ザッ…
オオオオオオオ
『チャンピオンベルトが今ッッ理事長から穂乃果の手に―――――』
ガクンッ
『!!!』
穂乃果「………ッ」ザ…
『も……ッッ持てないッッ』
『老齢の理事長により手渡されたベルトが……』
『手に余るほどチャンプは消耗しているのですッ』 ズチャ…
『!!!』
果南「あなたが……………」ス…
『果南がッッッ』
『鬼が登場だッッ』
グイッ
あなたがチャンピオンだ!!!
『ベルトがッッッ2人の手で支えられてるゥゥッ』 『2度とッ』
『2度とこんな大会は見られないでしょうッッ』
『32度に亘る試合は――ただの一試合とて凡庸な内容はありませんッ』
『全ての試合が大勝負ッッ』
『全ての試合が名試合ッッ』
『そして全ての選手が……………ッッ』
『輝いてたァッッ』
『女子高校生において「強い」ということが―――――あるいは無意味との声もあるでしょう』
『しかし覚悟を決めて入場する選手の表情の―――――』
『己の実力(ちから)が通じず敗北をうけいれる選手の表情の――』
『傷つき勝利を手にした時の選手の表情の―――――』
『そのどれもが我々の心を突き動かさずにはおきませんッッ』
『強くあろうとする姿は――――かくも美しい!!!』 『「強い」ことは美しい!!!』
『「強い」ことはスバラシイ!!!』
穂乃果「……」ザッ…
『アリガトウ高坂穂乃果ッッ』
『アリガトウスクールアイドルッッ』
オオオオオオオオオオオ
『ストロングイズビューティフル!!!』 ・闘技場から退場して。廊下。
穂乃果「疲れた〜…」ズチャ…
雪穂「お姉ちゃん何してんの!」ヒョッコリ
穂乃果「!」
穂乃果「ゆき…」
雪穂「みんな待ってるよッッ」
穂乃果「待つ……?」チラッ
穂乃果「!」
ズラアアアアアアアッッ
みんな「遅えぞチャンプッッッッ」 亜里沙「おめでとうございます穂乃果さんッ」
亜里沙「最後まで、穂乃果さんらしい、とっても楽しいステージでした」ニッコリ
穂乃果「亜里沙ちゃん……」
No.10「…………」ぬ…
穂乃果「うわッ」
穂乃果「うちっちー……じゃなくてNo.10さんッ」
No.10「…………」パチパチパチパチ
穂乃果「アハハ…」
穂乃果「ありがとうございますッッ」ペコリ
せつ菜「穂乃果さんッ」
穂乃果「!」 せつ菜「ラブライブ!が―――スクールアイドルが何たるか―――」
せつ菜「とっても勉強になりました」ペコリ
穂乃果「せつ菜ちゃん……」
せつ菜「でも次は負けませんからねッッ」ビシッ
穂乃果「お手柔らかに……」アハハ…
聖良「穂乃果さんッッ」
穂乃果「!聖良ちゃ…」
ニギッ
穂乃果「おッ?」
聖良「組みませんかッッ私とッ」
穂乃果「えぇ〜〜〜ッッ」 聖良「穂乃果さんと私の二人なら、誰もみたことのない景色を見れるはずですッッ」
聖良「組みましょうッッ是非ッッ」ニギッ
穂乃果「いたいいたいッ強く握りすぎだよ聖良ちゃんッ」
曜「いやァ〜〜〜」
穂乃果「!」
曜「私たちの予想は大外れでしたね」ニコニコ
梨子「まさか果南ちゃんに勝っちゃうなんて」
千歌「Aqoursとしては悔しい気もするけど、認めるしかないよ〜〜」
千歌「優勝おめでとうございますッッ」
千歌「ほの海皇ッッ」 穂乃果「ほの海皇……」
千歌「あ、今のは穂乃果さんの果と“かいおう”のかをかけた……」
曜「説明しなくて、良いから……」
愛「!!!」シュババッ
愛「何ソレ最高じゃんッ、ウケる〜〜〜〜ッッ」キャハハッ
かすみ「愛先輩ッわざわざ恥かきにヨソ行かないでくださいッッ」
璃奈「今ので良いならもうなんでも良いような…」
穂乃果「…………」
穂乃果「…ほの海皇かァ〜〜…………」
穂乃果「良いね〜〜〜ッッ」ルンルルンルルーン
ヒフミ「穂乃果(ちゃん)!」
穂乃果「ヒデコ!フミコ!ミカ!」 ヒデコ「やったじゃんッッ」
穂乃果「くぅ〜〜〜ん」
ミカ「よーしよし、よくがんばったァッ」ナデナデ
フミコ「でもさ、私たちって海皇の初ファイト見たことになるんだよね〜〜ッ」
ヒデコ「感慨深いね〜ッ」
ザッ…
穂乃果「あッ!絵里ちゃんッッ」
絵里「穂乃果……」
穂乃果「みんなァ〜〜〜〜ッッ」 絵里「ハラショー………それしか言えないわ」フフフ
花陽「ほんとにほんとに、とっっってもかっこ良かったですッッ」プスーッ
凛「テンション上がったにゃーッッ」ピョンッ
希「それにしても、穂乃果ちゃんが海皇になっちゃうなんて……」トオイメ
真姫「ま、私は最初からこうなると思ってたけどね」クルクル
にこ「これからは、海皇の名に恥じないようにしなさいよねッッ」ビシッ
海未「よくがんばりましたね穂乃果…」ニコッ…
ことり「穂乃果ちゃんッ」ずいッ
みんな「優勝おめでとうッッッ」ニッコリ
パチパチパチパチパチパチパチパチ
穂乃果「みんなアリガトウ」グス…
私…………もっと強くなります ・数時間後。観客は全員帰った中、闘技場で物思いにふけるスクールアイドルが一人。
果南「……………………」
???「フフ…」ズチャ…
果南「…………」チラッ
穂乃果「いいライタイ祭だったね」
果南「……」
穂乃果「ともに意識して…」
穂乃果「ともに尽くしあった」
穂乃果「ねえ果南ちゃん海皇」
果南「――――」 穂乃果「海皇が二人いちゃダメとはだれも言ってないもんね」
穂乃果「このほの海皇が認めてるんだもん」
穂乃果「誰にも文句は言わせないよ!」
穂乃果「―――とは言ってみたけど、この世で果南ちゃんに文句つける人なんて最初(はな)からいないか」エヘヘ…
果南「…………」
果南「日本全土の」
果南「スクールアイドルに命を賭した者達の中からたった一人だけが名乗ることを許される海皇の称号」
果南「たとえあなたを倒したとしても、私が名乗ることなんて誰も納得しないよ」
穂乃果「倒してないけどね」ニイッ
果南「ヘッ」クルッ
果南「気持ちだけもらっておくよ」ザッ… 穂乃果「果南ちゃん!」
果南「……」クルッ
穂乃果「百年経ったらまた闘ろうねッッ」ブイッッ
果南「……」ニカッ…
穂乃果(私も…)
穂乃果(呼ばれてみたいなァ…)
ス…
果南は穂乃果に背を向けたままゆっくりと右手を挙げる。
穂乃果(東京最強の生物……なんて)
穂乃果「…………」
穂乃果「よしッ」 ・翌日。Aqoursの部室。
鞠莉「千歌っち………」
鞠莉「これを見てほしいの」
千歌「ハイ……?」
鞠莉はスマホでライタイ祭の録画映像を再生し始める。
鞠莉「ここなんだけど…」ピタッ
そして観客席のカットで画面を一時停止。
鞠莉「拡大するよ……」ピッ
千歌「…………………白人……」
千歌「…………………ですね………」
千歌「!」ハッ
千歌「エ……」
千歌「エマ・ワトソン!?」
鞠莉「ハッキリしたことは言えないけどね………」 ・内浦の浜辺。Aqoursの一二年6人。
ルビィ「…………」サラ…
ルビィは足元の砂を掬う。
ルビィ(ここで練習してきたスクールアイドルの折れた歯や爪…………)
この砂浜のどこの砂を掬ってもきっと………
曜(もう沢山だ…………!!!)
梨子(もうこりごりだ…………!!!)
千歌(幾度もそう思ったハズなのに――――――――)
ウズウズ
千歌(もうこんなに輝きたい)ニコッ ザッザッザッザッ…
・某日。アキバドーム地下闘技場の廊下。
「ごめんなさい、ダメージも回復していないうちに……」
「イヤ………………気にしなくていいわ」
「お客さんはゼロですね」
「って、ナイショで闘るんだから当たり前か……」
「しかしオドロいたわ」
ツバサ「アナタが本気で私に勝てると思っていたとはね」
穂乃果「”海皇”こそが最強で最高なスクールアイドル―――」
穂乃果「それを証明して見せますッッ」グッ
ツバサ「フフフ、花を持たせるワケにはいかないわね」ニッコリ というわけでトーナメントはこれで終わりッッ
想定を遥かに超えて長々やってしまいましたがここまで付き合ってくださった方本当にありがとうございましたッッッ
おまけの番外編でラスト一戦だけやります お疲れ様です
よく最後まで書ききったね
ってまだ続んかいッ‼ 憑依ガチャの奪い合いのおかげで最後まで結末が読めなかったわ
乙乙 これは掃除をしていた新人スクールアイドルがバケツの水をこぼしてしまう展開では? ・アキバドーム地下闘技場、廊下。
善子「………ったく」
善子「ツイてないわほんと……………」
善子(占いに使う水晶玉………どこにもないと思ったら、こんなとこに忘れてたなんて)ハァ〜〜…
ザッザッザッザ…
善子「ん?」クルッ
ツバサ「あら」
穂乃果「ヤァ善子ちゃんッッ」ニコニコ
善子「あ………………いえ」
ザッザッザッザ…
ツバサ「観客0の大観衆ね…………」スタスタ
穂乃果「いい試合になりますよ〜」ルンルン 高坂穂乃果と綺羅ツバサが誰もいないアキバドームに制服でいる――――――――
善子「……………」
千歌や黒澤姉妹と違って、この両名の熱烈ファンとは言えぬ16歳の彼女と言えども
善子「…………………………」
今自分が置かれてしまった立場の重大さだけは十分に認識できた。
善子「………………………………ッ」サア…
それはペットを飼いたいなど考えたこともなかったインドアな女が
善子「ヤッバ〜〜〜」
偶然にも路上の捨て犬を最初に発見してしまった心理にも似て…ッッ 穂乃果「雲の上の存在でした」
穂乃果「A-RISEの持つ輝き、A-RISEの持つスター性」
穂乃果「そのどれもが羨ましくて、そのどれもが憧れで………」
穂乃果「前にも言ったんですけど」
穂乃果「もしA-RISEがいなかったらッッッッ」
ツバサ「…………」
穂乃果「私たちは……ラブライブ優勝なんてできませんでした………」
穂乃果「モチロン私も海皇になんて……」
ツバサ「フフフフフフフ」
ツバサ「穂乃果さん……」
ツバサ「誉め言葉になってないわ――――――」
ツバサ「…………………なってないけれど」
報われたわ ツバサ「オモシロイものね……………」
ツバサ「私もちょうどその時の話をしたかったのよ」
穂乃果「?」
ツバサ「覚えてないかもしれないわね」クスリ
ツバサ「理解らないって話よ」
ツバサ「私たちが――A-RISEがなぜ敗けたのか」
穂乃果「ああ……ッ!」
穂乃果「覚えてますッッもちろんッッ」
ツバサ「私はそれが知りたくてライタイ祭に出た―――」
ツバサ「今ではね…………おかげさまで」
ツバサ「半分くらいは理解った気がするの」
穂乃果「半分…………ですかァ〜〜〜〜」
ツバサ「そう……半分」
ツバサ「あとの半分は、まだ認めたくないだけかもしれないけどね」ニコッ ・内浦。アキバドームで一人窮地に立たされた後輩からスマホで連絡を受けているのは―――
ダイヤ「善子さん?」
黒澤ダイヤ 18歳
ダイヤ「ハァ?」
彼女は後にこの時の様子をこう語っている。
善子「あ…………あの……今…………アキバドームにいるンだけど…………………」
善子「綺羅…ツバサさんと……………………高坂穂乃果………さんが………」
自称堕天使、津島善子の妄言は特に珍しいことではなく…………いちいち相手にしていてはキリがないと断りつつも
善子「早くしないと始まっちゃうのよォォッッ」
彼女は述懐する。「この時は違っていた」 善子「私…人の役になんか…………一回だって立ったことないけど……」
ダイヤ「善子さんッ貴方ッッ」
善子「これ……黙っていたら」
善子「一生………一生アナタ達に…みんなに……」
善子「顔向けできないっていうか……」
ダイヤ「アリガトオオオオオオッッッですわッッ!!」
善子「………………」
ダイヤ「よく報せてくださいましたッ」
ダイヤ「このTELをしなかったら貴方はA級戦犯になるところでしたわ」
善子「………………オス…………」 ダイヤ「いいですかッ」
ダイヤ「今から貴方に重大な仕事をお願いしますッ」
善子「…………………し……仕事……ッスか」
ダイヤ「今から2時間ッイヤッ」
ダイヤ「1時間半だけ試合開始を引き延ばしてくださいッッ」
善子「〜〜〜〜〜〜〜ッッ」
善子「わ……私が…………?」
ダイヤ「貴方にはその責任があるのですわァッ!!!!」
ダイヤ「頼みましたわよッッ」プツンッ
ツーツーツー…
善子「あの2人をとめるって…て……私が…?」
善子(冗談でしょできるワケないじゃん) ・イタリア、小原鞠莉。
鞠莉「HA〜〜〜〜?」
鞠莉「何言ってんのよ昼間っから」
鞠莉と通じているのはたった今善子の報告を受けたダイヤ。
ダイヤ「私は既に現場へ飛んでいますが……………」
ダイヤ「一つお願いがあります」
鞠莉「………………」
ダイヤ「小原グループのコネクションを総動員して…………」
ダイヤ「この事実をTV局へ流して下さいッッ」
ダイヤ「今すぐッッ」 穂乃果「広い……」
ツバサ「ええ……いい広さね」
・既に廊下を抜け、地下闘技場のステージに入る二人。
ツバサ「………………」
ツバサ「聞こえる……」
穂乃果「はい」
穂乃果「私にも歓声がよく聞こえます」
ツバサ「…………」
ツバサ「じゃあ早速……」
善子「アアッ危ないッッ」 ビュンッ
ツバサ穂乃果「!」
パリィィィンッッ
声の方から水晶玉が飛んできてステージの中央に落ちた。
善子「ス…スミマセン……………」
善子「手が滑っちゃって…」アハハ…
ツバサ穂乃果「…………」
善子「す……すぐ片付けますね……」
善子「アブないですから……破片とか…」 ツバサ穂乃果「………………」ジーッ
善子「〜〜〜〜〜〜ッッ」
善子(もォ〜〜〜〜〜なんで私がこんな…………ッッ)
ツバサ「……………」ニコッ
ツバサ「急いでちょうだいね」
穂乃果「よしッ」
穂乃果「じゃあ私も手つだ―――」
善子「ア…イエッやめッ」
穂乃果「?」
善子「こッこの水晶玉には、堕天使の魔力が詰まっててッッ、人間が触ると、おそッ恐ろしいッ恐ろしいことが……ッ」
ツバサ穂乃果「……………………」ジーッ
善子(ずら丸〜〜〜〜ルビィ〜〜〜〜〜助けて〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ) ルビィ「ぴちゅ〜〜〜〜〜」
花丸「ずるぁ〜〜〜〜〜」
・内浦。黒澤家でみかんアイスを吸いながらTVを見ている二人。
ルビィ「善子ちゃん、よく行くよね、わざわざ東京まで」
花丸「しかたないずら」
花丸「善子ちゃんにとって厨二グッズ一式は命と同じぐらい大切なものだから」
司会者『今日のゲストはこのお二人ッッ』
ルビィ「あ、始まった」
司会者『あのライタイ祭にも出場した大人気スクールアイドルッッSaint Snowさんですッッ』 ワアアアアアアア
観客「イケてる〜〜ッ」
観客「最高〜〜〜♪」
花丸「それにしても、Saint Snowの二人、バラエティ番組に出ちゃうなんて……」
ルビィ「ライタイ祭での聖良さんの勧誘キャラが偉い人にウケて、相方探しにぜひ協力したいって言ってくれたんだって」
聖良「…………TVの前の皆さん………」ズカズカ
理亞「姉様ッッ」
花丸ルビィ「…………?」
登場するやいなや、聖良はただならぬ顔でカメラに向かっていく。 『チョ…ッ聖良さんッッッ』
『本番中ッスよこれ』
聖良「綺羅ツバサと高坂穂乃果が闘おうとしていますッッッ」
聖良「今ッアキバドームでッッッ」
ざわ ざわ ざわ
聖良「ホントかどうかワカりませんッッッッ」
聖良「でもホントだったらエライことですッッッッ」
『マズいッスよ』
聖良「私はこれからアキバドームへ飛びます」
聖良「この情報が嘘でも構わないッッ確認するだけの価値はありますッッ」
聖良「見たかったでしょみなさんッッ」
『カメラ止めろオォッッ』
『CM流せッッ』
聖良「見逃していいんですかァ――――ッッ」 ルビィ花丸「…………………………」
スクッッッ
スクールアイドルファンの結束は固い。
せつ菜「TV見ましたかッ」
学校に
歩夢「まさかッッッ」
愛「ウッソでしょッッ」
遊び場に
にこ「まじまじまじィ〜!?」
希「妬けちゃうなあ…」
絵里「ハラショー」 船上に
曜「方向転換ッアキバドームへッッ」
曜「全速前進、ヨーソローッッ」
メイド喫茶に
ことり「うんッそれで!?」
道場に
弓道部員「タイヘンだよォッッ」
海未「ホントですか」
愛する者の死にも匹敵する強力さで 瞬く間に燃え広がった。 穂乃果「善子ちゃん…」
善子「!」
穂乃果「なんか……」
穂乃果「わざとゆっくりやってない…………………?」ジトー
善子「えッ」
善子「あ……」
善子「………………いえ……」
穂乃果「30分は経つのにちっとも終わんないじゃん〜〜〜」ジダンダ
善子「あ……アブないですからね……………万全に万全を…………」
善子(そりゃバレるわな)
ツバサ「………………」 花陽ママ「外出ゥ?」
花陽「うん」
花陽「2〜3時間ぐらい…………」
・小泉花陽 炊飯道16年 ごはんの炊きたて無遅刻無欠食
花陽ママ「そりゃいいけど…………………あと10分でご飯炊けるよ?」
花陽「穂乃果ちゃんとツバサさんが試合をするんだよ」
花陽「それは私にとって全てに優先されることだよ」 真姫ママ「何を言ってるの?」
真姫ママ「手術の準備できてるのよ」
真姫「ゴメンなさい……」
・西木野総合病院 次期院長 西木野真姫
真姫「ほ……穂乃果と」
真姫「ツバサが………」
真姫ママ「ハァ〜〜〜!?」
ダッ
真姫ママ「チョッどこ行くのッッ」
真姫ママ「真姫ちゃんッ」
患者「まきちゃん」
ごめんなさい!!! パリィィンッ
善子「ア……」
善子「またやっちゃった……………」アハ…
ス…
善子「!」ビクッ
ツバサ「質問に答えて」
善子「………ッッッ」
ツバサ「なぜ時間稼ぎをしているのかしら」ジーッ
善子(もうダメだッッ)
答えて
善子「あ……ア……」ダラダラ 善子「アンタらなんで勝手に試合すンのよォッ!!!」
善子「綺羅ツバサと高坂穂乃果が人知れず試合をしていいワケないでしょォォォッッッ!!!!」
ツバサ「…………」
穂乃果「…………」
善子「〜〜〜〜〜ッッ」
善子「ナマイキ言っちゃいましたッッごめんなさいッッ」ペコペコ
ダイヤ「あやまることはありませんわ」ザッ…
善子「!」
ダイヤ「綺羅ツバサと高坂穂乃果が勝手に試合をしていいワケがありません」
穂乃果「あなたは……確か……」 ツバサ「穂乃果さん」
ツバサ「この二人にかまわないで勝手に初めてしまいましょう」
穂乃果「ナルホド」
ダイヤ「……ッッ」
善子「〜〜〜〜〜〜〜〜」
バァン
四人「!」
ドドドドドドドドドドドドドドド ワアアアアアアアアアアアアッッ
観客「いたァ――ッッ」
観客「ツバサと穂乃果がいるゥッッ」
観客「夢じゃないッッ」
観客「ツバサと穂乃果がホントに闘るんだ――――ッッ」
ドドドドドドドドドドドドドド
観客「なんで隠すんだよォッ」
観客「何年待ったと思ってンだァッッ」
穂乃果「…………」
ツバサ「…………」
善子「………………ッッ」 ダイヤ「ハハ」
ダイヤ「間に合いましたわ」
クルッ
善子「!」
ダイヤ「……」グッ
善子「〜〜〜〜〜ッッ」パアッ…
ダイヤ「お二人だけの…何者も干渉できない様々ないきさつはお察しします」
ダイヤ「ですが……」
穂乃果「……」
ダイヤ「許してください」 穂乃果「しかたがないなァ〜〜〜」ニコニコ
ダイヤ「アリガトウゴザイマスッッ」
ザッ
ダイヤ「………………」スウ…
ダイヤ「TィィィィィH!!!」バッ
ダイヤ「TィィィィィH!!!」
ダイヤ「TィィィィィH!!!」ビリビリビリ
H 穂乃果 T ツバサ
観客「――――」バッ
みんな「TィィィィィィH!!!」ドッ TィィィィィHッ
穂乃果「仕方がないよねツバサさん」ズチャ…
ワアアアアアアアア
せつ菜(向き合った……ッッ)
花陽(開始まるッッ)ゴクリ
善子「………………」ソローリ…
善子「…………」クルッ
善子「………」ペコリ
善子「……」ズチャ…
ダイヤ「善子さん」
善子「!」 ダイヤ「貴方が集めたのですわ」ニコッ…
善子「…………ッ」ウルウル…
ダイヤ「……」ナデナデ
ツバサ「仕方がない……………」
ツバサ「まさに仕方がないわ」
ツバサ「二人だけで語りたいことがたくさんあったけど―――」
ツバサ「みんながハッピーになれるというのも悪くない」
穂乃果「お客さんのため………ファンのため………みんなのため………」
穂乃果「つくづくそんな運命から逃れられないみたい」
穂乃果「それが………」
幸福(しあわせ)でなりません ツバサ「やりましょうか穂乃果さん……」
ツバサ「キレイで……ていねいで……」
真剣なステージを
ザッザッザッザッザッザッ…
聖良「フフ……」
ルビィ「マホメド・A-RISE流のステップッッ」
花丸「いきなりずらか……ッ」
ワアアアアアアアアア
ダイヤ「幸せですわねェ本当に」
善子「あの……」 善子「どっちが強いの」
ダイヤ「ン〜〜〜……」
ダイヤ「どっちが強いかはワカりませんが……………」
ダイヤ「どっちが格上なのかは――――――今ワカりますわ」
善子「カク…………ウエ」
ダイヤ「およそスクールアイドルのステージのだいたいは」
格下が格上の周りを回るものなのですわ
ツバサ「…………」ザッザッザッ…
穂乃果「…………」スクッ…
ダイヤ「綺羅ツバサと高坂穂乃果の」
ダイヤ「格が今決定するのですわ」 ツバサ「…………」ザッザッ
穂乃果「…………」スクッ
善子「……………」
善子「とまったまま……」
シュララッッ
ダッッッ
!
曜(同時に全速前進ッッ)
ゴシャッッッ
観客「ウオオオオッ」
観客「先制攻撃を当てたのは……ッ」
穂乃果「〜〜〜〜」ドシャアアッ
観客「ツバサだァ〜〜〜〜〜ッッ」 あんじゅ「互いに最短距離で直進……」
英玲奈「なんと高坂穂乃果的ッッ」
英玲奈「そしてツバサ的だな」
あんじゅ「アナタもそう思わない?」
マネージャー「……………………」
マネージャー「本当に……………これが最後だからね」
オオオオオオオオオオ
穂乃果「…………ッ」ムク…
ツバサ「フフ……」ザッザッ
ツバサ「いいスタートね…………」ザッザッザッ ダイヤ「近代格闘技の中で、たった一つ」
ダイヤ「ラブライブのチャンピオンでも、「命中(あた)る」ことを前提としてステージに上がる技」
ダイヤ「それがジャブですわ」
善子「命中る…」
ダイヤ「速度のみが旨」
ダイヤ「素手で打つスクールアイドルのジャブは、人間の反射神経を凌駕する!!」
ツバサさんのは閃光(ひかり)より速いですわ!!!
カッ
バチイイッ
穂乃果「〜〜〜〜ッッ」ドシャアアアッ 観客「穂乃果が連続ダウンだァッ」
観客「ツバサが強すぎるッッ」
かすみ「正直意外ですね…ッ」
かすみ「A-RISE流ステップはせつ菜先輩にもできる、穂乃果さんはせつ菜先輩に勝ってる」
かすみ「だから断然、穂乃果さんが有利だと思ったんですけど……」
せつ菜「私が出来るのはあくまで中国拳法の“舞”……A-RISEの皆さんのステップをまねているわけではありません」
せつ菜「それに……」
海未「剣の世界ではたった一本の剣を操ることを極めます」
海未「その技術は二刀流に劣るものではありません」
曜「A-RISE流一本のツバサさんが」
曜「技のデパートのせつ菜ちゃんに劣るとは限らない……ッ」
バチイイイイッッ ドシャアアアッ
観客「これで三連続ダウンだッ」
観客「このまま決まっちまうんじゃねえかッ」
穂乃果「……………ッ」
観客「穂乃果ァ〜〜ッッ頑張れェ―――ッッ」
ホーノーカ! ホーノーカ!
穂乃果「――――」スクッ
ツバサ「!」
ワアアアアアアッ
穂乃果(きったァ〜〜〜〜〜ッッ)キラキラ 絵里「アドレナリン……ッ」
にこ「スロースターターね〜〜ッ」フウ…
せつ菜「穂乃果さんはここからが強いんです……ッッ」
ツバサ「フウーッ……」ザッザッザッ
観客「穂乃果ァッッ反撃してくれェェッッ」
穂乃果「ワカったよッッ」ダッ
タタタンッ
凛(ダンスのステップ!!)
真姫(速い!!)
花陽「…………………………」
花陽(メッッッ) ツバサ(確かに速いけれど――)シュララララッ
穂乃果「――ッ!」
ツバサ(“私以上”ではないわ)ボシュッ
ガチイイイッ
しん…
穂乃果「〜〜〜〜〜〜ッッ」ぐら…
ドッシャアアアアアッ
ワアッッ
観客「四連続ダウンだッッ」
観客「ツバサが止まんねェ――――ッッ」 観客「穂乃果のステップに後出しで追いつきやがったッッ」
観客「しかも今のはジャブじゃなくてアッパーだぞッッ」
穂乃果「〜〜〜〜〜」ムズ…
曜「ケタ外れに速いッ」
曜「ここにいる私でも目で追うのが精いっぱいだった……ッマッハは超越えていないハズなのに………なんでここまで…………」
海未「加速力ですね」
海未「単純に最高速の時速でいえば、ツバサさんでも曜には一歩劣りますが」
海未「0から1へ、1からその先へと加速するスピードが段違いに速い」
海未「そしてその加速力で曲線的、全方位的に動きを展開できる」
絵里(言うまでもなく、それはダンス力と直結する)
絵里(これでハッキリしたわ)
絵里(ことダンス力において、綺羅ツバサに敵うスクールアイドルは誰一人いない……ッッ) 曜「こんなのどうしようも……」
ことり「一つありますッ」
曜「!」
ことり「ゼロ速度から一気にMAXへ――――」
ことり「START:DASH!!とくれば、穂乃果ちゃんにだってアレがあるッッ」
穂乃果「…………」どろ…
ツバサ「!」
ビュバオッ 観客「ゴキブリタックルだッッッ」
観客「出た〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ」
ダアアアンッ
ツバサ「…………ッ」ゆさァ…ッ
観客「脱力からのゴキブリタックルゥゥゥッッッ」
観客「当たったァッッ」
観客「ツバサが崩れたァッ」
穂乃果「よお〜しッッ」ガシッ
オオッ
善子「うわッッ」
善子「掴んだ…ってことはッッ」 ダイヤ「数々の大技を持つ穂乃果さんですが………………」
ダイヤ「やはりこの投げこそが穂乃果さんの真の必殺技と評する専門家も多いですわ」
穂乃果「そぉれッッ」ゴォッ
観客「穂乃果スペシャルだァッッ」
ビュオオオオオオオ
ツバサ「……………ッ」
観客「高っけェ〜〜〜〜ッッ」
観客「もぎゅのアレ、マジなのかよッありえねえッッ」
ダアアアアアンッ
ツバサ「――――――ッ」 オオオオオオオオオオオオオ
ツバサ「………………ッッ」ジ…
観客「一気に逆転だァ〜〜〜ッッ」
観客「穂乃果サイコ〜〜〜〜ッッ」
英玲奈「地面に倒れ伏すツバサか」
英玲奈「滅多に見られるものではないな」
あんじゅ(確かにダメージは大きい………でも復帰ができない程じゃないはず)
観客「ツバサ立ってくれェッッ」
観客「Dancing!Dancing!」
ツバサ「……………………」
あんじゅ(何を考えているの…………?) うらやましい――――――
ツバサ(あなたはそう言った)
穂乃果「…………?」
ツバサ(人間離れしたカリスマ性――――)
ツバサ(A-RISEはスターへの道を約束されていたとあなたは言う)
そうではない!!!
スクッッッ
ワアアアッ
ツバサ(私には―――)ザッザッ… シュララッ
ツバサ(道がなかった!!!)ボゴォッ
穂乃果「――――――ッ」
かすみ「ボディに一発ッッ」
愛「効くぞ〜〜〜アレは……」
穂乃果「……ッ………ハアッ…」ヨロ…
ツバサ(スクールアイドル以外の)ザッザッ…
ツバサ(道はなかったのよ!!!)ドギャッ
穂乃果「〜〜〜〜〜」 ツバサ(私にも夢があった)
ツバサ(美術部として――――――陸上部として―――――バンドのドラムとして―――――)
ツバサ(カリスマ性)
ツバサ(いくら身を縮めても決して逃れられない尊敬の視線―――――)
ツバサ(オーラが他の選択を許さなかった)
穂乃果さん
ザッザッザッザッ
ツバサ(私にはスクールアイドルしかなかった)カッ
グワシイッ
穂乃果「〜〜〜〜〜〜ッッ」ドッシャアアアアッ せつ菜(強い………!)
せつ菜(ケタ外れのスピードで縦横無尽にステージを駆け巡る―――まさにダンシング)
せつ菜(今の私が真似るには……若すぎる……ッッ)クッ…
穂乃果「………ハアッ………ハアッ……」ムズ…
希「あの穂乃果ちゃんがここまで一方的に……」
絵里「(穂乃果が)素人にしか見えないわ」
にこ「フンッッ今更何言ってんのよッッッ」
にこ「ツバサは神とまで呼ばれたスクールアイドルよ…………ッッ」
ツバサ「………………」ザッザッザッザ…
曜「こんなの、どうしようも……」
ことり「まだまだだね、曜ちゃん」
曜「え……?」 海未「ハイ」
海未「まだまだ穂乃果のことをワカっていません」クスリ
曜「……………」ムムーッ
曜「どういう意味?」ジトー
海未「確かに戦力としての完成度の差は絶望的です」
海未「だから良い」
曜「…………」
ことり「廃校寸前からのスタートもそう…………講堂での初ファイトもそう…………」
ことり「そして私の留学騒動の時も…………♡」
海未「絶望に直面した時、そこからまた立ち上がる時――――」
海未「高坂穂乃果という光はもっとも輝きを強くする」
海未「そう、言うならば―――」
逆境こそが 高坂穂乃果のベストコンディション
スクッッッ
ワアアアアアアアアアッッ 観客「穂乃果ちゃんがんばれェ〜〜〜〜〜ッッ」
観客「俺たちがついてるぞォ〜〜〜〜ッッ」
オオオオオオオオオオ
ツバサ「………………」ザッザッザッザ
ツバサ(みんなで叶える物語…………)
ツバサ(よく言ったものね)クスリ
穂乃果「…………」ピタ…
観客「穂乃果が動かないッッ」
観客「どうしたんだ!?」 凛「アレはもしかして…………」
ことり「狙ってるね……“穂王”」
ざわ ざわ ざわ
観客「穂王だよ……」ヒソヒソ
観客「狙ってんな……」ヒソヒソ
真姫(お客さんにまでバレてるわね)クルクル
希(そもそも隠す気があるのかないのか……)
穂乃果「…………ッ」スクッ…
ダイヤ「致命的ですわね」
ダイヤ(“穂王”は相手のストレートに合わせて跳び撃つ完全な返し技)
ダイヤ(バレた上で成功させるのはまず不可能ですわ) ツバサ「………………」ザッザッザッザ
ツバサ(ここでバカ正直に突っ込んでしまったら、もう“神”でもなんでもないわね)
ツバサ(そして私は…………)
ほら人生ちょっとの勇気と
英玲奈「フッ」
あんじゅ「負けず嫌い……」
ツバサ(“神”なんかじゃなくていいッッ)シュララララッ
情熱でしょう?
ダイヤ「真正面から〜〜〜〜ッッ!?」
ツバサ(ここで行かなきゃスクールアイドルじゃないわッッ)
ツバサ(私のプライドの全てを懸けた左ッッ)
ツバサ(合わせられるものなら合わせてみなさい!!!) カッ…
せつ菜「!!」
ゴッシャアァッッッ
穂乃果「〜〜〜〜」ゆら…
海未(直撃…)
絵里(跳ばせなかったツバサの勝ち―――)
花陽(落ちるッッ)
雪穂「お姉ちゃんッッッ!!!」ワッ
ツバサ「!」
穂乃果「――――」カッ
―
――
―――
女性シンガー『跳べるよッ』
女性シンガー『いつだって跳べる……ッ』
女性シンガー『あの頃のようにッッ』
ダンッッッ ツバサ「ッ!」
穂乃果(ツバサさん――――)
ガバッ
雪穂「……………!」
雪穂(完璧…………ッッ)
ガキィッッッッ
ツバサ「――――――」グラ…
ドシャアアアッ
穂乃果「やっぱりあなた最高だッッ」ガッ
ガチイッッ
ツバサ「――――ッ」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ
観客「穂王ゥ〜〜〜ッッ」 穂乃果「やったアッッ」
穂乃果(私の勝ちだ!!!)
観客「決まっちまったッッ」
観客「やっぱり穂乃果だッッ」
ツバサ「……………………ッッ」
穂乃果(ここで決めるッッ)
ダイヤ「…………ッッ」ダラダラ
穂むら直伝―――ほむまん固め 通称 穂王
ダイヤ(高坂穂乃果の数ある必殺技のなかでもベストを一つ挙げろというならこれ!!!) 観客「動かない!!!」
観客「ツバサァハネ返せッッッ」
観客「完全にキマった穂王は絶対に外せないッッッ」
ダイヤ「…………」
善子「決まっちゃうのこれでッッ」
花陽「…………」プルプル…
穂乃果(2人が登ったスクールアイドルという山)
穂乃果(同じ頂を見ながらそれぞれが別の道を別の方法で登りつめようとしている)
穂乃果(その頂へ)
穂乃果(私が)バッ
一歩先んじる!!!
ドワアアアアアアアアアッ 穂乃果「!」
ツバサ「…………………」
穂乃果(ツバサさんの力が消えてる)
パッ…
ツバサ「……………………」ダラリ…
穂乃果が穂王を解くが、ツバサはうつ伏せで倒れたままピクリとも動かない…………
穂乃果「…………ッッ……」
穂乃果「ツバサさん…………」
シュララララッ
穂乃果「ッ!!」
グワキィッッッ 穂乃果「―――――ッハアッッ」
穂乃果(ぬかったァッッ)
ダイヤ「〜〜〜〜〜ッッ」
善子「〜〜〜〜〜ッッッ」
花陽「―――――ッ」
ドシャアアアアアッ
穂乃果(油断も……………)
穂乃果(スキもない……………)ムズ…
ドシャアッ
穂乃果(え………………?)
ツバサ「」
にこ「―――」
英玲奈「――――」
あんじゅ「―――――」
花陽「――――ッ」
穂乃果「ツバサさんッッ」 ダイヤ「ッッ」バッ
ダイヤ「担架ですわッ早くッ」
にこ「ツバサァッ」
花陽「ツバサさァんッ」
聖良「ツバサァ―――ッッ」
観客「ツ〜〜〜〜」
バッサッッ ツ〜〜バッサッ ツ〜バッサッ ……… ・西木野総業病院。手術室前。
ガララ…
穂乃果「真姫ちゃんッッ」
穂乃果「ツバサさんは…………」
真姫「………………」
真姫「残念だわ」
穂乃果「えッ………」
真姫「これ…………」ス…
真姫「ツバサの……最後の………」
真姫は一通の手紙を穂乃果に渡す。
穂乃果「………ッッ」ペラ… 宿敵、高坂穂乃果さん。
スクールアイドル綺羅ツバサの遺言をかなえてね。
何故ならあなたは私にとってそして私はあなたにとって生涯のライバルであり、目標であり、アイドルであり、そしてファンなのだから。
穂乃果「………………ッッ」
今からあなたは――――――この事実をマスコミ各社に流し――――
新聞『綺羅ツバサ 死去』
新聞『A-RISE 活動再開は未定』
新聞『今秋以降開幕予定のスクスタへの参戦は絶望的か』
今後のラブライブ!の展開から、A-RISEの名を完全に消し去って欲しい。 思えば綺羅ツバサがA-RISEのセンターへ生まれ変わり歩んだこの3年――――――
それは同時に―――――
ファンのために
スクールアイドル界のために
ラブライブ!のために歩んだ3年と言えるわ。
もう十分でしょう。
死をもってこの3年にけじめをつける。
記者「どちらへいかれるんですか」
穂乃果「パリの―――知り合いの所へ」
落ち着いたらあなたにある人物を訪ねて欲しいの。
パリ在住のその女はあなたのよく知る女よ。 その女はモンパルナスの森にいる。
穂乃果「ここで合ってるよね…?」キョロキョロ
絵と甘いものをこよなく愛する女なので手土産をどうか――――
穂乃果「!」
穂乃果「…」ホッ…
きっとあなたを心から歓迎することでしょう。
穂乃果「綺羅ツバサさんッッッ」
ツバサ「―――」ビクッ
穂乃果「いや〜〜〜バレバレですよ」
穂乃果「オーラが違いますもんッッ」
ツバサ「やっぱり?」ニッコリ 穂乃果「…………ツバサさん…」
穂乃果「本当に……もう二度とステージには……」
ツバサ「まさか」
穂乃果「えッ」
ツバサ「A-RISE(私たち)は続けることにしたって言ったでしょ」
ツバサ「この通り身体は元気だし、英玲奈やあんじゅはもちろん、マネージャー達とも連絡は取ってる」
ツバサ「ちょっぴり遅れるかもしれないけれど、スクスタにだって必ず……必ず参戦するわ」
穂乃果「………………ッ」
穂乃果「じゃあ、なんでこんな………」
ツバサ「まあ、絵(こっち)の方も少し心残りがあったっていうのと…………」
穂乃果「……と………………?」
ツバサ「二度と見れないと思ったグループの復活…………って」
ツバサ「ファンがイチバン盛り上がる奴でしょ?」ニヤリ
穂乃果「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」 番外編 完
これで全部終わりです
アリガトオオオオオオオッッッッ
みんな刃牙読もうぜ バンドのドラムで草
スクスタはそもそも開幕自体が絶望的なんですが… 乙、刃牙って戦ってないキャラ同士の試合妄想楽しいよね
つまり頼むぜッッ 刃牙外伝で締めるとはすごいセンスだ
“とばいか”なんだよちゅんなあ 乙ッ!
最後までどの場面を持ってくるのか楽しみに読めた
あとは野試合やってくれてもいいんだぜ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています