サイコレズ─監視官高海千歌
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千歌「えっ!? ご、合格!」
電光パネルの向こう側、そこには間違いなく私の名前があった。
高海千歌、監視官に任命。
千歌「やった…」
千歌「これからは……私がみんなを守るんだ…」
千歌「『あの人』みたいに…!」
サイコレズ─監視官高海千歌─ 世の中には『レズ係数』と呼ばれる数値がある。
その数値が高ければ高いほどにレズに近くなり、低ければ正常な人間。
何年も前から、人々はこの世は増え続けるレズによって生活を脅かされてきた。
犯されるもの、無理やり婚姻されそうになるもの。大半が前者ではあるんだけどさ。
千歌(でも、そんなのだめだよね、やっぱり)
それを防ぐ機関が設立されてからは、劇的にレズは減った。が、それでも全てとは行かなかった。 産まれつきレズであると診断される人もいるし、小学生や、それとも大人になってからの人も。そういう人たちは、隔離施設で過ごすことになる。
正しい人間になるまで、そこで。
だからこそレズと診断されると、人生の終わりと考える人もいるんだとか。
そんな人たちのことを「潜在レズ」と呼ぶ。そのまんまだけど。 やはり槙島は梨子ちゃんなのか
それとも真姫島なのか 千歌(そして私は、それらから市民のみんなを守る警察官……、監視官になった)
監視官は限りなくレズではない、ということが最重要と言われる。
現場へ行く際に、どんなことを目のあたりにしても変な気分になることはあっちゃいけないんだ。
絵理「待ってたわ、あなたが新人さん?」
千歌「あっ、初めまして! 本日より配属となりましたっ、高海千歌です!」
絵理「よろしくね。私は絵理、親しみを込めてエリーチカとよんでくれてもいいのよ?」 千歌「はい! …と、ところで。なぜこんな状況…?」
絵里「簡単に言うと事件よ」
絵里「配属初日で運がないわね、でもいい実践経験になると思うわ」
千歌「…じゃあ、…レズが?」
絵里「ええ。被害者は大学生…そして容疑者の名前と容姿はこれよ」
千歌「『鹿角聖良』……」
絵里「こんな人が? って思ったでしょ?」 千歌「まあ……見ただけじゃ、レズかなんて…」
絵里「誰だってレズになりえてしまうのよ、…私でだって、君だって」
千歌「……」
絵里「……っと、来たわね」
絵里「さぁ、出迎えてあげなさい。あなたの犬たちよ」
千歌「……執行官」
絵里「大丈夫、全員場数を踏んできた人たちよ」
絵里「レズだけどね」 鋼鉄の輸送車の、扉がゆっくり開く。中から出てきたのは四人の執行官。
ダイヤ「ふぅん、あなたが新しい監視官ですか」
ことり「や〜ん♥ かわいい〜♥」
凛「ふぁぁ……こんな雨の日に…めんどくさいにゃー…」
海未「……」
千歌(なんていうか、個性豊かですね)
絵里「まあ言いたいことはわかるわよ」 千歌「……そういえば、新しい監視官、って前には誰が?」
ダイヤ「……」
絵里「それはいつか機会があれば話すわ……それより、一番重要なものを渡すわ」
千歌(あっ…あれは!)
千歌「『ラブライバー』、ですよね」
携帯型心理診断鎮圧執行システム『ラブライバー』。
千歌「これが…」
『ユーザー登録 高海千歌 監視官として新規に登録します』
千歌「……」
絵里「そう、これで対象の制圧を」 千歌「……みなさんの『レズ係数』を見てみても?」
絵里「まあ、それが人格にも現れるわけだし…手短にね」
『レズ係数 オーバー230 刑事課登録執行官、任意執行対象です』
『レズ係数 オーバー130 刑事課登録執行官、任意執行対象です』
『レズ係数 オーバー110 刑事課登録執行官、任意執行対象です』
『レズ係数 オーバー190 刑事課登録執行官、任意執行対象です』
視界にはいった順に、数値を把握。
二人ほど飛び抜けているけど…。
千歌(ダイヤさん、230もあるのか…)
絵里「いいかしら? そろそろ行かないと被害者が身も心もレズに支配されちゃうわよ」 千歌「わかりました!」
絵里「二手に別れるわよ。私にはダイヤ、ことり。千歌には海未と凛よ」
凛「よろしくにゃ〜」
海未「……」
千歌「よ、よろしくおねがいします」
海未「……執行官が監視官に頭を下げるものじゃありません」
千歌「え?」
海未「いきますよ」
千歌「あ、ちょっと!」
ーーー かつんかつん、ぴちゃり、と。雨がやみ、足音が暗い路地裏に響く。
千歌「……」
千歌(こんな狭いところに、本当に?)
海未「凛、上へあがれますか?」
凛「お任せにゃ!」
千歌「わっ…!」
複雑な形状の足場をひょいひょいと、本来人が登るために用意されているわけではないだろうそこを飛んでいく。
海未「状況判断が遅い。それでは容疑者に逃げられますよ」
千歌「んむ…」 凛「海未ちゃんは堅苦しいにゃ〜、どうせ絵里ちゃんが先に捕まえてるんだから、のんびりいこ〜よ」
海未「そういう問題ではありません」
千歌「……」
千歌(やっぱり……全然レズなんかには思えないな)
千歌(あの、凛って人も…110程度だし…)
千歌「うぅん…」
凛「どーしたのっ、新人さーん」
千歌「えっ、あ、いや…」
凛「急がないとおいてくよー!」 ーーー
絵里「やれやれ、こっちのルートを選んだのは間違いだったかしら…」
ダイヤ「しっかりしてください、あの新人に示しがつきませんわよ」
ことり「かわいかったよね〜」
ことり「なんで一緒にしてくれなかったの!」
絵里「…あなたと同行させた監視官、みーんな執行官堕ちしたのわかっていってる?」 ことり「なんのことかな?」
絵里「あなた、レズ係数はそれほどではないけど、色相真っ黒だものね」
ことり「えへ」
ことり「あの子、いつまで持つかなぁ?」
ダイヤ「舌なめずりをしない」
ことり「はぁい」
絵里「…まあ、あの子なら大丈夫だと思うけど」
絵里「設立以来の、綺麗な色相してるそうよ、ピュアホワイト…だったかしら」
ダイヤ「そんな色が?」
絵里「前代未聞だから、そんな風につけたって」 絵里「……と、無駄話はここまでね」
『たすけてー!』
ダイヤ「やっぱりこちらでビンゴと」
絵里「行くわよ」
ーーー
海未「みえますか?」
千歌「……うん」
被害者が襲われている。
抵抗むなしく、諦めたかのように体を受け入れて。
海未「レズレイプ……最後に陥る症状」
海未「あれでは、オーバー300……リーサルは免れない」
千歌「……それって、つまり」
千歌「あの人を、ノンケにするって…ことだよね?」 海未「えぇ。…レズがノンケになると、どうなるかわかります?」
千歌「……喪失感で、廃人同然になるとか…」
凛「いやだにゃ〜、凛はレズのまんまがいいや」
千歌「……」
海未「ここで執行することは正義なのですよ。…あなたは、それを理解して来たのでしょう?」
千歌「わかってる」
千歌「よし、いこう!」 ーーー
聖良「っこの! 大人しく、し、ろ…!」
『たすけてー! だ、誰かぁぁあっ!』
聖良「そんなに興奮したら、あなたのレズ係数もあがりますよ…!」
『わ、わたしっ、興奮なんかっ、んむ!?』
聖良「んっ、んむ、ん……」
絵里「──そこまでよ!」
千歌「公安です! 抵抗せずに…!」
絵里(! 千歌、きてたのね)
聖良「なっ!?」 千歌「!」
『レズ係数 オーバー287 執行対象です。セーフティを解除します。執行モード ノンリーサル・パラライザー 落ち着いて照準を定め 対象を制圧してください』
千歌(越えてない! よかった…)
絵里「『助けられる』、なんて思った?」
千歌「え…」
絵里「その考えじゃ、この仕事、向いてないわよ」
千歌「それは、どういう…!」
聖良「く…!」
ダイヤ「逃げた!」
凛「任せるにゃ!」 千歌「あの、向いてない、って…」
絵里「私たちは、助けるんじゃないの──」
絵里「正義を正すのよ、私たちは」
聖良「わっー?!」
凛「捕まえた!」
千歌「なにを…」
聖良「は、はなせっ、離して! んっ!?」
千歌「…え?」
凛「ん〜、んむっ、んふ…」
聖良(うわ、うま、この子ぉ…♥)
絵里「……」
『レズ係数 オーバー342 執行対象です。執行モード リーサル・エリミネーター 慎重に照準を定め対象を浄化してください』
絵里「危険分子は、早い内に摘むことよ」
千歌「まっ、まって……!」
ドシュッッン!!
聖良「んびぃ!?」
聖良「えっ、ぁ、ぁ、っいやっ、いゃっっ、こ、こんな…!」
聖良(頭がおかしくな、ル…ゥ、イ……!?)
聖良「わたわたわたわたわたわたわた!!!」
ビチャビチャビチャッ!
凛「ぎゃっ! 漏らしたこの人!」
聖良「……」 千歌「…な、なんで」
絵里「あぁ、精神を破壊してるようなものだからね。あんなふうに、廃人に……本人次第で普通の生活に戻れるかもしれないけど、いままで誰もそんな人は、一人として」
千歌「そうじゃなくて! どうしてレズ係数をあげてまでっ…!」
千歌「まだこえてなかった! まだ制圧ですんだのに…!」
絵里「…あの数値じゃ、どうせ結果は同じよ。早かっただけ」
千歌「ですが…!」 絵里「……私たちは、そういう仕事をしているのよ」
絵里「何人だって、撃ってきた……これも」
絵里「私たちの『サンライズシステム』の答えよ」
千歌「……」
そうだ。
システムがダメだと言えば。
もうその人は、必要ない。
そんな…、世界なんだ。
千歌(それでも、それが…本当に…正解なの?)
ーーー
梨子「ずいぶんおもしろいことになってるわね」
梨子「高海千歌……」
梨子「いい名前ね、ええ。とっても」
梨子「汚したくなるほど、いい名前」
ープロローグ 終ー 今回はここまで。
サイコパス本家の流れはなぞりません。次から独自の展開で。
また明日に。 サイコパスちゃんは犯人の係数下げようとしたのにこのクソレズども… あの、すみません
…廃人になった聖良さんは頂いて行ってもいいですか…? 千歌=狡噛+常守のハイブリッド?
絵里=狡噛+宜野座のハイブリッド?
海未=六合塚?
ことり=縢?
ダイヤ=征陸?
凛=縢? >>51
まぁメガネ着脱するキャラと言えばね……・ たのむお願いだ
エタるのはやめてくれ
続きをみせてくれ 『おはようございます。今日も頑張っていきましょう』
千歌「……」
千歌(朝か…)
千歌(……)
千歌「昨日は、いろいろあったな…」
千歌(サイコレズ、それにサンライズシステム…)
千歌(……私がおかしいのかな)
千歌(…とりあえず、はやく着替えて、出よう。今日は昨日するはずだった研修だ)
ーーー 絵里「はいおはよう。よく眠れた?」
千歌「いや、あんまり…」
絵里「まあそうよねぇ、…でも仕事は仕事よ。さて、それじゃ……今日から四日に分けて、昨日出会った潜在レズ、もとい執行官のみんなと親睦を深めてもらうんだけど」
ぱさり、と書類を渡される。
四枚あり、それぞれにプロフィールが載せられていた。
千歌(潜在レズ…そう、だよね。みんな…レズなんだ…)
絵里「もしもなにか危害を加えられそうになったら、ラブライバーで撃ってもいいからね」
千歌(……)
千歌「誰から…」
絵里「取っつきやすいのは凛ね。どう? その次ではダイヤかな…」 千歌「ちなみに、どれくらい一緒に?」
絵里「丸一日ね」
千歌「えっ」
絵里「あと、執行官を外出させるときは同行してね」
千歌(こりゃ大変そうだ…誰からにしようかな)
千歌(うーん…よし)
ーーー
ダイヤ「それで、私のところに来たと?」 千歌「話しやすそうだったので」
ダイヤ「ふむ…まあ、他の方よりは、そうでしょうね」
ダイヤ「ところで、あなたはどうして監視官になろうと?」
千歌「んー…」
千歌「それ、結構聞かれるんですけど…実は、大した理由はないんです」
千歌「漠然と、誰かのために働きたいな、って」 ダイヤ「そう、ですか」
ダイヤ「……監視官、レズ係数が低い傾向にある人物」
千歌「まあ、そうですね」
ダイヤ「あなたは、初めてあったとき、恐らく『レズに見えないな』、なんて思ったのでは?」
千歌「思いました」
千歌「…やっぱり、見ただけじゃ、ぜんぜん」
ダイヤ「そのためのサンライズシステムの数値。…何かが起こる前に、レズ達を制圧」
ダイヤ「素晴らしいシステム──そう思っていました、私も」 千歌「いまはそう思っては、いない?」
ダイヤ「……」
ダイヤ「私も、監視官だったんです」
千歌「!」
ダイヤ「数年前に。いろいろありまして…あの頃は、公安のエリート姉妹、だなんて言われて…」
ダイヤ「それが今では、世間に顔も出せない潜在レズ。……堕ちるところまで堕ちた、といったものですわ」
千歌「…姉妹? 妹、さんですか?」
ダイヤ「えぇ。…あの子は、私が執行官になってからは、話もしてくれなくなりましたが…」
ダイヤ「それでいいんです。エリートの道を行くのに、アブノーマルな身内なんて、邪魔なだけ」
ダイヤ「立場が逆でも、責めたりなんかしません」 千歌「…いま、妹さんは?」
ダイヤ「二係で監視官を。…向こうでも活躍してるそうです。話をよく聞きますから」
ダイヤ「……話してばかりではなんですから、どうですか? 食事でも」
ダイヤ「監視官のころ、よく行っていたお店があって。あなたも気に入ると思いますわ」 ーーー
一日一緒に過ごしてわかったことは。
やっぱり、数値だけじゃわからないことがある。
人としての常識を持ち合わせているし、監視官の頃の話や経験なんてとても勉強になった。
とても、とても…
レズとは、思えないほど。
ダイヤ「んっ、んー…おやすみ、というのは悪くないですが、鈍ってしまいますわね。からだが」
千歌「これからもよろしくおねがいしますね」
ダイヤ「ええ、こちらこそ」
ダイヤ「…あなたとは、上手くやっていけそうです」 千歌「私もそう思います」
そう言って、私はダイヤさんに手を差し出す。
ダイヤ「……これは?」
千歌「握手ですよ。これからの仲間への」
ダイヤ「……」
ダイヤ「なか、ま…」
ダイヤ「…ありがとう、ございます」
握った手は、少し熱かった。
ーーー
絵里「どう? なにかあれからわかった?」
真姫「んー? いや、まだね。尻尾は見えそうなんだけど、いかんせん向こうもバカじゃないし、簡単にはいかない」
絵里「あと三日程度はあの子の研修期間でもあるから、それまでにはなんとか」
真姫「それはいいけど、新人にいきなり大物狙わせるのね」
真姫「お陰で私も仕事どっさり。分析官にやらせる量?」 絵里「しかたないじゃない、『黒澤ルビィ』がここを抜けてから単独になったとたん、潜在レズを次々に検挙してるんだから」
絵里「こっちもここらで一発当てなきゃ」
真姫「焦ってもいいことないと思うけど…とにかく、もう少し待ちなさい。なにかわかったら知らせるから」
真姫「スーパーアイドル矢澤にこ、潜在レズ疑惑、ってね」
ーーー
二日目
凛「ほいほいっ、ふふっ!」
千歌「あ、あのー…」
なんか走ってた。
ひたすらに、ランニングマシンで。 凛「新人さん? 暇ならちょっと付き合ってよ! トレーニング!」
千歌「え、ぁ、あぁ、いいですよ」
凛「じゃあ、外に連れてってよ。やっぱり外で走りたい」
千歌「外出する、ということで?」
凛「そーだよー、…だめ?」
千歌「そんなことは。ランニングですね」
凛「わーい! ありがと!」
凛「前のマゼンダだかピンクだかの119999955555髪の毛の監視官は、厳しくって。『それで出来てるから必要ない』とかさ!」
凛「全然違いますー!って感じにゃ!」
千歌「あ、あはは」
千歌(テンション高いなぁ…) ーーー
凛「ふっ、ふっふ…」
千歌「っ、走るのは、好きなんですか?」
凛「大好き! …それに、外に出るのも、好きだよ」
千歌「……?」
凛「あれっ、知らない? 凛は7歳のときにっ、潜在レズ認定されたの!」
千歌(7歳で…!) 凛「それからは、施設で一人で。途中からお母さんも来てくれなくなったなぁ。だから人と話すのも楽しいし、外で走るのも楽しい!」
凛「執行官になれたのも嬉しかったよ。凛、何かの役に立ててるんだ、って」
凛「一生、あの場所で終わっていくのかな、って思ってたから」
凛「サンライズシステムは気に入らないけど、そのおかげで今こうやって外に出てる、と思うと。なんともいえないけどね。卵か先か鶏が先、っていう話でもないけど……あれ? 新人さん?」
千歌「はぁっ、はぁ、は……」
千歌(し、喋りながら、よくあんなに走れるな…) 凛「どーしたのー!」
千歌(…でも、あの無邪気さも、なんとなくわかったかも)
千歌(…7歳から潜在レズ…)
千歌(その頃の私、のんきに遊んでばっかりだったのに)
一度潜在レズとサンライズシステムに認証されると、もう二度とただの人間には戻れない。
システムの答えがすべてだから。
千歌(……)
凛「ねー! 今度は水泳付き合ってー!」
千歌「トライアスロンでもするつもりですか」
ーーー
真姫「絵里、わかったことがひとつ」
絵里「なに?」
真姫「今度の、矢澤にこも出演する、アイドル大感謝祭の生放送後に、矢澤にこが後輩アイドルを招いて『細やかなパーティー』をする、そうよ」
絵里「…そんなの、普通じゃないの?」
真姫「ごりごりのパスワードかけたメールでのやり取りよ? ただのパーティーでそこまでやるかしら?」
絵里「そんなメールをどうやって突き止めたのよ…いや、聞いてもわかんないからいいわ」
真姫「その通りよ」
真姫「とにもかくにも、当日はなんとかして後を追いなさい」
真姫(ただ。仮に矢澤にこが潜在レズだったとしたら、…なぜ未だにひっかからない?)
真姫(それも調べるか…)
ーーー
千歌「今日は、海未さん…」 今回はここまで。
サイコパス再放送中なので、ぜひ。
また明日に。 凛ちゃん7歳からとかプロレズか…
>>72の数字は変換ミス…? >>68
見たの大分前だからうろ覚えだけどレズ女子校で殺人事件が起きる回があった筈 というか、執行官がまずレズレズ(非百合)だろう
2になってから監視官とも百合っぽく >>30
>>68
>>84
サブキャラ二人はレズ
レズセ事後もある
りきゃこ事件は再放送ではカットされた ァッ,ンァ…!
千歌「ン?」
イッ,イイヨッ,ソレェ,ンミチャァ…
千歌「……」
千歌(やべぇかな)
千歌「今回は、次回に持ち越すということで…」
海未「なにをしてるのですか?」
千歌「あれぇ!?」
海未「人の部屋の前で。…なにを」
千歌「あ、いや、でも……あれ?」
千歌「部屋に…」
海未「……」
海未「少し待っててください」 千歌「ぁ、はい」
ーーー
ことり「いや〜、残り香が濃くってぇ、つい」
千歌(いつもこんな感じなんですか?)
海未「いつもこんな感じです」
ことり「ところで、千歌ちゃん、だったよね。今日はどうしたの〜?」
千歌「あぁ、それは…」
ーーー
海未「コミュニケーション、ですか」
海未「…それは構いませんが、大丈夫ですか?」
千歌「なにが、かな…?」
海未「私たちは潜在レズとして隔離される人……」
海未「あなたに何かしらの悪影響がないとも言えない。……それに、ことりは」
ことり「み〜んな食べちゃった」
海未「もちろん性的な意味です」
千歌「はあ…でも大丈夫ですよ。だって、私は」
千歌「『免姓体質者』ですから」 海未「! ……そうだったのですか」
免姓体質者。
簡単にいってしまうと、レズ系数が上昇しないのだ。
千歌「それを活かせる、いい職場でしょ?」
海未「…ええ。これ以上ないくらいに」
ことり「…あれ、まって。じゃあさ」 ことり「それって〜、いくらやっちゃっても大丈夫ってこと!?」
千歌「そういう問題では…」
海未「すみません、ことりは可愛い子に目がなくて…」
海未「……さて、コミュニケーション。潜在レズとのコミュニケーションなんて、一つしかないでしょう?」
ーーー
そう言って、何故か私たちは裸の付き合いをしていた。
千歌「なぜお風呂に?」
海未「ひとつ、もしかしたらしているかもしれない勘違いを正しておこうかと」 千歌「勘違い?」
海未「レズだからといって、誰にも彼にも反応するわけではない、ということです」
千歌「……」
ことり「……」ハアハア
千歌「あの…」
海未「例外もあります」
海未「……それでも、そう言い張るしかないんです」
海未「あなたも、知っているでしょう? こんな風に欲情するのは、私たちなら仕方のないことだと」 海未「何十年も前に、『男性』は地上から姿を消した」
海未「なのに女だけで今まで、人類が反映できたの何故か、知ってますね?」
千歌「…人口精液」
海未「そう。その通り。……精液のクローンといった方がいいでしょうか」
海未「私たちの母親も、そのクローンを体内に入れて、私たちを孕んだ」
海未「そう考えると、私たちは純粋な人類ではないのかもしれませんが」 千歌「でも現に今、ここまで成長している」
海未「ええ。……不思議なものですね、人間って、簡単に作れてしまえる時代だなんて」
千歌「2209年だもん」
海未「それでも、大して町並みは変わってないそうですよ? 実際みたことがないので、確かめようがありませんがね」
海未「話がそれましたね。…女だけの世界だからこそ、『レズ』を許さない世界になってしまったのかも」
千歌「じゃあなにを好きになれば…?」
海未「それもわかりません。ただ、私は」
海未「…女性同士が好き合うことが、悪いとは思えない」 海未「まあ、ことりみたいに、欲望に従順すぎるのも、どうかとは思いますけどね」
そう言って、クスリと笑う。
その横顔が、とても綺麗だった。
ーーー
絵里「そろそろ終わったかしら、あの子……癖がある執行官たちだものね、……あ」
ルビィ「……」
絵里「ルビィ……」
ルビィ「子守りは大変?」
絵里「え? えぇ、まあ…でもあの子、とっても真面目で、執行官達とも仲良く──」
ルビィ「屑と仲良くしてる? ……大丈夫その子?」
絵里「……」
ルビィ「そんな調子じゃ、また執行官堕ちじゃない? どこかの誰かみたいに、ね…」
絵里「…ルビィ、あなた…変わってしまったわね……」 海未「まあ、ことりみたいに、欲望に従順すぎるのも、どうかとは思いますけどね」
そう言って、クスリと笑う。
その横顔が、とても綺麗だった。
ーーー
絵里「そろそろ終わったかしら、あの子……癖がある執行官たちだものね、……あ」
ルビィ「……」
絵里「ルビィ……」
ルビィ「子守りは大変?」
絵里「え? えぇ、まあ…でもあの子、とっても真面目で、執行官達とも仲良く──」
ルビィ「屑と仲良くしてる? ……大丈夫その子?」
絵里「……」
ルビィ「そんな調子じゃ、また執行官堕ちじゃない? どこかの誰かみたいに、ね…」
絵里「…ルビィ、あなた…変わってしまったわね……」 ルビィ「……正しいよ、『私』は」
ルビィ「『レズ』は殲滅しなきゃ。世界が綺麗であるために」
ルビィ「違う? 絵里さん?」
絵里「……」
小さな巨人に、圧倒されていると、端末に連絡が入る。
真姫からだった。
絵里「…絵里よ。…なに? わかった? ……うん、うん…ありがと、すぐ行く」
絵里「『矢澤にこ』は潜在レズ──了解」
通話を切り、分析室へ向かう。
ようやく仕事の時間だ、と足早に。
ルビィ「……なん、て?」 ルビィ(矢澤にこが……、潜在、レズ……?)
ルビィ「…………」
ーーー
千歌「矢澤にこ…って、あのテレビにもばんばん出てるアイドル、ですよね?」
絵里「えぇ、そうよ。……これは上手くいけばかなりの騒ぎよ」
絵里「必ずとっちめてやりましょう」
千歌「…でも、本当に? 係数だって、正常なんですよね?」
絵里「そう、そこが不可解なの」
絵里「実はね、真姫に調べてもらった事のなかに、こんなこともあったの」 独自路線で行くって言ってるのに態々原作キャラに当てはめなくてもいいやんけ それは矢澤にこの自宅で行われたパーティー。
その中にはやはりテレビでみたことのあるアイドルたちもいて、いわゆる『芸能人のパーティー』。
千歌「これが…どうしたんですか?」
絵里「この、矢澤にこ以外の三人は、全員潜在レズだったの」
絵里「それも一人は300オーバーのね」
千歌「……!」
絵里「おかしい、と思わない?」
絵里「このメンバーで集まることが多い中……矢澤にこだけは、レズ係数がアンダー60程度」
絵里「執行対象外なの」
千歌「…それだけ、芯がある人、なんじゃ?」
ダイヤ「それはどうでしょうか」
千歌「ダイヤさん?」 ダイヤ「私たち潜在レズの面倒なところは、会話や日常生活を共に送ると、やはり少しずつ伝わっていくのです」
ダイヤ「意識されている、と」
ダイヤ「相手は女を好きになる女。たとえその気がなくても、それを感じとるとレズ係数にも変化は少なからずあります」
ダイヤ「……レズ係数は、あくまで『将来レズになりえる可能性』を現しているのです」
ダイヤ「まあ、そこのことりさんは完全にレズなのですが…」
ことり「えへへ」 海未「まあ、可能性がある時点で、私たちは『悪』と判断されてしまうのですがね」
凛「凛なんて、子供心によくわからないまま犯罪者扱いされたし」
絵里「ふふ、いろいろ話が出たけど、答えはシンプルよ」
千歌「?」
絵里「矢澤にこは…自身のレズ係数を偽っていたのよ」
絵里「この、サイマティックススキャン妨害チョーカーでね」 サイマティックススキャン×
サイマティックスキャン○ 千歌「それは?」
絵里「簡単にいうとジャミング、みたいなものかしら」
絵里「本当の数値を送らずに、別の数値とすり替える…これで矢澤にこは低いレズ係数であるかのように偽っていた」
千歌「そ、そこまでわかってるなら、もう楽勝では!」
絵里「いいえ、まだよ」
絵里「明確な証拠がなくてね。…その場ではずしてから、数値を確認させろ、と言って違ったら、間違いなく公安に泥を塗ることになる」
真姫「そもそも、全部仮説だしね。いまの」
千歌「えー?! そうなんですか!?」
絵里「ま、真姫、言わないでよ」
真姫「新人にかっこつけたいのはわかるケド、ほどほどにしなさいよ」
絵里「うぐ…」
真姫「ただ、サイマティックスキャン妨害チョーカー…それは有り得るかもしれない」 今回はここまで。
用語等は本家から使うことが多いかと。
キャラクターに関しては少しイメージするものもあります。凛は縢…だとか。
また明日に。 スレタイでネタスレかと思ったらわりとシリアスモノで驚いた
続きも期待 海未「可能性は無いとは言えません」
海未「ですが……そんなものをどうやって調達したのか、という問題が出てきます」
海未「サイマティックスキャン妨害……言ってしまえばもうそれは、違法ですからね」
海未「そんなものを調達する時点で犯罪ですし、いま彼女はテレビにも毎日出演する人気アイドル」
海未「……共謀者がいる、か」
絵里「なんにせよ、怪しいのは確かよ」
絵里「真姫、こんやなのよね? その『細やかなパーティー』っていうのは」 真姫「えぇ、そうよ。このまま放っておくわけにもいかないから、さっそくこれ」
千歌「なんですか、これ?」
真姫「当日の参加券よ。もってればたぶん誘われるわ」
千歌「た、たぶんですか」
真姫「もっと確実にいきたいなら」
真姫「そうねぇ、この中で一番可愛いのって誰なの?」
「「「!!!」」」 千歌「……」
凛「……」
ことり「……」
ダイヤ「いや、そんな……こんなときに、なにを」
海未「ですが、確かに……」
海未「適当に選出するよりかは、意味があるかと」
絵里「とはいってもねぇ…」
絵里「いや、私が決める。なんだか長くなりそうだし」
「「「……」」」
絵里「責任重大だけど、忍び込むのは……!」 じゃあ後でまた見に来る
>>122
にこっちも気になるがレズフォビアなルビィちゃんも気になる
ちなみにフォビアは無自覚な同族嫌悪が一因である可能性もあると言う… ダイヤお姉ちゃんが執行官で云々って事で嫌悪してるんだろうな ーーー
ことり「ふんふふ〜ん♪」
千歌(大丈夫なんですかね…?)
絵里(まあ、大丈夫よ。仕事は一応ちゃんとする子だから)
千歌(というか執行官のみんなが絶妙に不服そうなのは)
絵里(そこらへんは、プライドの問題でしょうね。ほら、ちゃんとみてるわよ) ことり「あっ、すみませぇん、ちょっとお話いいですかぁ?」
にこ「あら、なぁに?」
千歌(食いついた!)
絵里(いい感じね……あとは、上手くことりがパーティーに誘われるか)
千歌(さて、どうなるか……)
絵里(頼むわよ、ことり…) ーーー
にこ「へー、じゃあ最近になって?」
ことり「そうなんです〜、ふふ。それにしてもぉ、にこさんってテレビでみるより…可愛いですね〜!」
にこ「ふふふそーでしょ!」
にこ(う〜ん、今日はなんだかこのピーンときて、一人だけ誘っちゃった)
にこ(それに…)
ことり「えへへ〜、なんかぁことりぃ……ちょっぴり、お酒のみすぎちゃいましたかもぉ…」ポヨン
にこ(ぐっへへ) にこ(やれやれ、過ごしにくい世の中と思ってたけど)
にこ(これのおかげで、私は美味しい思いができるわね…)
にこ(あの人……桜内とか言ってたっけ。このサイマスティックスキャン妨害……最高じゃない)
ことり「……」
にこ「あぁ──それなら、少し休憩する?」
にこ「にこって、結構マッサージとか上手いのよ〜」 ことり「ふふ」
にこ「……」
にこ「ねぇ……」
ことり「んふふ、ことりも、『休憩』したいなぁ…にこさんのお部屋で…」
にこ(ヤれるッ!!)
ことり「んー…」
にこ(わぁお大胆! そして情熱的ぃ…!)
唇が近づく。その瞬間に、ことりが首の後ろに回していた。
かちり、とチョーカーを外す音。その音に気づかないわけがなかったが、気づいたときにはもう遅かった。
にこ「なっ、なにしてっ」
外れたチョーカーを窓から投げ捨てる。
その先をみて、視線がことりから外れた隙に、バックからラブライバーを瞬時に取り出し、片手だけでベッドに押さえつける。
『レズ係数 252 執行対象です。執行モード、ノンリーサル・パラライザー 落ち着いて照準を定め対象を制圧してください』
にこ「なっ!? あ、あんたっ、まさかっっ」
ことり「執行します」 パラライザーモードで撃ち抜く。
気絶したのを確認してから。
ことり「……海未ちゃん以外にキスとか体許すわけないじゃない。アイドルアイドルってうるさいよ」
prrrr…
ことり「……もしもし」
海未『ことり? ラブライバーの起動を確認しましたが、状況は?』
ことり「ぁ〜んンミチャ! ことりぃっ、襲われそうになったの! だから『必死に』『無我夢中で』チョーカーとって、それはもうか弱い女同士の戦い、ギリギリだったけどなんとか制圧したよ!」
海未『そうですか、よかった』
ことり(はうぅ! 心配してくれてるぅ! 今のだけでことりの係数100はあがっちゃうよぉ!)
海未『では、待ってますので。なるべく不振に思われないように出てきてくださいね』
ーーー
海未「何一つ問題なく片がついたそうです」
絵里「さすがことりね」 千歌「へぇ…なんだか、いまのところ……結構あっかり、終わりそうですけど」
絵里「まだまだ新人、ってとこね」
千歌「へ?」
絵里「言ったでしょ? チョーカーを外した…それでパラライザーで執行できる数値になった、ということなら。やっぱりあのチョーカーはサイマスティックスキャン妨害で間違っていなかった、ということ」
絵里「なら次は、そんなものを誰から手にいれたのかを調べなければいけない」
絵里「そのためには、矢澤にこからの自白が必要なの」 千歌「なるほど…」
千歌「しかし、それをぬきにしても…世間は荒れそうですね」
絵里「まあ、大人気アイドルが潜在レズだった、なんて…しばらくはテレビはそればかりよ」
絵里「ファンの人たちに、逆恨みされることもあるわ」
千歌「……」
絵里「でも、仕方ないのよ。誰も許してくれないの」
絵里「『サンライズシステム』がレズだといえば、そうなのよ」
千歌「はい…」 ーーー
『矢澤にこ、潜在レズだった』
『来月からのドームツアー、全公演キャンセル』
『主演予定映画の製作を取り消し』
ルビィ「うわぁぁぁん! やだよぉにこちゃん! せっかくドームツアーっ、最前線当ててたのにぃ!」
ルビィ「映画だってすごくワクワクしてたのに! う、うぅ…」
がくりと項垂れる。
普段は他の係の人間には絶対に見せない姿、姉にはなおさらみられたくない。
それを唯一知っているのは…
prrr…
ルビィ「ぅゆ……なぁに、善子ちゃん…」
善子『なぁにじゃないわよ! もうみんな集まってるんだから、早くしなさい!』 善子「早くしなさいよね! じゃ!」
善子「たく、仕事に遅れることなんて、なかったのになにしてんだか」
理亞「監視官って言ったって人間なんだし、そういうときもあるでしょ」
善子「執行官のあんた達はみんな時間通りに来てる、ってのも変な気分だけどね」
あんじゅ「これじゃ不完全なフルハウスね」
善子「何言ってんの?」 今回はここまで。
明日はもう少し多めに。夜から(深夜になるかと)
再開 >>140
レズではあるがレズに振り回されずにレズを楽しみつつも完全に制御してるな…
自分のレズに対して攻めキャラ
そのことを全部わかってる感のある海未も別方向に強そう、脆いところもありそうだけと 善子「はぁ、先が思いやられるわ…」
善子「そんなことより、私たちも一係と三係には負けてられないわよ」
善子「そこらへんはわかってるんでしょうね!?」
あんじゅ「そんなにかりかりしてたって、いいことないわよ〜」
あんじゅ「それより今度、新しい下着買いたいから外出に同行してよ」
善子「だから真面目に…。今回のアイドル確保も、三係の絵里と新人のとこの執行官がやったのよ?」
善子「私たちも、ここ最近は目立った活躍ができてないんだし、そろそろ…」 理亞「それなら、これとかどう?」
善子「なによ…、なにこれ」
理亞「風俗のチラシよ」
善子「ふ、風俗? …存在がド違法のアングラな見瀬がなんでまだあるのよ」
理亞「それがおかしいとおもったから、私もいってきたのよ」
善子「行ったんかい」
理亞「話は最後まで聞きなさい」
理亞「あくまで捜査よ。でも不可解だったのは、店長がいないのよ」
善子「店長不在? それくらいその日何かの都合でいなかったとか…」
理亞「ためしに一週間通いつめてみたけど、一度も姿を表さなかったわ」
善子「ハマってんじゃない」 理亞「そしてなにより、スタッフの嬢達がみんなレズ係数は執行対象だった」
理亞「なぜそんな状態なのになぜ無事に入られるか、それがわからない」
善子「それもそうね…」
善子「よし、ルビィが戻ってきたら取りかかりましょうか」
善子(謎の風俗店を調べてみようか…) ルビィ「ごめん、遅れた」
善子「ルビィ、なにやってたのよ」
ルビィ「ちょっとね」
善子「そう、まあいいわ」
善子「さあ、私たちもいくわよ。公安のエースが誰なのか、ここらでハッキリさせてやりましょ」
ーーー
ーーー
絵里「さて、矢澤にこさん? 具合はどう?」
にこ「最悪よ…」 絵里「だめよ、あなたは潜在レズ」
絵里「システムに逆らうことは許されない」
絵里「現に今、あなたのサイコレズ係数は270まであがっている。あなた、他に監視の目がなければ、犯そうとでもおもってるでしょ?」
にこ「そんなこと…」
絵里「ねえ、本当に話してくれないの?」
にこ「…」
絵里「話してくれれば、あなたをなんとか社会復帰できるように協力したいのだけど…」
絵里「じゃなかったら、あなたは潜在レズとしてここで一生隔離されて生きることになる」
絵里「それは嫌でしょう?」 ノンケにもなレズ、レズにもなレズ
正に地獄にこぉ... にこ「……っ」
にこ「私だって…言いたいけど、何て言えばいいのかわからないのよ」
絵里「分からない?」
にこ「顔がわからないのよ……だってプロジェクションマッピングで誘導されただけだもの」
絵里「…実際にはあってない、と?」 にこ「いきなり現れて……そこにいいものがあるから、っていうだけで…そうしてみたら、あのチョーカーが」
絵里「顔とか、髪でもいい……何か一つヒントを」
にこ「強いて言うなら……」
にこ「『クローバー』のヘアピンをしてたわ」
絵里「……ふん?」
絵里(クローバーのヘアピンね)
絵里「まさか、ね……」
──
梨子「どうして私たちはこんな時代に産まれたのだと思う?」
花丸「どうして……わからない」
花丸「お母さんが今産みたいと思ったからじゃない?」
梨子「今産まれるべくして産まれて……やらなければならない事があるの」
梨子「そうでしょう、なら今私たちは、女だけのこの時代に産まれていない」
花丸「レズも関係してる?」
梨子「開放すべきと、言いたいわけじゃない。それは当然であるべきことだから」 梨子「この体に産まれたことに意味があるのだとしたら、それを証明しなければいけない」
梨子「必然であるし、私はそれがやらなければいけない、なにかであるって」
花丸「よくわかんないずら」
梨子「人は昔から何かを許容できない生き物だから」
梨子「変わる時がきたのよ、人類は」
梨子「変わらないものもあるけどね」
花丸「またその薄い本? 好きですね」
梨子「今じゃこれも廃れてしまったけど、昔の職人たちが魂をかけて残したものよ」
花丸「ふぅん。そうなんだ」
梨子「壁の本を読みなよ」 ──
絵里「ふう、それにしても。なんとかなるかしら」
千歌「あのにこ、って人ですか」
絵里「とりあえず、今は隔離よ……でも、できることなら私は、あの人に執行官になってほしい」
絵里「人脈も広い、それに案外今の自身の現状にそこまでショックを受けていない」
千歌「潜在レズになると、それだけで人生終了と嘆く人もいるのにですか? ただでさえ、人気アイドルで知名度もあるのに」
絵里「隠れてこそこそする必要がなくなったから、これはこれで楽になったって」 絵里「まあ、とりあえず。一件仕事が済んだのも確かだし。飲みましょ」
千歌「お酒は、監視官の特権になってしまうとは」
絵里「酔いが回ると、的確な判断ができなくなる」
絵里「それで人を性的に襲う……そんなことが昔からあった」
絵里「次第に酒類は禁止されていった」
絵里「手に入れられるのは、特別な許可証を所持しているものと、自動的にその資格を持つ監視官のみ」
千歌「でも、違法売買の話も……」
絵里「ええ、その通り」 絵里「そして、その酒類を客に提供している風俗店があると、調べ上げました、っと」
千歌「いつの間に」
絵里「こう見えて仕事はできるのよ。……それに、二係の連中も偶然ではあるけれど、この風俗店を調べるみたいよ」
絵里「競争、対決になるわね」
千歌「なるほど……」
絵里「それに、今回の件で局長にお願いしたいこともあるしね」
千歌「それは…」
絵里「それは後でのお楽しみね」
絵里「もっとも、統堂英玲奈局長が何と言うか、だけど」 高尚そうなこと語りながら同人誌読んでるの想像してワロタ ーーー
善子「さあ、そろそろ行くわよ。絵里んとこに先越される前に、片付けるわよ」
ルビィ「うん」
善子「理亞の話が本当なら、摘発は難しいかもしれないし…そうね、ここはやっぱり、嬢に直接聞くしかないか」
善子「誰が行く?」
あんじゅ「だったら私が行くわぁ、監視官様は、そういうの嫌だろうし」
あんじゅ「適材適所、ってね」 ルビィ「それもそうだね。じゃあ頼むよ」
あんじゅ「お任せあれ〜♪」
ーーー
千歌「風俗店…まだあるんですね」
絵里「みんな自分の欲望は押さえられないのよ」
絵里「制限されているなら、なおさらね」
千歌「性欲は教えられることはなくなった……三大欲求から性欲は消されて、二大欲求と言われるようになった」
絵里「その通り」
絵里「結局のところ、人間の本質には逆らえないものね」
絵里「さて、誰に潜入させるか…」
千歌「私たちじゃだめなんですか?」 絵里「監視官っていうのは、毎年大々的に発表されるからね。顔が割れている可能性が高いわ」
絵里「違法で商売してるなら、なおさら神経質に」
絵里「だから逆に、隔離されている執行官ならいえる、ってわけ」
絵里「また、ことりにお願いしようかしら」
真姫「そのことなんだけど、悪い情報よ」 善子のポジションってなんなんだ
まきちゃんと同じ分析管? 「壁の本」って「壁サークルの本」って意味かと思った
意味ありげなセリフが続くので深読みし過ぎた 真姫「ことり、しばらくメンタルケアよ」
絵里「え?」
千歌「なにかあったんですか?」
真姫「例のアイドル事件のときに、レズ係数が少しあがってしまったみたいで」
真姫「一週間はメンタルケアのために出られないわ」
絵里「そう…わかったわ」
真姫「それと、もう一つ」 真姫「そもそもの素質と、元アイドルとしての人脈の広さ。……この速度は異例中の異例だけど、ペーパーみたいなものね」
真姫「あなた達が面倒を見るのよ──ね、にこちゃん?」
にこ「うるさいわね…」
千歌「あ、あの人…」 絵里「執行官になるってこと?」
真姫「えぇ。それに、その風俗店。その人もよくいっていたらしいし」
にこ「隔離されるよりはいいわ」 にこ「私がいけば、変に怪しまれないでしょ?」
にこ「お金はらって釈放されて、やさぐれて行ったってことにしましょ」
千歌「頼もしいです 」
にこ「こらこら、潜在レズに頼もしいなんて、言うもんじゃないわよ」
にこ「ちゅうしちゃうわよ、ってね」 絵里「任せてみましょう、どうせ逃げ出したのなら、ラブライブーで撃ち抜くだけよ」
にこ「怖い怖い」
ーーー
ルビィ「善子ちゃ……善子。例の風俗店の店長の可能性のある人を突き止めたよ」
善子「みせて」
ルビィ「名前は東條希。これが驚きだったんだけど、この人。自分も嬢として働いてて。だから店長がいない、なんて勝手に勘違いしてしまっていたみたい」 ラブライブーでなんかワロタ
呼び捨てに言い直すの好き ???「執行モード、メルティ・ミナリンスキー。慎重に照準を定め対象の脳を溶融してください」 このスレの影響で気になってサイコパス見てみたけど本当にレズレズしくてワロタ
普通にレズセしてるし 脚本主導してんのが百合じゃなくレズ(ここ重要)大好き深見真だから当然 本家はどちらかというと薔薇じゃないのか?
レズ+バラって世界 深見ワールドは男女共に同性愛が基本
描写もソフトめからぐっちょりねっちょりまでどんとこいですだから仕方ない 善子「ふぅん…」
善子「いいわね、そこまでわかってるなら、後は楽じゃない?」
ルビィ「どうだろうね」
善子「…?」
ルビィ「それだけなら、きっともっとはやく解決していたと思うな、私」 ルビィ「問題としてはそれだけじゃない。いいかな、サンライズシステムがレズと言えば、それは罰を与えなければいけない」
ルビィ「…誰であろうと、ね」
善子「わかってる」
善子「あんじゅのバックアップも用意してる。でもここの常連からはお門違いの匿名のクレームでもきそうね」
ルビィ「無視しときなよ。向こうだってレズであることは言えない。言いたいだけの連中だから」 善子「ま、それもそうね」
カチンッ
善子「…あれ、あんた煙草なんて吸ってたっけ」
ルビィ「ちょっとね」
善子「ま、いいけど。花丸が知ったらガミガミ言いそう」
ルビィ「内緒にしててね」
善子「わかってる。……今頃なにしてんだろ、あいつ」
ーーー
花丸「公安局が動き出した見たいですよ」
梨子「一つの課題ね」
梨子「悪だと信じて疑わない彼女等のめに、アレがどう目に写るか…楽しみね」
梨子「何かを悪だと思うときは、その人物もまた何かから悪だと思われている」
梨子「善だと信じていても、善と思われるわけではないのだけれどね」
花丸「性善説?」
梨子「尊い考えではあると感じるよ。だけど時には捨てることも考えないとね」
梨子「その捨てる行為を、彼女達が出来るのか、それとも……」
ーーー 理亞(そういえば…なんか言うことあった気がするけど…なんだったっけ)
ーーー
にこ「じゃ、行ってくる」
絵里『頼むわね』
千歌『よろしくおねがいします』
にこ(さて、…今日はいるかしら)
にこ(ここには『店員なんていない』)
にこ(客同士がお互いの相手をする……『だから店長なんていない』)
にこ(でも、明らかに…一人、気になる人がいる)
にこ(あの無駄に胸のでかい、エセ関西弁) 店長と店員のいない風俗店。
そこはただ単純に、レズ同士が集まり、やりたいことをやる乱れた場所。
一つ便利なところとして、ボタン式の注文装置を通せば、酒が出てくる。
それがどこから補給されているのかはわからないけれど、お金を払えば禁止されている酒類が手にはいる、秘密のスポットにさえなっていた。
にこ「さ〜て、今日は…あ」
希「あ、いらっしゃ〜い」
にこ「噂は聞いてたけど、やっと会えたわね。店長さん?」 希「あれ、うちのこと知ってるの?」
にこ「まあ、いろいろとね」
にこ(やらないといけないのは、この酒はこの希が仕入れているのか、どうか)
希「え〜、嬉しいなぁ。じゃあ今日はせっかくだし、たっぷりサービスしてあげんとね!」
にこ(でもまっ、その前に楽しんでも、いいわよね)
ーーー
あんじゅ(う〜ん、謎ね。本当にお酒…それにいろいろある)
あんじゅ「ねえ、あなた。ここの店長ってあったことある?」
『私は…ないよ。でも気づいたらここはたまり場というか、そんな場所になってた』 あんじゅ「……じゃあいざとなったら、とんずらできるってことかしら」
あんじゅ(それより、ここに来るリスクが高いし、……いや、そもそも、なんのために、ここに酒を?)
あんじゅ(意味がわからないのよねぇ…)
あんじゅ(それを調べるのが、仕事なんだけどね) あんじゅ(逆にいえば、怪しまれずに邪魔もされずに操作できるかも、ってところかしら)
あんじゅ(さて、そうとなれば)
あんじゅ(一発ヤっときましょ!)
ーーー
絵里「なにをやってるのよ、あの二人は…」
千歌「あ、あはは…」
絵里「…まあいいわ。会話の限りじゃ、だまっていれば私たちも『そういう連中』としか思われないでしょう」
絵里「いくわよ」 千歌「結構広いですね」
絵里「そうね、思っていたよりも」
絵里「さて、どこかに酒の隠し場所があるはずだけど」
アンッ,アンッ!
イクッ,ァン,ァア…
絵里「耳栓でも持ってくればよかったかしら…」
千歌「ま、まぁまあ…」
千歌「…?」
千歌(いま、足の裏、なにか引っ掛かったような)
千歌(これは…テープの跡?) 千歌「絵里さん、これ…」
絵里「……」
絵里「…もしかしたら」
そういって、絵里さんはそばにあった本棚を動かせ…、
千歌「えっ、これは…」
絵里「ビンゴみたいね」
その下から、階段があらわれた。
絵里「あのテープの跡は、この本棚を固定していたものね」
絵里「しかもまだまだ粘着性があって…普通なら踏まれて、もう引っ掛かったような感覚なんてないはず」
絵里「ということは、これはつい最近、もしかしたら今日動かされたのかも」
千歌「…じゃあ、もしかして」
絵里「いるかもね、東條希」 千歌「…さっきの、通信では、にこさんが会ってたみたいですけど」
絵里「そうね。でも、まだこの目で確認するまではだめよ」
絵里「名前を語っただけかもしれないし、そこはまだ、ね」
千歌「はい」
絵里「行きましょう」
ーーー
千歌「わ、す、すごい…こんなにたくさんのお酒…」
絵里「これじゃ、違法売買に、違法所有に……これじゃもう救いようがないわね」
絵里「千歌、記録に納めた? それを真姫に送るわよ」
千歌「はい、今送りました!」
絵里「…さて、あとは東條希本人を、とっちめるだけね」 千歌「なんだか順調ですね。なんの障害もなく進んでますよ」
絵里「ええ…怖いくらいに」
絵里「…というか、こんなことならにこに先にいかせる必要もなかったわね」
千歌「ま、まあまあ。そこは、ほら。…きっと、なにか縁が…」
絵里「…とりあえず、海未たちにも突撃させるわ」
絵里「それで全員摘発すれば、その中から東條希を探しだして──」
そう話していた瞬間。
派手に、正面入り口からトラックが突っ込んできた。
絵里「なに!?」
千歌「うわ!?」
ガッサャァァァン! と、心臓に悪いほどの衝撃音。思わず跳び跳ねてしまう。
絵里「っ、! あれは!?」
側の部屋から、一人の女が飛び出していく。
そしてトラックにのりこみ、そのままボロボロのたまり場ごと壊す勢いで迫ってくる!
絵里「っ! 千歌!」
絵里さんに抱かれ、間一髪で避ける。
絵里「ぅぎっ!?」 千歌「え、絵里さ…!」
絵里「っ、ぐ……!」
間に合わなかったのか、絵里さんの左足からは血が出ていた。
トラックの下敷きにされてしまったのか、あらぬ方向に向いてしまっている。
千歌「絵里さん!」
絵里「お、追って! いいから、だいじょうぶ…海未たちが来るから…!」
千歌「っ、ぅ……!」
感傷に浸っている場合ではない。とにかくあのトラックを、止めないと!
絵里「はぁっ、はあッ……! っ、デコンポーザーに、切り替えられるはずよっ、それで…」
千歌「はい!」 すみません、時間がありませんでした。
今週末からは十日間程GWですので、そこで多めに更新できればなと。
また明日に。 デストロイ・デゴンポーザー
対象を空間もろとも完全排除する、ラブライバーの本気。
とうぜん人に向けて撃つことは、許されない。
千歌「これであのトラックを…」
ーーー
絵里「あっ、ぁが…ふう、ぁ…」
海未「絵里! 無事ですか?!」
絵里「そう、みえる? 病院行きなさいよ…」
海未「病院にいくのはあなたです! ほら、いきますよ!」
肩を貸してくれるのかと思ったのだけど、予想外、海未は絵里を豪快にお姫様抱っこで持ち上げる。
絵里「わっ、ちょ、ここまでしなくても…」
海未「いいですから」 ーーー
ルビィ「あんじゅ! なにやってるの!」
あんじゅ『ごめぇ〜ん、つい〜』
ルビィ「バカッ! あとでお仕置きッ!!」
乱暴に通信を切る。
あまりにも連絡が遅かったから、待っていてはこれだ。次にどうすれば、と頭を抱えようとすると。
ドでかい破壊音。そちらを見てみると、これまたデカイトラック。
ルビィ「なんであれにきづかないの!」
ルビィ(なかに見えるのは…運転手と助手席に…だれかいる) ルビィ「いや、なんでもいい。こんなことして、ただですむと思わないことだね…!」
公安局は当然といえば当然なのだが、言い方を変えれば警察だ。
通常の犯罪にも対応するし、潜在レズが興奮しすぎて、相手を殺してしまうこともある。
ルビィ「あんなの、ヒト一人くらい跳ねたってあり得ないなんて言えない…」
『執行モード デストロイ・デゴンポーザー』
ルビィ「さて…ん?」
千歌「はぁっ、はぁ…!」
ルビィ(あれは…例の新人) ルビィ(先を越されてたまるか!)
ルビィ(とはいっても、このままじゃトラックには追い付けない…!)
善子「ルビィっーーー!!」
ルビィ「!」
ゴデゴデの黒光りするダークマシーン(善子命名)が爆走しながらやってくる。
バイクだ。善子のからだのサイズには似合わない大きさのバイク。見た目も無駄にインパクトがあるし、走るだけで注目されてしまうけれど、だけど今はそれを気にしていられない。
善子「乗って!」
ルビィ「うん!」 千歌「うわっ、わっ!」
ルビィ「べっー!」
子供じみたあっかんべー。もう既にルビィも良い歳のはずなのだが、それがやけに似合っていた。
千歌「どうしよ、このままじゃ……い、いや、あの人が解決してくれるなら、それはそれでいいんだけど」
そんなことを思っていると、さきほどのダークマシーンよりも激しくエンジン音を鳴らせるマシンがやってきた。
千歌「え?だれ? …え?」
ダイヤ「お待たせしました、千歌さん」 千歌「だ、ダイヤさん、バイク乗るんですか?」
ダイヤ「少しね。…のって、千歌さん。こちらも一係としての意地を見せなければなりません」
千歌「は、はい」
有無を言わさぬ威圧に圧倒され、千歌はダイヤの後ろに乗る。
ダイヤ「いきますわよ!」
千歌「いっ!?」
ダイヤ「しっっっかり、捕まっててくださいましぃッ!! 落ちたら死にますわよ!!」
千歌「うひゃぁぁぁぁ!?」 ーーー
希「ありがと、…助かった…」
花丸「いえいえ。これが仕事ですから」
花丸「…ぁ、すみません。ちょっと後ろに積んである車に乗ってもらっていいずら?」
希「ずら? …車? あ、これ?」
花丸「後ろから黒澤姉妹がおってきてますね。このトラックじゃ逃げ切れないから、それに乗り換えますよ」
希「こ、このトラックは?」
花丸「捨てるずら」 ーーー
善子「へっ、さすがにこのダークマシーンには、勝てないようね! 構えなさい、ルビィ、あそこをカーブして減速する瞬間を狙いなさい!」
ルビィ「うん!」
『デストロイ・デコンポーザー 対象を完全排除します。ご注意ください』
ルビィ「いまだ!」
一撃必殺のデコンポーザーが撃ち込まれ、トラックの半分が削り消える。
派手に爆発し、終わったと思えたのだが。
千歌「なんか出てましたよね?いま!」
ダイヤ「既に脱出していた、ということですわ。……凛さん? 聞こえます?」
凛『あいにゃ』
ダイヤ「例のものを試すときが来たかもしれません。用意を」
それだけいって、ダイヤは通信を切る。
善子「くそぉ! なめてくれちゃって!」
ルビィ「次は仕留める!」
ダイヤ「ルビィ!」
ルビィ「…!」
千歌「ダイヤさん…」
過去には。
この二人が、監視官コンビだったという。その姉が執行官に降格して、妹のルビィが思うことは、なんなのだろうか。
ルビィ「……れない」
ダイヤ「え?」
ルビィ「善子ちゃん! 飛ばして!
絶対にルビィたちで捕まえるよ!!」
善子「へっ、そうこなくちゃ!」
善子「あとあんたっ、普段からもそういう話し方しなさいよ! 呼び捨てとかっ、私とかっ、変な感じなのよ!」
ーーー
花丸「ところで、お金は?」
希「あ、ここに…」
花丸「約束通り、七割はもらうよ。いいね?」 希「ね、ねえ。うち、言われたとおり、あそこでいろいろ頑張ったけど…」
花丸「もうあなたは自由にはなれないよ。どこにいっても、公安局から追われるの。だから今後も手伝ってもらうよ?」
希「……」
花丸「別に痛い目に遭わせるわけじゃないずら」
ーーー
ダイヤ「……」
ダイヤ(…あの子)
ルビィ『…負けられない』
ダイヤ「……」
ダイヤ(一係としての意地…の前に)
ダイヤ(姉としての、意地を見せる必要がありますわね) |c||^.-^||
γ´⌒-−ヾvー-ヽ⌒`ヽ
/⌒ ( `i´ ) ⌒\
( ,,,人、.・_¥_・,.人,,,, )
\ ィ⌒ヽ i⌒ii⌒i ィ⌒ヽ/
((、、、(((\ニニニ/))), , ,))
`{_~l |(Θ)| l~_}'
( _.l l ⌒ l l._ )
\ I |i⌒i|. I /
⊂ニUl lUニ⊃
i___j トラック突っ込んできた所から状況が分かりづらいな
話の流れは分かるが、絵が頭に思い浮かばない トラックが入り口から突撃 希が乗り込む
↓
トラックが入り口以外の方向から脱出 絵里轢かれる
↓
よしルビちかダイとカーチェイ
トラックの運転席から積んであった小さい車に移る希丸(貨物部と運転席が直通してる構造?)
↓
ルビィがデコンポーザーでトラックの半分ふっとばす トラック捨てて車で逃げる希丸
こんな感じかな? サイコパス半分忘れかけてるけど車は自動運転だったっけ 花丸「さぁて上手いこと逃げ切らないとねぇ!」
小柄な体からは想像できないハンドル捌き。
それも驚いた希だったが、それよりも。
希「車、これいったいいつの…!?」
花丸「自動運転じゃ追い付かれるからね! 全手動だよ!」
希「が、ガソリン!? なんでまだそんなものが…!」
花丸「あるにはあるよ、探せばね」
花丸「っと、集中するね。追ってきたから!」
ーーー
善子「くそっ、なによあの車! 絶対なんかいじってるわよ!」
ダイヤ「このままじゃ、追い付けない…」 ダイヤ「善子さん、ここは協力するとしましょう」
善子「はぁ?」
ダイヤ「挟み撃ちですわ。私が回り込みます。あなたはそのまままっすぐ追ってください」
ダイヤ「スピードはあなたのマシンのほうが速い。きいてくれますね?」
善子「仕方ないわねぇ……ま、あんたのそれじゃ追い付けないものね!」
ドヤ顔でさらにスピードをあげて走り去る。
脇道にダイヤは抜け、回り込むためのルートを選ぶ。
千歌「追い抜けるんですか?」
ダイヤ「ふっ」
普段の立ち振舞いからは、少し想像しなかった笑みを見せて、グリップを握る。
ダイヤ「言ったでしょう、姉として、そしてまず、一係としての意地を見せると」 ーーー
花丸「どけどけ〜! どかないとはねちゃうぞ〜!」
花丸「いや、ついでに『食べちゃおうか』?」
希「こんなときに、余裕、やね…」
花丸「どんなときでも、人は余裕を持たないとだめなんだよ。ご飯を食べるときでも、運転をするときでも、えっちするときでも」
花丸「ちなみに、いまどこに向かってると思う?」
希「え?さ、さぁ…」 花丸「地獄かもね」
花丸「そうだ、本の受け売りなんだけど、地獄ってどこにあるか知ってる?」
花丸「頭の中だよ。ここ、脳ミソの中。だからどうしたって人は地獄から逃れられないんだって」
希「…しってる、それ」
希「…プロジェクト、伊藤」
花丸「詳しいずらね」
ーーー
千歌「うわわわ!?」
ダイヤ「千歌さん、ラブライバーはいつでも撃てる準備を」
千歌「へ!? は、はい!」 千歌「で、でもまだおいつけないんじゃ!?」
ダイヤ「行動予測は、捜査の基本。…間違っていなければ、この先で──」
千歌「! あれは!」
ダイヤ「ビンゴですわね」
希「前のバイク、さっきの!?」
花丸「ありゃりゃ」
善子「ふんっ、ちゃんとやることはやるのね」
善子「ルビィ! デコンポーザーはダメよ、パラライザーでしっかり狙いなさいよ!」
ダイヤ「……」
『執行モード ノンリーサル・パラライザー』
千歌「ダイヤさん? なにしてるんですかっ、こんなところで止まったらはね飛ばされますよ!?」
ダイヤ「大丈夫、この距離なら……間に合いました」
ラブライバーの発射音ではない。
もっと鉄臭く、油臭い、今じゃ見ることが少なくなったそれの音は、聞き慣れたものではなかった。
希「うんっ!?」
花丸「!」
前輪の右タイヤが突然パンクした。
既に応援を呼び、できる限り道を封鎖して一般人がいないようにしたことも幸いだった。派手にスリップし、自動車は派手に横に回転して、ダイヤ達の目の前でボロボロになり停車した。
凛「ふ〜、我ながらすんばらしい狙いにゃ」
スコープから離れ、満足げに言う凛。 ダイヤ「ありがとう、凛さん。お手柄ですわ」
凛『スナイパー凛とよんでほしいにゃ』
ダイヤ「はいはい、スナイパー凛さん」
千歌「……最初から、こうするつもりで?」
ダイヤ「上手くいけば、の場合ですわ。思ったよりも速くて追い付けなかったらダメでしたが…結果オーライ、です」
ダイヤ「いまの監視官たちは、ラブライバーに頼りすぎるところもありますから…」
ダイヤ「乱暴なやり方も、少しは覚えていてほしいですわね」
ダイヤ「……さて…」
善子「なによなによ、いきなりこれは!」
ルビィ「……」
ダイヤ「個人プレーだけでは、無理だったとわかってくれたでしょうか。まあ、それよりも」
ダイヤ「たっぷり、事情を聴かないと、ね?」
ーーー
ーーー 待ってるよ!
>>227
ふと思ったがデコンポーザーってかなりラブライブ要素だよね
千歌→みかん→デコポン→デコンポーザー これから取り調べが始まる。
基本的に監視官が行うのだが、いまは絵里が負傷し不在のため、千歌が行うことに。
千歌「…じゃあ、あなた。自分の意思でやってたわけじゃないの?」
希「うん……あの花丸って子から、脅されて…」
千歌「どうしてその時に公安局に通報してくれなかったんですか」
希「……」
大方、金を積まれたから、というのもあるだろう。黙るのは。 千歌(実際、この人のレズ係数はそこまで高くはなかった)
千歌(気を紛らわせるために、自分も参加してたのかも…その、女性たちとの交わりに)
千歌(だとしたら、あの人…トラックで突っ込んできた方が、もっと聞く必要がありそう)
千歌(たしか、いまは治療が終わって、こっちに向かってるんだっけ)
あの転倒をしたトラックにのっていて、無傷ですむはずがなく、一度病院に向かわせてからの現状だった。
千歌(名前は国木田花丸……希さんはそう言った) すみません体調を崩し風邪を引きました…。
エタることはないので…すみません。カイフクゴ… 千歌「さて、どうなるか…」
そうしているうちに、取調室の外から、慌てた足取り、いや走ってくる足音が聞こえてきて。
凛「たいへんにゃ! 国木田花丸が病院から逃げ出した!」
ーーー
花丸「たすかりました、梨子さん」
梨子「たまには動かないとね」
『うぅ…、』ビクッ
『あへ……♥』
花丸「いったいどんな人生を歩めば、あんな風に人を陥落させることができるのやら」
梨子「たいした人生は送ってないよ。普通の、ね」 梨子「それに、私としてとあなたをここで失うことは惜しいし」
梨子「さあ、行くよ。チョーカーをつけていれば、メンタルケアAIも反応しないよ」
花丸「ありがとうございます」
ーーー
花丸「それにしても、さすがに肝が冷えたずら。結構むちゃするんですね、公安局も」
梨子「そうじゃないと、抑えられない脅威もあるということよ」
花丸「そっか…ところで、次は何をするつもりで?」
梨子「ん、いや、なに」
梨子「少し、あの子が壊れるところもみておきたいかな、ってね」
目を落とすタブレットには、一人の女性。
花丸「渡辺曜。有名人ずらね」
梨子「飛び込みの選手。みんなの人気者、そして…高海千歌の親友」 ーーー
国木田花丸が逃亡したことについては、誰も責められなかった。
病院中、街中にあるサイコレズ検閲システムが作動しなかったのだから、誰も手を出すことはできなかった……事情を知らない、一部の人間は。
海未「トラックの暴走運転が、伝わっていなかったようです…」
海未「ですが、これでサイコレズであろうとなかろうと、最初から国木田花丸を追うことが出来る。……なによりもレズであるかどうかで、物事を判断する世の中だから起きた、状況かもしれませんね」
千歌「だからって…」
海未「気持ちはわかります…ですが、仕方ないんです」
海未「…監視官、明日は非番ですよね? すこし気分転換をしてくるべきです」
千歌「……」 ーーー
絵里「はい……千歌?」
千歌「絵里さん、大丈夫ですか?」
絵里「んー、…だめね。結構複雑に砕けちゃったみたいで」
絵里「もう少し復帰には時間がかかるわ……それまでは、すこし待っててくれる?」
千歌「はい…」
絵里「……思うところが、あるみたいね」
千歌「……まあ、少しは」
千歌「…罪だとか、…そういうことで」
千歌「本当に、レズだとか、そういうことで人を区分する必要が、あるんですかね。それが枷になって、出来るはずのことが出来ないことがあるんだって…わずかな時間で、いくつも見つかる」
千歌「サンライズシステムって…誰が作り出したんでしょう」
絵里「…わからない。でも…いまでは、レズであることは。この場所では強盗よりも殺人よりも重い罪」
絵里「裁判もなにもない、潜在レズと言われれば、そこで罪人として追放される……まだ人として扱ってくれるなら、もしかしたら殺人者である方が幸せと考える人もいるかもね」 千歌「…私には、そこがもう、わからないんです…」
千歌「レズ、って…なんなんですか」
絵里「…さあね」
絵里「それがわかるなら、きっとあなたも…こんなふうに悩んだりしない──」
ーーー
ことり「あ〜あ、せっかく戻ってきたのに、誰もいない…みんな非番か〜」
そうぼやいていたところに、一人の監視官がやってくる。
善子「げっ、あんた、戻ってきてたの…」
ことり「あれ? どうしてここに…」
善子「…あんたんとこの監視官二人が不在だから、今日だけは私が代行できたのよ」 >千歌「レズ、って…なんなんですか
ラ板にいると忘れがちなこの問題提起、大事にしていきたいね いつからなんの疑問も持たずに過ごすようになってしまったのか 言われてみれば……ってなるくらいにはみんな自然に受け入れてしまってるよね 善子「片方は怪我だし、もう片方は休み。ったく、監視官不足の結果がこうも自分が味わうことになるとは」
ことり「じゃ、もしもなにか事件があったら、一緒に行動するんだ?」
善子「不本意だけど、そうなるわね」
ことり「へ〜」
善子「…なによ。何の顔よ、それ」
善子「なんか手ぇだしたらすぐに撃つわよ!?」
ことり「なにもしないよ〜」
善子(苦手なのよね、この人…) ことり「ふふ、まあ同じ公安局の仲間なんだし、そう敬遠しないで──」
善子「…仲間、ね」
善子「異常者に言われても、嬉しくないわね」
善子「あなたは私の、私たちの犬で」
善子「仲間ではないわ」
ことり「……」 善子「なに? いっちょまえに傷ついた?」
ことり「いや、ことり。異常者、って言われるのがわからなくて」
ことり「いつもいつも。不思議だった」
ことり「私たちにそういう、変な名前をつけるのはいつだって他の誰かだった」
ことり「ねえ?」
善子「……」 善子「それは、システムが──」
ことり「またシステム。システム、そうだね、人っていつから自分で物事を判断できなくなったんだろうね」
ことり「なにか悪いことしたっけ、私たち」
善子「それは…」
善子「……」
善子(考えたこと、なかった…)
善子(いや。そもそも…それは考えることですら無かった)
善子(それは、当たり前のことで……だから私たちは、それらを迫害することを、自然に…)
ことり「いつかは、肌の色で人を差別してたって」
ことり「いまはおなじでも、結局なにかしらの理由をつけて来る」
ことり「キレそう」
善子「……」 ことり「な〜んてね、うそうそ。気にしないで」
ことり「ことり、おびえた女の子の顔をみる趣味はないんだよ」
ーーー
千歌「…休み、かあ」
千歌(やることないな……)
千歌(……あ)
千歌(そうだ、久しぶりに…)
ーーー
曜「あ、千歌ちゃーん! こっちこっち!」 これ曜ちゃんちかっちの目の前でレズ堕ちしちゃう奴やん 千歌「ひさしぶりー」
お互い成人してからは出会う時間がすくなくなって。
でもいまはなんとかこうやって、そんな少ない時間を見つけて、遊びに出掛ける。
曜「それにしても、千歌ちゃんどう? なんだかこの間も、いろいろあったみたいだけど」
千歌「まぁ、うん……なかなかに怒濤な感じ…」
曜「でもみんなのために、働いてくれてるって考えると、不思議な感じだなぁ」
曜「私なんて、ただ飛び込みが上手いだけで…」
千歌「そんなことないよ、曜ちゃんは。私の憧れだよ」
曜「へへ、エリートの監視官さんに言われちゃ、無下に出来ないね」 千歌「へへ、エリート、ね。…なんかそう言われると、悪い気分でもないね」
曜「ふふ」
曜「あ、そうだこれ。千歌ちゃんに似合うかなっ〜、て……」
千歌「なになに? ……わっ、髪止め、かわいいー!」
曜「へへ…良かった。喜んでくれて」
曜「実は私も自分用に、買ってさ…」
千歌「あっ、へへ、お揃いだね!」
そう言って、私はにっこり笑う。
それをみて、曜ちゃんも笑う。
曜「えへ」
ーーー そんな笑顔をみた、翌日に。
曜ちゃんは行方不明になる。
ーーー
ことり「……」
千歌「…なにしてるんですか?」
ことり「ん? 新しい法案が出来るとか、出来ないとかで。……ことり達に、なにか関係あること、一つくらいないかなぁ、って」
ことり「うーん、でも、やっぱりないみたい」
ことり「…あ、そうだ。ねえ、監視官ちゃん。いきたいところがあるから、同伴と外出許可もらえる?」
ーーー
千歌「それで、ここに?」
ことり「うん、新しい衣装とか、作りたくなって〜 」
連れてこられたのは生地屋。もともと衣装作りの趣味があったみたいで、それらの材料をかいに。 千歌「衣装作り、好きなんですか?」
ことり「うん! というより、可愛い子が可愛い服着てるのって、すごく良いと思うの」
ことり「海未ちゃんにもよく来てもらってたんだけど、…監視官ちゃん、来てみてくれない?」
千歌「私でよければ、まあ」 千歌(なんだか変な感じだけど…まあ、いいか)
千歌(こういう休暇も、悪くないかな)
ーーー
ことり「きゃぁ〜ん♥ かわいい〜!」
千歌「こ、こ、これはどうなんですか…」
千歌(めちゃくちゃフリフリしてるんですけど!?)
ことり「やっぱりすごくにあってるよ〜!」
千歌「あ、あの、私今年で2×歳なんですけど…」 ことり「ふふ、ギルティ」
千歌「なにが!?」
ーーー
花丸「呑気に遊んでるずら」
梨子「じゃあ今こそアクションね」
花丸「手紙でもだす?」
梨子「なんでもいいよ」
ーーー
千歌「……?」
ことり「どうしたの、監視官ちゃん」
千歌「端末に連絡が…だれだろ」 2×歳でもどうせロリついてるから関係ないだろう
母親を見ろ 千歌「もしもし?」
花丸『あなたの大事なお友だちを預かってるよ。ここにいるからおいでー』
千歌「は?」
ことり「どうしたの?」
千歌「……」
千歌(……この端末は一般人は通信できない。いたずらは出来ない…それと)
千歌(曜ちゃんの返信がない…)
千歌「まさか……」 千歌「ことりさん、悪いですけど、すこしついてきてくれますか?」
ーーー
ことり「ここ?」
千歌「はい…ここから下に入っていくみたいです」
送られてきたマップは、古びた外壁で囲まれた、もう誰も住んでいない廃墟だらけの街。
ことり「絶対に罠だけど」
千歌「行くしかない」
ことり「いや、私が行く。監視官ちゃんを誘っているなら、のってあげる必要はない」
ことり「武装許可をもらえるかな」
千歌「はい」 千歌「監視官権限で執行官に武装許可を申請します」
千歌「…レベル2。…小型の拳銃。それに弾は6発まで…」
ことり「いいよ、それで」
ことり「…さて。じゃあいってくるね」
ーーー
ことり「……暗いなぁ。それに、臭い…」
ことり「…監視官ちゃん? きこえる? こっちであってる?」
千歌『いまのところは。…でもなんだろう、これ。…電車?』
ことり「ぽいね、もう動かないと思うけど」
ことり「…中はどうだろう、見てみよう」
千歌『気を付けてくださいね』
ことり「よいしょ……うん、なんだろう。昔のちかてっ、つっ!?」
乗り込んだ瞬間、電車が走り出す。
千歌『ことりさん?! どうst──』
ことり(だめだっ、どんどん離れていく! 電波が届かなくなる…!)
ことり(向かう方向になにがあるのか…わからないけど、監視官ちゃん。間違っても、脱走したなんて思わないでよ!) 千歌「ことりさん!? …だめだ、通信が届かない…どうする、どうする…」
千歌(絵里さんは入院している、…他の執行官にしても、人によっては脱走したと決め込んでしまうかも…頼れる人、頼れる人……!)
千歌「……海未さん! 聞こえますか!」 原作からしてこの展開はヤバいと思ったけどレズになっても人が死ぬわけじゃなかった ーーー
ことり(とまった…)
ことり(どこまで来たんだろう…)
ことり(なんにせよ、動いたってことは…やっぱりなにかしらの罠だったってことだね)
ことり「……物音」
ことり(誰かいる? ……!)
曜「……」
ことり(この子は……?) ことり「……生きてる?」
曜(ん、ん……)パチッ
曜「わっ!? え、え、こ、ここ、どこ…あなたは…」
ことり「落ち着いて。公安局の者だよ……」
ことり「助けに来たよ」
ーーー
ことり「…じゃあ、あなた。監視官ちゃんの友達の」
曜「は、はい……」
ことり「で、どういうわけか、気づいたらこんなところにいた、と」
ことり(やっぱり罠か…だとしたら、どうするべきか)
ことり「外に出るしかないかなです」 ことり「ちゃんとついてきてね」
ーーー
曜「…あ、あの」
ことり「ん?」
曜「執行官…なんですよね」
ことり「そうだよ。…怖い?」
曜「い、いえ…そういうわけじゃ」
ことり「いいよ、別に」
ことり「それより、ちょっと止まって」
曜「?」 ことり(誰かいる…今度はなに?)
ーーー
ーーー
花丸「今度は、どうするずら?」
梨子「ちょっと面白い人を呼んでみたわ」
花丸「面白い人?」
果南「どうも〜」
花丸「いやだれずら」 梨子「ノックアッパーよ」
花丸「ノックアッパー?」
梨子「ノックアップからの造語よ。本人がそう呼べっていうから」
梨子「孕ませる者とでも呼べば良いのかしら」
花丸「結構ひどい呼び名」
果南「へへ」 梨子「ゲームよ、これからこの人にはあの二人を襲ってもらうわ」
果南「大丈夫? 私結構腕っぷしには自信あるよ?」
梨子「相手は執行官、向こうだってただの女ではない」
梨子「でも勝てるならそのまま頂いてくれて結構よ」 花丸「でもなんで孕ませる者だなんて。……ん?」
果南「人口精液と人口陰茎。…それらを私は溜め込んでいて」
果南「下半身だけなら男だよ」
花丸(ひでぇ話ずら) 果南「でも、相手拳銃あるんでしょ? せめてこれだけもってくね」
花丸(メリケンサックて)
花丸「ゴリラみたい」
果南「はっはっは」
果南「梨子ちゃん、この子犯していい?」
梨子「ゲームに勝てたらボーナスステージみたいな感覚でやってもいいわよ」
花丸(絶対に負けないで執行官!!) ことり「……なにはともあれ、地上の人等に連絡がとれないと困るな」
曜「…ねえ、執行官さん」
ことり「なに?」
曜「千歌ちゃんって……いつも、こんなことしてるんですか?」
ことり「そうだね。…この前は暴走トラックとカーチェイスを繰り広げていたみたいだし」
曜「……そうなんだ」
曜「すごいな、千歌ちゃん…」 ことり「とまって」
曜「あ、はい…」
ことり「広いところに出た……なんだろう、ここ」
ことり「まるで闘技場……遮蔽物もある」
果南「れでぃーえーんどれでぃーず」
ことり「は?」
曜「え…あ、あの人、の、ノックアッパー…」
ことり「あぁ、男性器をつけて女の人を犯して回るっていう趣味の悪い」
ことり「テクノロジーが進歩すると、余計なことも出来るようになるんだね」 やわらか銀行さん、前に桜内調教計画か、理亞「ルビィ…絶対助けに行くからね」を書いて投稿してませんでしたか? ことり「で、あなたがこの子をさらった犯人?」
果南「そういうことにしておこうかな。簡単に言えば、私を倒せば二人は自由になれるってわけで──」
言い終わる前に、一発の弾丸が果南の頬を掠める。
ことり「ふざけないで」
果南「いまの当てなかったこと、後悔するよ」
そう言い、暗闇に消える。
照明はあるけれども、薄暗く至近距離まで近づかないと気づけない。
ことり「曜ちゃん、これもって壁を背後にして身を守ってて」
曜「は、はい…」
ことり「さっきのが来たら躊躇せずうって良いよ」
ーーー
海未「ことりはここに?」
千歌「はい…」
海未「確か…ここには昔、西に向かう地下鉄があったはず」
海未「確か最終駅は…」
海未「監視官、いきますよ、ありったけのドローンも用意しなさい!」
千歌「は、はい!」
ーーー ことり「……」
ことり(素手での戦闘、苦手ではないけれど、こう暗くちゃ…まともなやりあう、というよりも不意打ちで先に仕掛けた方が勝つかもしれない…)
ことり「……」ジリ
果南「……」
わずかな足音と呼吸の音。
先手をとる方が圧倒的に有利。強気に煽った果南も、そこは油断できない所ではある。
ことり(ただ……やっぱり、素人の喧嘩上がりみたいな)
ことり(殺気が駄々もれ。…私たちはいま、この大きめなドラム缶で背中を向けあっている。向こうがそれに気づいているかはわからないけど)
ことり(先に仕掛ける…!) ことり「ふんっ!」
果南「!」
対峙する。
果南の反応がはやく、拳は外れたがその勢いのまま次の手もはやかった。
襟首に手をかけ、足首をひっかける。果南を押し倒しマウントポジションをかける。
そこから迷わず首を絞める。
果南「ぐ…!」
もちろん抵抗される、手首を握られ引き剥がそうとされるが、体格差があれど、状況が状況故にあまり意味はない。
ことり「このまま、おち…、ぃ!?」
果南「ふんがぐぐぐ…!」
そう思っていたのに、どんな馬鹿力なのか、引き剥がされる。
それどころか体が起き上がりつつもある。
ことり(嘘でしょ!?) また花丸ちゃんがかなんなんな〜ん、されてしまうのか⁉ 負けても死ぬわけじゃないと思ってたらひっでえのが出てきたなw そりゃ千歌ちゃんの目の前で●されるんでしょ(無慈悲) 素人の曜ちゃんにノックアッパーって一発で気付かれるってことはこの果南ちゃん下半身丸出しなのか…… ナニがスカートを持ち上げるなりテント張ってたりするんやろうなぁ... 曜ちゃんは多分この後レズを恨んで監視官になるんじゃない。サイコパスの霜月みたいに すみません。訂正します。レズの怖さを知ってレズを減らそうと千歌のように監視官になるんじゃないかと。曜ちゃんは優しいから憎しみや恨みはもちませんからね。 捕まった後にビールは貰えるかって聞いてんのよネタを入れてほしい ことり「ぐ、こ、この…!」
果南「オラァッ!!」
ことり「あわっ!?」
強引すぎるほど強引な背負い投げのようななにか。
ことり(でたらめな腕力…まともな攻撃じゃ無理そう)
ことり(…そうだ、人口陰茎……)
ことり(あくまで付けているもの。取り外せる。ただし、それもちゃんとした手術等を行って)
ことり(快感を得られるなら、痛覚もあるはず)
ことり(狙うかぁ!)
ことり(いやまって。たしか本当に痛いのって睾丸のほうだっけ)
ことり(とにかく、そこを思い切り狙ってみる!)
ことり「ふぅぅんっ!!」
果南(ふん、大振りなパンチ。執行官っていったって、大して──)
ことり「んっ!」
パンチではなく、最初から目的は蹴りだった。
最初から股間めがけたあびせげり。
妙な音が響き、次の瞬間には果南の低いうめき声が聞こえる。 果南「うぐぅ!?」
よろめいたところを見逃すわけはなく、さらに足をかけ、再び転倒させる。
今度は、一転集中。ただひたすらその急所を狙う。
ことり「知ってるんだよぉ〜、これ、作り物だから別に引きちぎたって、ただめちゃめちゃ痛いだけだって」
チャックをおろし、その隙間に手を突っ込む。
今まで直に触ったことはないそれに一瞬嫌悪感を覚えつつも、握りしめ。
ことり「女の子には不要でしょおおお!!!」
果南「なっ!? な、ちょっ、やっ、やめっ──」
ブヂブヂブヂィ、……本当にそんな音が聞こえた。引きちぎれる音が。
果南「ぎぃぃぃいい!?」 果南「が、がぁ、が…!」
ことり「うわっ、きもちわるっ、やっぱり悪趣味だよ、これ」
引きちぎった男性器を捨て、最後に顔面に蹴りをいれた。
やり過ぎな気もしたことりだったけれど、たぶん、これくらいでちょうどいい。
ことり「ふう…」
ことり(あ、しまった。あの子…大丈夫かな、ずいぶん静かだけど…怯えてるのかな)
薄ぐらいなかを歩く。足音だけが響いて、曜の姿が見えるまでにすこし時間がかかった。
ことり「あ、いた──」
声をかけたその時に、銃声。
腹部が熱くなり、ちらっと見てみれば、赤く染まり出していた。 ことり「うぺっ」
視線の先に、銃口。
あぁ。わかってる。察したから、そんなに絶望的な顔はしないでほしい。
曜「ぁ、あ、い、わ、わたし、ちが…」
曜「あ、あのひと、かとおもって…つ、つい…」
ことり(…、)
ことり「大丈夫、大丈夫…、遠慮せず撃っていいって、いったからね…」
ことり「むしろ、よく撃てた……ちゃんと身を守ろうと出来たんだから…大丈夫、だよ…」
曜「ごめんなさい、ごめんなさい…!」 とはいえ、出血がひどい。
ことり(はやく、なんとかして、地上に…)
曜「っ、し、執行官さん! うしろ!」
ことり「え──」
思い切り振り上げられた拳。
きらりと光る、銀の……そう、あれは。メリケンサック。
圧倒的な腕力にくわえ、そこにそんなものが加算された拳が顔面にめりこむ。
ことり「かはっ…!?」
まあ間違いなく鼻が折れた。ボタボタ、とは言わずドバドバと鼻血が止まらない。
ことり(あ、ぃあ、ぁ、これやばいかも…)
ことり(頭くらくらしてきた…)
曜「いやぁっー!! やめてっ、やめてよぉ!」
果南「はっ、ははっ…もう普通にレズレイプでいいか…」
ことり(…ぁ、ぅ、ぐ……)
ことり(こ、このままじゃ…)
絶望的な状況で、考えがまとまらない。
そんな中にも、一筋の光が差し込む。
ことり「……! こ、この音は…」
ことり(公安局の…ドローン!) ちんこもがれてんのにセックスしようとする性欲に脱帽だよ ことり(もしかして……)
ことり「千歌ちゃん、……」
ーーー
海未「いきますよ! ようやくことりの位置情報が掴めました」
千歌「は、はい!」
千歌(まってて、ことりさん!)
ーーー
果南「こ、公安局?! く、くそうっ、逃げるか!」
ことり「……にがさな、い」
物資ドローンが展開され、中からは見慣れたいつものラブライバー。
『ユーザー認証 南ことり執行官』
ことり「ぐ…!」
『レズ係数 371 執行対象です リーサル・エリミネーター 慎重に照準を定め 対象を浄化してください』
ことり「ぐっ、う…!」
ことり(だめだっ、血を失いすぎた…ふらふらする…!)
曜「っ、執行官さん!」 後ろから曜がことりの支えとなり、共にラブライバーを構える。
ことり「…ありがとう、助かるよ」
曜「こ、このまま…う、うってください!」
ことり(いい度胸してるよ──当たったら、廃人になるのに)
ことり「執行します」
当たればあっけない。
さきほどまで、あんなに驚異的だった果南は、少しびくりと跳ねたと思えば、その場に倒れてしまった。
ことり「……」
千歌『っ、ことりさん! 聞こえますか! 状況を…』
ーーー
千歌『え、じゃあ曜ちゃんが…』
ことり「まぁ、そのあたりは、会ってから話しなよ、……ことり、ちょっと疲れたから…早く来てね、それじゃ」
曜「……ことりさん」
ことり「ん、ん…?」
曜「ありがとう、ございました……私、とんでもないことしちゃったけど…最後まで守ってくれて」
曜「かっこよかったです…! 私、もう、レズになっちゃっても、いいかもって…」
ことり「バカなこと言わないの……ほら、千歌ちゃん、来たみたいだ…よ…?」
梨子「あぁ、ごめんね。違うよ」 ーーー
千歌「ことりさーん…どこですか? 返事を…ことりさん!?」
ことり「ぅ、あ、ぁ…」
千歌「ひ、ひどい怪我…で、でもさっき言ってたよりも、ずっとひどい…」
ことり「千歌、ちゃん…、む、向こう、にい、っ、た…」
ことり「よ、曜…ちゃん、を…つれて、に、にげ、た…あ、の、通路、に…」
千歌「しゃべらないで! いま応急手当を…」
ことり「い、いい、はやく助けにいって…手当ては、海未ちゃん、にしてもらうから…はやくっ、手遅れ、にな、…る…」
千歌「っ…、!」
千歌「ぐ…!」
ーーー
千歌「……」
千歌「どこだ…」
千歌(曜ちゃん、無事でいて…) 千歌(…!)
曜「ち、千歌ちゃん…!」
千歌「曜ちゃん! よかった、無事だったんだね!」
千歌「いま助けるから…」
「それができるから、あなた次第よ」
千歌「…、!」
千歌「え……」
梨子「初めまして、高海千歌。……私の名前は」
千歌「桜内……梨子……」
曜「ぇ……」
梨子「あら? 知ってるの? 」 曜「桜内梨子って…千歌ちゃん、それ……」
千歌「……」
ーーー
千歌「えっ!? ご、合格!」
電光パネルの向こう側、そこには間違いなく私の名前があった。
高海千歌、監視官に任命。
千歌「やった…」
千歌「これからは……私がみんなを守るんだ…」
千歌「『あの人』みたいに…!」
千歌「『桜内梨子』さんみたいな、立派な監視官を目指すんだ!」
ーーー
曜「それ…千歌ちゃんが…憧れてた監視官じゃ…!」
曜「こ、この人が…!?」
梨子「…………」
千歌「どうして……あなたが、こんな…」
千歌「くうう!」
『レズ係数 0 執行対象ではありません。トリガーをロックします』
千歌「なっ…!」
千歌(め、免性体質者!? この人も…!) 乙
果南くんが思った以上に弱くてバトルは予想外の展開だった 勝手なイメージつけられがちだけど果南ちゃんだって普通の女の子だし 千歌「ど、どうして…」
梨子「過去にあったこと、あったかしら。確かに私は監視官だった」
梨子「いまは好きにやってるけど、私の監視官権限はまだ生きてるのかしら」
千歌「いったい、いつから……」
梨子「いつから、……それはなにが、かしら」
千歌「いつから…こんな……」
梨子「監視官ではなくなったことかしら、……それはまだ話してもわからないよ」
梨子「いま答えてあげてもいいけれど、これからまだ出会う人たちから教えてもらうのもいいかもしれない」
梨子「それに…」
曜「ひっ!」 千歌「や、やめなさい!」
曜「やっ、やだっ、やめて…!」
梨子「女同士でも、快感を得られるのよ」
千歌(っ! レズレイプする気だ…!)
『レズ係数 0 執行対象ではありません。 トリガーをロックします』
千歌「なんで、っ、こんな…!」
千歌(間違いなく、あの人は…レズなのに…)
梨子「…可哀想に、あなたも刷り込まれてるのね」
千歌(え…?)
梨子「ほら」
なにかを放り投げたかと思うと、それは最初にことりに渡した小型の拳銃だった。
梨子「それで私を撃つといいわ」
千歌「え…」 梨子「今では、そんなものに頼ることが増えたけど……ぁあ、それに頼ってばかりなこと…だという事実で、なにも気づくことはないのかな? だとしたらそれも宿題だね」
梨子「ふ、まあいいわ。いまはそれしか使うしかない、として」
梨子「もしもいま、この子を助けるのなら、それは」
梨子「自分の意思で、人殺しになれる者だけだね」
千歌「──」
拳銃をとる。
たまは一発だけ。外せば終わりの状況。
千歌(はぁっ、はぁ、はあ……!)
ーーー
なぜラブライバーに頼ることばかり起きるのか、レズ係数が高いことが何に繋がっているのか。
それはまだ、サンライズシステムしか知らない。
ーーー
響く銃声。
梨子の頬からは掠めたことから出来た傷がある。
そこから少し血が流れた程度だった。
梨子「残念ね」
曜「やっ、やだっ、やぁっあ、ぁっぁあ……!」
梨子「もう我慢できないわよね? 散々、あの子が来るまで焦らされたから…」
千歌(え……)
曜「はぁっ、ぁあ、ぁぅあ……!」
『レズ係数 289 執行対象です』
千歌「ぁ…あ、や、やめて……」 梨子「ふふ、……」
『レズ係数 298 執行対象です』
千歌「やめ、やめ…て……」
曜「ごめ……ごめん、千歌ちゃ──」
千歌「やめてぇっえええええぇえええ!!!」
梨子「イッちゃえ」
プシッ!!!
ーーー
千歌「…………」
曜「……ぇっ…ひっ……」ビクッ,ビクッ
ぽたりぽたりと、曜の体液が滴る。
顔はみたことのない、……快感に負けた顔。
梨子は既に立ち去ってしまった。
一人絶望した、千歌を置き去りにして。
『レズ係数 323 執行対象です』
曜「へ、ひ……」
ーーー
海未「ことり、無事ですか…いま病院に向かいますから…」
ことり「うん……」
ことり「まって…」 千歌「……」
ことり「千歌ちゃん…」
千歌「…………」
ことり「…次は、あの人を出し抜くよ。落ち込んでる場合じゃない」
ことり「あなたは監視官でしょ」
千歌「……」
ことり「…」
ーーー
花丸「……公安局がラブライバーに頼ってばかりの理由?」
梨子「えぇ。……いまじゃ、犯罪をおかすのは決まってレズ係数が高い人間ばかり」
梨子「だからラブライバーの執行で事が足りるし、世の中の感覚が麻痺してるの」
梨子「レズじゃないなら…犯罪を起こすはずがない、と」
梨子「おかしいと思わない? どんな犯罪であろうと、レズであれば最重要項目として重く扱う」
梨子「まるで、そう。レズが絶対的な悪のような」
梨子「レズ係数が高ければ罰するし、犯罪を起こすだろう、何て言われる」
梨子「さしずめ、それは」
梨子「『犯罪係数』とでも言った方が正しいんじゃないかしら?」
花丸「でも事実、みんなレズずら」
梨子「でも私は?」
梨子「係数は0……それでも私は、レズじゃないって?」
梨子「0から1にでもなれば、私はようやく罰せられるのかしら?」 今回はここまで。
明日から出張のため二日ほど投下はないかと。 にこみたいな道を選ぶ可能性もあるか
とりあえず次回に期待 ーーー
絵里「ただいま…と、なんとか退院したわけだけど、……なんだか難しいことになってるようね」
海未「……いまは少々休暇中です」
絵里「ところで、その曜って子は?」
海未「施設に。もうほとんど更正は出来ないと思われますが」
絵里「そう…」
絵里「……それにしても、元監視官が、犯人とは」 海未「桜内梨子。ある日突然退職した凄腕監視官。……確かに私も彼女のことは知っていました。そもそも私は、あの人に執行された」
海未「そのあとに退職した……」
絵里「何にしても情報が少なすぎる。……海未、私は局長に話をしてくる」
海未「桜内梨子に関してですか?」
絵里「ええ。あまり関わりたくはないのだけどね…」
ーーー
英玲奈「それで、私のところに来たというわけか、絢瀬くん」
絵里「……元監視官が免性体質者として、罪を犯した」
絵里「公安局としては、見逃すわけには…」
英玲奈「罪を犯した? 何を言っているんだ絢瀬くん。サンライズシステムが管理している領域において、彼女の係数は0だったのだろう。その曜とかいう者は、一人で勝手に潜在レズになっただけだろう。そもそも、君。なんという罪状で彼女を捕らえるつもりだ」
英玲奈「この世からは、レイプや援交、そのような類いの犯罪はなくなった。罪にできないのだ、なぜならレイプなんて行うのは潜在レズだ。犯罪者ではない、潜在レズだ」
英玲奈「犯罪者と潜在レズはイコールではない。潜在レズは今世で生きる人々にとっては最大の驚異だ。それに、殺人や強盗の罪をおかすものはいない、なぜかわかるか?」
絵里「……」
絵里「我々が……そういう風に出来てるいるから、ですか?」 英玲奈「そうだ。既に世には純粋な人間はいない。産まれる前に事前に善性的な人間に作ることができる」
英玲奈「犯罪は起きない。起こすのは、何かしらのイレギュラーを抱え込んで産まれた人間たちだ。逆に言おう。潜在レズでなければ何をしても許されるのだ」
英玲奈「わかるか? つまり」
英玲奈「我々は桜内梨子を捕らえることはできない」 ーーー
絵里「なんだか、すごく面倒な時代に産まれてしまったものね…」
絵里(なにが悲しいって、確かに、確かに私もその言葉に納得してしまう)
絵里(そういう風に出来ている…なるほど、そういうことなら、今まで誰も何も疑問を持てないわけね)
絵里(潜在レズが絶対的な悪として認識し続けてきた)
絵里「……はぁ」
絵里(もしかして、これ、思ったよりも事態は深刻かもね…) ーーー
千歌(……)
千歌「私は…なにしてるんだろう」
千歌(曜ちゃん…)
千歌「……桜内、梨子」
千歌「どうしてあの人が…」
千歌(何を企んで…いるの)
ーーー
海未「桜内梨子を、追う?」
千歌「はい」 海未「…言ったでしょう、桜内梨子は私たちでは干渉できない」
千歌「……でも、やっぱり、あんなの」
海未「係数が高くなければ、罪を犯さない。思考すらを必要としない。私たちはそういう風に出来ていると」
千歌「……それでも、私は」
海未「……」
海未「私の方でも、あのあと少し調べてみました。……桜内梨子は、過去……今ではほぼ機能しなくなって、つい先日なくなった『第三係』に所属していたそうです」
海未「そこで所属していた、元執行官に話を聞きに行きましょうか」
千歌「元、って…いまはなにを?」 海未「『更正』したんですよ」
千歌「え…そんな、更正の見込みがないから執行官になるんじゃ?」
海未「例外です。事実、その人物の係数は下がった。……そんな人物を隔離しておくわけにはいきません」
千歌「そう、なんですか…その人は、いまどこに」
海未「なんでも海外で生活してるようで」
海未「行くなら執行官は二人つけてください。いいですか」
千歌「…はい」
ーーー
ルビィ「桜内梨子…」
善子「それって、確か……監視官の」
善子「にわかには信じられないわね、あの人がそんな……」
ルビィ「考えてもしかたないよ。…だとしたら、…執行官として三係で活動してたあの人に話を聞きに行こう」
善子「また施設にもどったっていってたっけ」 _,,..r'''""~~`''ー-.、
,,.r,:-‐'''"""~~`ヽ、:;:;:\
r"r ゝ、:;:ヽ 京アニの社長と大喧嘩して京アニを追放された後、
r‐-、 ,...,, |;;;;| ,,.-‐-:、 ヾ;:;ゝ アイマスやラブライブに喧嘩を売ったりしてすったもんだした挙げ句、
:i! i! |: : i! ヾ| r'"~~` :;: ::;",,-‐‐- `r'^! この間破産宣告を受けたヤマカンのおっさん(笑)見てる〜?
! i!. | ;| l| ''"~~ 、 i' | イェ〜イwwwwwwwww(ゲラゲラゲラwwwwwwwww
i! ヽ | | | ,.:'" 、ヽ、 !,ノ
ゝ `-! :| i! .:;: '~~ー~~'" ゙ヾ : : ::|
r'"~`ヾ、 i! i! ,,-ェェI二エフフ : : :::ノ~|`T
,.ゝ、 r'""`ヽ、i! `:、 ー - '" :: : :/ ,/
!、 `ヽ、ー、 ヽ‐''"`ヾ、.....,,,,_,,,,.-‐'",..-'"
| \ i:" ) | ~`'''ー---―''"~
ヽ `'" ノ 善子「絵里たちのとこもなんか行動するみたいだし、はやいところアクションを起こしましょうか」
ルビィ「監視官権限でも、あの階層までいけるのは一定の階級でないといけない」
善子「じゃあ、ルビィが行ってくれる?」
ルビィ「うん」
ーーー
ーーー
Σ階層。
ルビィ(α、β、γ……そこから更にランクアップされたΣ階層)
ルビィ(ここからは超ド級の潜在レズが隔離された施設……さて) ルビィ「ていうか、なんでここに入れられてるんだろう。ここに入れられた、って聞いたときはそうでもないと思ったんだけどなぁ」
ルビィ(まあ、なにかしらの理由があるからなんだろうけどさ)
ーーー
ルビィ「…え? もう…出ていった?」
『えぇ…というのも、レズ係数が低下したことで、…』
ルビィ「それで、その人は、どこに?」
『海外へいったとか。ロシアだったかな、たしか』 ルビィ(ロシア…)
ルビィ(ロシア語、わからない…)
ルビィ(…ん、いや、でも確か…)
ーーー
善子「ロシア語? わかるわよ」
ルビィ「さすが」
ルビィ(じゃあロシアへの調査は任せようかな…)
ルビィ「執行官は、理亞とあんじゅを」
善子「えぇ、任せておいて」
ーーー 千歌「えー、私が留守番ですか…」
絵里「ごめんね、でも仕方ないから」
絵里「わかったことはすぐ連絡する。しっかり頼むわよ、留守の間を」
ーーー
ダイヤ「それで、置いてきたと」
凛「申請が間に合わなかったんだってー…そういえば、結局だれなの? その係数が下がった人って」
絵里「あぁ…確か。名前は小原鞠莉。…それにしても、なんでロシアに…まあいいわ。行けばわかる」 ーーー
絵里「……で、なんであなた達までいるのよ」
善子「そんなこと言われてもね。…仕事だし」
理亞「こんな人数でおしかけたら、疑われるわよ」
あんじゅ「どうかしらね〜、やましいことがないなら、そうともならないんじゃない?」
あんじゅ「この、ロシア版公安局にさ」 絵里「来るのも久しぶりね、過去に来たこともあるけど、あまり肌にあわなかったのよね」
絵里「鞠莉はここで監視官として活動しているそうよ」
ダイヤ「監視官として? よくなれましたわね、仮にも執行官だったのでしょう?」
絵里「それだけ、…係数が低いということは、力ということよ」 絵里「なにがあるかわからない、二人とも、私からは絶対離れないで」
凛「わかったにゃ」
ーーー
善子「さて、それじゃ二人とも。くれぐれも自分勝手なことはしないでよ」
理亞「わかってるわよ」 善子(…しかし。監視官、ね…)
善子(係数が下がった、何て言うけど…元々はΣ階層の住民よ)
善子(そんなやつが、まともに監視官やれてるとは、おもえないんだけど…)
ーーー
鞠莉「あら、これは珍しいお客様ね?」
絵里「小原鞠莉…」
鞠莉「ふふ、いまはあなたと同じ、そう。同僚よ? 仲良くしましょ?」
善子「……」
絵里「それよりも、今日はあなたに聞きたいことがあるの」 鞠莉「ききたいこと?」
善子「桜内梨子について」
鞠莉「……」
絵里「…」
鞠莉「そうね……世界で一番正しい人、かひらね」 絵里「どういうこと?」
鞠莉「彼女、いまでは係数が低いままいろいろやってるんでしょ? …あぁ、本当に実行したんだなぁ、って」
絵里「…ちょっと、待ちなさい」
絵里「あなた、今でも桜内梨子と連絡を取っている、ってこと…?」
鞠莉「ええ、そうよ。昔の仕事仲間としてね」
善子「だったら、その連絡先を…」
鞠莉「あら? 教えないわよ」 善子「ど、どうして…」
鞠莉「あらぁ、どうして?」
鞠莉「どうして……善良な一般市民の連絡先を、理由もなく教えないといけないのかしら?
」
善子「……」
鞠莉「もしかして、それだけのために来たの?暇なのかしら」 絵里「……まあ、いいわ。…でも」
絵里「あなたが今でも桜内梨子と繋がってる、とわかったから、それでいい」
鞠莉「……」
ーーー
善子「なによあいつ、色々と匂わせることばかり…」
絵里「簡単に聞けるとは思ってなかったけどね…とにかく、こっちでやれることをやりましょ」
善子「そうね…ていうか、執行官たちどこいったの?」
絵里「ホテルにもどってるはずよ」 絵里「……これは」
善子「なによこれ…」
ダイヤ「く、ぅ…!」
あんじゅ「ぅ、ぐ…」
絵里「なにがあったの?!」
ダイヤ「だっ、っ……わからない、集団でおそうれたかと思うと…」
ダイヤ「凛さん、と…理亞さんが…連れ去られた…」
善子「ここから!? なんで誰も通報もなにも…」
絵里「……!」
絵里(係数が低ければ…なにをしても…)
絵里(でも、そんな…そんな人間が、行動を起こして係数があがらない人間がいるわけない!)
絵里「なにかある…」 絵里(…しかも、私たちが狙われた…)
善子「絵里、理亞たちを助けに行くわよ…」
絵里「まって…」
絵里(やみくもに…追ってもダメ。根元を叩かないと)
絵里「……善子、私は別行動する」
善子「何する気?」
絵里(…鞠莉) 絵里(係数を…下げる方法がなにかあるのかもしれない)
善子「とにかく、私はダイヤたちを病院に…」
絵里「いえ、もう帰国させなさい。相手は狙ってくる…なにかしらの理由をつけて」
絵里「あなたは凛と理亞を」
善子「…わかったわ」 絵里(包み隠す気がないのなら、こちらもそのつもりでいくわ…)
絵里(一度千歌に連絡して、応援をよんでもらおう…)
絵里「……千歌? 聞こえる?」
絵里(……)
千歌『はい…』
絵里「千歌、緊急事態よ。……」
それから私は、千歌に起こったことを伝える。凛と理亞が拐われたこと。ダイヤとあんじゅが負傷、帰国すること。
絵里「応援をよろしくおねがいできる? なるべく早めに…」
千歌『わかりました、すぐに…!』
ーーー
日本
千歌「……」
千歌「…これも、あなたの差し金なの?」
梨子「さぁ? それはどうかしらね」
梨子「いまの私は、オフだからね。特になにもしないわ」
千歌「……」 梨子「それより、もう少しお話ししましょ?」
梨子「『善良な市民同士』で、ね」
ーーー
ロシアのどこか
凛「ぬぉおおお!離せにゃー!」
理亞「あんたたち、いったいなによ…!」
小柄な女はフルフェイスマスクで顔を隠していて、椅子に座りため息をつく。
『私もやりたくてやってる訳じゃない。めんどくさいし、寒いし、はやくあったかいお風呂にはいりたいず……はいりたいし』
凛「こんなことしてただですむと思うにゃ!」
『なんて痛々しい語尾。よく平気ず……平気だね』
理亞(これも鞠莉とかいう人の差し金? …)
理亞「まあいいわ。……どうせ、そのうち」カチ
理亞(…これでいい)
ーーー
絵里「…きた」
絵里(本当にきた…これか、善子の言ってた発信器って)
理亞は奥歯に詰め物をしていて、そこにスイッチを押せば反応が現れる発信器を埋め込んでいるとのこと。
善子から渡されたレーダーに反応があらわれた、ということはそれを作動させたと言うことだ。 絵里(身に付けられるものには良くありそうだけど、なるほど。これなら気づかれにくい)
絵里(腕時計だったりしたら、とられるかもしれないし)
絵里「それにしても、善子。なにしてんのかしら…トイレ行くっていってから帰ってこないし…」
絵里「待ってる場合じゃない…善子の代わりに私が行くか」
ーーー
善子「うぬぉあぉあ〜! 靴紐がほどけて転んで犬の足踏んで追いかけられて逃げ込んだ先の倉庫に閉じ込められた!!」
善子「だれか出してー??!」 ーーー
絵里(…ここか)
絵里「ていうか、めちゃくちゃ近かったわね…灯台もと暗しでも狙ったのかしら」
絵里「…」
絵里(ラブライバーが通用しない相手…)
絵里「なかなか、一筋縄ではいきそうにないわね」 キャァァァァ…
絵里「!」
ヤメデェエエエエ…
絵里(凛! そんなっ、まさか拷問か何か…!?)
ーーー
凛「あはっ、あははひっ、やめ、ひゃめてっ、あひははは!」
『ほ〜らほら。足の裏くすぐり攻撃〜』
理亞(な、なんて卑劣な…!)
絵里「……」
絵里(…ばかなのかしら) 絵里「……」
絵里(でも、係数は低い…。やっぱり何か方法があるのか、……)
絵里(とにかく、制圧する必要がある)
絵里「──公安局よ! 手をあげて!」
凛「絵里ちゃん!」
『もうかぎつけてきたの?』
『はやいず……はやい。さすがに優秀』
『でも残念。その銃じゃ無意味』
絵里(確かに……なぜか係数は相変わらず50付近)
絵里(どうする…) 絵里(理屈だけで言えば、確かにこの人は善良な市民)
絵里「…やってることは見逃せないけど。聞かせて、私たちを襲ったのはあなたね?」
『それはどうでしょう』
絵里(…どうする。武力行使を行うことは…)
絵里(係数があがる…) 『……』
(『まずい、少し時間がたちすぎたかもしれない……このままじゃ…』)
『…とりあえず、そのラブライバーをおいて』
絵里「……」
(『よし、これでいい』)
絵里(……いや、まて)
絵里(…どうしてわざわざ手放させる? 係数に問題がないのから、ラブライバーは何も怖くないはず)
絵里「…」 絵里(…やはりなにかの、インチキがあるわね)
絵里(係数をさげる方法が…)
『はやく。さもないと…この二人は無事じゃない』
絵里「……」
絵里「今時、ずいぶん古い……なによそれ」
『M1911』
絵里「知らないわ」 絵里(知らないけど…ハッタリではなさそうね)
絵里(……もう、こんな時に、善子がちゃんといれば…)
『大人しくしていればこの二人も解放してあげる』
絵里(……)
理亞「……!」
理亞「あんた、ちょっとこっち来なさいよ。蹴り飛ばしてやる!」
『ん?』 『急にどうしたの』
絵里「理亞、やめなさい…すじょうがしれない相手にそんなこと」
理亞「ほらっこっちこい!」
『そんな何かしらを狙ったみえみえの挑発には…』
理亞「おらっびびってるの? デブ!」
『……』
理亞「そんなだぼだぼの服じゃ隠し切れてないわよ!」
『こっ、このっ畜生ずらぁっーーー!!』 『レズ係数 221 執行対象です。 ノンリーサル・パラライザー』
絵里「!」
女の背後から一瞬みえた、よく見覚えのある閃光。
それが伸び、背中に直撃する。
『んぎゃんっ!?』
善子「ふぃ〜、閉じ込められてもただじゃ転ばないわね」
絵里「善子!」
理亞「上手いこといったわね」 善子「理亞が私に気づいてくれて助かったわ」
絵里「…善子、係数のことなんだけど。…最初から221も?」
善子「え? えぇ、私がみんなを見つけたときには、…」
絵里「私が測ったときは、50程度だったのよ」
絵里「それが急激にあがって…なんだったんだろう」
善子「…確かにそれも気になるけど。まあそれも、こいつに吐かせれば一発よ」
絵里「…素直に吐くとも思えないけど」
絵里「まぁ、いいわ。とにかく、このメット女を…」
ーーー
花丸「…」
善子「またあんただったのね」
理亞「……ってことは、やっぱり鞠莉と桜内は繋がってる、と」
絵里「そう言う考えでいいかもしれないわね」
凛「誰この人」
善子「あんたが撃ち抜いたトラックの運転手よ」 絵里「今度こそ逃がさないわ…連れていくわよ」
ーーー
日本
梨子「そう、花丸ちゃん、また捕まったんだ」
鞠莉『えぇ、…あなたの取り巻きだから、ある程度の信頼はしていたけれど…』
鞠莉『どうする? 助ける?』
梨子「もういいわ。二度目は助けない」
鞠莉『そう。わかったわ』
梨子「それより、例の物はちゃんと効果は働いたの?」
鞠莉『えぇ、そうみたいよ。ふふ、やっぱりここで正解だった』
鞠莉『時代の進歩は素晴らしいわね。…』
鞠莉『強烈な精神安定剤…もちろん違法も違法。係数を無理やり押さえることができる』
鞠莉『ドラッグってやつね。ただし、覚醒剤なんかじゃあない…このご時世、係数を無理やり下げられてしまうことが罪に問われる。…ふふ、我ながらよく作れたわ』
梨子「そのままよろしく頼むわよ」
鞠莉『ええ、もちろん』
千歌「…誰だったの」
梨子「ふふ、秘密」 鞠莉『? 誰と話してるの?』
梨子「いえ、なんでもないわ」
鞠莉『そう。…花丸はこれから公安にいろいろ聞かれるだろうけど、あなたも気を付けておきなさい』
梨子「えぇ。それじゃ」
ーーー
千歌「…」
梨子「ふふ、そういやな顔しなくてもいいじゃない」
千歌「…」
遡れば少し前。
私がのんびりしているところに、突然現れた桜内梨子。
それは本当に、突然だった。
千歌(…係数が高ければ、すぐにでも…)
梨子「ふふっ」 千歌(でも…)
千歌(街のドローンたちは反応しない…ということは、本当に係数は低いんだ…)
千歌「…」
梨子「ほら、みてごらん」
千歌「? なにを…」 見せられた液晶画面。
そこは路地裏のような場所で。
若い女が二人。人目をはばかってはいるが、それにしたって激しいキス。
こんなこと、街の公安ドローンが反応しないわけがないのだけど…。
千歌「なんで…」
梨子「彼女たちには係数をさげる薬物を投与させたわ」
千歌「!」 千歌「そんな…もの」
梨子「私が気づいてほしいのは、下がったら下がったで、あの二人がアの行為に及んだこと」
梨子「…二人は惹かれあっていた」
梨子「それを阻むものを、無くしてあげただけ」
梨子「わかる?」
千歌「……」 梨子「世間じゃ、それを求めている。絶対的な悪のように言われているけれど、そうでもないということよ」
千歌「それは…」
梨子「そうじゃない? 思わない? 抑制するから暴動が起きるんだって」
梨子「自由解放運動、武装蜂起ってわけでもないけど。そう、そんな言いにくい堅苦しい、気難しい言葉じゃなくて良い」
梨子「受け入れる事を、始めないといけない」 千歌「……だからって」
千歌「あなたがしたことが、肯定できるとでも…」
千歌「あの時あなたがしたことは、決して認められることじゃない…!」
梨子「そうね」
梨子「もしも、世界がそういう風に変われたら、あなたの罰でもなんでも受けてあげるわ」
梨子「そんな日がちゃんとくれば、ね」 8、9のライブ後に禿で少し再開。
ケガ等に気をつけて現地で楽しみましょう。 >>145
見返したらここ、絵里たちが三係となっていますが後半からは一係と書いていました…今後は絵里たちが一係で 梨子「それじゃあ、私はそろそろいくわ」
千歌「…どこへ」
梨子「行ったらだめでしょ? それはあなたたちで探してみなさい」
梨子「そうでしょう?」
千歌「…」
そう言って、桜内梨子は立ち去った。
千歌「……」
ーーー
ロシア
絵里「……それじゃ、今回はこれで」
鞠莉「えぇ。またなにかあったらぜひ」
鞠莉「歓迎するわ」
絵里「…そうね」
絵里(……成果はあった。逃走した国木田花丸。今度こそ何かを吐かせる) 絵里(桜内梨子と行動をしていた人物……何か知っていることは確か……)
善子「てっいうか、理亞たちは今回はいいとこなかったわねー、別に良いけど」
絵里「捕まってくれたからみつけることが出来たわけだし、結果オーライよ」
ーーー
花丸「……」
絵里「桜内梨子について、知っていることを全て話なさい」 花丸「……」
絵里「今回は黙ってたって無駄よ。…こちらもあなたに付き合ってる暇はないの」
絵里「……あなた、公安局って優しい市民の味方って思ってる?」
花丸「?」
絵里「手段は選ばないのよ」 ーーー
絵里「さて…」
花丸「ここは…」
寂れた壁。
吸いさしの煙草、血がこびりついて汚れた床。
部屋と呼ぶのも憚られる空間、とにかく臭いがひどい。
掃除が行われている様子はなく、これをあえて都市と呼んでいいのなら地方都市ならぬ無法都市だ。
絵里「座りなさい」
鉄の椅子。そこに花丸は座り、腕、足を拘束される。 花丸「……なにを」
絵里「みればわかるでしょ」
絵里「拷問よ」
ーーー
もう何度目かの悲痛な叫び。
よくそこまで叫ぶ気力はあるな、と少し疎ましく思う。
そもそも人の悲鳴を聞く趣味があるわけじゃない。あくまで桜内梨子について聞き出したいだけ。
花丸「はぁっ、はぁ、ぁ…!」
もう半分以上なくなった自分の爪をみて虚ろな目の花丸。
絵里「……どうしてそこまでして隠すの? あなたと桜内梨子はそこまでの間柄なの?」 花丸「……あの人は」
花丸「私の、恩人…拾ってくれた人」
花丸「私が裏切るわけには、いかない…」
絵里「……」
七ミリのセブンスターに火をつける。
どれだけ年月がながれても、こういう嗜好品……悪影響しかないけど、煙草は無くならない。
花丸「…監視官も煙草吸うんだ」
絵里「ストレスはあるからね。あなたみたいなのがいるから」 花丸「……」
絵里「煙草の煙は嫌い?」
花丸「ただでさえここの空気は汚いんだから」
絵里「そう、じゃあ消すわ」
まだ一度しか吸っていない煙草を、絵里は口から離す。そしてそれを、肉がむき出しになっている花丸の人差し指に押し付けた。
花丸「うぎぃ!?」
絵里「血で良い感じに火も消えたじゃない」
花丸「……っ!」 『大丈夫よ、私が守ってあげる』
『人はみんな平等だもの、あなただけが辱しめられることはないわ』
花丸(私は…!)
絵里「……そろそろ足の方もいくわよ」
花丸「うっ…」
脚にてをのばそうとしたとき。
絵里の端末に着信が届く。
絵里「……なに?」 絵里「だれ? …知らない番号…」
梨子『うちの子がお世話になってるようね』
絵里「……!」
絵里「あなた、まさか…」
花丸「!」
梨子『そこにいるでしょ? 花丸ちゃん?』
花丸「ぁ、あっ、梨子さん……」
梨子『また捕まってしまったのね』
花丸「ご、ごめんなさい、でもマルっ、何も言ってない、なんにも、話してない…!」
梨子『……』
梨子『あなたには失望したわ』
花丸「え……」 梨子『どうして私の頼みも聞けないの?』
花丸「そ、それは…でも…」
梨子『前に、私話したわよね。人は平等だ、って』
梨子『あれの意味はね。みんな立場は同じだから、とか。世界があるがまま美しいだとか。そういうのじゃないの』
梨子『人はね。やるかどうかを、自分で決める「意思」を平等にもっているだけよ』
梨子『環境がひどいから出来ない、だから裕福なあの家の子と、私は平等じゃない、って貴女言ってたわよね』
梨子『そこで勝手に自分自身の価値をおとしてしまっているのよ。あなたは自分で自分の平等性を貶めているのよ』 ノcノ,,・o・,,ノレ 爪は剥がされなれてるからよゆうずら 梨子『ねぇ? わかる? 私ね、謙虚なのもいいけど、それはいつか卑屈とさえ思われるわよ』
梨子『私にもね』
花丸「……」
梨子『……』
梨子『今回で、最後よ。助けるのはね』
絵里「は…?」 今までだまって喋らせていたのには理由があったが、さすがにいまの発言は見逃せなかった。
絵里「ちょっと、どういう…」
梨子『明日迎えにいくから。いいわね?』
花丸「……うん」
そこで通信は途絶えた。
絵里「…何をする気よ。向かってくるなら、後らから迎え撃つだけよ…」
ーーー
梨子「……」
梨子「私も、多少は人の子だったってことかしら。……いまの時代において、火との子と呼べるかはわからないけど」
梨子「……まあ」
梨子「駒は必要だしね」 千歌「……」
海未「…最近、調子が悪そうですね」
千歌「…まあ、いろいろと」
千歌「かんがえることが、多くて…」
海未「……」
海未「監視官」
千歌「はい?」
海未「私と寝てみますか」
千歌「は?」 千歌「え、ふざけてます? このタイミングで」
海未「いえ、真面目ではあります」
海未「幸い、あなたは免性体質者。行為に及んだところでなにもありません」
千歌「い、いや、そんな…私は」
千歌「私は、『普通に』……?」
千歌「……普通、に」 千歌(あれ、普通に…なに…?)
海未「……普通に男性が好き、と言いたいのでしょう」
海未「その男性は、どこにいるんですか?」
千歌「……」
千歌「…もしかして、…私たちは」
海未「仕方の無いこと、といえば仕方ないんです」
海未「だからこそレズは産まれた」 千歌「いまの今まで、…考えたことなかった」
海未「桜内梨子がなにをしようとしているかは、わかりませんが…」
海未「…彼女は、なにか…やろうとしている」
海未「良いことか、悪いことか…」 そうだよな、男が世界から消えたなら、レズがスタンダートにならなければおかしいはずなんだよな
元ネタの方は詳しく知らないけど、ものすごく歪んだ世界だな 海未「…それでも、私たちは、公安局です。…取り締まらなければいけない」
千歌「……」
千歌「はい…」
ーーー
公安局。
「お疲れ様です」
絵里「えぇ、お疲れ様」
絵里「ふぅ…」
「最近、疲れてるみたいですね」
絵里「えぇ…最近、少しいろいろあってね…」
「あぁ、聞きましたよ。国木田花丸、全然口を割らないんでしょう? 例の地下室送りになったのに、根性ありますね」
絵里「そうね……これからまたそうなの。…それじゃ」
「あれ、そっちは局長室ですよ?」
絵里「……」
絵里「えぇ、少し用があってね。それじゃ、また」
ーーー ーーー
拷問室
花丸「……」
ギィ……
花丸「……」
絵里「……」
花丸「またか……もういいよ、好きにして…」
絵里「……私よ」
花丸「ぇ…?」
首もとのスイッチを押す。
そうすると、顔がじじじと音をたて、映像のようにぶれていく。そこから絵里の顔が消えていき、新たな別の顔が現れる。
梨子「待たせたわね」 この時代に顔パスで犯罪者に会わせちゃってええのか… 花丸「!」
梨子「公安局も、ある意味じゃシステムに頼りすぎね。係数が低いことがなによりもその人間が、善であると信じすぎている」
梨子「まあいまは良いわね。…さて、移動するわよ。あなたはサイマティックスキャン妨害チョーカーと、これね。私みたいに顔が変えられる」
花丸「…ありがとう」
梨子「お礼を素直に言えるのは良いことよ」 梨子「さて、いくわよ。本物の監視官を戻る前にね」
ーーー
絵里「どうして気づかなかったの!」
「だ、だって絵里さんそのものでしたし…!」
絵里(くっ、そうか。係数が低いから、ドローンにも引っ掛からないし、この中も歩いてて平気ってこと…!)
絵里(おそらく花丸にはサイマティックスキャン妨害チョーカー…やられたわ。いままでなんでもなかったようなことが、簡単に起こされる!)
ーーー
ルビィ「またぁ? …逃げられすぎじゃない?」
善子「町でも公安はちゃんと仕事してるのか、って言われてるわ」 ルビィ「…まあいいよ。私たちには私たちの仕事がある」
善子「それもそうね」
ーーー
善子「で、お見舞いなのね」
ルビィ「執行官とはいえ…同じ班なら、それくらいは」
善子「はいはい 」 あんじゅ「あらあら、これは珍しいお客様ね」
ルビィ「調子はどう?」
あんじゅ「ばっちり…でも、ないかもねぇ」
あんじゅ「まだすこし、休みはもらうわ……そういえば、理亞は?」
善子「行きたいところがある、とか言って。いまルビィが戻るのを待ってるわ」
あんじゅ「そう…ま、全員無事って訳ね」 あんじゅ「…でも、理亞のいきたいところって?」
善子「それが…」
ーーー
α隔離室。
ルビィ「どうしてわざわざこんなところに?」
理亞「……目が覚めたって、聞いたから」
ルビィ「?」
理亞「……!」
少し歩いてから。なにかをみつけたのか、理亞は目を見開き、小さく息を吸い、言葉を放つ。
理亞「久しぶり、…姉様」
せい あんじゅ「…でも、理亞のいきたいところって?」
善子「それが…」
ーーー
α隔離室。
ルビィ「どうしてわざわざこんなところに?」
理亞「……目が覚めたって、聞いたから」
ルビィ「?」
理亞「……!」
少し歩いてから。なにかをみつけたのか、理亞は目を見開き、小さく息を吸い、言葉を放つ。
理亞「久しぶり、…姉様」
聖良「理亞……」 ルビィ「……その人、たしか」
理亞「えぇ。……だいぶ前に、一係の連中に執行された私の姉よ」
ルビィ「……復活できたっていうの?」
理亞「エリミネーターで執行されれば、廃人同然……だけれど、必然ではない」
ルビィ「……」
聖良「……」 理亞「…それで私の姉様は、這い上がってきた」
聖良「……なんの用ですか」
理亞「ルビィ、執行官の適正テストを」
聖良「……!」
ルビィ「……なるほど」
ルビィ「たしかに、なかなかないケースだし、人材としてはもうしぶんないかもね。……」
ルビィ「でも、本人のやる気次第かな」 聖良「……公安の犬、か」
聖良「それも、悪くないかもね…」
聖良「でも、好きにやらせてくれる?」
ルビィ「……度合いによる」
ルビィ「しっかり働いてもらうけどね。それに、適正がなければずっとこの中だけどね」
ーーー
局長室
英玲奈「これはどういうことだね、絢瀬くん」
絵里「申し訳ありません……」
英玲奈「君には期待していたんだがね……」
英玲奈「私の過大評価だったようだ」
絵里「……」 絵里「……つ、次こそは」
英玲奈「次が与えられると思うのかね? ……だが、それも考えていないわけではない」
英玲奈「これを見たまえ」
英玲奈「君だけに見せるのだぞ」 絵里「これは……」
英玲奈「過去に捕らえられた潜在レズたちのデータだ。今は全て、完全執行か、今でも隔離されている」
英玲奈「少しまえのデータだ、ここをみたまえ」
絵里「……これは」
英玲奈「名は高坂穂乃果。この世界の救世主だ」
絵里「……救世主?」 絵里「…潜在レズなんじゃ?」
英玲奈「そのはずだった。だが彼女は唯一、係数が低いままに捕らえられたレアケースだ」
絵里「…どうやって? いったいどういう理由で」
英玲奈「自ら入ってきたのだ」
絵里「…自ら?」
英玲奈「知らないことを知りたい、とな。もちろんその場は帰らせた」 絵里「……それで、その人が、なにを」
英玲奈「高坂穂乃果には、係数が存在しなかった」
絵里「…係数がない? 低いや高いではなく、無い?」
英玲奈「測れないはずがないんだ、係数は我々人類に備えられたもの。……だとして」 英玲奈「考えられるひとつの可能性」
英玲奈「もしかすると、彼女は正真正銘の……人間なのかもしれない」
絵里「……!」
絵里「……そんな、まさか。では局長、高坂穂乃果は………本当の?」
英玲奈「それが考えられる」 絵里「……ですが、年齢を考えると…無理があるのでは…」
英玲奈「そこで君に、それを調べてもらいたいのだ」
英玲奈「だが極秘で頼むぞ。…これは信頼をおける君だからこそ頼んでいる」
絵里「……」
英玲奈「頼めるな? 探しだし、私のまえに連れてくるのだ」 変な考察しちゃうと書く人がやりにくくなるのかな
面白い すみません、係数が低いまま捕らえられたとありますが無しで。穂乃果には係数がない、でお願いします ーーー
絵里(……高坂穂乃果)
絵里(人工的にではなく、……男性と女性の交わりからの)
絵里(だけど、…データによると私と年齢は二つしか変わらなかった。…ありえない)
絵里(それに…一度は捕らえた。…なんのために?)
絵里「…かんがえても分からないな。とにかく…行動するしかない」 ーーー
凛「はぁ〜、体がなまってる」
千歌「ここのところ、いろいろありますからね」
千歌「……ところで、凛さん。ことりさんは」
凛「もうすぐ退院だって」
凛「ひどい怪我だったし、仕方ないよね」
凛「そういえば、二係に新しい執行官が加わるんだって」
千歌「あぁ…聞きました。…私の初の」
凛「それそれ」 凛「…それと、人数多いから、あのアイドルも異動だってさ」
千歌「……矢澤にこさん?」
凛「まあ役立たないし」
千歌「……」
凛「それより、やらないといけないことあるんじゃない?」
千歌「……」
千歌「手伝って…くれますか?」
凛「監視官の命令は拒否できないにゃ〜」 ーーー
凛「ふーん、サンライズシステムの仕組み、ね…」
千歌「免性体質者…たしかに多いのかもしれません。もしかしたら、みんなが思うよりも」
千歌「それに、体質。…おかしいんじゃないかなって」
凛「?」
千歌「私たちには…システムのような形で、係数が備えられている」
千歌「…それがいつどんなときでも0って…」
凛「…疑問、かぁ。言われてみると、考えたことなかった」
凛「漠然と、そういうものなんだなって考えてた」 千歌「だから一度、システムの仕組みを知りたい」
凛「見せてはもらえないの?」
千歌「うん。全然、局長には相手にもされなかった」
千歌「…だから自分達で探すしかない」
千歌「サンライズシステムを」 凛「ふーん、…システム、ね」
凛「いいね、おもしろそう」
千歌「…声をかけておいてなんですけど、見つかったらなにかしらの処罰は免れないかと…」
凛「いいんじゃない?」
凛「どうせ、こんな中じゃ凛たちはずっと罰を受け続けてるみたいなもんなんだから」
千歌「……凛さん」
凛「海未ちゃんやダイヤさんじゃ、着いてきてくれないだろうし。真面目だからにゃー」 凛「それに…もしも、それでなにかを、今の凛たちの現状とか変わるなら」
『凛ちゃん!』
凛「……」
凛「まあいいや、とにかく。…手伝うよ」
ーーー
海未「調子はどうですか?」
ことり「悪くないよ」
ことり「……それより、あれからなにか変わった?」
海未「いえ……なんとも。これからどうするか、と渋っているところで。絵里とも相談しているのですが…」
絵里「……」
海未「絵里?」 絵里「あ……、そうね。…今後も桜内については探っていくわ」
絵里「……ことりも、気を付けるのよ」
そういって、絵里はまた少し視線をしたに。
海未「……」
海未「あの…」
口を開くそのとき、絵里の端末にコールがはいる。
絵里「…どうしたの?」
ダイヤ『どうしたもこうしたもありますか! ……とにかく、黙って駅の方向へ行きますわよ! 指示を出して!』
絵里「?」 ーーー
遡ると、少し前。
1人の女が、ただ普通に歩いていた。
わざわざ一人のだとか、女がとか、歩いていただの、なんていう情報はいらない。
有象無象の中の、なんでもないどこかの誰か。
そんな誰かのまえに、また誰かが立っていた。それを避けようとして行こうとしたときに。
無理やり唇を奪われた。それだけじゃない、街のど真ん中で衣服を剥がされる。
女は困惑した、なにが、なにをされている?と。けれど、困惑したところでなにも変わらない。
ただ犯されているだけだった。 こんなことをしていれば、係数があがり、ドローンに気づかれすぐに公安がやってくると女は信じた。
そう信じていながら、二、三度絶頂へ導かれた。
どうして誰も助けてくれないのとも叫んだ。しかし通行人たちは、なにがなんだかわからないという顔だった。
ドローンが反応しないのなら、係数もあがっていないということ。
それならあの人は…レズじゃない?という思考が産まれていた。
悪いことじゃあ、無いんだ、と。そして自分が犯されたくないから、と近寄りたくもないと考えるのがほとんどだった。 そこで悪いことではないのかなと考えながらも、それが悪だということを理解しつつ干渉しようとはしない。
ドローンがやってくる。
だがそれは、犯されている女性への対応だった。
『係数があがっています。早急にカウンセリングセンターでの治療を推奨します』
ーーー
半裸の女が道に倒れてはいるが、それを誰も気にしない。なぜならそこにいるのは危険な潜在レズだからだ。
犯していった女は、どこへでもなく歩いていった。
このときの女の係数は少しも変動していなかったのだ。 そこから、まるで火蓋が切られたかのように。
街から悲鳴が起き出したのだ。
ーーー
善子「どうなってんのよこれは! なんでレイプして係数がかわらないの!?」
善子「えぇと、確か…一係の…あの人でいいか。ダイヤの端末番号は確か…!」
善子(この数、……とてもじゃないけど対応できないわよ!)
まるで。
まるで、街一つが大きな乱行会場のようだった。
善子(地獄絵図ね、こりゃ…!) 考察、どんどんしてください。そんな難しい話でもないですが…。
また明日に。 ーーー
絵里「なんなのよ、これは!」
善子「知らないわよ! 私も通り掛かったところ偶然よ!」
善子「というか、あいつら、係数があがらないのよ! だからラブライバーがロックされちゃう!」
絵里(係数があがらない? 免性…いや、こんな数もいるわけ無い。それに突発的すぎる!)
絵里(…、いや、まさか) 絵里(…花丸…)
絵里(似たようなことがあったはず。…それと同じ?)
絵里(もしかして…今回の件は……)
絵里(あのときのようなら…)
絵里「みんな、きいて」 善子「なに?」
ダイヤ「なにを」
海未「まだ千歌と凛が来ていませんが…」
絵里「それはたしかに心配だけど、いまは目の前のことよ」
ルビィ「…それで? なにするんですか」
絵里「全員、今すぐあの暴走した人たちの前で誘惑しなさい」
理亞「は?」 絵里「時間稼ぎよ。そしてふざけてる訳でもない。…いいかしら?」
ルビィ「……」
ルビィ「賢くない…」
絵里「これ以上市民に被害を出さないためよ!」
ダイヤ「…なにかよくわかりませんが…やるしかないのでしょう、きっと」 |c||^.- [◎]REC まずはエリーチカ様御自らがそのお手本を魅せて下さいまし! ーーー
ダイヤ「──うっふ〜ん♥」
ルビィ「ないよアレは。執行官だからとかじゃない。姉として認めたくない」
理亞「だめよ、あれでも精一杯やってるのよ、きっと」
善子「でも効果覿面みたいだけど…」
ダイヤ「こっち来ましたわ!?」
海未「見境なし、というわけですか…!」
『レズ係数 アンダー42 執行対象ではありません。 トリガーをロックします』
海未「やはり係数は低いまま…!」 絵里「手を出してはダメよ! …まだ彼女らは、善良な市民…!」
善子「わかってるわよ!」
『みなさい! 公安局の監視官たちが逃げていくわよ!』
『やっぱり、本当だったんだ! これさえあれば…!』
『わたしたちは自由に…!』
絵里(……) 絵里「……制圧、か」
絵里(…そうしないと、いけない。被害が大きくなる前に。でも…)
海未「絵里! なにをしているのですか! はやく退却を!」
絵里「いえ、そうもいかないわ」
絵里「やっぱりここで迎え撃つ」
海未「ですがラブライバーは!」 >>624
内心真面目なんだろうけどふざけてるようにしか見えなくて草 絵里「…だれがラブライバーをつかうっていった?」
絵里(今の状況じゃ、これもただのガラクタ)
絵里(なら…)
いつかのロシアで、花丸が所持していて、いまでは古びた兵器扱いの。
絵里「──止まりなさい!」
『!?』
理亞「銃…?」 絵里「抵抗すると撃つわよ」
『う…』
絵里(……なんて言ったものの、実は弾丸入ってないんだけど。…あったとしても撃ちはしない)
絵里(…これは勘。ただの私の!)
絵里「そのまま下がりなさい。気を付けた方がいいわよ、まだみんな出してないだけで、私のように武器を…そう」
絵里「人を殺すための武器をもっている」 絵里「大人しくして、抵抗しないで」
絵里「これ以上暴動を続けるのなら…」
『暴動? 暴動ですって?』
一人の女が叫ぶ。
『システムは私たちを正常で危害のない市民だと認めている!そんな私たちの行為が暴動なわけがない!』
『係数さえひくければ、あなたたちはわたしたちをとらえることはできない!』
絵里「……」
海未「絵里、あまり興奮させては…!」
絵里(いや、これでいいはず…) 絵里「……いいえ、そんなことはないわ」
絵里「あなた達は…犯罪者よ」
『うるさい! みんな、いっせいにかかればあんな奴ら敵じゃない!』
『そっちがそんなものもってるなら…殺されたって文句言うんじゃないわよ!!!』
殺意が見えた。
オーラや、気配でもなく、その言葉が見える。
それと同時に、ラブライバーが反応をしだす。
『レズ係数 オーバー371 執行対象です。』
絵里(きた!) 絵里(トリガーは…わからない! でも興奮が高まったときの可能性!)
絵里「──執行します」
ーーー
理亞「あ〜あ、ひどい有り様…」
海未「これだけの数を対処となると…」
道端には痙攣しながら倒れる人々。
中には200程度で済んだものもいたが、やはり大体は300をこえて、エリミネーターでの執行となった。
ルビィ「…これじゃ、公安局が悪者みたい」 追い付いた最近サイコパス見たからめっちゃおもろい
無理せず頑張って >>647
2ヶ月で製作とかもはや大作レベルだな
あっ、psychopass劇場版と原作みてまーすw 善子「実際、ちょっと支持は落ちてそう…みてみなさい、上」
理亞「…空撮ヘリ?」
善子「中継してたみたいよ。…タイミングとか、編集次第じゃ、私たちが怯える人たちを次々に執行したみたいになりそうね」 善子「……」
善子「こんなときに、あんじゅはなにしてるのよ…」
ーーー
公安局
あんじゅ「……」
善子「あっ、いた…あんたなにやってたのよ」
あんじゅ「…あ、ぁあ、ごめん。ちょっと…」
善子「たくっ、こんな大変だったときに……」
あんじゅ「…」
ーーー
あんじゅ「…これでいいの?」
『ええ。充分よ』 あんじゅ「あ〜あ、あやうくバレるところだったじゃない」
『だったら私についてくればいいじゃない』
あんじゅ「っていうか、そうするしかないわね…」
あんじゅ「やだやだ、脱走かぁ…」
『執行官といっても、人によってよりけりなのね』
あんじゅ「だって、あんなこと教えられたら、公安局についていくのもバカらしくなっちゃう」
あんじゅ「でも、『あんなこと』、どうやって知ったの?」
あんじゅ「ツバサ」
ツバサ「私は元監視官だったのよ」 あんじゅ「監視官?」
ツバサ「サンライズシステムに疑問を持ち出して、自分で探ったら、やめたくなったってことよ」
ツバサ「私なりに、自由にいきたくなってね。それと、ついでに護身用にこれもね」
あんじゅ「私のラブライバー…使えないと思うけど?」
ツバサ「それに関しても、サンライズシステムの力を使うのよ」 あんじゅ「…? まあ、いいんだけど」
あんじゅ「ところで、どこへ行くつもり?」
ツバサ「昔お世話になった人がいてね。いまはひっそりとどこかの田舎で一人で暮らしてるはずよ」
ツバサ「その人のところへ」
あんじゅ「ふぅん…」
ツバサ「あなた、コーヒーは好き?」
あんじゅ「? …好き」
ツバサ「だったら、ラッキーだったわね。本物の豆のが飲めるわよ」
ーーー
絵里(……)
絵里(高坂穂乃果…)
絵里(探すと言っても、行方がまったく知れない…どうしたものかしら) 絵里(……)
善子「…いる?」
絵里「あなた…わざわざ何の用?」
善子「……」
善子「面倒なことになってるわよ…」
善子「私んとこのあんじゅと…あんたんとこの凛」
善子「執行官二人が脱走よ」 絵里「…は?」
ーーー
局長室
絵里「脱走…ですか?」
英玲奈「休暇日であるからと油断したな。彼女たちと連絡がとれない上に、津島くんのところの執行官は、ラブライバーを持ち出し。君のところの執行官は、本人のラブライバーが『遠く離れた路上』に落ちていた」
絵里(…凛が、脱走?)
絵里「……! 千歌は…なにをしていたのですか?」
絵里(一緒にいたと聞いたけれど…)
英玲奈「おや? 聞いていなかったのかい。あぁ、彼女なら…」
英玲奈「今ごろは病院のベッドではないだろうか」
絵里「……え?」
ーーー
ーーー
ーーー
×時間前。
凛『それで? どこ調べるつもり?』
千歌『公安局の地下へ行く』
凛『地下?』
千歌『うん。そこは私だけがいける。いや、ちょっと違うかな』
千歌『私、こう見えても監視官試験は首席で合格だったんだよ』
凛『えっすご』
千歌『それの権限でね。普通の監視官じゃ通れないところもいけるんだ』 千歌『そこから先に、なにか手掛かりがあるかもしれない』
千歌『……当然、執行官は入ることはないから。……危険があると考えてもいいかもしれない』
凛『危険なら、いままでたくさんあってきたじゃん』
千歌『…ありがとう』
ーーー
凛『それにしても、そんなところに連れていくなら、監視官ちゃんも後でなにか言われるんじゃ?』
千歌『その時はその時だよ』 千歌『この先だよ』
凛『広いね〜』
千歌『ここから先は私もわからない…二手に別れよう』
凛『了解』
ーーー
ーーー
凛『やたら長いはしご…どこまで続いてるんだろ』
凛『とりあえず降りてみるかな…』 凛『……どんだけ地下深くまであるんだか』
凛『怪しすぎるでしょ、人も見当たらないし』
凛『…』
凛『あとで、ラーメンでも奢ってもらわなきゃ、割りにあわないね、こりゃ』
ーーー
凛『……いや、なに、あれ』
しばらく歩いていると。
大型犬のような姿のマシン……ロボットがうろついていた。
凛(やっぱ怪しいね…) 凛(なにもないなら、あんなのないよ…)
凛(ラブライバー…デコンポーザーに頼ることになるね)
凛(……)
凛(へへ、なんか……こんなことしてたら)
凛『本当のほんとうに、悪者だね、凛 』
ーーー
三体のロボットを破壊した。
狙撃のセンスがあるから、遠くから狙い、三体が一直線に重なったところを一撃で仕留めた。
凛(わざわざ危ない橋を渡ることはない)
凛(…もういないよね? 物音も特にないし)
凛(……ただ、この先に何かがあることは、わかったし…それは油断できない。気を引き締めよう) 凛『……』
凛(光が…)
凛『いかにも、ここに何かありますよ、って感じ?』
凛『……!』
凛(誰かいる……?)
ーーー
花丸『……』
花丸『これが……サンライズシステム…の…』 凛(…あいつ、いつかの)
凛(なんでここに? どうやって? ……そういえば、…まえ、地下室から抜け出したときも……)
凛(たしか……サイマティックスキャン…それと、…容姿の偽装)
凛(……あのときと同じなら…『あと誰か』が、どこかに…?) ーーー
花丸(……)
凛『……動かないで』
花丸『……』
花丸『みてみなよ、これが世界の真実だよ』
凛『……なに?』
凛(これは……)
花丸『これだよ、これ! これがっ、梨子ちゃんが求めてたっ、ずっと探してたサンライズシステムのっ──』
凛『……これって…そういう…こと?』
花丸『やっぱり全部仕組まれてたんだ…あんな数値が産まれ持った素質な訳が……!』
『執行モード ノンリーサル・パララLaLaら8ixaza執行taisyouデ'(r──
リーサル・エリミネーター 対象を排除します』
花丸『え?』
凛『は?』 エリミネーターでも死なない健全なSSだから大丈夫だろきっと・・・ 凛『っ!?』
花丸『うぎっ!?』
花丸の体が飛ぶ。
エリミネーターで撃ち抜かれ、そのまま戦意喪失。それどころではないのだけども。
凛『……』
凛『……局、長?』
英玲奈『……困るんだよ、星空くん』
英玲奈『ここは君のような者や、そこの潜在レズがいていい場所じゃないんだ』
英玲奈『さ、戻りたまえ。ここで見たことは忘れなさい』 凛『…で、でも、』
英玲奈『戻るんだ』
凛『……は、はい』
凛(……あれは、…いや、それよりも…どうして、局長はここに)
凛(……大量の…『脳』。あれは、いったい…百、…少なくとも、それくらいは)
英玲奈『……』
『lllllLぃーサル、えりみmiねいたー、照準…をあwsfてくだSAIィィアイ──』
『ddecinンポーザー・対象を完全排除します』
英玲奈『残念だよ、星空くん』
凛『っ!!』
凛(ちょいちょい……最初から逃がす気なんかなかったんじゃん)
凛『あっーあ、ほんとう、やってられないよ、くそ……!』
ゴバッ!!! 英玲奈『…ふむ』
英玲奈(『手首と』、ラブライバーだけ残ったか)
英玲奈『すべてとはいかないものか。まあいいだろう……もう一人には、後々、責任をとらせるとしよう』
英玲奈『なぁ、高海くん?』
ーー!
千歌(……)
千歌(このエレベーター、どこまであがるんだ…) このSSでもこの展開は逃れられないのか……
続き期待 原作知らないからマルと凛ちゃんどうなって死んだかよくわかんない 千歌(公安局タワーの…どこまで)
千歌(……凛さんは、無事かな)
千歌(……ついた)
ーーー
千歌(……こっちは外れかな)
千歌(なにもない……)
千歌『仕方ない、か。一度もどって──』
梨子『待ってたわよ』
千歌『!』 梨子『これも運命かな、正直ここで会えるとは思ってはいなかったんだけれど』
梨子『これでも結構驚いてるのよ、本当に』
千歌『……なんのつもり』
梨子『何も、ふふ。それに、私の目的は達成できたし、このまま帰ってもいいわ』
梨子『……予想外のことも、起きてるけど』
千歌『…私のこと?』
梨子『それもあるけど、……まあ、いいわ』 生活がなんとか一段落つきそうなので、夜からちゃんと再開です。 梨子『サンライズシステム。それがなんなのかは、知ってる?』
千歌『それを探ってたところだよ』
梨子『そう……なんなのか、をね』
梨子『アレに支配されてはダメよ』
千歌『…支配?』 梨子『サンライズシステムによって、私たちは支配されている』
梨子『あれのせいで私たちは行動を縛られていると言ってもいいわ』
千歌『……』
梨子『それは──あなたも感じているでしょ?』
梨子『あの子のようすはどうかしら? あれから、なにか変化は?』 千歌『……変わらないよ。なにも』
梨子『そう、そうでしょうね。だってあの子はレズじゃないもの』
千歌『……?』
梨子『システムがただそういっただけ。違う?』 梨子『それとも、あなたは信じてあげないのかしら?』
梨子『友達が、そうじゃない、ってことは』
千歌『……』
千歌『……だって、それは…』
梨子『子供ね』
梨子『まあいいわ。あなたにはまだ、荷が重かったと言うことかしらね』 梨子『とにかく。私はここにはいられない』
千歌『どこに行く気!』
梨子『どこでもない。どこへでも行かないといけないのだから』
千歌『…みすみすあなたを逃がすとでも?』 梨子『あなたに何ができるの?』
梨子『システムの言いなりでしかないあなたに』
千歌『……もうなりふり構ってられないの』
千歌『システムじゃない、私自身が止める』
千歌『そして全部話してもらう、何を企んでいるのかを』
梨子『……』 お互いが構える。
千歌が果敢に攻める。上段、下段蹴り。
訓練生のころに優秀な成績を納めていて、対人戦には少なからず自信があった。
だがその攻撃の一つ一つは通らない。
梨子『サンライズシステムの正体が知りたくないの?』
見切れない拳。防ぎきれずに何度も貰ってしまう。
そういえば、実戦はこれが初めてかもしれないと、今頃感じた。 千歌『くそっ、ぅ…!』
梨子『ねえ、知りたくないの?』
千歌『そういうの全部後回しで良いの!』
胸ぐらを抱えられ、地面に叩きつけられる。いったいその細腕にどこにそんな力が…。
千歌『うぐっ…!』
千歌『このっ、んむ!?』
梨子の顔が迫り、頭突きでもかまされるのかと思ったが、そうではなくキスだった。
千歌『うがっ、な、なにすんっ、の!』
梨子『んふ、あなたもこれで何か係数がかわるかなって』
千歌『ふざ、けるなっ…!』 千歌『私はあなたを許しはしない…』
梨子『許されるつもりもない』
梨子『前に言ったでしょ? 世界が正しい形になったら、その時はあなたに罰されてあげるって』
千歌『それはいまからでいい!』
梨子『まだやることがあるからそれもだめね』 千歌『くっ…!』
梨子『いまのあなたじゃ、私を打ち倒すことはできない』
千歌『ぅ、ぉぅ!?』
背負い投げ。
体制を整える前に梨子の助走をつけた蹴りが千歌のこめかみにはいる。
千歌『ぅぐぅ……!?』
梨子『所詮はこの程度。あなたなら私を追い込んでくれると思っていたのだけど』
千歌『…っ、っ…!』
千歌(た、立てない…!) 梨子『さて、それじゃ……』
千歌『ぅ、ぅ……』
千歌『は、離せ…』
梨子『ふふ、だめよ……』
梨子『あなたには、まだやってもらうことがあるから』
千歌『う、ぁ……』
そこで私の意識は途絶えた。
ーーー
ーーー
現在。
絵里「……凛の逃走、千歌の…拉致」
英玲奈「あぁ、そうだ。犯人は桜内梨子だ。防犯用のカメラに写っていた」 絵里「……それでは、私たちは」
英玲奈「君は変わらずに、高坂穂乃果を探すんだ。……空いた穴は、代わりを用意する」
絵里「代わり、って…千歌のことですか?」
英玲奈「そうだ。高海監視官については、こちらで捜査する。君は気にすることはない」
絵里「ですが!」
英玲奈「絢瀬くん、……私も想定外のことで参っているのだ。これ以上困らせないでくれないか」
絵里「…っ」 絵里「……はい」
英玲奈「心配するな。新しい監視官は、君ならうまくやれるさ」
ーーー
海未「……」
海未「…すこし、いえ。まったく状況が飲み込めませんが」
海未「……凛は逃走、監視官は拉致…」
ダイヤ「なぜ…」 絵里「……事実、二人といま連絡がとれない」
海未「…ですが、…いえ。わかりました」
海未「今はやれることをやりましょう」
ダイヤ「……もうじきことりさんも戻ってきて、…それと、新しい監視官……はいつ頃?」
絵里「新しく配属される、そのタイミングで」
絵里「……そして、その子は」
絵里「私の妹よ」 ーーー
ツバサ「お久しぶりです、志満さん」
志満「……その子は?」
ツバサ「今はパートナーかな」
志満「とりあえず入りなさい。なにやら訳アリみたいだしね」
ツバサ「ありがとうございます」
あんじゅ(……だれ?) 志満「はいコーヒー。本物の豆だからめちゃくちゃ濃いわよ」
ツバサ「ありがとうございます」
あんじゅ「うやっ! にが!」
志満「人工物のコーヒーと比べたらね」
志満「それで、なんのようかしら? コーヒー飲みに来た訳じゃないでしょ?」
ツバサ「サンライズシステムの正体を知りました」 志満「……へえ」
ツバサ「本当はもっと早く伝えたかったんですけど、そうもいかなくて」
志満「受講生のときから、何かやるとは思ってたけど、ついにそこまでやったのね」
ツバサ「昔の話ですよ」
あんじゅ「あの〜、なんのはなし?」
ツバサ「あなたにも見せるわよ。これみて」
あんじゅ「なによ……ん?」
あんじゅ(……たくさんの、…なに? コードに繋がれた脳みそ? なによこれ、悪趣味ね)
ツバサ「これがサンライズシステムよ」
あんじゅ「は?」 ツバサ「サンライズシステムは、約200名のレズの脳の、判断によって数値を決めだすの」
あんじゅ「は…?」
志満「…ふん」
志満「じゃあ、私たちは、レズ達によって、そうじゃないかどうかを、判断されていた、と?」
ツバサ「そうなります」 志満「そういう、ことねぇ…」
あんじゅ「い、いやいや。なにそれ。それって…ひどくない?」
あんじゅ「そんなの向こうのさじ加減って事?!」
ツバサ「そうも言えるわね。どういう行為が、対象になるかも、向こう次第」
ツバサ「……だからこそ、免性体質者も現れる」 志満「……それで、それを突き止めたあなたは?」
ツバサ「困ったことは、ひとつ。どうしたって、こんなこと。まともな方法で広めても誰も信じやしないでしょうし」
あんじゅ「……」
あんじゅ「なにを、したいの…?」 ツバサ「新世界よ」
ツバサ「いや、ごめん。違うわね」
ツバサ「元々のかたちに、戻すだけ」
ツバサ「そうでしょう? 志満さん」
志満「そうね……そういえば、あのこはいまどうしてるかしら」
ツバサ「…あの子?」
志満「妹、いるのよ。免性体質者のね」 ツバサ「妹さんが?」
あんじゅ(……!)
あんじゅ(……高海監視官?)
志満「なにしてるかな、いま。連絡してくれなくなってから、だいぶ経つけど」
志満「また会いたいわ」
ーーー
聖良「と、いうわけで。新しく執行官として皆さんの仲間になります。よろしくお願いします」
善子「自分から仲間とか言うのね」 ルビィ「でもこれからそうなるのは間違いないよ。…よろしく」
聖良「えぇ、もちろん」
ーーー
絵里「とにかく、今は今できることをやらないといけない」
ダイヤ「こんな時でも、事件は起きますものね…」
ダイヤ「……あの向かってくる子が?」
絵里「えぇ、…新しい監視官」
亜里沙「絢瀬亜里沙です!」
亜里沙「よーし! 初現場、頑張るからねっ、お姉ちゃん!」
絵里「外では、ちゃんと…そうね。絵里さん、よ」
亜里沙「あ、そっか」
ダイヤ「……」
『おねえちゃーん!』
ダイヤ(…姉妹の、監視官。重ねないわけが、ないですわ)
海未「思い出してる場合ではないですよ」 ことり「……」
絵里「えぇ、わかってる」
絵里(そうだ、わかってる)
絵里(止まってる暇はない。…千歌の捜索、そして高坂穂乃果の…)
絵里「…さあ、行くわよ」
絵里「私たちは、公安局よ」
to be contented タイミングと声的に亜里沙がうざキャラに思えてしまう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています