鞠莉ママ「ハグゥとデスワがバレンタインの邪魔をしてきマース……」
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それは、まだ鞠莉が幼く、ハグゥとデスワにそそのかされ始めた時期の出来事……
鞠莉ママ「ついに出来ましたー!! 本場ベルギーの一流パティシエを呼んで作った等身大鞠莉型チョコレートデェェェス!!」
等身大鞠莉型チョコ「」←時価120万円
鞠莉ママ「これをバレンタインの今日、愛するマリーにプレゼントする……」
鞠莉ママ「これでマリーのハートはますます鷲掴みデース!!」ハァハァ
鞠莉パパ(いやデカすぎるし愛が重すぎるだろ……常識的に考えて)
鞠莉ママ「これを食べたマリーは、きっとその美味しさとワタシからの愛に、涙を流して喜んでくれるはぁぁーー……ズゥ♥」クルクル
鞠莉パパ(どうやって食うのよこれ?)
鞠莉ママ「さあ!! すぐにマリーズルームにレッツゴーでーす!!」 〜鞠莉の部屋〜
バァァーン!!
鞠莉ママ「ハァーイ、マリー♥ ハッピーバレンタイィィィン!!」
ビュオオオオオ
バタバタ
鞠莉ママ「」
鞠莉パパ(もぬけの殻だな。風でカーテンがはためいて……その下は、)
鞠莉ママ「まさか!?」
バッ
プラーン
鞠莉パパ(カーテンをつなぎ合わせて、ロープ替わりにして脱走したか)
鞠莉パパ(なかなかたくましくなってるじゃないか、鞠莉)
鞠莉ママ「なっ……なっ……!!」 鞠莉パパ(机の上に、書き置きが……)
ママ、パパへ
ちょっとでかけてきます
さがさないでね☆
まり
鞠莉ママ「……オノレェェェ……!!」
鞠莉ママ「まぁーた、ハグゥとデスワの入れ知恵ですネ……!!」ゴゴゴゴ
メラメラ
鞠莉ママ「許さん……!! 絶対連れ戻す……!!」
鞠莉パパ(過保護だなあ……) 〜黒澤家の屋敷〜
ちび鞠莉「大丈夫かな。ママに、見つかんないかなあ……」
ちび果南「だいじょーぶだよー、そう簡単にはバレないって!」
ちびダイヤ「だけど、あんまりのんびりはしていられませんわ。鞠莉さん、早く“あれ”を完成させないと……!」
ちび鞠莉「う、うん! 急がなきゃ……!」
……バラバラバラ……
ちび果南「……!?」
ちびダイヤ「だんだん、近づいてくる……」
ちび鞠莉「あの音は……!?」 バラバラバラッ!!
キュンキュンキュンッ!!
鞠莉ママ「マリーズマザーデェェェェス!!!」
鞠莉ママ「マリーを迎えに来ましたァァァァ!!!」
ちび鞠莉「やっぱり……」
ちび果南「なんでいっつも、ヘリに乗ってくんの? あのおばはん」
ちび鞠莉「恥ずかしい……///」
ちびダイヤ「でも意外と、鞠莉さんも将来あんな感じにヘリでブイブイいわせてそうですわ」
ちび鞠莉「そんな恥ずかしいこと、しないもん!///」 キュンキュンキュンッ!!
スタッ ←地上に降りた
黒服「」ザザザザッ!!
鞠莉ママ「オ〜ウ……これはこれは……」
黒澤ママ「」ザッ!
鞠莉ママ「盛大なお出迎え、痛み入りマ〜ス」ペコッ
黒澤ママ「……これはこれは、小原の奥様」
黒澤ママ「一体、今日はどんなご入り用で?」
鞠莉ママ「……ご冗談を」クスッ
鞠莉ママ「マイドーターが、こちらでお世話になっているのではないデスか?」
黒澤ママ「……ご冗談を」フッ 黒澤ママ「音に聞こえた“オハラファミリー”のご令嬢が、よもやこんな庶民の小さな屋敷に遊びに来るなどと……」
鞠莉ママ「……“庶民”? よく言いマース」
鞠莉ママ「広く沼津と伊豆を勢力下におく、“黒澤家”の奥方ともあろうお方が……」
黒澤ママ「……いえいえ、そんなそんな」フフフ
鞠莉ママ「……またまた、そんなそんな」オホホ
バチバチバチッ!
ちび鞠莉「ママたち、こ、怖い……」ブルブル
ちび果南「代理戦争でもおっぱじめそうな雰囲気だね」
ちびダイヤ「それより、この隙に、ここからなんとか抜け出さないと……!」
コソッ…
ちびルビィ「お……」
ちびルビィ「おねぃちゃ、たち……」コソコソ
ちびダイヤ「……ルビィ!?」 ちびルビィ「いまのうちに……こっちの、うらぐちから……」
キィ…
ちびルビィ「にげなしゃい、って……お、おかあしゃんが……」
ちびダイヤ「ルビィ……お母様……!」
ちび鞠莉「ベリベリ、さんきゅーでーす!」
ちび果南「恩に着るよ!」
タタッ
ちびダイヤ「ルビィ……」
ちびダイヤ「ありがとう、ですわ」ニコッ
ちびルビィ「あ、あの、おねぃちゃ……!」
ちびダイヤ「……大丈夫。ルビィや、お母様、お父様の分も、ちゃんとありますわ」
ちびダイヤ「帰ったら、ちゃんと渡しますから! いい子で、待ってるんですのよ!」
タタタッ
ちびルビィ(おねぃちゃん……)
ちびルビィ(がんばるびぃ、だよ)ニコッ 鞠莉ママ「あまり隠しだてするのは、ためになりまセーン」
鞠莉ママ「我ら、“オハラファミリー”を、敵に回すという意味に……」
黒澤ママ「……上等さね」
キッ!
カッ!
黒澤ママ「あんたらこそ……あっしらとひと悶着起こそうってことは、タマぁ張る“覚悟”が出来てるってことだわね?」
黒澤ママ「それにね。仮に、あんたんトコのお嬢さんが、ここにいたとしても……」
黒澤ママ「可愛い愛娘とその大事なダチのやること、黙って見守ってやるのが、親心ってもんじゃないのかねぇ?」
鞠莉ママ「何をっ……!」 バタバタ
SP「奥様! 裏口から、お嬢様ら御一行が!」
鞠莉ママ「なぁぁぁんですってぇぇ!? ファァァック!! 追うのデース!!」
SP「はっ!!」
ダダダダッ!
黒澤ママ「……ふっ」
黒澤ママ「気張りなさいな。ダイヤ」 〜淡島、果南のダイバーショップ〜
ちび果南「ふふふ。まさか鞠莉のお母さんも、逃げた場所が、鞠莉の家と同じ淡島の中とは思わないよね!」
ちび鞠莉「大丈夫かなぁ……」
ちび果南「きっと、もっと遠くに逃げたと思ってるはず! これってあれだよね、“とーだいモトクロス”ってやつ?」
ちびダイヤ「……“灯台もと暗し”ですわ。それより鞠莉さん、早く“あれ”の仕上げを……!」
ちび鞠莉「うん、わかってる……!」 ちび鞠莉「………」
ピタッ
ちびダイヤ「……鞠莉さん?」
ちび果南「どうしたの?」
ちび鞠莉「ママ……怒ってたよね」
ちび鞠莉「やっぱり、私……勝手なこと、しちゃったから……」
ちび鞠莉「“これ”、ママに渡しても……喜んで、くれないかなぁ……」ジワ…
ちびダイヤ「鞠莉さん……」
ちび果南「……だいじょーぶだよー、鞠莉」
ちび果南「だって鞠莉、こんなに頑張ってるんだから!」
ちびダイヤ「そうですわ。鞠莉さんの想いは、伝わるはずですわ!」
ちび鞠莉「果南……ダイヤ……!」 バタバタバタッ
SP「鞠莉お嬢様ー!!」
SP「いらっしゃるのですかー!!」
ちび果南「げっ! やばい、外から鞠莉の家のえすぴーの声が!」
ちび鞠莉「だけど、最後の仕上げが……!」
ちびダイヤ「逃げますわよ!」
タタタタッ! 〜ホテルオハラ〜
鞠莉ママ「………」ズーン
鞠莉パパ(結局、見つからずじまい、か)
鞠莉ママ「……なんで、ハグゥとデスワは、私たちのバレンタインの邪魔を……」
鞠莉ママ「………」
鞠莉ママ「……はぁ」
鞠莉ママ「……ねえ、あなた」
鞠莉パパ「?」
鞠莉ママ「私って、もう……鞠莉には、必要ないのかしら……」
鞠莉パパ「………」
鞠莉ママ「母親の、私よりも……あの、ハグゥとデスワと一緒にいた方がいい、ってことなのかしら……」
鞠莉パパ「……どうかな」
鞠莉ママ「……“これ”も……」
鞠莉ママ「……無駄になっちゃいまシタ」
ガサ…
鞠莉パパ(“これ”は……?) “Dear Haguu”
“Dear Deathwar”
鞠莉パパ(鞠莉の友人たちへの、チョコ……?)
鞠莉ママ「……確かに、あの子たちのこと、しょーじきムカつきますし、勝手に鞠莉を連れ出して、忌々しくも思うけれど」チッ
鞠莉ママ「……だけど。別に……嫌いじゃない」
鞠莉ママ「鞠莉が、私たちにも見せたことのない表情を、あの子たちに見せてるのを見ると……」
鞠莉ママ「嫉妬ファイヤーするのと同時に、ちょっとだけ、感謝だってしてるんデース」
鞠莉パパ「………」
鞠莉パパ「……素直じゃないな」
鞠莉ママ「……パパに言われたくありまセーン///」プイッ
バンッ!
ちび鞠莉「……!」
ハァハァ
ちび鞠莉「ママ……パパ!」 鞠莉パパ「!」
鞠莉ママ「……鞠莉!!」
鞠莉ママ「今まで、どこへ……!! 心配したんデスよ!!」
ちび鞠莉「ご、ごめんなさい、ママ!!」
ちび鞠莉「だ、だけど……ママと、パパに、渡したいものがあって……!」
鞠莉ママ「渡したい……もの?」
ちび鞠莉「こ、これ……!!」
バッ!
鞠莉ママ「!! これは……まさか……」
鞠莉ママ「チョコレート……?」 ちび鞠莉「うん……私が、作ったの……!」
鞠莉ママ「鞠莉が……!? だって貴方、今までお菓子作りなんて一度も……!」
ちびダイヤ「……いちから勉強して、作ったんですわ」
ヒョコッ
ちび果南「家を抜け出して、バレないように、こっそりね」
ヒョコッ
鞠莉ママ「デスワ……ハグゥ……」
ちび鞠莉「ごめんなさい……内緒にしてて。でも、ママとパパを、びっくりさせたくて……」 ちび果南「あ、あとねー、一応」
ガサゴソ
ちびダイヤ「わたくしたちからも……」
スッ
鞠莉ママ「……! 貴方たちからも……チョコレートを……!?」
ちびダイヤ「ええと……ちょっとだけ、鞠莉さんのおうちに、ご迷惑をかけてしまっているのは事実ですし……」コホン
ちび果南「鞠莉のついでだよ、ついで! 勘違いしないでよねー!」
鞠莉ママ「………」
ちび鞠莉「ね。ママ、パパ……」
ちび鞠莉「私たちの、チョコレート……受け取ってくれる……?」
鞠莉ママ「………」
鞠莉ママ「……ええ」
ちび鞠莉「……!!」パァァァ ガサガサ…
鞠莉ママ(ラッピングも、手作りで……不格好で)
鞠莉ママ(中に、手紙が……?)
ママとパパへ
いつも、おしごとおつかれさま
いそがしいのに、わたしにいっぱいかまってくれてありがとう
だいすきだよ♥
まり
鞠莉ママ「………」
鞠莉ママ「鞠莉……ハグゥ、デスワ……」
鞠莉ママ「貴方たちのチョコ……食べても、いいかしら……?」
ちび鞠莉「うん!」
ちびダイヤ「もちろんですわ!」
ちび果南「ほっぺた落ちるぞー!」 モグモグ…
鞠莉ママ(……私が、一流パティシエに作らせたチョコに比べて。味も淡白で、まろやかさも無くて)
鞠莉ママ(だけど……)
鞠莉パパ「……うん」
鞠莉パパ「これは美味い」
鞠莉ママ「……ええ」
鞠莉ママ「今まで、私が食べた中で……一番美味しい、チョコレートです」
ちび鞠莉「ママ、パパ……!」
鞠莉ママ「………」ジワ…
鞠莉ママ「ありがとう……鞠莉」
鞠莉ママ「ありがとう……“果南”、“ダイヤ”」 鞠莉ママ(……今までは、鞠莉は私の手許に置いておくのが最善だと思っていた。それが、鞠莉のためでもあるのだと)
鞠莉ママ(でも……こうして、鞠莉が新しいことを知り、成長してくれるのなら)
鞠莉ママ(これからは、少しくらい、果南やダイヤに会うことを、許してあげても……)
ちび果南「うわー、すごーい、なにこのチョコ!? 鞠莉そっくり! でかっ!!」
ちびダイヤ「……そっくりすぎて、なんだかちょっと気味が悪いですわ」
鞠莉ママ「……あ?」カチン
ちび果南「よーし、ちょっと食べちゃお! いただきまーす!」ボキン
鞠莉ママ「あああああ!?!? 何を勝手に!? マリーのキュートなマゲをボキンと!?」
ちび果南「なにこれ、うまっ!! うまっ!!」モグモグ
ちびダイヤ「うーん……美味しいのは美味しいのですが、少々ビターの風味が強すぎると言いますか……」モグモグ
ちびダイヤ「小さな鞠莉さんのお口に合うように、もう少しミルクの風味を強めた方が……」クドクド
鞠莉ママ「ああああっ!?」カチーン 鞠莉ママ「このぉ……クソガキども……!!」
ゴゴゴゴ…!
鞠莉ママ「やっぱりアンタたちには、ハグゥとデスワのネームがお似合いデース!!」
鞠莉ママ「マリーズチョコレートから離れろぉぉぉぉ!!!」
ブンブンッ
ちび果南「あはははは! 怒ったー!!」
ちびダイヤ「わっ、わっ、落ち着くのですわー!」
ちび鞠莉「うふふふ。なんだかみんな、楽しそう♪」
鞠莉パパ(成長しないなあ……) 〜そして現在、ホテルオハラ〜
鞠莉ママ「………」
鞠莉ママ「……なーんてことも、ありましたネ」
鞠莉ママ「そして、今年も……」
バンッ
鞠莉「ママー! ハッピー☆バレンタイン!!」
鞠莉「今年もチョコレート、用意してきたよー!!」
鞠莉ママ「オーゥ!! ベリベリサンキューでーす♥」
果南「……しょーがないから、私たちも」
ダイヤ「今年も、用意してきましたわ」
鞠莉ママ「………」クスッ 鞠莉ママ「ベリベリサンキューでーす! そんなハグゥ、デスワには……」
ニヤリ
鞠莉ママ「早速、私からのお返しデース♥」
ポチッ
ポロッ…
ドザザザザッ! ←コインチョコの雨
ダイヤ「ぴぎゃあああああ!?」
果南「うわあああああ!?」
ポロッ
コツンッ
鞠莉「アウチ」
鞠莉ママ「私の気持ち、タップリ受け取ってくだサーイ♥」
果南「この……オバハン……!!」プルプル
ダイヤ「次は……チョコに、ハバネロを入れてやりますわ……!!」ブルブル
鞠莉ママ「あっはっは! おとといきやがれデース☆」
鞠莉(やっぱり、ママと果南とダイヤって……)
鞠莉(本当は、仲良くなれるのかもしれないわね☆)
〜おしまい〜 最近自分の中でマリーズマザーと3年生組が熱いので書いてみました
1日遅れになってしまいましたがハッピー☆バレンタインノξソ>ω<ハ6 |c||^.- ^|| 素晴らしいdeathwar おつなのです
このシリーズ好きだから次回も期待なのです 乙
最近マリーズマザーが可愛く見えてきた俺にタイムリーなSSや
ちかっちに抱きつくとこの笑顔たまらないんじゃ〜 おつ、すき
どこかベクトルの違うトムジェリみさえ感じる ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています