曜「あなたがブラック・ジャック先生ですか……？」BJ「フフ……」
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0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:47:17.20ID:PhCX/kS1
『嘘をかさねて』

　丘の上に建てられた家に向かっていた。少しよれてしまった地図のしわを伸ばしながら、目の前の家と地図の端に描かれているイラストを見比べ、確信を持った私はノックをした。
　この家には、ブラック・ジャック先生という医者がいる。治療費はうんと高いらしいけど……それで彼女が治るなら、私は一生かけてでも払ってみせる。また“あの頃の私たち”に戻るために。そのためならなんだってするよ。
0002名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:47:45.80ID:PhCX/kS1
ｷﾞｨｲ…

BJ「お客さんかね。なんの用だい」

曜「あの、あなたがブラック・ジャック先生ですか……？」

BJ「あぁ」

曜「手術をお願いしたいんです。お金も持ってきました！」

BJ「ほう。おいくらほど？」

曜「300万です。足りなければ、その、後払いとか……」

BJ「フフ……まぁいいがね。言っておくが、私の手術を受けたければあと1桁は足りないね」

曜「3000万、ですか！？」

BJ「あぁ、それでも手術をして欲しいかい？」

曜「お願いします！必ず、一生かけてでも払いますから！なんでもします……っ！」
0003名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:48:15.58ID:PhCX/kS1
BJ「……それでおまえさん、どこが悪いんだ。見たところ健康そうに見えるがなァ……」

千歌「っ……」

曜「いえ……この子が患者なんです。高海千歌ちゃんと言います。自分は幼なじみの渡辺曜です」

BJ「……ふむ。まずは診察をしてみよう」

ｷﾞｨ……

曜「喉です。少し前から声がでないみたいで……」

BJ「どれ見せてみろ……うぅむ、腫れてるわけではなさそうだが……」

曜「他のお医者さんもそう言って治療してくれませんでした」
0005名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:48:47.64ID:PhCX/kS1
BJ「そうだなァ……わからなければ手術のしようもない。諦めることだな」

曜「ダメなんですッ！」

BJ「声が出ないくらいで死にゃせんよ」

曜「私たちはスクールアイドルをやっていて。声が出せなきゃ……。お願いします！診るだけでも……っ！先生しか頼れないんです！！」

BJ「そのスクールアイドルとやらをやるために無意味な金を払うのかね？第一におまえさん、この金はどうした？」

曜「これは……今まで貯めてきた賞金です」

BJ「賞金？」

曜「私、高飛び込みという競技をやっていて……ありがたいことに大会によく出させてもらっているんです。それで賞金が出ますから、そのお金です。7年分くらい……かな」
0006名無しで叶える物語(はんぺん)
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2019/01/22(火) 15:49:10.15ID:3Xgu+PyV
彼女にちんこでも生やす気か
0007名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:49:14.62ID:PhCX/kS1
千歌「……」ｷﾞｭｯ

曜「ん？大丈夫だよ、千歌ちゃん」

千歌「っ」ﾌﾙﾌﾙ

曜「ふふ、気にしないで。また一緒にスクールアイドルやろうね」

千歌「……」

BJ「……」

BJ「よしわかった。少し診てみるとするか」

曜「本当ですか！？」

BJ「喉に問題がないのなら、脳かもしれないな。一度検査をしてみる。それでわからなければ諦めろ。いいな」

曜「はい……ありがとうございます！良かったね千歌ちゃん！」

千歌「……」ｺｸｯ
0008名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:50:03.92ID:PhCX/kS1
BJ「ここから先は患者以外立ち入り禁止だ。そこで待っていろ」

曜「あ……そうですよね。すみません」

……ﾊﾞﾀﾝ

BJ「……ふぅ」

千歌「……」

BJ「ここは外に音が漏れない」

千歌「……？」

BJ「おまえさん、もう演技は中断して平気だぜ」

千歌「……あはは」

千歌「やっぱり、ブラック・ジャック先生は噂通りすごい人だなぁ……今までバレなかったのに」
0009名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:50:32.88ID:PhCX/kS1
BJ「どうして声が出ないフリをしている」

千歌「先生に治してもらいたいからです」

BJ「悪くない場所を治せってのか？フフ、まぁ実体のない人間を手術したこともあったが……」

千歌「あ、そうじゃなくて……治して欲しいのは、曜ちゃんなんです」

千歌「曜ちゃんはスクールアイドルをやっている……と言っていたんですけど、本当はやってないんです。もう、終わりましたから」

千歌「たしかに私たちはスクールアイドルをやっていました。だけどそれももう4年も前で」

BJ「4年も？」

千歌「曜ちゃんの中では、4年前に時が止まっているんです……きっと」

千歌「ううん、違うかな……たまに、今みたいな“高校生の曜ちゃん”が出るんです。普段はあんな感じじゃないんですけど……」
0011名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:51:19.31ID:PhCX/kS1
BJ「原因に心あたりは？」

千歌「高校を卒業したあと、4月1日に……曜ちゃん、事故にあったんです。そのときに頭を打ったみたいで……えっと、記憶を司るところ、に腫瘍ができているみたいなんです」

千歌「ただ、そこがとても難しい場所にあるらしくて……生活にも支障のないくらいの症状しかないから、手術もせずにいました。失敗して亡くなる可能性が高いより、今のままでも……って」

千歌「だけど最近、どんどんひどくなっていて……さっきみたいに、スクールアイドルをやってるとか、高飛び込みの話とかをするんです。どちらも、もうとっくにやっていないのに……「

千歌「昔の話を今の出来事のように話しては、矛盾に気付いて苦悩して……そんな曜ちゃんを見てきました。私はそのたびに曜ちゃんにあわせてたくさん嘘をついてきた……曜ちゃんのためにはならないってわかってはいたのに」

千歌「そんなときにブラック・ジャック先生の噂を聞いて……曜ちゃんを病院につれていくために、わざと声が出ないフリをしていたんです」

BJ「それで私は、自覚のない患者を手術せねばならんわけだ」
0013名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:51:56.91ID:PhCX/kS1
BJ「……よし。おまえさん、もう少し演技をしてもらおう」

千歌「えっ？」

BJ「いいか？おまえさんはこれから手術だ。もう全身麻酔をかけて眠っているんだ」

千歌「……はい」

ﾊﾞﾀﾝｯ!

千歌「っ！」ﾋﾞｸｯ

ピノコ「ちぇんちぇーい！ピノコ、今帰ったのよさ！」

BJ「ピノコ！おまえいったいどこに行っていたんだ」

千歌「……」

ピノコ「患者しゃんらの？」

BJ「そうだ。早く白衣を着ろ。手術だ……それと」ｷﾞﾛ

曜「は、はい！」
0015名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:53:02.81ID:PhCX/kS1
BJ「おまえさん、なんでもするんだろう？」

曜「……もちろんです」

BJ「検査をしたところ、できた腫瘍が神経を圧迫していて脳に発声の信号が届かなくなっているんだ。わかるか？」

曜「えっと……なんとか」

BJ「治すにはこいつを取り出してやればいい。ただ、そのときにどうしても神経が足りなくなる……なにがいいたいかわかるな？」

曜「私が提供すればいいんですよね？」

BJ「なに、短くなるだけで死にはしないさ」

千歌(……先生、適当言ってるんだろうなぁ。でもきっとなにか考えが……)

曜「……千歌ちゃんを助けるためだったら、好きなだけ使ってください」

BJ「そんなに大事かね？」
0016名無しで叶える物語(茸)
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2019/01/22(火) 15:53:49.64ID:RU91YRFs
ちょっと前までブラックジャックのアニメ見返してたからタイムリーなスレ

前も書いてた人か
0017名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:53:54.10ID:PhCX/kS1
曜「当たり前じゃないですか！私は……千歌ちゃんの、恋人ですから」

BJ「……さぁ麻酔だ。目が覚めれば恋人の声が聞けるぜ」

曜「……」ｽｩ…

BJ「…………よし、効いたようだな。起きていいぞ」

千歌「……はい」

ピノコ「えぇ！？ちぇんちぇい、どういうことなのよさ！」

千歌「私が……たくさん、嘘をついたの。優しい曜ちゃんを傷つけないように……って思ってついた嘘が、一番曜ちゃんを傷つけることになるのかも」

BJ「まァ、バレることはないだろうな」

千歌「え？」
0018名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:54:25.60ID:PhCX/kS1
BJ「手術が終われば記憶は消えるぜ。4年分すっぽりとな。事故直後から眠っていたことにすればおまえさんの嘘はなにもなかったことになる……どうするかはおまえさんが決めろ」

千歌「……じゃあ、私たちが恋人でいられるのも、今だけなんだ」ｷﾞｭｯ

千歌「……お願いします、先生。これ以上曜ちゃんを苦しめたくない……」

BJ「……手術を始める。高海さん、外に」

千歌「お願いします、先生」

千歌「……曜ちゃん、あいしてるよ」

…ﾊﾟﾀﾝ

ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟ…
0021名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:55:12.42ID:PhCX/kS1
――
　曜ちゃんが目を覚ましたのはブラック・ジャック先生に手術をしてもらってから二週間ほど経ったのちだった。

曜「ん、……？」

千歌「曜ちゃん、起きたんだね！」

曜「ち、かちゃん……？なんか、せいちょう……した？」

千歌「……だって、曜ちゃんが眠っちゃってから4年も経つんだもん」

曜「そん、なに……？」

千歌「うん。私たち、もう22歳になっちゃった……あはは」ﾎﾟﾛｯ

曜「なんで……ないてるの？」

千歌「ん……久しぶりに会えてうれしいから……かな」
0022名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:55:52.34ID:PhCX/kS1
＊

BJ「それでいいのかい」

千歌「いいんです。きっとこの4年間のことは夢だったと思えば……でも」

千歌「私が曜ちゃんにたくさんの嘘をついた事実は……消えない。消しちゃいけない」

BJ「さァ、許されると思いますがね」

千歌「っ！どうしてそんなこと……！」

BJ「なんせ、今日はエイプリルフールだからね。嘘をついたっていいのさ」

BJ「それが、優しい嘘ならね」
0023名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:56:22.23ID:PhCX/kS1
『一人で立たなくちゃ』
0024名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:56:49.17ID:PhCX/kS1
ｷｬｰｯ!ｼﾞｺﾀﾞ!ｵﾝﾅﾉｺｶﾞﾋｶﾚﾀｿﾞ!

BJ「……」

運転手「やっちまった！おい、あんた！！」

BJ「おい、動かすな。それのせいで死ぬかもしれないぞ」

運転手「なんなんだよあんた！くっそ……俺は悪くないぞ！？こいつが赤信号だったのに飛び出してきたんだ！」

BJ「まずは命を助けるんだ。さぁはやく救急車を呼べ！私は応急処置をする」ﾊﾞｻｯ

運転手「あ、あんた医者なのか……！？頼むぜ！」
0026名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:57:19.28ID:PhCX/kS1
BJ「おい、聞こえるかい？」

「ぅ……」

BJ「意識はあるみたいだな。名前は言えるか？」

「ま、り……」

BJ「そうかマリだな。いいか、私は医者だ。応急処置のために服を脱がすぞ」

「……」ｺｸｺｸ

BJ「あんまり動くな。まだどこを怪我しているかわからないんだ」

BJ(出血は多くないが、胸元あたりからか……肋骨が数本折れている)

BJ(……変に動かしていたら骨が臓器に突き刺さって大量出血になりかねん)
0027名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:57:46.88ID:PhCX/kS1
救急隊員「あの、お医者様ですか！」

BJ「あぁ。肋骨が折れているんだ。無理に乗せるわけにはいかない」

救急隊員「肋骨が……」

BJ「だからここで手術をする。輸血パックを用意しろ。おまえさん、血液型は言えるか？」

「え、えーびー……」

BJ「AB型だ。はやくしろ！」

救急隊員「し、しかし……こんなところでは……迎え入れの病院も探さねばなりませんし……」

BJ「じゃあこのまんま乗せていって骨が臓器に突き刺さるところを見届けるのか！？まずは人命第一だ！そんなこともわからんのかね！」

救急隊員「は、はい！すみませんっ！」
0028名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:58:15.32ID:PhCX/kS1
BJ「マリ、もう少しだ。頑張れよ」

救急隊員「き、救急車の中で、ですか？」

BJ「……3分だ。3分で終わる」

救急隊員「3分！？まさか、そんな……」

ｼｭｯ

BJ「危なかった……このまま動かしていたら肺に刺さっていたぞ！」

BJ「今は簡単な処置だけだ……この刺さりかかった1本を抜けば……」ﾀﾗｯ…

BJ「ふ……ぅ、よしこれで大丈夫だ」

救急隊員「出発します！」
0029名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 15:59:23.07ID:PhCX/kS1
――
「ここ、は……」

BJ「目が覚めたか。おまえさん、名前は」

鞠莉「マリ……小原、鞠莉よ」

BJ「小原鞠莉……もしかして、ホテルオハラの？」

鞠莉「……まぁ、一応ね」

BJ「フフ、それならたんまり請求させてもらうぜ……そうさなァ、5000万円いただこうか。あのままなら死にかけていたんだ。命に比べれば安いだろう？覚えてるか、おまえさん交通事故にあったんだぜ」

鞠莉「交通事故……。もちろん、助けていただいたのだから当然だわ……だけど、一度には払えそうにない。出世払いでもいい？」

BJ「おまえさんの親の会社からすればたいした金額でもないだろうに」

鞠莉「……パパにお金はもらわない。私が稼いだお金で返すわ。必ず……」
0030名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 16:00:05.51ID:PhCX/kS1
ピノコ「ちぇんちぇい！ちぇんちぇいちぇんちぇーい！！マリちゃん、目ぇ覚ましちゃの！？」

鞠莉「えー……と、センセイ？この子は？」

BJ「……助手のピノコだ。ピノコ、静かにしてろ」

ピノコ「ピノコは先生の奥ちゃんれしょ！そりぇに、あの“あくあ”のおはらまりちゃんらのよ！？ちかちゃんとようちゃんと同じ“あくあ”らのよさ！」

鞠莉「Aqoursの、小原鞠莉……ね。元、だけれども……って、それよりえーと、ピノコちゃん？」

ピノコ「ね、ね！サイン！サインちょうらい！」

鞠莉「ふふ、もちろんオッケーよ！……ね、千歌っちと曜のこと、知ってるの？ファンなのかしら」

ピノコ「前にちかちゃんとようちゃんも来たのよさ。そりぇからピノコもあくあのファンらの！」

鞠莉「……そうだったの」
0032名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 16:01:22.64ID:PhCX/kS1
BJ「患者の個人情報をペラペラ喋るんじゃあない！あっちにいってろ！」

ピノコ「はぁーい……ね、あとでサインちょうらいね！」

鞠莉「えぇ、チャオ♪」

ﾊﾞﾀﾝ

鞠莉「とってもキュートな奥さんね！」

BJ「……おまえさんはどうして車に飛び出したんだい」

鞠莉「え、私……飛び出したの！？」

BJ「記憶がないのか？」

鞠莉「な、ないというか……久しぶりの日本で色々考えていたから……飛び出したわけじゃないハズだけど……」

BJ「……まぁ、しばらくゆっくり入院するんだな。そのうちに思い出すこともあるかもしれない」

鞠莉「……ありがとうございます、センセイ」
0033名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 16:04:04.84ID:PhCX/kS1
――

ピノコ「ねーねーマリちゃん、イタリアってどんなとこりょなのー？」

鞠莉「水の都とも言われているくらい、いろんなところに水路があってとーってもキレイなのよ！舟に乗ったり……すごく楽しいわよ！」

ピノコ「へぇー！」

BJ「……」

ﾊﾞﾀﾝｯ

鞠莉ママ「……こんなところにいたのでーすカ」

鞠莉「マ、ママ……！？」

鞠莉ママ「聞きました。あなたが事故にあったコト……傷はもう癒えているのでショウ？」

BJ「おまえさんがこの子の母親かい」

鞠莉ママ「えぇ……娘を助けてくれたこと、感謝しマス」ﾍﾟｺﾘ

BJ「フフ……そんな言葉はいいのさ。私は金がもらえればね……治療費として5000万円いただこうか」
0034名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 16:05:05.11ID:PhCX/kS1
鞠莉ママ「……ずいぶんと足元を見たお値段ですネ」ﾌｯ

鞠莉ママ「娘の命と思えば安いですけれどネ……小切手でいいですカ？」

BJ「あぁいいよ」

鞠莉「ダメっ！」

鞠莉ママ「……マリー？」

鞠莉「ママ……払わないで。私が自分で払うから」

鞠莉ママ「あなたにそんなお金はないはずヨ？……あなたが会社を継がなかったから……ネ」

鞠莉「……少しずつ払うの」

BJ「まァちゃんと全額払ってくれるなら何年かかろうと構わないですぜ」
0035名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 16:05:31.94ID:PhCX/kS1
鞠莉「お願い……私はもう“お嬢様”じゃないの！私のことは私で解決する！いつまでも子どもじゃない！」

鞠莉ママ「……ハァ。そうですカ」

ｶｯｶｯｶ……ﾊﾞﾀﾝｯ

鞠莉「……センセイ、私もそろそろ退院しても大丈夫かな？ちゃんと働いて、毎月少しずつだけど……返していくから」

ピノコ「マリちゃん、帰っちゃうの？」

BJ「当たり前だろう。患者は治れば帰るんだ」

鞠莉「……あ、そうだ！はい。これ！サイン欲しいって言ってくれてたわよね！」

ピノコ「マリちゃんの、サイン……」ｷﾞｭｯ

BJ「今請求書を作ってくるよ」

鞠莉「お願いします、センセイ」
0036名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 16:06:06.62ID:PhCX/kS1
BJ「…………ほら、しっかりこの通り請求させてもらうぜ」

請求額　1000円

鞠莉「ハァ！？センセイ、これは！？」

BJ「サインをもらっちまったからな……フフ、ざっと計算してこんなものだろう」

鞠莉「そんなバカなこと……」

BJ「大事にするぜ。なんせ約5000万のサインだからな」

鞠莉「……センセイ、私、一から頑張ります。いつか有名になって、もっと高い値で売れるようにしてあげるわ！」

BJ「フフ……そりゃあ楽しみだぜ」

……ﾊﾞﾀﾝ
0038名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/22(火) 16:08:05.00ID:frasN3gN
インフルで死にかけてたけどなんか元気出てきたぞ
こっちこそありがとうだ
0039名無しで叶える物語(家)
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2019/01/22(火) 16:08:22.59ID:+Ojb10Gj
あと6人いるだろ
0041名無しで叶える物語(茸)
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2019/01/22(火) 16:10:55.41ID:BFRUry2w
うち一人、とらぶるをおこしそうなのいる。


マル「狂猿病ですずら。」
0043名無しで叶える物語(もこりん)
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2019/01/22(火) 16:20:55.41ID:ibU0QWr/
BJ立場ある人とか女性にはもっと丁寧な言葉遣いじゃなかった？
そこだけどうにも突っかかってしまった
0044名無しで叶える物語(茸)
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2019/01/22(火) 16:22:25.06ID:RU91YRFs
起承転結の起と結だけな感じ　再現率高いんだけども
承転さえ中に入れられれば完全にブラックジャック本編なんだけどなぁ……！
0045名無しで叶える物語(プーアル茶)
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2019/01/22(火) 16:23:38.90ID:qkiIsNoE
ﾉξｿ ; ω ; ﾊ6 「ありがとうブラックジャック先生‥」

ピノコ「うわぁ!!ﾏｨちゃんまた泣いてゆのよさ!!!」
0046名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/22(火) 16:51:24.67ID:VwaD5n33
面白い
0047名無しで叶える物語(茸)
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2019/01/22(火) 17:08:01.87ID:MM3ybRKo
そういやだけど、ダイヤさんが主人公やってたBJパロディの顔文字SSってもうエタっちまったんかな
シリーズもので構想練ってたぽいから地味に楽しみにしてたんだが…
0048名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/22(火) 18:14:17.35ID:Rw3dQojJ
先生！
ピノコがどんな声だったか忘れてしまって、どうしてもりゅびぃちゃぁで再生されるんだけど治してくんねぇ！！
0052名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/22(火) 18:46:50.51ID:uAlIEG6y
>>51
あの話泣いた
0061名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/23(水) 14:22:06.01ID:4DZAK/BB
>>45
草
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