絵里「私のやりたいこと」
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絵里「…っ!!」
絵里「はぁ…はぁ…また、この夢……」
絵里(最近、昔の夢をよく見る気がする)
絵里(こんな事、思い出したくないのに…)
絵里(でも、なんでこんな夢を見るのかは分かる)
絵里(それもこれも全部)
――あの子達のせいだ 希「えーりちっ」
絵里「……おはよう」
希「なんや、元気ないなあ」
絵里「そんな事ないわ。そんな事よりも、何か思いついた?」
希「?」 絵里「はぁ……希、今の状況分かってる?」
希「…ごめんなあ。あまりいい事を思いつかなくて」
絵里「そう。それならひとまず生徒会室に……」
穂乃果「よろしくお願いしまーーーす!!!」
穂乃果「スクールアイドルのμ’sでーーす!!」 絵里「……」
希「えりちは、あの子たちの事、どう思う?」
絵里「前も言ったけど、全然なってない」
絵里「あんなクオリティのパフォーマンスなんかじゃ、何も変えられない」
絵里「あの子たちに…この学校は救えない」
希「……そう」
絵里「希はあの子たちに期待してるみたいだけど、そんなことしてる暇があるなら……」
希「うん…そうやね」 絵里(ねえ、希?)
絵里(どうして、そんなに悲しそうな顔をするの?)
絵里(だって、そうでしょう?)
絵里(あの子達に、この学校は救えない)
絵里(そう、救う事なんてできないのに…)
どうして、あの子たちが輝いて見えたのかは分からなかった。 絵里「…今日は、解散しましょう」
絵里「各自、この学校をアピールするための手段をもっと考えてくるように」
希「えりち、そんなに根を詰めんでも」
絵里「ごめんなさい。今日は一人にさせて」
希「……うん」
絵里(本当にごめんね…希。でも、立ち止まってるわけにはいかないの) ドンッ!!
絵里「痛っ…」
花陽「ご…ごめんなさ…」
絵里「ええ、こちらこそ……あら?あなたは…」
花陽「せ…生徒会長…」 絵里「こんなところで何をしてるの?」
花陽「ひっ……そ…それは…その…」
絵里「あなた、練習は?こんなところで時間をつぶしている暇があるの?」
絵里「いい?今のあなた達じゃ、誰にも振り向いてもらえないんだから、もっと練習を…」
絵里(あれ…?私、何を言ってるの…?)
絵里(これじゃあ、まるで、この子達に期待してるみたいじゃ…) 花陽「せ…生徒会長…?」
絵里「何でもないわ。あまり学校に迷惑をかけないように」
花陽「……はい」 真姫「ちょっと!」
絵里「何か用?」
真姫「花陽に何をしたのよ」
絵里「別に何もしてないわ」
真姫「私達、あなたに何を言われても、やめないから」
絵里「…そう」 絵里「で、そこのあなたは何か用?」
凛「わ…私も…アイドル…続けたいです」
絵里「別に続けてもいいわよ」
凛「えっ…?」
絵里「あなた達の余りにも低いレベルのパフォーマンスが改善したらの話だけど」
真姫・凛「…っ」
絵里「私にかみついてる暇があるなら、早くステップの練習でもしなさい」
絵里「良いパフォーマンスができないなら、それ相応の態度を見せなさい」
絵里「せいぜい、頑張る事ね」 絵里(最悪…本当に最悪…)
絵里(こんなに自分に腹が立つのは、初めてかもしれない)
絵里(それに、まだ入学したての1年生にあんな態度を取って)
絵里(この状況は、私が望んでいたことなの?)
絵里(どんなに嫌われ者になろうと、この学校を守る為ならなんでもするわ…)
でも、今は…何が正しいのか分からない にこ「ちょっと、アンタ」
絵里「…なによ」
にこ「イライラして、私たちにどうこうするのは勝手だけど」
にこ「その酷い顔して、学校守る気あるの?」
にこ「生徒会長が、そんな顔してこの学校を守れると思ってるの」
にこ「今のアンタは、はっきり言って、―――わ」
絵里「………っ」
にこ「じゃあ、さよなら」
にこ「できれば、今のアンタとは二度と会いたくないわね」 絵里(分かってる…、誰に言われなくても自分が一番わかってる)
絵里(あの子が、私にわざわざ会いに来てくれた意味も分かってる)
絵里(昔のあなたの事を知ってる私だから…)
絵里(それに、どんな顔をしてるのかなんて、鏡を見ればすぐにわかる…)
絵里(今の私は、本当に)
生徒会長、失格だ 絵里(もう、自分が本当に嫌になる…)
絵里(本当は誰にも会いたくなくて、一人になりたいけど、家には亜里沙が…って)
絵里(あれは…?)
ことり「海未ちゃん、今の振付どうかな?」
海未「そうですね、いいと思います」
穂乃果「じゃあ、3人で踊ってみる?…って」 絵里「あなた達、こんな時間まで何をしているの」
穂乃果「練習ですっ!!」
絵里「はぁ…私の言いたい事はそうじゃない事ぐらいわかるでしょう?」
海未「遅くまで残ってしまって申し訳ありません」
海未「ただ、私たちは本気なんです」
ことり「あの…少しずつですが結果も出てきてるんですっ」 絵里「いいから、帰りなさい」
穂乃果「生徒会長に言われたこと、全部わかってるつもりです」
穂乃果「だから、もっともっと頑張りたいんですっ」
穂乃果「だって、この学校が好きで、スクールアイドルが楽しいから!!」
絵里「…っ」 絵里(この子たちはどこまでまっすぐで、純粋で)
絵里(どうして、こんなに楽しそうなの…)
絵里(学校がこんな状況だっていうのに…)
穂乃果「あの、生徒会長さん」
絵里「…なにかしら」
穂乃果「この学校は、好きですか?」
絵里「……!!!」 絵里(なんで…どうして、そんなことを聞くの?)
絵里(私は、誰よりもこの学校の為に頑張ってきたのに)
絵里(誰よりも、この学校が無くなってほしくないと願っているのに)
絵里(…)
絵里(でも)
頑張れば頑張るほど、願えば願うほど
この学校が嫌いになっていくことが怖かった 亜里沙「お帰り、お姉ちゃ…」
絵里「……ただいま」
亜里沙「疲れてるみたいだけど、大丈夫?」
絵里「ええ、大丈夫よ」
絵里(せめて、私の大事な妹の前では、いつもの私でいないと)
絵里(これ以上、私の周りの人を傷つけるわけにはいかないから) 絵里「ごめんね。帰るのが遅くなって」
亜里沙「大丈夫だよ」
絵里「……」
絵里「亜里沙は、どうして、アイドル…スクールアイドルが好きなの?」
亜里沙「…ねえ。お姉ちゃん」 亜里沙「亜里沙がアイドルを好きなのは」
亜里沙「昔のお姉ちゃんみたいに、みんなキラキラしてて輝いてるからだよ」
絵里「……!!!」
亜里沙「お姉ちゃんも、本当はステージに戻りたいんじゃないの…」
亜里沙「だって、お姉ちゃん。みんなのこと羨ましそうに…」
絵里「…亜里沙」
亜里沙「…!!」
亜里沙「ご…ごめんなさい…」 絵里「大丈夫よ…亜里沙…」
絵里「でも、私はもう…」
絵里(私はもう…何?)
絵里(この先どうしたいの…?)
絵里(あんな夢まで見てるのに…?)
絵里(悔しくて悔しくて諦めた舞台のはずなのに…)
絵里(そう、私が見ている夢は…)
ステージで誰よりも輝いている自分の姿だった 絵里(そう、私があの子達を見て腹が立ってるんじゃなくて)
絵里(私自身に腹が立っているの)
絵里(どんな困難にもあきらめず、ただ目標に向かって突き進む姿が)
絵里(ただひたすらに眩しくて、羨ましくて…)
絵里(何より、あの子達にできて、自分にできなかったことが)
この上なく、悔しかった 絵里(だから私は、あの子達に現実を知ってもらって、すべてを諦めさせようとしたのに)
絵里(それでも、あきらめなくて…だから、もっと私は悔しくて)
絵里(だから)
絵里(こんなに救いようの私を)
絵里(誰かに助けてもらいたかった)
絵里(でも、こんな私を助けてくれる人なんて……) 希「えりち」
希「どうして、泣きそうな顔をしてるんよ」
絵里「希……私、どうしたらいいの…?」
希「うーん」
希「じゃあ、今のえりちの気持ちを教えて?」 絵里「…希、たすけて……」
希「…ねえ、えりち」
希「生徒会長の絢瀬さんじゃなくて」
希「音ノ木坂の生徒の絢瀬絵里ちゃんの、本当にやりたいことは…何?」
絵里「…」
絵里「私の……やりたい事は……」
私の―――本当にやりたい事は―――― 乙
今どき珍しい加入前のイライラしてた時の絵里の気持ちSSよかった
絵里ってビジュアルの良さの割に自分に素直になれなくて溜めこんでしまって結構陰キャ要素あるんだよな 生えてるだのエロしか書けない奴らのより
こういうのがいい 学校が大好きでみんなや祖母や妹のためになんとかしなきゃって責任感で頑固になってた面もあるし
楽しそうに活動してる穂乃果達が羨ましかったって気持ちもあったんだろうな
そういう弱さもやっぱり魅力的
こういう掘り下げss大好物です乙でした ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています