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にこ「十一月十一日は」花陽「おりがみの日!」
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0001名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (9級) (ガラプー KKff-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/10(土) 23:49:55.82ID:TWLuObzTK
【九年前】

花陽(小1)「…」オリオリ

真姫(小1)「…(めんどくさい)」

凛(小1)「できた!」

凛ママ「ただの三角形…に見えるけど」

凛「ねこさんだよー。ほら♪」

凛ママ「ああ、猫の耳なのね…」

凛「にゃんにゃんにゃーん♪」

凛ママ「西木野さんのは…×?」

真姫「赤十字!」

凛ママ「は、はあ。…花陽ちゃんは?」

花陽「えっと…お花と、ちょうちょ…」

凛ママ「おおっ、さすが花陽ちゃん!」

真姫「…上手ね」

凛「かよちん、すごいにゃ!」

花陽「えへへ」

花陽(折り紙だけは昔から得意で…だから、あのときも──)

【七年前】

にこ(小5)「パパ…」グス

花陽(小3)「…?」

花陽(あの女の子、どうして泣いてるのかなぁ?)

花陽(どうしよう…りんちゃんはいないし、何て声かけたらいいか…でも)

『かよちんはアイドルになりたいんだよねー?』

花陽(アイドルはみんなをえがおにするんだ。私だって…!)

花陽「あ、あのっ…これあげる!」

にこ「え…?」ゴシゴシ

花陽「ちょうちょ!」

にこ「(折り紙…)赤い蝶なんているの?」

花陽「えっ。えーと…り、リボン!」

にこ「ちょうちょって言ってたじゃない…」
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0002名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/10(土) 23:53:25.40ID:TWLuObzTK
花陽「ちょうちょ…みたいなリボン?」

にこ「どっちよ。…ふふっ」

花陽(わらってくれた!)

凛「おーい!かーよちーん!」ブンブン

花陽「あっ、りんちゃん!」

にこ(赤い折り紙の蝶?をくれた、たぶん私より年下の…メガネをかけた女の子はそのまま行ってしまった)

にこ(名前も学年も知らなくて…それっきり。もう会うこともないかと思ってたけど)

【六年前】

にこママ「え?赤?…ピンクが一番好きじゃなかったの?」

にこ(小6)「そうだけど、赤の気分なの」

にこママ「ふーん?…もしかして」

にこ「なに?」

にこママ「好きな子が赤のほうがいいって言った…とか?」

にこ「そんなんじゃないって」

『ちょうちょ…みたいなリボン?』

にこ(好きっていうか、ちょっと気になるだけで…名前も知らないし)

【三年前】

花陽(中学で園芸部に入った。顧問は担任の矢澤先生)

凛(中1)「こんな大きいのに葉っぱだけなのー?」

花陽(中1)「う、うん。観葉植物だし…」

にこママ「花も一応咲くけど、咲かせるのは簡単じゃないから…当分はこのままね」

凛「へー」

花陽(ちなみに凛ちゃんは陸上とバスケとサッカーで迷っててまだ部活が決まってない)

【矢澤家】

にこ(中3)「…何これ?」

にこママ「面白いアレンジでしょ?一年生が考えたのよ」

にこ「ふーん…折り紙の花?」

にこママ「そう。花は滅多に咲かないけど、こうすればカラフルで見た目は華やかになるし」

にこ(折り紙か…思い出すわね)

『あ、あのっ…これあげる!』
0003名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/10(土) 23:55:48.03ID:TWLuObzTK
にこ「あ…これ」カサ

にこママ「それは蝶ね」

にこ「…その一年生ってどんな子?」

にこママ「真面目でおとなしい感じの子ね。メガネかけた…」

にこ「メガネ…名前は?」

にこママ「小泉花陽さん」

にこ(違う…か)

『おーい!かーよちーん!』

にこ(って呼ばれてた。あの子だったら、たぶん“かよ”か“かよこ”って名前だろうし)

【今年四月・秋葉原】

凛「ねぇかよちん!遅刻しちゃうよー?」

花陽「ちょっとだけ待って!」

にこ「…?」

にこ(カヨチン?…初めて聞いた気がしない…)

『おーい!かーよちーん!』

にこ「!」バッ

穂乃果「あ、あのー?」

にこ「後にして!」

穂乃果「ひぃ!?」

にこ(あっ、あのメガネ…もしかして!?)

にこ「あんた!」

花陽「ピャァ!?…ご、ごめんなさいっ」

ほのりん「?」

にこ「いや、なんでいきなり謝ってんのよ。そんなことより!」ガサ

花陽「はい?」

にこ「…これに見覚えはない?」

穂乃果「折り紙?」

凛「かよちんの得意なちょうちょだねー」

にこ「折り紙が得意なの?」

花陽「は、はい。…でもそれ、なんだかボロボロ…?」
0004名無しで叶える物語(きりたんぽ) (ワッチョイ 37a7-ZCz0 [114.181.156.247])
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2018/11/10(土) 23:57:34.12ID:8Eqr/GKd0
にこぱな
0005名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:00:53.86ID:L+1J4bF/K
にこ「私が小学生のとき貰ったのよ。六年…いや、七年前!」

花陽「七年前…小学生…赤い蝶…?」

にこ「あのときはリボンだって言ってたけどね?」クス

花陽「!」

『赤い蝶なんているの?』
『ちょうちょ…みたいなリボン?』

花陽「あのときの…泣いてた女の子!?」

穂乃果「泣いてた?」

にこ「う…余計なこと覚えてんじゃないわよ。…あんたがくれたので間違いない?」

花陽「た、たぶん…?」

にこ「どっちよ」

花陽「あ…それ、あのときも言ってたね」

にこ「ちょうちょ、みたいなリボン?」

花陽「そうそう!」

にこ「じゃあ、やっぱり…」

花陽「これだ…!」

にこ「見つけた!」

\ラブライブ!/

【音ノ木坂】

にこ「小泉?…どこかで聞いたような」

『小泉花陽さん』

にこ「まさか…観葉植物に折り紙の花を飾ったのも」

花陽「えーと…中学の園芸部の話ですか?」

にこ「あれもあんただったの!?」

花陽「たぶん…」

にこ「気づいてたらもっと早く会えたのに…」ガクッ

花陽「す、すみません…」

にこ「つーか、あんたが悪いのよ!まぎらわしい呼び方するから…」

凛「凛は知らないにゃー><」

穂乃果「でも会えてよかったじゃないですか!」

凛「そうにゃそうにゃ!」
0006名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:03:21.98ID:L+1J4bF/K
花陽「ずっと持っててくれたんですね…」

にこ「ま、まあね。これが唯一の手がかりだったわけだし」

花陽「かみ…」

にこ「紙?」

花陽「先輩の髪にも…赤い蝶がいますね」

にこ「ああ、これね。…別に意識したわけじゃないけど」

花陽「かわいい♪」

にこ「そ、そう?///…まあ当然っていうかー」

花陽「ふふふ」

にこ「…あんたも」

花陽「はい?」

にこ「いや、成長してて全然わかんなかったけど」

花陽「そ、そうですか?」

にこ「けど…優しそうなところは変わらないっていうか」

花陽「…にこちゃん」

にこ「先輩よ?」

花陽「あ…ご、ごめんなさい。先輩…」

にこ「別にいいわよ。“にこちゃん”で」

穂乃果「にこちゃん?」

凛「にこちゃん♪」

にこ「あんたたちは先輩をつけなさい!」

ほのりん「はーい…」

花陽「私はいいの?」

にこ「当たり前よ。小泉さんは特別」

花陽「あ、あの…じゃあ私のことも…」

にこ「ああ、えっと…花陽さん?」

花陽「はい。花陽でいいですよ」

にこ「ん。よろしく、花陽」

キーンコーンカーン…
0007名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:05:27.86ID:L+1J4bF/K
【二年教室】

穂乃果「見て見て見てー♪」バサ

ことり「低カロリーで簡単ケーキ」

海未「穂むらで洋菓子を売るのですか?」

穂乃果「あれ?…これ違った。こっちだ」

ことり「はじめてのおりがみ?」

穂乃果「そう!折り紙だよ折り紙♪」

海未「はあ。折り紙…」

穂乃果「折り紙なら奇跡を起こせるよ!離れ離れだった二人が運命の再会…素敵だと思わない!?」

海未「…穂乃果は何の話をしているんでしょう?」

ことり「さあ…?」

【昼・中庭】

花陽「にこちゃん」

にこ「ごめん、ちょっと遅れた…」

花陽(せっかくだからお昼一緒に食べることにしたんだ♪)

花陽「ここ、お気に入りの場所なの」

にこ「花陽は入学したばかりでしょ?」

花陽「そうだけど、オープンキャンパスのときに来て気に入ったから…」

にこ「そ。じゃあ、この中庭のおかげでまた会えたんだ」

花陽「そうかも…」

にこ「花陽が音ノ木坂に来てくれてよかったわ」

花陽「うん。廃校になっちゃうのは残念だけど…」

にこ「まあねー。…そういえば花陽、あんた部活は?また園芸部?」

花陽「ううん。まだ決めてないけど…私、得意なことって折り紙くらいしかないし」

にこ「折り紙ねえ…あの蝶みたいなの今でも折ったりするの?」

花陽「そういうのもあるけど…たとえば、これとか」

にこ「?…お弁当箱」

花陽「これ折り紙なの」

にこ「えぇ!?…あ、ホントに紙だわ」スベスベ
0009名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:12:47.46ID:L+1J4bF/K
花陽「昔よりいろいろ作れるようになったよ」

にこ「そ、そうなんだ…ほかにどんなの作るの?」

花陽「あとは…そこの花壇」

にこ「え!?」

花陽「四月なのにヒマワリが咲いてるでしょ?」

にこ「ホントだ…って、これ…まさか」

花陽「うん。折り紙」

にこ「いつの間に!?」

花陽「にこちゃんを待ってる間に作ったの」

にこ「すごいわね…これ何枚使ってんのかしら」

花陽「あと…この大きな木」

にこ「うそ!?」

花陽「…は、さすがに本物の木だけど…小さい木もあるでしょ」

にこ「あんな木あったっけ…これも折り紙!?」

花陽「うん」

にこ「や、やるわね…このぶんだと実は校舎の一部が花陽の折り紙なんてことも」ヒヤアセ

花陽「アハハ。そこまではさすがに…紙が足りないよ」

にこ「紙さえあれば作れるってこと?」

花陽「うん。音ノ木坂の校舎くらいの大きさだったら何とか…さすがにスカイツリーとかはちょっと難しいけど」

にこ「難しいけど…作れる!?」

花陽「やってみたことはないから、どうなるかわからないけど…ものすごく時間かかりそうだし。材料も…」

にこ「そんなのできたら全米どころか全宇宙が驚くわよ」

花陽「大袈裟だなぁ…ふふふ」

キーンコーンカーン…

【放課後】

にこ「花陽。一緒に帰りましょ」

花陽「うん。…あれ、でも…にこちゃんは部活ないの?」

にこ「あるような、ないような…」

花陽「?」
0010名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:16:04.22ID:L+1J4bF/K
にこ「今日はいいの。花陽と一緒に帰りたいし」

花陽「そっか」

花陽(今日はってことは普段はあるのかな?…何の部活なんだろ?)

にこ「オープンキャンパスのときに気になった部活とか無かったの?」

花陽「えーと…お料理とか、ちょっと楽しそうかなって。先輩も優しそうだったし」

にこ「ふーん…花陽も料理とかするんだ?」

花陽「そんなには…でもお弁当のおにぎりくらいは作れるよ」

にこ「ああ、あのやたらでかいおにぎり…花陽が作ったの?」

花陽「うん。おかずはお母さんが作ってくれたけど」

にこ(料理研か。花陽には合ってんのかしら…園芸もそうだけど、基本的に運動系ではないわよね)

にこ(一緒にできたらって…思わないこともないけど)

【矢澤家】

にこ「ただいまー」

ここあ「おねえちゃん!」パタパタ

にこ「っと…何よ、ここあ」ナデナデ

ここあ「えへー♪」ギュー

こころ「おかえりなさいませ。お姉さま」

にこ「ん。ただいま」

ここあ「みてみて♪かぶとむし!」

にこ「へ?…ああ、折り紙ね。上手にできたじゃない」

ここあ「えへへ。すごいでしょ!」ドヤァ

にこ「けど、ピンクのカブト虫なんているの?」

ここあ「おねえちゃんにあげる♪」

にこ「ありがと」ナデナデ

ここあ「あのね、星空先生が、おにわばんってゆってた!」

にこ「は、はぁ?御庭番って…隠密?」

こころ「手裏剣でも作ったのですか?」

ここあ「じゃなくて…あれ?おりづる2わ?…オリにわんわん?」

にこ「もしかして…オンリーワン?」

ここあ「うん。たぶんそれ!」
0011名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:21:01.24ID:L+1J4bF/K
『おー。ここあちゃんのは力作にゃ♪』

『リュックサックじゃないよー。かぶとむし!』

『ピンクのカブト虫かぁ…新種かな?』

『おねえちゃんにあげるの♪』

『世界に一匹だけのオンリーワンね』

『わんこじゃなくて、かぶとむしだよー?』

にこ(赤い蝶、ピンクのカブト虫…折り紙ならではの色使いね)

【翌朝・生徒会室】

絵里「何をするつもり?」

穂乃果「えーと…何しよっか?」

希「何も考えてなかったん?」

穂乃果「折り紙で何かできないかなって思ったんですけど…」

希「講堂で…折り紙?」

穂乃果「はい!」

絵里「それで廃校を阻止できるの?」

海未「それは…」

希「エリち」

絵里「訊いてみただけよ。別にアテにするつもりもないし」

ことり「穂乃果ちゃんはどうして折り紙がいいと思ったの?」

穂乃果「言ってなかったっけ?…あのね、昨日──」

【廊下】

花陽「生物部、去年廃部になっちゃったみたい…」

凛「サッカー部もだよー><」

花陽「廃校になるくらい生徒が少ないんだもんね…誰もいない部じゃ活動できないし」

にこ「あっ、花陽!何してんの?」

花陽「にこちゃん…部活の見学に行こうと思ってたんだけど」

凛「まともに活動してる部が少なすぎるにゃ」

にこ「ふーん…料理とか園芸は?」

凛「先輩がラーメン作ってくれて、凛は食べるだけでいいんだったらお料理クラブでいいけどにゃ」

にこ「あんたねぇ…」
0012名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー) (ワッチョイ 2a4d-WqUE [219.107.60.247])
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2018/11/11(日) 00:27:01.49ID:bgaaXcUC0
果南「ほら、花丸。私がハグしてあげる」ギュッ

鞠莉「ああっ、かなぁんが私以外にハグを!?」

ギュゥゥゥゥ

花丸「ああっがっはぁっ」

ギュウウゥゥ メリメリメリ

花丸「あぐっはっはっがっ」

鞠莉「って。私が受けたら死んじゃうようなハグね」

果南「花丸も終わりさ。自分の過ちを悔いろ!」
0013名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー) (ワッチョイ 2a4d-WqUE [219.107.60.247])
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2018/11/11(日) 00:28:05.61ID:bgaaXcUC0
ギュウウウウウ!!!!!!!

花丸「あぐぅぅぅ……」ミシミシミシ

花丸「……」メリメリメリ

花丸「ゴボッゴボッ」

鞠莉「ああっ、花丸の口から血の泡が大量に出てきたわ」

ドクドクドク

鞠莉「肛門と性器からも血が溢れてきたわ」

果南「言ったろう?絞り出すって。ふんっ」

ギュゥゥゥ

花丸「」ゴボッゴボッ

鞠莉「口から吐く血が邪魔して、もう口も聞けなみたいね」

ミリミリ ドクドクビチャアア

鞠莉「下からは糞尿が絞り出されてて汚ぁい。ん?」

ズルッズルッ
0015名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:30:20.15ID:L+1J4bF/K
花陽「アハハ…凛ちゃん、お料理は全然できないから」

凛「そんなことないよー。ラーメン、焼きそば、冷し中華でしょ。うどん、そば、パスタもできるし♪」

にこ「どうせ全部カップめんでしょ…」

凛「袋めんもあるにゃ!ラ王にチャルメラにチキンラーメン♪」

にこ「つーか、花陽の折り紙だったらそれだけで部活になりそうだけど…」

花陽「折り紙?」

凛「それなら美術部でいいんじゃないかにゃ」

にこ「絵とか描いたりする?」

花陽「あ、はい。折り紙ほどじゃないけど、少し…」

凛「美術部かー。凛はもっと運動とかできる部活がいいにゃ」

にこ「ま、折り紙だけなら美術部である必要もなさそうな気はするけど」

凛「そうだ!新しい部活を作ればいいんだよ♪」

花陽「で、でも人数が…二人とか三人じゃダメだと思うけど」

にこ「そーね。新しく作るには五人必要よ」

凛「えー!?><」

花陽「あ、あの…にこちゃんは」
にこ「花陽」

花陽「えっ。…な、なに?」

にこ「…いや、やっぱり何でもないわ。じゃあ…」
花陽「あ、待って。今日も一緒に帰ろう」

にこ「…いいけど」

キーンコーンカーン…

花陽「にこちゃん。さっき何を言いかけたの?」

にこ「別に…大したことじゃないわよ。ただ昨日…」

花陽「きのう?」

にこ「朝、UTXで会ったでしょ」

花陽「あ、うん。A-RISEを見に行ったから…」

にこ「ファンなの?」

花陽「えっと…A-RISEだけじゃないけど、昔からアイドルとか好きで…」
0016名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー) (ワッチョイ 2a4d-WqUE [219.107.60.247])
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2018/11/11(日) 00:31:57.62ID:bgaaXcUC0
果南「おやおや」

鞠莉「肛門から大腸がひり出されてきたわ。凄い圧力が腹内に掛かって脱肛しちゃったのね」

花丸「」白目ピクピク

果南「ねぇ、鞠莉。その腸、引っ張り出してあげなよ」

鞠莉「えー?汚ぁい」クスクス

果南「ゴム手袋すれば大丈夫さ。ほら、早く。こいつの意識があるうちに」

花丸「」ゴボゴボ

鞠莉「もう白目向いて血の泡吐き散らしてるし、意識あるか微妙ねー」

鞠莉「まぁ、これで呼び戻してあげる。ゴム手袋も装備したし。えいっ」

ズルッズルルー

花丸「!?────!!!!!」ゴボボボボ

鞠莉「すごぉい!これが腸?どこまで出るのかしら。えいっえいっ!」

ズルッズルッ

花丸「ズラ☆p@%’#&☆’#&’@$’#+’#$!?!?!?!?!」ゴボボーッ

果南「喋れないかい?でも想像を絶する苦悶が伝わってくるねぇ」くっくっく
0017名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:34:12.30ID:L+1J4bF/K
凛「かよちんはアイドルになりたいんだよねー♪」

にこ「あんた…いたの」

凛「ひどいにゃ><」

にこ(花陽しか見てなかった///)

花陽「い、今もアイドルになりたいってわけじゃ…ただ好きってだけで…」

にこ「なりたくないの?」

花陽「そ、それは…だって、無理だし…」

にこ(興味がないわけじゃなさそうね。誘えば入ってくれる…のかな?)

【翌朝】

にこ「花陽♪」ギュ

花陽「お、おはよ。にこちゃん」

にこ「おはよう。…星野は?」

花陽「ほしの?…えっと、もしかして凛ちゃんのこと?」

にこ「ん」

花陽「凛ちゃんは星空凛だけど…」

にこ「あ、そう。…で」

花陽「今日は陸上部の朝練を見学するって…先に行っちゃった。眠そうだったけど」

にこ(…よし。話すなら今ね)

にこ「花陽。ちょっと来て!」グイ

花陽「え。…ピャァ!?」

【音ノ木坂】

にこ「ここよ。入って」ガチャ

花陽「はあ」

パチ

花陽「!?」

花陽「こ、この部屋って…」

にこ「ここが私の部室よ」

花陽「A-RISEにDream…アイドルがいっぱい!…な、何の部活なのぉ!?」

にこ「アイドル研究部よ!」ドヤァ
0018名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー) (ワッチョイ 2a4d-WqUE [219.107.60.247])
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2018/11/11(日) 00:34:28.61ID:bgaaXcUC0
鞠莉「腸って10メートル近くあるんだっけ?どこまで出せるかしら」

果南「大腸はそのうち数メートルだよ。もうそのくらい出せばいいんじゃないのかい?」

果南「海水で清めておやりよ」

花丸「!?!?!?」ジタバタ

果南「暴れるな!」ギュッ

花丸「───!!!!」ゴボボッ

鞠莉「えいっ。花丸の汚い大腸を海水に投入」

チャプン

花丸「!?!?!?!?!」ゴブブッ

鞠莉「かーらーのー?イカリ打ち付け!」ガンガンガン!!

花丸「☆@/’#&☆’#&’@$*#+’☆;;;;;;;;!!!!!!!」

果南「へぇ?花丸の脱肛した腸を海底に釘打ちするのかい」

果南「こりゃあ地獄だねぇ」

花丸「──」ガクガク ピクピク
0019名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:36:07.69ID:L+1J4bF/K
花陽「アイドル研究部!…し、知らなかった…」

にこ「…まあ、部員は私しか居ないんだけど」

花陽「そうなの!?」

にこ「そうなの。…ね、一緒にやらない?」

花陽「う、うん。いいけど…どんな活動してるの?」

にこ「今までのことは置いといて…私がやりたいのはスクールアイドルよ」

花陽「えーと…スクールアイドルの研究?」

にこ「研究っつーか、花陽がスクールアイドルになるのよ」

花陽「な、なーんだ。私かぁ…」

にこ「そ。私と花陽でスクールアイドルやるの」

花陽「って、ええぇぇェ!?」

にこ「いいでしょ?興味あるんじゃないの?」

花陽「む、無理だよぉ!私がアイドルなんて…」

にこ「なんでよ。アイドル好きなら歌とかダンスも得意でしょ?」

花陽「全然できないわけじゃないけど、体力ないし…運動とか苦手で…そ、それに人前で歌ったりするのも…」

にこ「だから、これから練習してそういうの慣れていけばいいんだって。ちゃんと私が教えてあげるわよ」

花陽「で、でもぉ…」

にこ「花陽と一緒にやりたいのよ。…ね、お願い!」ギュ

花陽「にこちゃん…でも私、足ひっぱっちゃうかも…」

にこ「いいわよそれくらい。逆に私が全力で花陽を引っ張ってやるわ!」

花陽「きっと私じゃ人気だって全然出ないよ…」

にこ「そしたら私が花陽を独り占めできていいじゃない」

花陽「本当に、私でいいの…?」

にこ「花陽がいいの。私、ずっと待ってたんだから…」

花陽「…にこちゃん///」

にこ「わたしーー♪ずっとーあなーたーをーー、みてたー♪」

にこ「こーどくーを、おーいてーきーたーー、みたいー♪」
花陽「きーたみーたいー♪」

花陽「こーよーいつーきーもー♪わーらーいかーけーるー♪」

にこ「こっちーをむーいーて♪おーふらいみとぅーーざすたー♪」
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2018/11/11(日) 00:41:28.04ID:L+1J4bF/K
にこ「…ん、歌は申し分ないわね」

花陽「そ、そうかなぁ?」

にこ「けど私たちはアイドル!これからダンスも完璧にできるように練習よ!」

花陽(にこちゃんに誘われてスクールアイドルやることになっちゃった…大丈夫かなぁ?)

にこ「さて…練習はいいけど、曲をどうするか…ライブとかやるなら私たちだけのオリジナル曲が欲しいわね」

花陽「作曲するってこと?」

にこ「できればそうしたいんだけど…花陽、できる?」

花陽「む、無理!…でも」スッ

にこ「折り紙なんかでどうする気?」

花陽「これを、こうして…」オリオリ

にこ「その形…もしかして」

花陽「できたよ。折り紙のピアノ!」ドーン

にこ「裏側の白い部分が鍵盤になってんのね…すごいけど、紙のピアノじゃ音が出ないわよ」

花陽「う、うん。演奏はできないけど…でも鍵盤に触れてみると、頭の中に曲のイメージが…」

にこ「紙なのに音楽が聴こえてくるようだわ!これで作曲も──」

花陽「にこちゃんと私にぴったりの曲が…!」

にこ「できるわけないでしょ!」スパーン

花陽「ピャァ!?…い、いつの間にハリセンを…」

にこ「花陽がピアノを折ってる間に作ったのよ」

花陽「これもある意味、折り紙!?」

にこ「曲はとりあえず後回しにして…あとは衣装ね」

花陽「あ、それなら──」

【翌日・一年教室】

花陽「あとは、ここをこうして…」オリオリ

真姫「…」ジーッ

花陽「…よし、できた!」

真姫「何を作ったの?」

花陽「あ、西木野さん…あのね、先輩とスクールアイドルやることになって…」

真姫「アイドル…ってことは、それが衣装のデザイン?」

花陽「う、うん。…どうかなぁ?」
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2018/11/11(日) 00:44:29.37ID:L+1J4bF/K
真姫「すごいわね…折り紙でこんなことができるなんて」

凛「かよちんの折り紙は、全米がびっくりする腕前なんだよねー♪」

花陽「そ、そこまでじゃないと思うけど…エヘヘ」

真姫「この紙の衣装のデザインをもとに本物の衣装を作るの?」

花陽「え?…ううん。本番も折り紙で作る予定だけど…」

真姫「折り紙でって…本気?」

花陽「うん。布で服を作るのはそこまで上手じゃないし、時間かかるし…折り紙なら今ある材料で作れるし」

真姫「折り紙の衣装ねえ…」

花陽「あ、あのー。西木野さんって」

真姫「なに?」

【昼・屋上】

にこ「作曲できる奴が見つかったの!?」

花陽「う、うん。同じクラスの西木野さんに頼んでみたんだけど…」

『いいわ』

『本当!?』

『折り紙の衣装で踊るスクールアイドルなんて前代未聞だし…見てみたいから』

花陽「…って」

にこ「花陽の折り紙に興味を示したってわけね…」

凛「捕鯨は身を竜田揚げってやつにゃ」

にこ「は、はぁ?…なんで鯨の竜田揚げなのよ」

花陽「たぶん“芸は身を助く”のこと…かな?」

にこ「これで曲と衣装は問題なし。あとは…」チラ

凛「にゃ?」

にこ「星井!あんたも私たちに協力しなさい!」

凛「星空にゃ!」

にこ「あ、そう」

凛「何をすればいいのー?」

にこ「私も運動や体力にはそこまで自信があるほうじゃないわ。初心者の花陽をライブできるレベルまで鍛えるには…」

花陽「え」
0022名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:47:24.69ID:L+1J4bF/K
【グラウンド】

凛「かよちん、遅いよー。ほらほら、凛についてくるだけでいいからっ」

花陽「む、無理…」ゼーハー

にこ(吐きそう…)フラフラ

凛「もー。二人ともだらしないにゃ」

ドタバタ

【再び部室】

凛「どうですかー?」

にこ「な、なかなか有意義な練習だった…わ」

花陽「」グッタリ

凛「じゃあ凛は先に帰るね。また明日…」

花陽「ま、待っ…うっぷ」

にこ「ちょっ…ここで吐かないでよ!?」

凛「かよちん、大丈夫ー?><」

花陽「う、うん…ダメかも」クラクラ

にこ「あんたが連れて帰りなさいよ」

凛「そのほうがいいみたいだにゃ」

【正門】

花陽「あ、あのね凛ちゃん。一緒にやらない?」

凛「今からまだ練習するのー?」

花陽「そ、そうじゃなくて…凛ちゃんも私たちと一緒に、スクールアイドル…」

凛「えぇ!?」

にこ「そーね。まだ部活、決まってないんでしょ?」

凛「そ、それはそうだけどにゃ…凛がやりたいのは陸上かバスケ」
花陽「でもアイドルも体力が必要でしょ?…私より凛ちゃんのほうが向いてるんじゃないかなぁ?」

凛「凛は…無理だよ。アイドルなんて…」

にこ「花陽と同じこと言ってるわね」

花陽「アハハ。そうだね…」

凛「かよちんは昔からアイドル好きだし、アイドルの歌やダンスの練習してたでしょ?…凛とは全然違うよ」
0023名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 00:52:56.73ID:L+1J4bF/K
にこ「アイドルっつっても私たちはスクールアイドルよ。運動部みたいなもんでしょ。誰だってできるわ」

凛「じゃあ凛じゃなくて、ほかの人を」
花陽「凛ちゃん。一緒にやろうよ」ギュ

凛「む、無理!><」

にこ「私たちの練習は手伝ってくれるんでしょ?」

凛「それはいいけど…」

にこ「だったら、気が向いたらあんたもスクールアイドルやればいいわよ。ライブの日までに一緒に練習して…それでも絶対やりたくないって思うならステージには立たなくていい。それならいいでしょ?」

凛「気が向いたりしないと思うけどにゃ…」

にこ「向かせてみせるわよ」ニヤリ

花陽「よ、よろしくね。凛ちゃん♪」

凛(なんだか変なことになっちゃったにゃ。かよちんのお手伝いだけならいいんだけど…凛がアイドルなんてありえないし)

【翌日】

凛「お休みの日も練習なのー?><」

花陽「う、うん。毎日練習しないと…私、体力とか全然ないし」

にこ「んで、肝心の曲はどうなったのよ?」

花陽「西木野さんがやってくれてるはず…だけど」

【音ノ木坂?】

真姫「曲はいいけど、作詞はどうするの?」

にこりんぱな「えっ」

凛「歌詞も西野さんが書いてくれるんじゃないのー?><」

真姫「誰がマイアミの奇跡よ。私は西木野真姫!」

花陽「えーと…作詞は得意じゃないの?」

真姫「国語の授業で川柳詠むのとはわけが違うでしょ。ちゃんと曲にのせて歌ってカッコつくような歌詞を書くとなると…そこまで責任持てないし」

にこ「仕方ないわねー。ここは私の天才的なセンスで」
花陽「どうしよう…誰も作詞できそうな人がいないよ」

にこ「そこはほら、この私が宇宙ナンバーワンの感動的な歌詞で」
真姫「ここにいる四人じゃなくてもいいでしょ?…誰かいないの?」

花陽「うーん…まだ学校に知り合いもあまりいないし、音ノ木坂の人以外なら思いつくんだけど…」

にこ「し・か・た・な・い・わ・ねー!」

真姫「まあ、音ノ木坂のスクールアイドルとしてやっていくなら音ノ木坂の生徒が作詞するべきかしらね」

凛「みんなで歌詞を考えるにゃ!」

にこ「…そーね」
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2018/11/11(日) 00:59:14.52ID:L+1J4bF/K
(((┗─y(`A´)y-~ケッ!!
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2018/11/11(日) 00:59:48.29ID:L+1J4bF/K
花陽「…」オリオリ

真姫「…で、あなたは何してるのよ?」

花陽「う、うん。折り紙でいろいろ作ってみたら、何か歌詞のヒントになるかなって…」

凛「かよちんの折り紙はすごいもんにゃー」

にこ「全宇宙がびっくりするような物ができそうね」

真姫「宇宙といっても…地球以外に人は住んでないでしょ?」

花陽「宇宙人どころか、生き物もいるかどうか…」

「フフフ…科学で解明できないものは存在しないと思うかね?」

にこまきりんぱな「えっ」

真姫「…いや、誰よ?」

「ウチは通りすがりの副会長さんや。生徒会長の次に偉いんよ」ドヤァ

にこ「希…何してんのよ。ヒマなの?」

希「キミたちが困ってるみたいやから、道を示してあげようかと思って」

凛「副会長さんが歌詞書いてくれるんですかー?」

希「めくるめくスピリチュアルの世界!心霊、UFO、UMAに都市伝説!不思議要素てんこ盛りの歌詞でよければ」
にこ「いらないわよっ!」

希「えー」ブー

花陽「できた♪」

にこ「…何これ」

凛「宇宙人?」

希「ツチノコやな」

真姫「イミワカンナイ」

花陽「こうやって折り紙から歌詞のアイデアが…」

にこ「希に書かせるのと変わんないわよ!もっとまともな物作りなさい!」

「フフフ…工房でモブが雨宿りってやつだね」

のぞにこまきりんぱな「えっ」

真姫「また出た…今度は誰よ?」

凛「モブって言ってたにゃ」

「穂乃果。それを言うなら“弘法も筆の誤り”では?」

穂乃果「それだ!」

「誰のことを言ってるの?穂乃果ちゃん…」
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2018/11/11(日) 01:02:08.42ID:L+1J4bF/K
穂乃果「ほら、小泉さんって全米がびっくりするほどの折り紙の達人でしょ?…でも苦戦してるみたいだから」

花陽「はあ」

にこ「つーか誰よ。あんたたち…」

穂乃果「この間会ったじゃないですか。秋葉原のUTXで…」

花陽「えーと…」

凛「知らない人にゃ」

にこ「知らない人ね」

穂乃果「ひどい!?」ガーン

「まあ私たちは副会長以外の方とは初対面ですが…園田海未です」

「南ことりです♪」

穂乃果「高坂穂乃果!私たち、音ノ木坂学院おりがみ部だよっ!」

にこまきりんぱな「折り紙部!?」

絵里「…許可した覚えはないけどね。三人しかいないみたいだし」

希「あ、エリちもいたんや」

穂乃果「だったら実力で認めさせてみせます!…いくよ。ことりちゃん海未ちゃん」

ことり「うん♪」
海未「はい」

ことほのうみ「…」オリオリ

凛「なんか折り始めたにゃ」

花陽「あ、私も何か作ろう…」オリオリ

穂乃果「できた!」

花陽「え。もう!?」

穂乃果「折り紙の…まんじゅう!」

ミカ「丸めただけじゃん…」

海未「日舞には欠かせない扇子です!」

フミコ「ただのハリセンだね…」

ことり「謎の鳥!(・8・)」

凛「かわいいにゃ♪」

ヒデコ「でもそれ、顔描いただけだよね…」

絵里「…素人にしか見えない」
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2018/11/11(日) 01:10:13.85ID:L+1J4bF/K
穂乃果「くっ。さすが小泉さん…手強い!」

真姫「いや、まだ何もしてないでしょ?」

希「小泉さんは…?」

花陽「えっと…今日って学校、お休みじゃないですか」

穂乃果「?…うん」

海未「部活だといって穂乃果に呼び出されて集まりましたが…」

花陽「でも休日って、いつもと違って一斉に登校する生徒の姿が見られませんよね?」

真姫「まあ、今の音ノ木坂は部活動もあまり盛んじゃないみたいだし…」

花陽「つまりいつもと風景が違うわけです。出かける時間帯が変わり、急ぐ必要もなければ、着く時刻も違う…」

絵里「いったい何を言って…まさか!?」

花陽「ここが音ノ木坂に見えたなら…私の勝ちです!」

ことり「折り紙の…学校!?」

にこ「うそ!?」

凛「すごいにゃ!」

真姫「イミワカンナイ…」

絵里「は、ハラショー」

希「さすが全宇宙びっくり折り紙…」

穂乃果「勝負にならなかった…」ガクッ

凛「そういえば凛たち以外で部活の人を見かけなかったもんにゃー」

海未「こんな巨大なハリボテが…すべて折り紙で作ったのですか?」

花陽「えっと…折り紙専用の紙だけだと材料が足りないし、強度の問題もあるから…ほかの紙も使ってるけど、一応全部紙です」

にこ「こんなのいつどうやって作ったのよ…」

穂乃果「これだ…!」フルフル

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「これだよ!小泉さんの折り紙なら、廃校を防げる…!」

絵里「確かに注目を集めるだけなら申し分なさそうだけど…それで入学希望者が増えるかしら?」

希「あとはどうやってアピールするか…受験生に伝わるように、宣伝が重要やな」
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2018/11/11(日) 01:12:51.39ID:L+1J4bF/K
【五月】

ミカ「μ'sのライブ、四時からでーす!」

花陽(あれから…折り紙部の先輩たちもスクールアイドルを始めた)

『折り紙じゃ、やっぱり小泉さんにはかなわないなって…エヘヘ』

にこ(花陽に頼るだけじゃなく、自分たちでも廃校を防ぐために何かやりたいってことらしいけど…)

凛「凛たちも負けてられないにゃ!」

花陽「う、うん。そうだね…」

にこ(希や、高坂のクラスメイトの三人がよく宣伝してくれて…花陽の折り紙も少し有名になった)

にこ「ライブでも私たちが勝つわよ!」

花陽(私たちは折り紙で作った音ノ木坂。本物の音ノ木坂では穂乃果先輩たちが、同時にライブをやることになった)

真姫「まあ…珍しい分、こっちが有利なんじゃない?」

絵里「こんなことで本当に入学希望者が増えるのかしら…」

にこ「まだ言ってんの?…だったらあんたが花陽より凄いの作ってみなさいよ」

絵里「そ、それは…」

花陽「アハハ…まあまあ。とにかく私たちはできることを頑張ろうよ」

花陽(そして──)

\ハジマルーヨオイデー♪リッスントゥーマイハー/

希「ライブはともかく…小泉さんの折り紙アートは大好評やったね」

絵里「そうね。ライブが始まる前から紙の校舎のほうは混雑していたし…」

真姫「アイドルより折り紙アーティストとして有名になりそうね…」

凛「やっぱりかよちんはすごいにゃ!」

花陽「う、うーん…?」

にこ(花陽が凄いのは認めるけど、釈然としない…)

穂乃果「うぅ…」ガクッ

ことり「ま、まあ…どっちが勝っても音ノ木坂には変わりないんだし」

海未「そうですね。廃校を防ぐことができればいいじゃないですか」
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2018/11/11(日) 01:15:18.25ID:L+1J4bF/K
【六月】

ザァァァ…

花陽(雨が降り続くと紙の校舎は崩壊しちゃうから…梅雨に入る前にいったん解体して本物の校舎にしまっておくことになった)

穂乃果「雨、なんで止まないの!」

海未「私に言われても…」

絵里「このままだと少しまずいわね」

にこ「まずくないわよ」モグモグ

穂乃果「って、それ私のポテトじゃん!」

ことり「何がマズいんですか?」

絵里「たとえば…日本人メジャーリーガー」

凛「大谷翔平とか?」

絵里「活躍している間は各メディアで連日報道されるわ。ただ…ケガをしたりマイナーに落ちて、そのまましばらく活躍がないと…」

真姫「日本には全く情報が入ってこないわね」

希「本人のブログやツイッターをチェックしてないと、どこで何してるのかもわからなくなるね。いつの間にか引退してたり…」

穂乃果「た、確かに…ふと気になってググったら“元プロ野球選手”になってる人いるよね」

絵里「折り紙アーティスト小泉花陽に興味をもってくれた人にとって、折り紙の学校はその象徴ともいうべき最高傑作…それが見られなくなれば、次第に忘れられてしまう」

海未「それでは入学希望者を増やす期待も薄くなりますね…」

真姫「そうなれば、その先に待つのは…」

穂乃果「廃校!?」

にこ「別に花陽は折り紙だけってわけじゃないでしょ。スクールアイドルがあるじゃない」

絵里「とにかく…確実に入学希望者を増やすなら、早めに次の手を打ったほうがいいわね」

花陽「次の手…じゃあ、今度は屋内で展示できる物がいいかな…」

希「けど、あの折り紙の学校を超えるインパクトは…あれより小さい物では難しいんやない?」

凛「雨に濡れなければいいんだよねー?」

海未「もしくは雨に濡れても平気な物…でしょうか」

にこ「雨に濡れても平気な折り紙って何よ?」

希「よっしゃ。ここはウチの占いで…」スッ

絵里「それよ!」

ことほのうみのぞにこまきりんぱな「えっ」
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2018/11/11(日) 01:19:28.40ID:L+1J4bF/K
リ´・-・)
0031名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 01:20:01.66ID:L+1J4bF/K
絵里「希、前に言ってたわよね?そのタロットカード…防水加工されてるって」
http://karma.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1481814164/

希「ああ、これね。確かに多少濡れた手で触ったりするくらいなら平気や。さすがに雨の中に放置はアカンと思うけど…」

にこ「タロットカードはいいけど、折り紙は消耗品でしょ?一枚一枚そんな防水加工してるのなんてあるの?」

花陽「ど、どうかなぁ…表面加工したら折りにくくなりそうだし、あんまりコスパが悪いと大きな物が作れないよ」

穂乃果「そっか。作っちゃえばいいんだよ!」

海未「ですから材料が確保できないと…」

穂乃果「だから、その材料を。雨に濡れても平気な折り紙…ことりちゃんならできるよね!?」

ことり「え。…私?」

絵里「なるほど。南さんの錬金術なら…」

にこ「…できるの?」

ことり「んー。やってみたことがないから、何とも言えないけど…いろいろ試してみれば何とかなりそう…かな?」

花陽「じゃあ私は、とりあえず室内展示向けの制作を進めておくね。雨で練習できない日が多くなりそうだし…」

にこ「頼むわ。…私たちは何すればいいの?」

ことり「材料集めを手伝ってくれると助かるんですけど…」

凛「どんな材料ですかー?」

ことり「えーと…まずは──」

穂乃果「卵の殻、持ってきたよ!」

ミカ「すいかの皮…これでいいの?」

フミコ「はい、しじみの貝殻」ドサ

ヒデコ「魚の鱗…こんなの何に使うの?」

ことり「ありがと♪どれが折り紙の加工に向いてるか試してみるね」

花陽「音ノ木坂といえば…」オリオリ

花陽「はい、これは何でしょう?」

にこ「白と茶色の…」

凛「あ、凛わかった!アルパカさんだにゃ♪」

花陽「正解♪…折り紙だからモフモフ感は出ないけど…」

凛「これなら凛にも作れそう♪」

花陽「うん。アルパカさんは群れで生活する動物だから、仲間はたくさんいたほうがいいよね」

にこ「そういえば…那須のアルパカ牧場だっけ?アルパカが四百頭いるっていう…」
http://karma.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1467633162/4
凛「よんひゃく!?」
0032名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 01:22:41.41ID:L+1J4bF/K
花陽「そうだね。じゃあ、まずは四百匹のアルパカさんを作ってみようか♪」

凛「そんなに!?」

にこ「花陽でも時間かかるんじゃない?」

穂乃果「よーし。私たちも手伝うよ!音ノ木坂アルパカ牧場♪」

真姫「まあいいけど…」

海未「…」オリオリ

希「一頭、また一頭と増えていくアルパカの仲間たち!そして、ついに──」

ヒデコ「398」

フミコ「399」

ミカ「400!」

絵里「ハラショー!これで完成ね♪」

花陽「みんな、お疲れさま。じゃあアルパカさんにも見せてあげよう♪」

凛「アルパカだってわかるのかにゃ…?」

【アルパカ小屋】

真姫「…ん?」

凛「なんか変なのいるにゃ!?」

海未「アルパカ…じゃないんですか?」

にこ「細っ!前とは別人…じゃなくて別パカ!?」

花陽「アルパカさんは毛刈りをしないと暑さで体調を崩しちゃうから…夏はこうなります♪」

アルパカ「メ゙ェ♪」ドヤァ

ことり「モフモフじゃなくなっちゃった…」クスン

希「…という動画をアップしたら、これがなかなか好評で」

ことり「防水加工がなくても大丈夫…かな?」

花陽「う、うん。でも何かの役に立つと思うから…」

絵里「そうね。切り札はあったほうがいいわ」

【七月】

希「九人や。ウチも入れて」

\ダイスキ♪/

花陽(おりがみ部とμ'sの活躍で、とりあえず廃校は回避…でも)
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2018/11/11(日) 01:28:44.26ID:L+1J4bF/K
【九月】

海未「ことりが留学することになりました」

にこ「ちょっと…どういうこと?」

ことり「納得のいく素材ができなくて…日本だけじゃ限界かなって」

絵里「錬金術を極めるために海外へ?」

穂乃果「そんな!?やっと廃校を阻止したのに…」

真姫「まあ…同じ研究でも将来的に正当な評価を得られそうなのは日本より海外かもしれないわね」

穂乃果「なにそれ!?日本死ね!」

バシッ

穂乃果「ぐふっ!?」

海未「最低です!」

穂乃果「」

花陽(穂乃果ちゃんが海未ちゃんにKOされてる間に、ことりちゃんは空港へ…)

穂乃果「はっ…今何時!?」ガバ

海未「何してるんですか穂乃果。早くことりを追いかけてください!」

穂乃果「海未ちゃんに殴られて気絶してたような気がするんだけど!?」

海未「気のせいです」

にこ「切り札を仕掛けておいたから…うまくいけば時間稼ぎにはなるはずよ」

穂乃果「切り札?」

花陽「フフフ…」

【空港】

ザワザワ…

ことり(なんだか騒がしくなってきたような…トラブルかな?)

「…飛ばない?」

「紙飛行機だって…」

「紙飛行機なんて拾って捨てれば…っていうか落ちてても影響ないんじゃ?」

「そうじゃなくて…本物そっくりに作った紙の飛行機らしいよ」

「まさか…あれが!?」

ことり「!(紙の飛行機って…もしかして)」
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2018/11/11(日) 01:30:23.39ID:L+1J4bF/K
ことり「やっぱり…これ、かよちゃんが作った飛行機!」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1499600627/14
花陽(ことりちゃんの防水折り紙で作りました♪)

穂乃果「ことりちゃん!」タタタ

ことり「…穂乃果ちゃん」

穂乃果「やっぱり花陽ちゃんの折り紙なら奇跡を起こせるんだよ♪」

ことり「あれって、折り紙…と言っていいのかなぁ?」

穂乃果「100%納得できる素材じゃなくたって、できることはあるはずだよ!」

ことり「穂乃果ちゃん…そうだね」

【十一月】

海未「ダイエットです!」

にこ「μ'sの練習サボって折り紙ばっかりやってるから…」

穂乃果「だって折り紙は奇跡を起こせるんだよ!」

絵里「まあ、今回ばかりはさすがに…」

凛「折り紙でダイエットできるわけないにゃ」

穂乃果「うぅ…」ガクッ

にこ「…ほら、花陽のお弁当作ってきてあげたわよ」

花陽「にこちゃん…」ウルウル

真姫「ずいぶん大きいお弁当だけど…ダイエットは?」

にこ「大丈夫よ」

ことり「ちゃんとカロリー計算して低カロリーのお弁当なのかなぁ?」

花陽「わあ、大きなおにぎり…」シクシク

にこ「折り紙だけどね!」

希「ごはんがなくて低カロリーのおかずだけなんやね」

フミコ「折り紙のおにぎりって必要なかったんじゃ…」

にこ「気分だけでも味わえるでしょ?」

花陽(おなかはいっぱいにならないけど…あのとき、にこちゃんにあげた赤い蝶みたいに)

『ちょうちょ…みたいなリボン?』

にこ(紙一枚は薄くても、想いをこめて折ったなら…アツい気持ちは伝わるわよね?)



おわり
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2018/11/11(日) 05:29:49.14ID:L+1J4bF/K
>>20-21
【四月某日】

花陽「…というわけで、これがにこちゃんの衣装だよ♪」

にこ「へー。可愛い…けど、これって」カサ

にこ「やっぱり…これ折り紙じゃない!」

花陽「う、うん。布で服を作るのはあんまり自信ないし…折り紙のほうが可愛くできるかなって」

にこ「確かに可愛いけど…こんなの着てライブするの?」

花陽「制服か体操着の上に被せる感じで大丈夫だと思うけど…」

にこ「…なるほど」

花陽「うん、似合う!にこちゃん、やっぱり可愛い♪」

にこ「ま、まあ当然ね///」

花陽「ああっ、でも心配だなぁ…」

にこ「心配?…ああ、紙の衣装が破けたりしないかどうか?」

花陽「そうじゃなくて、にこちゃんが…」

にこ「何よ。言っとくけど私はスクールアイドル経験者よ?」

花陽(ライブして、人気が出たら…にこちゃんは可愛いから、いろいろ心配…)

花陽(って、にこちゃんは別に私のものってわけじゃ…///)

にこ「花陽?」

花陽「は、はいっ!?」

にこ「花陽の分の衣装は?」

花陽「まだできてないよ。にこちゃんのはイメージしやすかったんだけど、私が着るとなると…」

にこ「いや、二人おそろいの衣装でいいでしょ?同じ物をもう一つ作るんじゃダメなの?」

花陽「そっか。それもいいかも…」

花陽(でも…華奢で可愛いにこちゃんと、同じかっこで…差が出ちゃうなぁ)トホホ

にこ(花陽とお揃いの衣装か…エヘヘ///)

にこ「花陽がどれくらい動けるか見ておきたいわ。ちょっと踊ってみせてよ」

花陽「え」

\キャナイドゥーアイテーキベービ♪/

にこ「全然ダメじゃない!」

花陽「うぅ…」ゼーハー

にこ「踊ってみたりしたことなかったの?」
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2018/11/11(日) 05:31:38.56ID:L+1J4bF/K
花陽「ちょっと真似するくらいで、本格的にやってたわけじゃないから…特に、中学に入ってからは」

にこ「部活や受験とかで忙しくなったから?」

花陽「ううん。…私、昔は…アイドルになりたいって思ってたんだけど」

にこ「今は違うの?」

花陽「違うっていうか…小学校を卒業する少し前くらいから、アイドルにはなれないかもって思うようになって」

にこ(子供にとっては本気の夢が、いつの間にか“不可能なこと”みたいな意味の“夢”に変わる…そういうことか)

にこ「…私は諦めてないわよ」

花陽「え!?」

にこ「ほら、練習練習!」

花陽「う、うん」

【三年教室】

希「…基礎体力?」

にこ「ん。何か効果的な練習法とか知らない?」

希「そう言われても…ウチも体育会系やないし」

にこ「ま、そうよね…」

希「エリちやったら得意分野かもね」

にこ「絢瀬か…」

にこ(何のための練習かは言うまでもないし、あいつがいい返事をするとも思えないわね…となると)

『サッカー部もだよー><』
『凛はもっと運動とかできる部活がいいにゃ』

にこ(一応知り合いで、体育会系。花陽と仲いいみたいだし、たぶん頼めば協力してくれるわよね。あいつを巻き込めば…)

『かよちーん♪』

にこ(私より…花陽と仲がよくて。昔からずっと一緒…)モヤモヤ

にこ(…って、何考えてんの。別に花陽を独り占めするために部室に連れ込んだわけじゃ…)

にこ(けど…そっか。今、はっきりわかった…私は)

『ふーん?…もしかして』
『そんなんじゃないって』

にこ(赤い蝶々のリボンを髪に飾って…そしたらいつか、あの子が私を見つけてくれるんじゃないかって)

『あ、あのっ…これあげる!』

にこ(本当は…初めて会ったあの日から。ずっと──)
0039名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/11(日) 05:35:40.96ID:L+1J4bF/K
【四月三十日・神田明神】

花陽「カミはカミでも…神頼み!?」

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

にこ「できる限りの準備はしたし…あとは時の運ってやつでしょ?」

花陽「そうだね…ライブ、うまくいくといいなぁ」

凛「せっかくここまで来たんだから、そこの石段で足腰を鍛えればいいにゃ」

花陽「えぇ!?…今から?」ヒヤアセ

にこ「やめなさいっての。ライブ直前に無茶してケガでもしたらシャレになんないわよ!」

凛「凛は無理なら出なくてもいいんだよねー?」

花陽「り、凛ちゃぁん…」

にこ「確かにそうは言ったけど…まさか、わざとケガして休むつもり?」

凛「凛はそれくらいでケガなんてしないよ。二人とは鍛え方が違うにゃ」

にこ「あっそ…」

凛「じゃあ、ちょっと行ってくるにゃ!」ダッ

花陽「凛ちゃん!…ホントに行っちゃった」

凛「うぅーっ。テンション上がるにゃー!」タタタ

にこ「…あいつ、なんだかんだで楽しみなんじゃない?」クス

花陽「そうだね…前みたいに、絶対無理!とか言わなくなったし」

にこ「花陽もね」

花陽「う、うん。…ただ、自信があるかって訊かれると…」

にこ「当たり前よ。経験者の私だって絶対の自信があるわけじゃないし、花陽は初めてのライブでしょ」

花陽「にこちゃんも不安だったりするの…?」

にこ「全く無いと言ったら嘘になるわね。…けど」ギュ

花陽「あ」ドキ

にこ「今は花陽がいてくれるから…何だってできるって思えるの」

花陽「にこちゃん…うん。私も///」

にこ(一番欲しかったものは、ここにある…それでも。ううん、だからこそ欲張りたい。花陽と一緒に、同じ夢を見たい)
0040名無しで叶える物語(プーアル茶) (ワッチョイ bf4b-39Rp [106.72.138.128])
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2018/11/11(日) 07:17:01.59ID:6OeOdPfQ0
折神家の日!
0042名無しで叶える物語(やわらか銀行) (ワッチョイ 5b36-xMmu [60.137.0.27])
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2018/11/12(月) 03:00:06.43ID:89WvKbU20
こいつのssは山なし谷なしで本当につまらない
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2018/11/12(月) 05:32:42.02ID:ObnxHZ1zK
【四月某日】

花陽「玄米の…ごはん?」

にこ「そ。意外と美味しいわよ。時間かかるけど…」

花陽「もらっていいの?」

にこ「ん。…まあ、花陽のために作ったようなものだし?」

花陽「え」

にこ「…ほら、玄米は白米より必須栄養素がバランスよく摂れる、いわゆる完全栄養食でしょ」

花陽「あ、うん。そうだね」

にこ「それに西木野が言ってた、グラなんとか…インデックス?」

花陽「グライセミック・インデックス。GI値だね」

にこ「そう、白米よりGI値が低いから糖の吸収がどうたらこうたらって。なんかいろいろいいみたいじゃない」

花陽「…」モグモグ

にこ「どう?」

花陽「おいしいよ♪」

にこ「そ。よかった」

花陽(ただ…やっぱり私は玄米より白いごはんが好きだなぁ)

にこ「糖質制限ダイエットってわけじゃないけど、炭水化物の摂り方も工夫しないとね。何だったらごはんは無くてもいいくらいだけど」

花陽(そう、白いごはんが──)

花陽「…は?」

にこ「?…何よ」

花陽「ごはんが…なくても、いい!?」プルプル

凛(…た、大変にゃ!><)アワワワ

真姫「…ケンカ?」

凛「っていうか、にこ先輩が地雷を踏んだっていうか…」

ことほのうみ「?」

絵里「東京に地雷が埋まってるの!?」

希「いや、そういう意味やなくて…何か怒らせるようなことを言ったとかやない?」

ことり「あの小泉さんが怒るなんて想像つかないけど…」

海未「いったい何があったんです?」
0044名無しで叶える物語(王都図書館司書室) (ガラプー KKf6-x9On [05004017452212_ex])
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2018/11/12(月) 05:33:48.21ID:ObnxHZ1zK
凛「と、とにかく大変なんです!このままだと凛たち解散の危機かも…」

穂乃果「そこまで!?」

【再び中庭】

にこ「だから…別に米が作られなくなって米食が廃れろとか言ってんじゃないでしょーが。ただ個人の食事の献立として白米を食べないのもありだって話よ」

花陽「ごはんを含まない献立が多少あるのはいいけど基本はやっぱりごはんでしょ。GI値とか言うんだったらパンも決して優れた食品とは言えないし、それだとメニューの選択肢が狭すぎて献立のバリエーションも減るよ」

にこ「一日三食なら三食とも品数を多くする必要はないわよ。朝はバナナだけとか今時珍しくないじゃない」

花陽「毎日激しい運動をしてカロリーを消費するならごはんは食べたほうがいいよ。栄養だけじゃなく食事の楽しみも絶対必要!」

にこ「私の作る食事だと楽しくないって言いたいわけ?」

花陽「そうじゃなくて、好きな物を食べつつバランスも考えればいいって言ってるの」

にこ「だからって白米縛りにしたらそれこそ献立の可能性が制限されるでしょーが。たとえばメインを餃子にすれば皮が炭水化物だから主食は要らないでしょ?」

花陽「餃子って言っても蒸したり水餃子が中心の中華料理と違って日本では油を使う調理がほとんどでしょ。それだと意外とカロリーも高くなるし、何より冷めたら美味しくない。お弁当には向かないと思うけど?」

にこ「冷めたらって…先入観で決めつけないでよ。私が作ったのを食べてから言ってほしいわね」

にこぱな「むむむむ…」

海未「ケンカというわけでも無さそうですが…」

希「半ば意地の張り合いみたいになってるっぽいね」

真姫「くだらない…」

穂乃果「食べ物の恨みは何とやらって言うもんね」

【翌日】

花陽「すっごく美味しい!」

にこ「でしょ。ごはんに合う味つけにしてみたのよ」

花陽「ごはんは雑穀ごはんだね」

にこ「白いごはんのほうがよかった?」

花陽「ううん。雑穀は混ぜてあってもベースは白米のごはんだし…これも好きだよ♪」

にこ「そ。よかった…やっぱり好きな人が喜んでくれるお弁当を作りたいし」

花陽「にこちゃん…///」

にこ「ほら、こっちも食べてみてよ。食感が全然違うから」

真姫「…解散の危機だっけ?」

凛「そうでもなかったみたいだにゃ。…エヘヘ」
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2018/11/12(月) 05:34:26.33ID:ObnxHZ1zK
花陽「ホントだ。こっちの餃子は皮がモチモチだね♪」

にこ「これはこれでありでしょ?」

花陽「にこちゃん、お料理上手だなぁ…いいお嫁さんになりそう」

にこ「嫁ねえ…私はアイドルだから結婚なんて考えてないけど」

花陽「そ、そうなんだ…でも、にこちゃんが毎日ごはん作ってくれたら幸せかも」

にこ「そ、そう?」

花陽「うん♪」

にこ「でも白米じゃないと不満なんでしょ?」

花陽「どうしても白いごはんが食べたいときは自分で作ればいいし…にこちゃんが作ってくれるなら何でも♪」

にこ「しょうがないわねー」

絵里「矢澤さん、何だか嬉しそうね…」

穂乃果「っていうか、いちゃついてるだけに見える…」

希「バカップルやな」

海未「まあ…何事も無くてよかったです」

ことり「そうだね♪」
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