絵里「怪盗のことだったら」ことり「μ'sにお任せ♪」雪穂「ですっ!」
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雪穂「怪盗の三箇条」
雪穂「その一、常に冷静沈着であること」
バーン!
凛「いたにゃー!!」
穂乃果「怪盗だよーっ!!」
海未「二人とも早く追いなさーい!!」
タッタッタッタッタ…!
絵里「…甘いわね。私のスピードに付いてこられるかしら…?」
トットットットット…
雪穂「ちょ…絵里お姉ちゃん…待って…っ…」
雪穂「わぷっ!!」ベチャ
……。
雪穂「その二、丁寧かつ迅速であること」
カチャカチャ…
ことり「私の解錠術にかかればこんな宝箱…チョチョイのチョイだよぉ☆」
ことり「ここをこうしてぇ〜…♪」
カパ
ことり「開いたぁ☆」
ガチャガチャガチャ…!
雪穂「ちょ…ことりお姉ちゃんはや…!」
雪穂「あれぇー…? ことりお姉ちゃんに教えてもらった通りにやってるのに…」
プァーン!プァーン!
雪穂「わぁぁぁ!!?」アセアセ
……。
雪穂「その三、同業者とは目を合わせない」
絵里「ことり姉さん、雪穂、こっちよ」シュッ
ことり「はいはーい♪ ほらほら、雪穂ちゃん急ぐよぉ〜」トッ
雪穂「あ、ま、まってお姉ちゃんたち〜…!」トトト…
ツバサ「……っ」バサッ!
雪穂「だ、だれ…?」チラ
ツバサ「ふふ…♪」
ピーーーーーー!!!
凛「怪盗がお宝を盗んで逃げたよーっ!!」
海未「向こうです! もたもたしてないで、さっさと追いなさーいっ!!」
雪穂「ふぇぇぇ!?」オロオロ
ツバサ「…マナーは守らなくちゃダメよ、小さな怪盗さん♪」バサッ
……。
雪穂「…以上を怪盗三箇条として、これを厳守することを命ずる。怪盗協会理事長…?」
ことり「分かったぁ〜? 雪穂ちゃん♪」
雪穂「う、うーん…分かったような、分からないような…」
ことり「やっぱり雪穂ちゃんにはまだ早いかなぁ〜…?」
雪穂「そ、そんなことないー! 私も怪盗できるよ! お姉ちゃん達と一緒に怪盗する!!」
絵里「怪盗は遊びじゃないのよ」
絵里「立派な仕事として私達はやっているわ。興味本位で首を突っ込むと、怪我をするわよ?」
雪穂「興味本位なんかじゃ…!」
ことり「絵里ちゃん、ちょっと言い過ぎだよぉ?」
絵里「ことり姉さん…」 ことり「雪穂ちゃんも、ことり達が怪盗する姿を見てやりたいって思ってくれているんだもん♪ 尊重してあげないとねぇ?」
雪穂「…!」ウンウン
絵里「…全く、ことり姉さんはいつも雪穂に甘いんだから」
ことり「え〜? そんなことないよぉ〜…ねぇ?」パチ
雪穂「え…ど、どうかな…?」アハハ
絵里「…ふん」
ことり「でも雪穂ちゃん、これだけは覚えておいてねぇ?」
雪穂「う、うん」
ことり「ことり達怪盗は、自分の為に盗みを働く訳じゃないの。他人の為に、盗むんだよ」
雪穂「他人の為…」 絵里「そうよ。自分の為に働く盗み、それはただの泥棒と同じ。醜く、汚らわしい悪しき塊」
雪穂「泥棒さん…」
ことり「あはは、泥棒さんなんて可愛らしい表現♪」
雪穂「へ?」
絵里「…」ハァ
ことり「まぁ、雪穂ちゃんなら大丈夫だと思うけど…ね、絵里ちゃん♪」
絵里「…私は知らないわよ」プイ
ことり「ふふ、拗ねちゃった…♪」
雪穂「…」
ことり「それじゃ雪穂ちゃん改めて、μ'sへようこそ♪」
……。
雪穂「μ's。それは、私のお姉ちゃん達が働いている会社の名前です」
prrrr…
ガチャ
ことり「はーい、こちらμ'sです♪ 怪盗のご依頼ですかぁ〜?」
ことり「…ええ。…ええ、承っております〜♪ 怪盗をさせて頂くお相手様の名声や、土地の規模によって価格は変動してきますけど…誰でもご依頼可能リーズナブルな安心初心者コースから、富裕層の方向けエクセレントビップコースなど様々ですがぁ〜…?」
ことり「うふふ、分かりましたぁ〜安心安全スタンダードなカジュアルコースですねぇ〜? お支払いは一括ですかぁ? 分割ですかぁ? 今ならリボ払いだって可能ですよぉ〜♪ リボ払いにしていただきますとぉ〜…」
雪穂「…南ことり。一番上のお姉ちゃんで、見た目と口調はふわふわぽわぽわだけど、お仕事になるとすっごい頼りになるの。若いけれど、μ'sの社長さんで一番エライんです」
雪穂「他のどんな怪盗さんより凄くて、怪盗の世界じゃ知らない人はいないくらいの超有名人!」
雪穂「普段の感じからは想像できないくらい、カッコいいんです」
雪穂「私もことりお姉ちゃんのようになれたらなぁ…」
パラ…
絵里「今回ご依頼されたコースですと、この屋敷で正規のルートからの怪盗は間に合いません。是非、テクニカルパックをお勧めします」
絵里「ふむ、予算の都合で難しい……。それは仕方ありませんね。でしたら、多少厳しくはなりますが別のルートを模索させていただきます。
ご安心ください、決して依頼人様にご迷惑はお掛け致しません。ただその代わりといっては何ですが、事前のルート把握を正確に行いたいので、見取り図等用意して頂けると助かります」
雪穂「南絵里。私のもう一人のお姉ちゃんで、ことりお姉ちゃんの妹です」
雪穂「どんな時でも冷静で、凄いカッコイイの! ちょっぴり厳しいところもあるけれど、怪盗のお仕事は丁寧で凄い早いんです。ことりお姉ちゃんとの息もぴったりで、二人だったらどんなお宝だって盗めちゃうと思う!」
雪穂「ちなみに絵里お姉ちゃんは現役の女子高生怪盗。同世代の女の子達から注目の的なんです!」 雪穂「え…? 女子高生でも怪盗になれるのかって…?」
雪穂「はい、そうなんです。私達の国では、怪盗に必要なスキルと能力が備わってさえいれば誰でも怪盗になれるんです!」
雪穂「だから私も、立派な怪盗になれるように日々特訓中…!」
雪穂「まだまだ怪盗に成り立ての新米だけど、いつかはお姉ちゃん達と肩を並べて…三姉妹怪盗って呼ばれるのが夢なんです!」
雪穂「その日まで…ファイト、だよ!」
……。
アオーーン!
ことり「…♪」タタタタ…!
絵里「…」タタタタ…!
雪穂「はぁ…はぁ…っ」トトト…
ことり「あれぇ〜? 雪穂ちゃんもう疲れちゃったぁ〜?」
絵里「…」チラ
雪穂「はぁ…っ、う、ううん…まだ…大丈夫…だよ…っ」
ことり「そーう…?」 絵里「…はぁ。先に行ってるわよ」
ことり「うん、絵里ちゃんお願い♪」
タッタッタッタッタッタ…!
雪穂「は、早いー…」トロトロ…
ことり「ふふ、ちょっと休もっかぁ?」
雪穂「えぇ!? 休むなんてそんな…! だって、迅速に行動しないとだよ…!?」
ことり「ちょっとくらい大丈夫だよぉ♪ 後で取り返せば良いんだよ」
雪穂「だ、大丈夫なの…?」
ピーーーーーーーー!!!
凛「あーっ!! 怪盗だよ――っ!!」
雪穂「わっ!? み、見つかっちゃった!! どうしよう…!?」
ことり「えへへ、うっかりしちゃった☆ 雪穂ちゃん、ちょっと捕まっててね?」グイ
雪穂「へ? ことりお姉ちゃん!?」
ことり「あれぇ〜? 雪穂ちゃん随分重くなったんじゃないー? お菓子食べすぎだよぉ?」
雪穂「そ、そんなことないもんっ!///」
穂乃果「待てーっ! 怪盗―――っ!!」
ことり「ってそんなことやってる場合じゃ無かった、っと。バイバーイキュートな警察さん♪」バッ
雪穂「わぁぁぁぁぁ!?」
タン!
トン!
タン!
穂乃果「あ、あれ…いつのまにかいない…?」
海未「何してるんですかあなたは!! また逃げられたじゃないですか!!」
……。
prrrr…
ツバサ「はーい、こちらA-RISEの代表取締役の綺羅ツバサよ」
ことり『…ツバサちゃん、電話取る時毎回それ言うのぉー?』
ツバサ「勿論よ。立派な怪盗会社の取締役なのよ? 積極的にアピールしていかないと♪」
ことり『逆に安っぽくなっちゃってる気がするけどぉ…』
ツバサ「はいはい、名前が売れに売れて困っているμ'sの社長さんとは訳が違いますからね、こういう地道な努力が必要なのよ」 ことり『そんな僻み言わなくてもー…折角お仕事振ってあげようと思ってるのにぃ』ムー
ツバサ「あらあら? 天下の名怪盗ことりさんが任務失敗?」
ことり『トゲがある言い方ぁー。いいんだよー? 絵里ちゃんだったら一人でも片付けちゃうと思うけどぉ?』
ツバサ「冗談よ冗談。ありがと、ことり」
ことり『いーえー♪』
ツバサ「それじゃあとは私達に任せて、ゆっくり休んで?」
ことり『ありがとう〜♪』
ピッ
ツバサ「…まったく、年端もいかない子を怪盗にさせて何のつもりかしらね」
あんじゅ「まぁまぁ、それでうちらの仕事にできるならめっけもんじゃない〜?」
英玲奈「そうか…? 私はお情けみたいで嬉しくはないがな」
あんじゅ「そうだけどぉ〜…」
ツバサ「――今は仕方が無い」 英玲奈「ツバサ…」
ツバサ「現実問題として、腕も名声も私達の方が劣っている。けれど…」
あんじゅ「明日は分からない…♪」
ツバサ「その通りよ」
英玲奈「…ま、私も耐えるのは慣れている。付き合うよ」
ツバサ「ありがと、英玲奈、あんじゅ」
あんじゅ「♪」
英玲奈「…」フ…
ツバサ「…それじゃ、行きましょ!」バッ
……。
ドン!!
雪穂「ひぅ!?」ビクッ
絵里「まったく話にならないわ!!」
ことり「まぁまぁ〜、雪穂ちゃんも悪気があってやってる訳じゃないんだからぁ」
絵里「悪気…? そんなものがあったら余計悪いだけよ!」
雪穂「うぅ…」
絵里「雪穂がついてこれるというから、ことり姉さんは雪穂を怪盗にしたのよ?」
絵里「それが何? ついてこれないどころか足手まとい…いえ、仕事の邪魔をするなんて言語道断よ!」 雪穂「ごめん、絵里お姉ちゃん…」
絵里「謝って許される問題じゃ無いわ。現実的な問題として、怪盗の任務を失敗してしまってるの。その責任は重いわよ…?」
雪穂「せ、責任って…どうすればいいの…?」
絵里「10年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金よッ!!」バーン
雪穂「懲役!? 罰金!?」 雪穂「あわわわ…100万円なんてお金持ってないし、10年なんてそんな期間捕まってたら私の青春がぁ…っ!!」
ことり「…くす、あはははははは!」
雪穂「ことりお姉ちゃん!?」
ことり「あはは…っ☆ ごめんね雪穂ちゃん…そんなに慌てて…可愛すぎだよぉ…///」ハァハァ
雪穂「そんな訳の分からないこと言ってないで助けてよぉ〜…!」
ことり「くすくす…大丈夫だよ、そんな大袈裟な罪に問われることなんてないからぁ♪」
雪穂「へ?」 ことり「絵里ちゃんのいじわるー♪」
絵里「…」
雪穂「え、絵里お姉ちゃーん!?」
絵里「ふん…任務失敗はそれぐらい重い罪だということよ」
ことり「もぉ…絵里ちゃん、本当のことを言ってあげて?」
絵里「…怪盗の任務失敗。もし怪盗が任務を失敗してしまった場合、怪盗協会よりペナルティを課せられることになっている」
雪穂「ペナルティ?」
絵里「今回のケースの場合、単純にお客様の依頼品を盗み、渡すことができなかった。規定によれば、次回のお客の依頼の成功報酬より、80%を協会に献上することになっている」
雪穂「80%!? そんなに取られたらほとんど残らないじゃん…」
絵里「だから言っているでしょう? それだけ失敗のリスクは大きいし、その罪は重い」
雪穂「うぅ…」 ことり「それにペナルティだけじゃなく、今回の任務も失敗なんだからお客様から報酬は貰えないし、私達の会社μ'sの信用問題にも関わってくるんだよぉ?」
雪穂「そ、そんな…信用問題って…。もしかして、お客さんが来なくなっちゃうってこと…?」
ことり「…」
絵里「…」
雪穂「なんとか言ってよぉ…! ことりお姉ちゃん…! 絵里お姉ちゃぁんっ!!」ポロ…
絵里「…っ///」
ことり「…くすくす、あはははははは♪」
雪穂「え…?」
ことり「大丈夫だよ雪穂ちゃん、大丈夫〜☆ あはは、雪穂ちゃんったもう、可愛いんだからぁ…♪」
雪穂「お、お姉ちゃーん!!」
ことり「ごめんねぇ〜♪ 絵里ちゃんも、今のは可愛いと思ったんじゃなぁい?」クスクス
絵里「そ、そんなことないわ…///」
ことり「赤くなってる赤くなってるぅ♪」
雪穂「もーっ! お姉ちゃん達ひどいよっ!」
ことり「ふふ、まぁそれはともかく♪ お客さんがこないってことは無いと思うから大丈夫だよ」
雪穂「どうして…? 信用が無くなっちゃうんじゃないの…?」 ことり「そんな簡単に信用が失われるものじゃないんだよ、怪盗のお仕事は」
ことり「相応のリスクを背負っているんだもの…それだけ私達は重宝されているの」
ことり「失敗は次で取り返せば良いの。汚名は返上するものだよ?」
雪穂「そう…なの…? 難しい…」
ことり「雪穂ちゃんにはまだ難しいかなぁ…?」クスクス
絵里「…」
ことり「でも、絵里ちゃんの言っていることは厳しいかもしれないけど、これから怪盗を続けていくなら必ずついて回る責任だから…忘れちゃダメだよぉ?」
雪穂「うん…」 ことり「はい! それじゃこのお話はおしまい〜☆ 絵里ちゃん、夕飯にしよう〜?」
絵里「…ふん」スタスタ
ことり「絵里ちゃん、絵里ちゃん、今日はアレ作って〜…♪」
雪穂「…」
……。
その昔怪盗ルビィって映画あったな
小泉今日子が主演だった
ボフ
雪穂「ふぅ…」
雪穂「やっぱり、上手くいかないなぁ…」
雪穂「…」ゴロン
雪穂「怪盗って思ったより難しい…」
雪穂「別に、舐めてた訳じゃないけど…」
雪穂「もっと上手くやれないと、お姉ちゃん達と一緒にお仕事できない…」
雪穂「…っ」ブンブン
雪穂「でも、まだまだこれからだもんね…!」
雪穂「ことりお姉ちゃんの言う通り、次頑張ればいいんだよね!」
……。
絵里「ことり姉さん…」
ことり「んー? なぁに、絵里ちゃん?」
絵里「さっきの話…」
ことり「さっき?」
絵里「何故雪穂に教えなかったの? A-RISEのこと…」
ことり「あ〜…なんとなくかなぁ?」
絵里「なんとなく…?」
ことり「だって、その方がたのしそうじゃなぁい?」クスクス 絵里「楽しそうって…雪穂は何も知らないし、失敗したことで気に病んでしまったら…」
ことり「それはそれでぇ〜、可愛い気がしない?」
絵里「可愛いって、そんな無責任な…!」
ことり「ふふ、なんだかんだ言って、雪穂ちゃんのことになると心配なんだよねぇ…絵里ちゃん♪」
絵里「なっ…///」
ことり「大丈夫だよ、雪穂ちゃんは強いからぁー…♪」
絵里「っ…」
……。
――――――
――――
――
バーン!!
ピーーーーーーーー!!!
凛「怪盗にゃ――――!! 怪盗がでたよ――――っ!!」
雪穂「あわわ、また見つかっちゃった…!」オロオロ
絵里「くっ、こっちよ…!」バッ
雪穂「絵里お姉ちゃん…!!」
穂乃果「怪盗まてぇぇぇぇ!!」タタタ…!
絵里「隠れるわよ…っ!」シュッ
雪穂「わっ…!」バッ
タタタ…
凛「いたー?」
穂乃果「ううん、いなーい…」
凛「はぁー、相変わらずμ'sの怪盗達ははやいにゃ…」
穂乃果「だねぇ…」
凛「ちょっと休憩するー?」
穂乃果「しようしよう〜、いつまでも怪盗追ってても疲れちゃうだけだもんねぇ」
凛「だよねだよね! 真面目にやってるの海未ちゃんだけにゃ…」
穂乃果「本当本当、ちょっとでもサボるとすぐに怒り出すし…あれは鬼だよ鬼。鬼警部」
凛「あはははっ! 鬼警部! いい響きにゃ!!」 穂乃果「ああ…そういえば、その鬼警部から渡された資料、凛ちゃん読んだ?」
凛「全く読んでない…」
穂乃果「あー、凛ちゃん後で鬼警部の大目玉が待ってるよぉー…?」
凛「にゃにゃにゃ!? それは困るにゃ! 三時間正座はもうこりごりだよ…!」
穂乃果「この間怪盗追ってるとき、凛ちゃん全く走れなかったもんね」
凛「もう少しでA-RISEの一人を捕まえられそうだったのに…鬼警部のせいだよ!」
穂乃果「そうだよそうだよ! 鬼警部のせいだよ!!」
凛「…」
穂乃果「…」 凛「…また怒鳴られないように資料を見せてほしいにゃ」
穂乃果「そうだね…はい」パサ
凛「えっと…怪盗グループ、μ'sについて?」
穂乃果「うんうん」
凛「μ'sは、今最も勢いのある怪盗である。会社の代表であり、三姉妹怪盗の長女にしてリーダーでもある南ことりは、その鮮やかな怪盗術と、当人の美貌さ故に、世間にその名を知らぬ者は無い…。文句なしのSランク怪盗である」
穂乃果「うんうん、ことりちゃん可愛いよねぇ…♪」ウンウン
凛「穂乃果ちゃん、ことりちゃんファンだもんね…警察の癖に」
穂乃果「えへへ///」 凛「…次に、南ことりの妹でもあり、女子高生という若さで実力を発揮している三姉妹怪盗の次女、南絵里。その人気は目を見張るものがあり、今や若い女性の間でのカリスマとも言える存在。
実力も、姉に勝るとも劣らず。ランクはA+。次世代の怪盗界を担う存在だと言われている…」
穂乃果「うんうん、絵里ちゃんも可愛いよねぇ…♡」ウンウン
凛「穂乃果ちゃん、どっちのファンなの…?」
穂乃果「えへへ…どっちもかも…///」
凛「警察失格だにゃ」
穂乃果「だってぇ〜…」 凛「最後に、雅なる二人の姉を持つ三姉妹怪盗の三女、南雪穂。彼女についての評価は…保留とする」
雪穂「…っ」ピク
凛「実力を持つ家計の血を継いでる筈なので、恐らくこれからの成長次第であると思われる。しかしながら、現状では歳も幼く、姉の足を引っ張っているだけの存在にしかならない」
雪穂「…」
凛「μ'sの弱点は正にここにある。この千載一遇のチャンスを逃さずして、怪盗逮捕はありえない…だってにゃ」
穂乃果「…」
凛「穂乃果ちゃん?」 穂乃果「あ、え? …なにか言った?」
凛「急にぼーっとしてどうしたの?」
穂乃果「いや…さっき読んだときもそうだったんだけど、なんかこの雪穂ちゃんって子に見覚えがあるような…」
凛「見覚えって、最近現れたばっかりでもμ'sの怪盗だし、追っかけてるときに顔を見てるんじゃないの?」
穂乃果「あー…うーん、そういうことじゃない気がするんだけど…」
凛「ふーん…?」
穂乃果「…」 凛「…まぁでも、最近μ'sの仕事が雑になってるって聞いてたけど、なんだか納得だにゃ」
穂乃果「確かにねぇ…ちょっと前だったら、μ'sの怪盗が来るーってなっても、気が付いたら盗んで逃げた後だったとか当たり前だったもんね」
凛「そうそう! 実際に追っかけ回すなんて最近になってからだよ!」
穂乃果「うんうん」
凛「あー…ってことはさぁ」
穂乃果「うん?」
凛「今も実際に雪穂ちゃんが来てるってことだよね?」
穂乃果「うんうん」
凛「それって――チャンスじゃない!?」
ピーーーーーーーーーーーーー!!
海未「怪盗が逃げましたよ!! 誰か、追いなさぁぁぁ――――――い!!!」
穂乃果「…まぁ、そうなるよねぇ」
……。
絵里「…行ったようね」
雪穂「…」
絵里「ことり姉さんが上手くやってくれたわ」
雪穂「うん…」
絵里「ことり姉さんなら一人で難なく脱出できる筈…。私達もその隙に退散するわよ」
雪穂「…私がいても、足を引っ張るだけだもんね」
絵里「雪穂…」
雪穂「…」シュン 絵里「…雪穂、一つ言っておくわ」
雪穂「え…?」
絵里「――何も気にしないの」
雪穂「…? えっと…何も…?」
絵里「そうよ、気にしないの。私が言っていることも、さっきの警察が言っていたことも、ことり姉さんが言っていることも、何もかも全て」
雪穂「全て…気にしない…?」
絵里「ええ、雪穂が本当に怪盗になりたいならね」
雪穂「そ、そんなこと言われても気にしちゃうよ…」
絵里「…」 絵里「…はぁ、仕方ないわね」スク
雪穂「…?」
絵里「雪穂、ついて来なさい」
雪穂「え…逃げないの…?」
絵里「計画変更よ。二人でお宝を盗みに行くわ」
雪穂「で、でもことりお姉ちゃんが…私がミスしたら速やかに退散することって…」
絵里「大丈夫よ、私に任せなさい」
雪穂「…」
絵里「…そんなしょぼくれた顔を見せられたらね、なんとかしてあげたくなるじゃない」
雪穂「え…?」
絵里「それに、私もこのままA-RISEに仕事を横取りされるのは癪なのよ」
雪穂「A-RISE…?」
……。
海未「全く! こうも簡単に怪盗に逃げられてしまっては、警察の面子丸潰れです…ッ!」
穂乃果「しょうがないよぉー、相手はあのμ'sなんだもんー…」
海未「こら! 敬語を使いなさいと何度も言ってるでしょう! 私は警部なんですよ! あなた達より偉いんですよ!?」
穂乃果「あっはは、いいじゃんいいじゃんー。これぐらい軽い方が仕事しやすいよー♪」
海未「仕事がしやすいとかそういう問題ではありません! 常識の範疇です! 全く、最近の若い子は…ッ!」
穂乃果「海未ちゃんの頭がカタすぎるんだよ、もっと気楽にやろ♪」ポン
海未「海未ちゃんと呼ぶんじゃありません! 気安く触るんじゃありません! 警部と呼びなさい警部と!」
凛「海未ちゃーん! 怪盗がまた現れたにゃー!!」
海未「だから警部と…! って、怪盗ですって!?」
穂乃果「どーせ今度はA-RISEでしょー?」
海未「A-RISEでも怪盗は怪盗ですよ!? やる気を出しなさい!!」
穂乃果「えー…」
凛「ちょ、ちょっと違うにゃ…!」
穂乃果「違うって…?」
凛「それが…両方いるみたいだにゃ…」
海未「両方ですって!?」
……。
ツバサ「…どういうこと?」
ことり『ごめんねぇ〜、雪穂ちゃんが失敗したら三人とも撤退する手筈だったんだけどぉ…』
ツバサ「ふぅん…。ひょっとして、絵里さんの仕業かしら?」
ことり『多分そうかも…』
ツバサ「ふふ…オッケーよ。事情は把握したわ」
ことり『え、それじゃあ…♪』
ツバサ「とはいえ、呼ばれてここまで出向いて来たのに、用済みと言われてはい、そうですかと引き下がる訳にはいかないわ。A-RISEのメンツ的にもね」
ことり『だよねぇ…』アハハ ツバサ「だから…先にお宝を盗めた方の手柄ということでいいかしら?」
ことり『それでいいのぉ…?』
ツバサ「…全く、イヤな女だこと。私達が絵里さんに勝てないとハナから確信してるような口ぶりね」
ことり『だって…本当に絵里ちゃんは強いよ…?』
ツバサ「分かってるわよ。でもそれは、絵里さん単独だったらの話でしょ」
ことり『…』
ツバサ「雪穂ちゃんという足枷がある中で、どれだけ立ち回れるかしら――?」クス
……。
タタタタ…!
雪穂「…保険?」
絵里「そうよ。もし万が一の失敗の時の為に、私達μ'sの後ろには別の怪盗が待機しているの」
雪穂「それが…A-RISE?」
絵里「そう…今の私たちと同じように三人グループで組んでいる凄腕怪盗、A-RISE」
雪穂「そんな人達が私達の後ろについていたんだ…」
絵里「怪盗は立派な仕事だからね。失敗してお宝を盗めませんでしたでは、依頼人に申し訳が立たないわ。だから、そうやって保険をかけておくのよ」
雪穂「そう…なんだ…」
絵里「今頃、ことり姉さんがA-RISEに連絡を入れている筈よ。首尾よく行けば、私達が家に戻る頃には任務を終えているでしょうね」
雪穂「…」
絵里「――しかし、それでは私達の手柄にはならない」
雪穂「え…?」
絵里「保険はあくまでも保険。私達が失敗した事実は変わらないし、手柄もA-RISEのものになる。お客様への保証という話だけなのよ」
雪穂「…」
絵里「そんなの、癪じゃない?」
雪穂「しゃ、癪って…」
絵里「私とことり姉さんは今まで、どんな任務も完璧にこなしてきた。後ろに控える怪盗達の手を借りるまでもない」
雪穂「ご、ごめんなさい…私のせいで…」
絵里「だからこれは、私の意地と…雪穂の覚悟の問題よ――?」
雪穂「覚悟…」 絵里「雪穂が私達と同じ怪盗になりたいというのならば、A-RISEより先にお宝を盗み出すこと」
雪穂「そ、そんな…! だって、凄腕怪盗なんでしょ…!?」
絵里「できないの?」
雪穂「うぅ…」
絵里「凄腕とはいえ、彼女たちでは私達μ'sの足下にも及ばないわ」
雪穂「…」
絵里「だからこそ、μ'sである雪穂はA-RISEに負けるわけにはいかないの」
雪穂「そんなこと言われたって…私一人じゃ…」 絵里「…ふぅ」
絵里「…安心しなさい。一人でやれなんて言うつもりないから」
雪穂「え…?」
絵里「私達ほどではないにしろ、A-RISEの腕が確かなのもまた事実。さすがに雪穂一人で敵うとは思っていないわ」
雪穂「あぅ…」
絵里「――私が助けるから」
雪穂「ぁ…」
雪穂「…」
雪穂「わかった…私、頑張ってみる…!」
絵里「…よく言ったわ」ニコ
トン
トン
タッ!
絵里「とは言え、ここでダメと言われても捕まるぐらいしか選択肢はなかったんだけれどね」
雪穂「お、お姉ちゃん…」
絵里「ふふ…。それにしても雪穂、よくついてこれたわね」
雪穂「え…?」
絵里「話ながらとはいえ、かなりの速度で走ってきたのよ」
雪穂「あ…」
絵里「追ってこれないようだったら、そのまま置いていくつもりだったわ」
雪穂「ひ、ヒドイ!」
絵里「まぁ着いてこれたんだからいいじゃない、合格よ」
雪穂「むー…」 絵里「…ここよ。この先の部屋にお宝があるはず」
雪穂「この先に…」
ピーーーーーーーー!!!
海未「怪盗がいましたよーッ! 今度こそ捕まえなさーいッ!!」
雪穂「ひっ! 見つかっちゃった…!?」
絵里「いえ、私達じゃないわ…A-RISEよ」
雪穂「な、なんだ…」ホッ
絵里「思ったより早い…さすがね。ここに来るのも時間の問題かしら」
雪穂「ど、どうしよう絵里お姉ちゃん…?」 絵里「…仕方が無いわね、私が行って撹乱してくるわ」
雪穂「え、絵里お姉ちゃん一人で大丈夫なの…?」
絵里「ん? ふふ…μ'sである私の力を疑ってるのかしら?」
雪穂「そんなことは…ないけど…」
絵里「大丈夫よ。…雪穂は自分の心配をしてなさい。私が撹乱している間、一人でお宝を盗まないといけないのよ?」
雪穂「そ、そっか…そうだよね…」
絵里「…」
絵里「…雪穂、怪盗の三箇条は覚えている?」
雪穂「え…? お、覚えてるけど、どうしたの急に…?」
絵里「その一」
雪穂「つ、常に冷静沈着であること…」
絵里「その二」
雪穂「丁寧かつ迅速であること…」
絵里「その三」
雪穂「同業者とは目を合わせない…」
絵里「私達怪盗の鉄則の掟…それが、怪盗の三箇条よ」
雪穂「…」
絵里「この三つをちゃんと守りさえすれば、雪穂は大丈夫」
雪穂「本当…?」
絵里「私が信じられない?」
雪穂「ん…」
絵里「ふふ…」
絵里「タイミリミットは恐らく10分。それが限界と言うところね」
雪穂「10分…」
絵里「それを過ぎるようならすぐに撤退しなさい。後のことは気にしなくて大丈夫だから」
雪穂「…」 絵里「…自信を持ちなさい、雪穂」
雪穂「う、ん…」
絵里「それじゃ行ってくるわ」
バッ!
雪穂「絵里お姉ちゃん…」
雪穂「…」
雪穂「…っ」グッ
雪穂「行こう…! お姉ちゃん達の為にも、頑張らなくちゃ!」
ガチャ…
雪穂「…」チラ
雪穂「…お宝は…正面」
雪穂「宝箱までにトラップはなさそうだけど…」
雪穂「…わ、赤外線がびっしり張り巡らせてる…! どうしよう…!?」
雪穂「〜〜」 雪穂「…怪盗の三箇条その一、常に冷静沈着であること」
雪穂「冷静に…トラップを解除する方法はある筈だから…」
雪穂「…」キョロキョロ
雪穂「あ…」
パチ
雪穂「なんだ…普通に電気のスイッチと一緒に赤外線も落ちるんだ…よかったぁ…」
雪穂「こんな簡単な仕掛けでいいのかなぁ…?」
雪穂「って、そんなこと考えてる時間はない…!」
雪穂「その二、丁寧かつ迅速であること!」
……。
シュウーーーーーーーーー!!!
あんじゅ「けほっ! けほっ! なに〜この白い煙ぃ〜!?」
英玲奈「煙幕だっ! 小癪な真似を…!」
あんじゅ「これじゃどこにいるかわからないじゃなぁい〜〜!」
英玲奈「落ち着け、闇雲に動く必要は無い」
あんじゅ「ああ〜髪がぁ〜…せっかく美容院行ったばかりなのにぃ〜」
英玲奈「そんなこと気にしてる場合か」
あんじゅ「そうだけどぉ〜…」
英玲奈「…あんじゅ、私からはぐれるなよ!」
プァーン!プァーン!!
ツバサ「くっ、警報!?」
穂乃果「警報がこっちからなってるよ!!」
凛「怪盗待ってろゃ〜〜〜〜!!!」
ツバサ「ちっ、警察が来てしまってはマズイわ!」
ツバサ「…あの二人ともはぐれてしまうし、さすがね」
絵里「…これで少しは時間が稼げるわね」
トン
トン
トン
ツバサ「あれは…!」
ツバサ「…」
ツバサ「ふふ…いい気になるのは早いわよ、絵里さん…!」
タン!
タン!
……。
カチャカチャ
雪穂「…うぅ…この宝箱…結構開錠が難しい…」
雪穂「ことりお姉ちゃんに教えてもらったけど、私のレベルじゃまだ…」
絵里『…自信を持ちなさい、雪穂』
雪穂「自信…」
雪穂「…そうだよね」
雪穂「私だって、お姉ちゃん達の妹なんだもん…! できるはずだよ…!」 雪穂「時間は…」チラ
雪穂「もう5分も経ってる…早くしないと…!」
雪穂「でも、丁寧に…かつ、迅速に…っ」
雪穂「…」
雪穂「絵里お姉ちゃんは大丈夫かな…?」
カチャカチャ
……。
トッ!
絵里「…ふぅ。雪穂はまだやってるかしらぁ…?」
絵里「様子を見ましょう」
ガチャ
バタン
ツバサ「…ふふ、あそこにお宝があるのね」
ツバサ「私につけられるなんて、気が緩んだのかしらね?」クスクス
ツバサ「悪いけれど、お宝は私達A-RISEが頂くわ!」
カツカツ…
ガチャ
雪穂「開いた!」
雪穂「はぁ〜…なんとか一人でお宝手に入れることができたよぉ…」
雪穂「…時間は」
雪穂「わ、10分47秒…過ぎちゃってる…」
雪穂「…」
雪穂「誰も来ない…?」
雪穂「絵里お姉ちゃんが頑張ってくれてるのかな…?」
雪穂「は、早く逃げないと…っ!」バッ
ピーーーーーーー!!!
海未「ま、待ちなさぁーい!!」
ツバサ「くっ…! まんまと図られたわ…!」
海未「警察の目の前に姿を現すなんていい度胸ですっ! おとなしくお縄につきなさぁーい!!」
ツバサ「あんな短時間に変装するなんて…さすがμ'sね…!」
ツバサ「でも、このままじゃ終わらないわよ…っ!!」
海未「だ、誰かぁー!! はぁはぁ…捕まえなさぁー…い…!」
……。
ことり「…ふぅ」
ことり「絵里ちゃんもツバサちゃんもまだまだだよねぇ…♪」
ことり「結局手を貸しちゃったけど…まぁしょうがないかなぁ」
ことり「これからに期待だよ? 雪穂ちゃん♡」
ことり「あー、絵里ちゃんの格好するのは疲れちゃうなぁ〜。絵里ちゃんお胸大っきいんだもん…」
ことり「早く帰ってシャワー浴びよ〜っと♪」
……。
絵里「雪穂!」
雪穂「絵里お姉ちゃん!」
絵里「…お疲れ様、雪穂」
雪穂「私、頑張ったよ…!」
絵里「…ええ、よくやったわ。やればできるじゃない」
雪穂「…絵里お姉ちゃんのおかげだよ…。絵里お姉ちゃんが自信を持てって言ってくれたから…」
絵里「私はただ当たり前のことを言っただけよ。成功したのは紛れもなく、雪穂の実力」 雪穂「…でも、絵里お姉ちゃんがA-RISEの人たちや警察を撹乱してくれなかったら…。それに、時間もちょっとだけオーバーしちゃってたし…」
絵里「…私も彼女たちの実力を侮っていたし、仕方が無いわよ」
絵里「ことり姉さんには頭が上がらないけどね…」
雪穂「ことりお姉ちゃん…?」
絵里「なんでもないわ」
雪穂「…?」
絵里「さ、それじゃ任務も終えたことだし、帰りましょ」
雪穂「うん…!」
タタタタタ…!
雪穂「…ねぇ、絵里お姉ちゃん」
絵里「なに?」
雪穂「絵里お姉ちゃんは、なんで怪盗になろうと思ったの…?」
絵里「…難しい質問ね」
雪穂「あ…答え辛いんだったら別にいいよ…?」
絵里「そうね…」
絵里「…」
絵里「…自分の為、かしら」 雪穂「え…? でも、それって…」
絵里「勘違いしないで。怪盗という仕事自体は自分の為ではなく、他者の為にやっているわ」
雪穂「うん…」
絵里「私は…」
絵里「私自身を証明するために…怪盗になったのかもしれない」
雪穂「…」
絵里「…」
雪穂「…あはは、絵里お姉ちゃんの言ってることはいつも難しいや」
絵里「ふふ…その方がカッコイイでしょう?」
雪穂「…うんっ」
……。
ことり「まったくもう…絵里ちゃんのせいで後始末大変だったよぉ〜?」
絵里「ごめんなさい、ことり姉さん…」
雪穂「え、絵里お姉ちゃんは悪くないよ! 悪いのは失敗した私なんだし…!」
絵里「雪穂…」
ことり「まぁ、それはその通りだよねぇ」
雪穂「あぅ!? す、ストレート…」
ことり「だって事実だし〜」
雪穂「はい…」
ことり「絵里ちゃんも雪穂ちゃんも、しばらくお掃除当番だからねぇ?」
絵里「分かったわ」
雪穂「うん…」
ことり「よろしい♪」 ことり「…ふふ♪ まぁでもこれで、雪穂ちゃんも少しは怪盗のセカイの仕組み、分かってきたんじゃない?」
雪穂「そう、だね…」
ことり「じゃあ一言でお姉ちゃんに教えてぇ?」
雪穂「一言!?」
ことり「うん♪」ウフフ
雪穂「え、えーっと…うーんと…その…」
雪穂「な、何も気にしない!」
雪穂「…っていうことだけ、分かったよ…?」 ことり「…くすくすくす、あははははっ!!」
雪穂「え、え、え?」
ことり「最高だよ雪穂ちゃん…! そう、それでいいの! その通りだよ、あははは♪」
雪穂「な、なんかバカにされてるよーな気がする…」
絵里「全くことり姉さんは…あまり雪穂をからかわないでよ」
雪穂「え、からかわれてるの!?」
ことり「あははは! ご、ごめんごめん雪穂ちゃん…あー、おかしかった…♪」
雪穂「むー…」 ことり「でも、本当にそれでいいんだよ雪穂ちゃん」
雪穂「全然説得力無いんだけどっ!?」
ことり「…私達怪盗はね、何事にも動じない不動の心が必要なの。ちょっとやそっとの風や地震でも動じない、大きくて堅い岩石のような心…」
雪穂「不動の心…」
ことり「私も絵里ちゃんも、怪盗の仕事を続けながらそれを育んできたの。ね?」
絵里「…ふん」
ことり「くすくすくす♪」 雪穂「…? ……なんだかやっぱり難しいや…」
ことり「そのうち分かるようになるよ〜。嫌でもね…?」
雪穂「うん…」
ことり「さ、お仕事のお話はこれで終わり! 夕飯にしよう♪ 今日の当番は絵里ちゃんだよ〜?」
絵里「任せておいて。今日は特製のペリメニよ」
雪穂「わーい! 絵里お姉ちゃんのペリメニ大好きー♪」
ことり「えー、またぁ〜? 絵里ちゃ〜ん、もっと料理のレパートリー増やさない〜…?」
……。
ツバサ「ふふ…やるわね、μ's」
ツバサ「さすが世界最高峰Sランクの称号を持つ怪盗なだけあるわ…」
ツバサ「この借りは必ず返すわ、ことりさん、絵里さん…そして、雪穂ちゃん!!」
ガシャーン!
凛「うるさいにゃ! 静かにするにゃ!!」
ツバサ「…はぁ」
あんじゅ「うぅ〜…一週間も牢屋生活なんてぇ〜…」 英玲奈「法で定められているから仕方が無い」
あんじゅ「その三、同業者とは目を合わさない〜…?」
英玲奈「同じ依頼に二組の怪盗は原則、禁止だからな」
あんじゅ「私達のせいじゃないじゃなぁ〜い…!」
ツバサ「今回は私達の負けよ」
英玲奈「ツバサ…」
ツバサ「この屈辱は怪盗の任務で返すのよ、あんじゅ、英玲奈!」
凛「だからうるさいって言ってるにゃーっ!!」ガシャーン
穂乃果「…雪穂ちゃん、かぁ」ペラ…
―――――――――――――――■第一話「μ'sへようこそ」終
と、ここまで書いたはいいですけど、正直2話目は未定だったりします… 独特の世界観で面白い
ほのゆきの伏線とか気になるなぁ こいつのssは山無し谷無しでつまらない
ただただ退屈なだけだし別にラブライブ!のキャラでやる必要性を感じない これはなかなか育てがいのありそうなネタ
続きあるなら楽しみにしてるで 個人的には面白かったな
本当の山梨SSはこんなもんじゃないぞ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています