梨子「まあ、真偽はともかくとして、親友には一応なれたと思ってる。曜ちゃんにとっても、千歌ちゃんにとっても」

曜「真偽はいいんだ」

梨子「友情を試すような真似をするの?なんてひどい人なの曜ちゃん……」

曜「うるさいよ!」

さんざん人を試しておいてよく言えるね!

梨子「友情なんてハッキリしてなくていいし、あの子と私は本当に友達なのかな?みたいな気苦労はするだけ無駄なのよ」

曜「まあ、いざ確かめたところで変な空気になるのな必至だしね」

梨子「友情は下手にハッキリさせる必要はない―――でも」

梨子ちゃんは再び真剣な表情になり、その両の瞳は私をしっかりと捕らえている。

梨子「恋愛は、ハッキリさせた方がいいと思うの」

曜「……その話に戻るんだね」

梨子「当たり前でしょ。私が東京に行くまでに片付けたい案件なんだから」

曜「大袈裟だよ」

梨子「大袈裟なんかじゃない。曜ちゃん、からかってるの?」

そんなつもりはないよ、梨子ちゃん。
だけど敢えてふざけたことを抜かしていいなら。

梨子ちゃんの真剣な表情、子供っぽくて私は結構好きだよ。