真姫「勇気をください」
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絵里「あら〜また2位だったわ」
希「1位はやっぱ不動の真姫ちゃんかぁ」
真姫(いつも通り…)
絵里「真姫、すごいじゃない!年間ずっと学年1位でしょ?同じクラスメイトが頑張っているのは生徒会長として心から尊敬しているわ」
希「いや、それ生徒会長関係ある?」
絵里「あ…ま、まぁそれは抜きにして、いつもすごいってことは言っておくから!」
真姫「ふーんありがと」スタスタ...
絵里「はぁ…今日も上手くいかないわねぇ」
希「大丈夫やって!卒業までには打ち解けてくれるはずやから」
絵里「だといいんだけど…」
真姫「………」 真姫「はぁ…」
真姫「気づいたらまた来てる…」
真姫(見慣れた一室には、うちの学校には少々立派過ぎるヤマハのグランドピアノと、偉大な作曲家達の肖像画が壁一面に貼ってあるだけで)
真姫(その簡素な空間に1人でいるのが学校にいる間は一番落ち着く…)
〜♪
真姫「家で弾けばいいのにね…」
パチパチパチ
真姫「ゔぇっ⁉だ、誰⁉」
にこ「ワンダフォー!ビューティフォー!トレビアーン!」
真姫「…はぁ?」
にこ「ねぇあなた、私に曲作ってくれない⁉」
真姫「……ない」
にこ「ん?」
真姫「意味わかんない!それに何なの?トレビアーンって…」
にこ「別に深い意味はないわよ!ま、それはいいとして…」
にこ「ねぇ〜駄目なの〜?」
真姫「そ、駄目」
にこ「お、ね、がぁ〜い!」
真姫「気持ち悪…お断りします」バタン
にこ「ちょっと!流石に失礼にも程があるでしょーが‼」 花陽「それで、断られちゃったんだ」クス
にこ「そうよ!本っ当に失礼なんだから‼」
凛「でも断る気持ちわかるにゃー」
にこ「ぬぁんですって⁉」
花陽「まあまあ…」
にこ「ふんっ!この現役高校生トップアイドルの矢澤にこのお願いを断った罪の重さを知るがいいわ!」
花陽「確かにトップアイドルだけど…」
凛「罪の重さを感じることはないよね」
にこ「きぃー!」
真姫「おはよう…」
凛「おおー噂をすればなんとやらだにゃ!」
花陽「おはよう西木野さん」
真姫「おはよう」
花陽「………」
真姫「……」
花陽(気まずいなぁ…)
にこ「あぁー!真姫!昨日のあれ、忘れてないでしょうね⁉」
真姫「嫌って言ってるでしょ?それに勝手に呼び捨てにしないで!」
にこ「あっすいません」
にこ「って違うわっ!私は絶対あんたに曲作ってもらうから覚悟しなさい‼」
真姫「はいはい」
真姫(うるさい人…) 真姫(だから嫌なのよ。教室はうるさくて仕方がないって)
希「あなたは今、悩み事があるようですね?」ヌッ
真姫「きゃっ⁉な、何よいきなり…!」
希「占ってあげよか?真姫ちゃんのこと」
真姫「遠慮しとく」
希「もしや未来を占われるのが怖いとか…?」
真姫「べっ別に?そんなことないわよ!」
希「じゃあ始めよっか♪」
真姫「嵌められた…」
穂乃果「あぁー希ちゃんが占いやってる!いいなっいいなっ穂乃果もやって!」
希「また今度な〜」
穂乃果「やったー!」
希「おっ結果が出たよ」
穂乃果「どれどれ〜!」
真姫「なんで私より食いついて見てるのよ…」
希「いつもとは真逆の自分になってみると運気が上がるってな」
真姫「いつもと真逆の自分ね…考えとくわ。ありがと」
絵里「みんな席ついて〜!そろそろホームルームの時間よ」 海未「真逆の自分…ですか?」
真姫「そう。なんか副会長に占ってもらって…」
真姫(こういう時海未は話しやすくていいわね…)
海未「真姫の性格とは全く異なる事をすればいいのでしょう。ですが難しいですね…」
真姫「海未だとどんな感じ?やってみて」
海未「私ですか?うっ…わかりました。やってみます!」
海未「皆のハートを撃ち抜くぞ!ばぁん…」
真姫「あ、ありがとう…でも1つ言っとく」
真姫「言われたことを何でも正直にやっちゃうとこが海未の良い所であり悪い所でもあると思うわ」
海未「ぐっ…わかりました…以後気をつけます…」シュン
真姫(…何この罪悪感) ことり「いつもと違う自分?」
真姫「そっどうしたらいいかわからなくて悩んでるんだけど…」
ことり「…ふふっ」
真姫「なっ何がおかしいのよ⁉」
ことり「ごめんね、ただ占いに真剣に悩んでる西木野さんが可笑しいというか可愛いなって」ニコ
真姫「べ、別に…そんな真剣に考えてないわよ」
ことり「でも意外!西木野さんの方から話しかけてくれるなんて珍しいね。すごく嬉しいよ」
真姫「そ、そうね…確かにこれまであまり接点なかったし…」
ことり「あっそうだ!」パチン
真姫「何?」
ことり「お菓子、作らない?」
真姫「そういえば、料理研究部なんだっけ?」
ことり「そうなの!部活って言うけど緩いからいきなり参加しても大歓迎!やろう?やろう!」
真姫「ありがと、気持ちだけ受け取っておくわ」
ことり「ありゃ〜残念。でもお菓子を作ったり、作った物を誰かにあげたりするのってすっごく良いよ」
真姫「誰かにあげる…?」
ことり「うん!きっと喜んでくれるよ。相手が誰であっても受け取った方は嬉しいしあげる方も嬉しいよ」
ことり「私の好きな言葉でこんなのがあるんだ」
ことり「正義とは何かと決めるのは難しい。けれど、困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は立場や国が違っても絶対的な正義…だったかな」
真姫「いい言葉ね。覚えておくわ」
真姫「誰かにあげる、ね…いいかも」
ことり「でしょ?またなんでも話してね」ニコ 真姫(あげる…誰に?そもそもそこまで親しい人なんてあまりいないし…)
真姫(海未か生徒会の人たちとは少しなら話すけど、そこまで仲良いってわけでもないし…)
真姫「全然考えてなかった…」
希「おっまだなんか悩んでるん?」
真姫「もう、あれからすっかり占いのことばかり考えちゃうじゃない」
希「あはは、それは光栄。所詮は占いやし深く考える必要はないよ。でも」
希「真逆の自分…何か変わるきっかけにはなるんやない?」
真姫「そうね…」 真姫「誰も…いないわよね?」
真姫「よし、今なら…」
コトッ...
真姫「ふぅ…帰りましょ」
真姫(何やってるんだか…私) 穂乃果「おっはよ〜!」
にこ「おはよ。異様に元気ねあんた…」ギィ
..
穂乃果「わぁーっ!にこちゃん!それは…‼」
にこ「何?靴箱なんか見て…ちょっ⁉」
穂乃果「高そーなチョコ…」
にこ「もしかしてにこのファン?やだ〜やっぱりにこって人気者ねぇ〜!」
穂乃果「女子校でこんな事…いたずらって可能性は低いよね。そうするとなると…」
にこ「私のファンの子ね」
穂乃果「まさか…こ、こここ恋のメッセージ⁉」
にこ「なんであんたは私のファンって認めないのよ!」
海未「そんなっ…は、破廉恥ですよ!禁断の愛ですよそれは‼」
にこ「うっさい!」
ことり「どうしたの〜?」
穂乃果「あっことりちゃん聞いて聞いて!にこちゃんの靴箱に高そうなチョコレート入れてあったんだよ!ことりちゃん何か知らない」
ことり「え、えーと…知らない、かな?」
穂乃果「なんだぁそっか…うーん気になる!」
ことり(ほぉ〜中々大胆だね…)ニヤ 真姫(どうしよう…悪戯程度のつもりでやってみたのに…)
真姫(クラスの話題はあの事でもちきりじゃない!)
真姫(こんな事なら…やるんじゃなかった)
真姫(そもそもなんであの人のとこに入れちゃうのよ…ホント馬鹿な事したわ…)
凛「いいなーにこちゃん」
にこ「まぁプロのアイドルなんだから当然といえば当然よ?」ドヤァ
希「いいなーにこっち」
にこ「いいでしょ〜?」
真姫(あのドヤ顔…ムカつく…!)
花陽「あれ?西木野さんどうしたの?」
真姫「な、なんでもないわよ…」
にこ「あら〜あんたも羨ましいの?」
真姫「っ…‼」ガタッ!
真姫「そのチョコ入れたの、私よ‼」 ザワ...
穂乃果「おぉ〜これまた意外な真実‼」
にこ「穂乃果、黙ってて」
穂乃果「ごめんごめん」
にこ「それ、本当なの?」
真姫「ええ、そうよ」
にこ「どういうつもりで入れたのか聞いてもいい?」
真姫「それは…その、内緒」
ザワザワ...
穂乃果「これはもしや本当に…⁉」
にこ「そう、わかったわ」
真姫(何よ…馬鹿にしてるの?いいわよ。どうせこっちだって悪戯半分なんだから…)
にこ「ありがとっ!すっごい嬉しい!大事に食べるわね!」ニコ
穂乃果「穂乃果にもちょうだい!ちょっとでいいから!」
にこ「誰があげるかバカっ!」ギュ-ッ
穂乃果「いだだだだだ!つねるのは無し‼」
真姫「………」
絵里「真姫?おはよう、どうしたの?ボーっとして」
真姫「あ、なんでもない…行きましょ」
真姫(あの人…)
真姫(ああいう顔もするのね…) 先生「それでここ誰かわかる人ー…じゃあ西木野」
真姫「………」ボ-
花陽「西木野さん、呼ばれてるよ」
真姫「えっ?ああ、はいっ!」
真姫「えーと…」
真姫(ヤスパース、ニーチェ、ハイデガー、サルトル…実存主義ね)
真姫「キルケゴール」
先生「正解。ここテストに出すぞ〜」
先生「テストって言って思い出した。そういや今回古代ギリシャも範囲だからな」
凛「えぇ〜?広過ぎにゃ!」
先生「範囲関係なく星空どうせやってこねーだろ!」
ドッ
先生「よしじゃあ危なさそうな奴当てるぞ。古代ギリシャで理知的な精神に対して熱情的な精神は?高坂」
穂乃果「えーとなんだっけ?ポトフ?」
先生「パトスね、はい高坂課題追加〜」
穂乃果「うぇぇえええ〜⁉」
にこ「やーい宿題増やされてやんの〜」
穂乃果「ぐぬぬ…」
先生「じゃあ矢澤には難しいの当てるか。な?」
にこ「いぎゃぁぁあああ‼」 真姫「で、わからないから私にってこと?」
にこ「一生のお願い‼私の直筆サインあげるから!」
真姫「…いらない」
にこ「ぬぁんでよ!」
真姫「はぁ…教科書開いて」
にこ「…!いいのっ⁉」
真姫「今回だけよ?」
にこ「ありがとう心の友よっ!」ガバッ
真姫「んなっ!ちょっと離れて!暑いじゃない…」
真姫「本当にもう…ふふ」
凛「まんざらでもなさそうだにゃ〜」
花陽「邪魔しちゃ悪いから向こうでやろっか」
凛「今回赤点取るとついに希ちゃんのワシワシマックス30分耐久コースにゃ…」
花陽「そ、それはなんとしても回避しなきゃ!あっそういえば希ちゃんは?一緒にご飯食べるって言ってたけど…」
凛「生徒会室でコップに水を入れて葉っぱ浮かべて何やら集中してたにゃ…水なんとかっていうやつなんだっけ」
花陽「水見式?」
凛「そうそれ!」
花陽「よくやるよね…」
凛「凛はとても無理にゃ…」
希「ウチは…絶対放出系のはずや…‼」ゴゴゴ...
絵里「まだやってたのそれ…」 にこ「あっこれがマキャヴェリズム?」
真姫「そうそう、名前も性格もそのままだから覚えやすいでしょ」
にこ「流石真姫ちゃん分かりやすいにこ〜!」
真姫「別にこれは基本なんだから…」
にこ「マキャヴェリズムのマキは真姫ちゃんのマキに…
真姫「怒るわよ」
にこ「じょ、冗談よ…」
真姫「今日はこれくらいにしとく?」
にこ「しとく!ねぇこの後暇ならどこか寄り道しない?」
真姫「寄り道?まぁ、いいけど…?」
にこ「よーし決まりね!早く早くー!」
真姫「わかったわよ。ホント帰る支度だけは早いんだから…」
真姫(ああ、わかったわ)
真姫(この人は、私とは正反対)
真姫(後先考えず行動出来て、すごく活発で、私とはまるで違う生き方をする人)
真姫(だからどこか惹かれるのかもしれない…)
真姫「準備できたわ」 ペット→人間への感染症の怖さ 放置して9割死亡する病気も│NEWSポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20180308_657105.html
全国のペット愛好家に衝撃を与えるニュースだった。福岡県に住む60代女性が猫を飼育していたことが原因で亡くなったというのだ。
この女性の死因は猫や犬から感染する「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」であり、同感染症による国内での死亡例はこれが初めてだと厚労省は1月に発表した。 穂乃果「もぉ〜疲れたー!」
海未「まだ30分しか経っていませんよ!今日はみっちりやりますから」
穂乃果「うへぇー大体おかしいよ!前のテストから3週間後またテストってさぁ!」
海未「学校の試験と模試は別ですから」
穂乃果「意味わかんないよーねぇ?ことりちゃんもそう思うよね?」
ことり「ごはんお腹いっぱい食べた後のデザートは?」
穂乃果「別腹だよ!」
ことり「そういうことだよ」
穂乃果「…?」
海未「それとはまた少し違うような…」
穂乃果「ねーもう違う教科やらない?」
海未「仕方ありませんね…」 にこ「ねぇ真姫」
真姫「何?」
にこ「曲、作ってくれる?」
真姫「無理よ。せいぜい1人で楽しむ程度のものしか作れないんだから」
にこ「やってみなきゃわからないじゃない!」
真姫「にこちゃんに何がわかるのよっ‼」
真姫「あっ…」
真姫(つい、にこちゃんって…)
にこ「わかるわよ」
真姫「えっ?」
にこ「前にも何度か聴いたからわかる。真姫の曲は素晴らしいって…だから私はもっと多くの人に聴いてもらいたいって思ってお願いしたのよ!」
真姫「にこちゃんアイドルでしょ?それで曲使いたいんでしょ?そんな、大勢の人の前で披露するなんて絶対無理よ…人の心を動かす程の曲なんて、中々作れないんだから…」
にこ「出来るっ!」
真姫「…っ!」
にこ「少なくともここに1人!心を動かされた人間がいるのよ!」
真姫「ねぇ、にこちゃん」
にこ「何よ?」
真姫「いつまでに完成させたらいい?」
にこ「…‼いつでもいいわ!ずっと待ってる‼」 真姫ママ「あら?ピアノの練習?」
真姫「ううん…ちょっと、曲作ってて」
真姫ママ「久しぶりじゃない?ママも楽しみ!」
真姫ママ「誰かの為?」
真姫「…!な、なんでわかったの?」
真姫ママ「あら〜適当に言ったら当たっちゃった」
真姫「〜もう!あっち行って!」
真姫ママ「ふふっはいはいわかりました」クス
真姫ママ「あんなに集中しながらも目がキラキラしてるんだから」
真姫ママ「そりゃわかるに決まってるっていうのは…言わない方が良さそうね」 花陽「あっおはよう!西木野さ…
真姫「真姫」
花陽「ほぇ?」
真姫「真姫って呼んで。西木野さんだと、なんか…距離があるっていうか、その…」
凛「おはよー真姫ちゃん!」ドカッ!
真姫「痛っ⁉何するのよ‼」バシ-ン
凛「ぎにゃぁぁあああ‼」
真姫「ま、まぁこんな感じでいいから…」
花陽「うん、じゃあそうするね!真姫ちゃん」
花陽「もう…ダメだよ凛ちゃん朝から暴れちゃ」
凛「だってさー最近真姫ちゃん教室にいるからね、ただ凛は嬉しかったにゃ」
真姫「何それ…」
真姫(でも、たしかに…)
真姫(最近あまり音楽室に行かなくなったわね…) 絵里「真姫、ちょっといいかしら」
真姫「どうしたの?」
絵里「ここがわからないんだけど…
希「待てー!」ドタドタ
にこ「ひぃぃいいい‼」ドタドタ
絵里「…悪いけど、後にする?」
真姫「ううん、今でいいわ」
希「つーかまえたっ!」ガシッ
希「よ〜しワシワシしたるでー!」ニヤニヤ
希「それっ…ありゃ?」
海未「………」ギロ
希「あ、アカン…逃げよっ」
海未「待ちなさい‼」ダッ
にこ「ひぇー!」
希「ひぃ〜!」
海未「こらー!」
バタバタ...
絵里「賑やかでごめんね」
真姫「エリーが謝る事じゃないわ」
絵里「エリー?」
真姫「いつまでも会長呼びじゃ失礼でしょ?」
絵里「エリーね…ハラショー!」 穂乃果「ねぇねぇ絵里ちゃん」
絵里「あら穂乃果?」
穂乃果「最近真姫ちゃんちょっと変わったよね!」
絵里「穂乃果もそう思った?ふふっ実は私も思ってたの」
穂乃果「なんか少し明るくなったというか…色々話してくれるようになったよね!」
絵里「ええ。これからもよく声かけてあげてね」
穂乃果「そのつもりだけど…?」
絵里「あの子、ちょっとデリケートなところもあるから…」 心の視野がどんどん開けていくまきちゃんに次も期待! にこ「どう?曲の方は」
真姫「まあまあってとこね」
にこ「今出来てるとこだけでいいから聴かせてくれない?」
真姫「ダメ。中途半端は嫌いなの」
にこ「え〜?ま、いっか。楽しみにしとくわ!」
真姫「…それだけ?」
にこ「ん?そうだけど?何か用?」
真姫「別に…なんでもない」
にこ「ふーんじゃあ私帰るから。この後仕事だから」
真姫「仕事?」
にこ「言ってるじゃない!トップアイドルだって」
真姫「…はぁ⁉トップアイドル⁉」
にこ「何?あんた…私が虚言を繰り返しているとでも思ってたの⁉」
真姫「うん」
にこ「ちょっと!そこまで落ちぶれてないわよ‼」
にこ「…あっそうだ!あんたさ、週末用事ある?」
真姫「私?別にないけど」
にこ「じゃあこれあげる!」スッ
真姫「…チケット?」
にこ「大銀河宇宙No.1アイドルの矢澤にこのライブチケットよ!S席用意してあげたから、絶対来なさいよ‼」
真姫「は、はぁ…」 真姫「で、貰ったはいいんだけど…」
真姫(ライブなんて今まで行ったことないし…どうすればいいかわからないわね)
真姫(本人に聞くのもなんか癪に触るし、誰かに聞くとしたら…) 花陽「え?アイドルのライブに行くのぉ⁉」ガタッ!
真姫「ええ、そうよ…」
花陽「おおー!」
凛「なんかこのかよちん久しぶりに見た気がするにゃ〜」
花陽「誰?誰のライブに行くの⁉場所は⁉」
真姫(この子グイグイ来るわね…人が変わるってレベルじゃないくらいに…)
真姫「誰のかは…秘密…」
花陽「えぇ〜それは残念です!」
真姫「なんか、スクールアイドル?らしいわ」
凛「…!(なるほどね。真姫ちゃんは案外恥ずかしがり屋さんにゃ)」
凛「凛ちょっとトイレ行ってくるから〜!」
花陽「うんっ!」
真姫「ねぇ、花陽」
花陽「うん?」
真姫「誰にも言わないって約束してくれるなら、誰か教えてあげてもいいわ」
花陽「言わない!言わない‼約束するよ!」フンス
真姫「それなら…」ゴニョゴニョ
花陽「…ふふっそっかぁ、よかったね」ニコ
真姫「でも、私そういうの行ったことないからよくわからなくて…」
花陽「なんでも聞いて!ぜーんぶ教えますから‼」
真姫「ありがとう花陽。助かるわ」
花陽「何より大切なのは楽しむこと!だから、目いっぱい楽しんできてね」ニコニコ 花陽「先に言ってくれたらよかったのに!」ウキウキ
真姫「さっきからずっとにやけてるわよ」
花陽「はっ!き、気をつけます…」
真姫「いやまぁ別に気にしなくてもいいけど…」
花陽「いや〜2枚分用意してくれるなんてにこちゃんも気が利いてるよね!」
真姫「うん、でも…」
真姫「花陽がいなかったら私1枚余らせてたわ…多分」
花陽「そうかなぁ?」
真姫「結果論だから気にするだけ無駄ね。
花陽「そうだねぇ」
花陽「ねぇ真姫ちゃん、初めてライブ会場に来た感想は?」
真姫「ゔぇっ…な、なんでそんなこと聞くのよ」
真姫「そうね…パッと見た感じ、意外と幅広い年齢層なんだって思ったわ」
真姫「あとは、いつも学校で見慣れたちょっとうるさいクラスメイトがこんな大勢の人の前に立ってパフォーマンスを披露するなんて、なんだかちょっと信じられない」
花陽「そうだよね〜私としては逆に、学校にアイドルがいるっていうのが信じられないよ〜!」
真姫「ふふっ花陽はアイドルが好きね」
花陽「うん!昔から大好き‼」
真姫「私も、好きなことはあるけど、花陽みたいにとことん追求して熱中出来たらいいのに…好きを貫き通す事って素敵ね」
花陽「それなら…今日だけは花陽の趣味に付き合ってください」
花陽「学校で見慣れたクラスメイトっていう現実から、今大人気のスクールアイドルっていう夢の世界へ、行こう!一緒に」
花陽「私が言うのも変だけど…スクールアイドル矢澤にこの魅力をとくとご覧あれ‼」 にこ「みなさんこんにちは〜!」
にこ「せ〜のっ!」
ニッコニッコニ---!!!
にこ「あなたのハートににこにこにー♪大銀河宇宙No.1アイドル、矢澤にこにこ〜‼」
にこ「じゃあ今日はぁ〜いきなりだけど、一曲目!」
にこ「もちろん最初は『にこぷり♡女子道』‼」
ウォォオオオ!! 真姫(正直なところ、全く意味がわからなかった)
真姫(曲も歌詞も、全て)
真姫(普段クラシックとかしか聴かない私にとっての“それ”は、日々の生活を採集や狩猟で支える民族にラーメンや寿司を食べさせるような感覚だった)
真姫(でも…なんで)
真姫(なんでこんなに…心の底から楽しいんだろう)
真姫(なんであんなパフォーマンスが出来るんだろう…)
真姫(やっぱり彼女は、私と正反対だ)
真姫(その度胸が、性格が…ちょっとだけ、羨ましいかもしれない)
真姫「いいなぁ…」
花陽「いいよねー!」ニコ
真姫「わっ⁉え、ええ…」
花陽「水分補給も忘れずにね!」
真姫「わっわかったわ…」 今日朝早いんで短いですが一旦ここまで
疑問持たせてしまったみたいなんで最初に貼り忘れた使うかわからない設定を置いておきます
全員同学年同クラス
所属 穂乃果軽音部、絵里生徒会、ことり料理研究部、海未弓道部、凛陸上部、真姫所属無し、希生徒会兼念能力研究部、花陽美術部、にこ所属無し にこ「みんな〜!今日は本当にありがとにこ〜‼」
真姫「…終わらないで」ボソッ
花陽「えへへ…ライブってあっという間なんだよねーいつも。現地だと尚更」
真姫「現地?」
花陽「あっあのね!有名になるとツアーなんかのライブだと、こうやって今みたいに会場で参加することの他にも、映画館とかでライブビューイングっていう現地の中継を観賞する方法もあるんだよ」
真姫「知らなかったわ…すごいわね」
花陽「ライブビューイングにはライブビューイングの楽しみ方もあるから、一回参加してみるといいかも!」
真姫「にこちゃんのライブは観れないの?」
花陽「にこちゃんはうん…まだちょっと観れないかなぁ」
真姫「なんだ…」シュン
花陽「すっかり魅力に取り憑かれちゃったね」クス
真姫「なっ⁉べ、別に…わ、悪い⁉」
花陽「ううん全く!むしろウェルカム!私は今度も真姫ちゃんと一緒に来れたらいいなぁ〜!」
真姫「か、考えとくわね」
真姫(ああ…私もいつか、誰かを追いかけるようになるのかしらね)
真姫(サイリウム?振って、みんなと歌って…)
真姫(…案外、悪くもないかもね) にこ「おっ真姫じゃない。どうだった?」
真姫「びっくりした。ただのうるさいクラスメイトだと思ってたけど、あんなにすごいことやってたのね」
にこ「まぁね!にこにーの凄さをわかったくれたなら先の無礼は許してあげるわ!」
真姫「全く何様よ…でもまぁ」
真姫「楽しかったわ。初めて行ったけど」
にこ「え?」
真姫「二度も言わせないで」
にこ「純情な少女をドルヲタにさせちゃうなんて、にこってば罪深い女…
真姫「海未、黒板消しておいたわ」
海未「ありがとうございます、助かります!」
にこ「ちょっと!聞きなさいよ〜!」
希「ま〜た1人で騒いで…そんなにワシワシされたいん?」
にこ「んぎゃっ⁉や、やめなさいよ!」
希「冗談やって。お疲れ様にこっち」
絵里「私もいつか招待してほしいわ。ステージで輝いてるにこを一度見てみたいの。とりあえず昨日はお疲れ様ってことで私と希でクッキー作ってあげたから是非食べて!」
にこ「あ、ありがと…」
希「もー素直やないんやから」ワシワシ
にこ「ぎゃぁああやめなさいって‼」
希「うししし…逃がさんで〜!」
絵里「こらこら、ほどほどにしなさいよ?」
にこ「あんたもしっかり止めなさいよ‼」
真姫(手作り…成る程) 穂乃果「ねぇねぇことりちゃん」
ことり「どうしたの?」
穂乃果「最近さぁ〜真姫ちゃんからにこちゃんへの視線が熱いよねぇ」
ことり「そ、そうかなぁ…?」
穂乃果「これは、来るよ…百合の花が咲いちゃうよこの学校に!」
穂乃果「くぅ〜!たまらないねぇ‼」
海未「私の幼馴染が…どうしてこんな姿に…ううっ」
ことり「あー…」
ことり(ごめんね海未ちゃん。穂乃果ちゃんがこうなっちゃったのはことりの所為なんだ…)
ことり(元々人の色恋沙汰に敏感な穂乃果ちゃんに百合漫画を勧めた末路がこれなんだよ…)
穂乃果「普通ならクール系の真姫ちゃんを元気系のにこちゃんか落とす王道な展開なのに、今回のパターンはその逆!」
穂乃果「クールな真姫ちゃんが淡い想いを抱いているのに全く気づかないにこちゃん…ああ、良い…」
海未「はぁ…妄言も過ぎたら凶器になり得ますからね。くれぐれも気をつけてくださいよ?」
海未「大体あなたの勘違いの可能性の方が高いのですから…」
穂乃果「いやこれは絶対キテるって!穂乃果が保証するよ‼」
海未「はぁ〜…」
ことり「大丈夫だよ海未ちゃん。きっと1週間くらいしたらまた元の穂乃果ちゃんに戻るから」ポン
海未「そうなら良いのですが…」
穂乃果「よ〜しじっとしてられないから本人に直接インタビューだよっ!」
ことり・海未「…‼」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています