花丸「オラはハッカーの日常3」
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花丸「未来ずら〜」
善子「wordpressを使えば...この通り!」
ルビィ「わー!善子ちゃんのホームページだ!」
善子「テンプレも沢山あるから、すぐかっこいいのが作れるわ」
花丸「オラも作ってみたけど、真っ白ずら」
善子「デフォルトは、ただの白なのよ。貸しなさい」
花丸「ありがとう。善子ちゃん」
善子「ヨハネ!」
--- --- ---
花丸「」 カタカタッターン
花丸「データ改ざん成功ずら」 --- --- ---
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花丸「オラはハッカーの日常:オラのお師匠」
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--- --- --- 曜「あれが、こうで。これが、こうで...あるぇ?」カタカタ
花丸「...」カタカタ
曜「これで合ってるのに、動かないや」
花丸「...」カタカタ
曜「まるえもーん。教えてー」
花丸「今忙しい」カタカタ
曜「ぶー」 花丸「だいたい、オラの部屋で何してるずら」カタカタ
曜「ハッキングだよ。ハッキング!」
花丸「ん?そのノートパソコン。買ったの?」クルッ
曜「うん!でね。ヘッヘッヘ...ジャーン」
花丸「...プログラミング入門?」
曜「ふっふっふ。私は、花丸ちゃんの相棒だからね」
曜「ちゃんとパソコンについて、勉強してるんだ」
花丸「ふーん」クルッ カタカタ
曜「聞いたのに、反応が薄い!」 花丸「ま。頑張れ〜」カタカタ
曜「折角ノートパソコンも買ったのにー」
曜「助けてよー!わからないよー!」ジタバタ
花丸「埃がたつから、暴れるなずら」
曜「助けてくれるまで、暴れるもんっ!」ジタバタ
ガチャン!バキィ!
曜「あ」
花丸「あ」
曜PC「」ピリ...ピリ... 花丸「...」
曜「」ジワッ
花丸「...曜ちゃん?」
曜「うぇえええん!花丸ちゃんの馬鹿ぁ!」
花丸「あんた、本当に、何しに来たずら...」 --- --- ---
花丸「背中にもたれられると、重いずら」
曜「私、重くないもん」
花丸「はぁ...」
曜「...」 ギュッ
花丸「...」カタカタッターン
曜「...すごいね。文字がどんどん流れてく」
花丸「コンパイルずら」
曜「早すぎて、読めない」
曜「でも、何だか綺麗」
花丸「お。これが綺麗に見えるのは、いい感性ずら」 曜「花丸ちゃん、すごいよね。何だってできちゃう」
曜「私は、テキスト10ページでつまづいたのにさ」
花丸「人間、得手不得手があるずら」
曜「それじゃダメなの。私は早く花丸ちゃんの横に並びたいの」
花丸「なんだそれ」
曜「ぶー!ひどい!そんな事、言う子はこうだ!」ギュー
花丸「ぐえー。し、締めるな...ギブギブ」
曜「へへへ。花丸ちゃんの負けー」 花丸「暴力反対ずら...」
花丸「でも、曜ちゃんは既に横にいるじゃん」
花丸「オラはそれだけで十分ずら」
曜「は、花丸ちゃん...」
曜「ほんと、良い子!ぎゅー!!」ギュー
花丸「ぐえー。く、苦しい。さっきから、PCの仕返ししてるだろう!」
曜「バレたか」 曜「でもさ。花丸ちゃんは、どうやってハッキング覚えたの?」
花丸「独学」
曜「嘘だー。嘘だー」
花丸「ただ、参考にしてた人はいたずら」
曜「上手な人を真似して、覚えたパターンだね」
花丸「うん。オラが尊敬するハッカーは...」
花丸「後にも先にも、その人だけずらね」 曜「花丸ちゃんの尊敬するハッカーかぁ...名前は?」
花丸「通り名はmotherBird。通称、親鳥ずら」
曜「通り名!かっこいい!で、どんなハッカーなの?」
花丸「親鳥はどんな防壁も突破する力を持っていたんだけど...」
花丸「そんな凄い技術を、オラ達に全部共有する奴だったずら」 曜「何で、そんなことしたんだろう?」
花丸「さぁ?でも、何人もの模範者を産んだから、親鳥って呼ばれたずら」
曜「じゃあ、真似してる花丸ちゃんは、ことりちゃんだね」
花丸「模範者をそう呼ぶ文化は、あったずら」 曜「花丸ちゃんは今、何か通り名あるの?」
花丸「...知りたい?」
曜「ウンウン!」
花丸「首輪付き」
曜「首輪付き?」
花丸「警察に手を貸して、飼われてるハッカーって意味ずら」
曜「あっはっは!鳥だったり、犬だったり大変だね!ほら、お手お手〜」
花丸「噛み付くよ?」 ピリリ...
花丸「ん。梨子ちゃんからだ。はい」
曜「梨子ちゃん!?おーい、おーい!」
花丸「うるさい。仕事の話だから、静かにして」
曜「はい」
花丸「ごめんごめん。うん...うん...」
花丸「...なるほど。IP渡すから、リモートでは?...」
曜「...?」
花丸「...そっか。わかった。仕方ないね。じゃあ、行くずら」
花丸「また後で」ピッ 曜「何だったの?」
花丸「明日、東京に行くことになった」
曜「え!梨子ちゃんに会いに行くの!?」
花丸「仕事ずら。学校に連絡しないと...」
曜「私も行きたい!」
花丸「だめずら。学生は学校に行きなさい」
曜「花丸ちゃんだって学生じゃん」
花丸「オラは特別な学生なの」
曜「理不尽だ!曜ちゃんも行きたい行きたい行きたーい!」ギュー
花丸「ぐえー。首がぁ....」 --- --- ---
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パッパー ガヤガヤ ブロロロロロ...
梨子「で?」
花丸「ついてきた」
曜「にしし。お久しぶりー!梨子ちゃん警部!」
梨子「元気そうね。良かったわ」
曜「おかげさまで!」
花丸「はぁ...」 --- --- ---
花丸「でっか」
梨子「警視庁初めて?」
花丸「うん。ドラマとかでは見るけど...」
曜「この中に、右京さんが...」
梨子「いないよ?」 --- --- ---
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ガチャ
梨子「ここが、私の所属する公安4課の部屋」
ガラーン...
曜「人が一人もいない...」
梨子「潜入と諜報。サボタージュ、世論操作が専門だからね」
花丸「なるほど。みんな潜入先にいるのか」
曜「日本の007だね」 梨子「あと、自前の特殊部隊のメンバーもいるけど...」
梨子「基本、自衛隊と合同訓練してて、お目にかかれないわ」
花丸「もしかして、病院の事件の時に駆けつけてくれたの」
梨子「そうよ」
花丸「なるほどね」 --- --- ---
梨子「ブリーフィングをしたいのだけれど」 チラッ
花丸「...」 チラッ
曜「ん?」
花丸「曜ちゃん。ちょっと、向こう行ってて?」
曜「えー!相棒を除け者にするのー!?」
花丸「あ、ジュース欲しいずら。買ってきて欲しいずら」
曜「えー!先輩をパシリに使うのー!?」
花丸「お釣りあげるずら」
曜「行ってきまーす!」ダッ! ガチャ バタン!!
梨子「曜ちゃんの扱いが上手ね?」
花丸「最近、やっとね」 花丸「で?」
梨子「...厚生省へのハッキングが発覚したのは、3日前」
梨子「定期検診にて、インフラ担当が極秘ファイルへのアクセス痕跡をみつけたの」
花丸「セキュリティソフトは?」
梨子「稼働していたわ。ロサリオインダストリーの334型カスタム」
花丸「TAMATEか」 梨子「玉手?」
花丸「ロサリオ334型の事ずら。政府機関の機密によく使われるソフトで...」
花丸「S級ハッカーでも破るのは難しいとされているずら」
梨子「へー」
花丸「侵入がバレたら、年寄りになるまで牢獄から出れないって意味から...」
花丸「玉手箱になぞらえて、そう呼ばれてるずら」
梨子「なるほど」 花丸「しかし、TAMATEに守られてるとなると...」
花丸「一体、盗まれた情報は何ずら?」
梨子「それは...」
梨子「...申し訳ないけど、私の口からは言えない。規約でね」
梨子「ただ、国民や諸国に渡ることがあれば、非常にまずいわ」
花丸「ハッカーを調べる上で、情報の内容へのアクセスは必須」
花丸「オラ、ここで教えてもらえなくても、見るよ?」
梨子「そこは...致し方ないと思っているわ。民間に頼る事は了承得ている」
花丸「わかったずら」 梨子「私の方で、事前に捜査は展開していて」
梨子「現状知る立場の人間の事情聴取は、終わっているわ」
花丸「結果は?」
梨子「全員白。漏洩に関与はしていない」
花丸「ふむ」 梨子「厚生省も、今回の漏洩で頭が硬くなってね」
梨子「警視庁と枝を繋ぐ事すら、先日了承を得たの」
梨子「花丸ちゃんの家に枝を通すのは無理だった」
花丸「むしろ、そのくらいの方が、安心するずら」
梨子「ごめんね。足を運んでもらって」
花丸「家からハックしてやろうかとも考えたけどね」
梨子「やめてね?」 花丸「花丸ちゃんは、サーバーからハッカーを追ってちょうだい」
花丸「梨子ちゃんは?」
梨子「私は、情報を欲しがりそうな団体の金の流れを追うわ。売られてる可能性あるし」
花丸「了解。頼んだずら」
梨子「あ、あと...」
花丸「ん?」
梨子「先に謝っておくわ。こんな事件に付き合わせて、ごめん」
花丸「...?」 --- --- ---
--- ---
---
曜「なるほどー。オブジェクト思考かー。ふむふむ」 ペラッ
花丸「...」カタカタ
梨子「...」カタカタ
カタカタ...カタカタ...ッターン
花丸「...なんだよこれ」 ワナワナ...
曜「ん?」 花丸「ふざけるな!こんな事は許されない!」 バン!
梨子「...」
曜「花丸ちゃん!?」
花丸「...梨子ちゃん!この事件は、手伝えない!帰らせてもらう!」
曜「え?ど、どうしたの?花丸ちゃん...?」
梨子「...」 スッ
花丸「...そこをどくずら。オラは帰る」
梨子「...」 フルフル 梨子「花丸ちゃん。席に戻って...?」
花丸「梨子ちゃん、あのファイルの存在...いつ知った?」
梨子「...2日前。初めて」
花丸「よかったよ。周知だったら、軽蔑してた」
梨子「...」
花丸「でもね。あんたが公安なら、捕まえるべきは厚生省ずら」
花丸「ハッカーじゃない」
梨子「...だめよ。まずは、盗視した犯人を見つけるのが先」
花丸「優先順位がおかしいずら!」 曜「ね、ねぇ。一体、何のファイルを読んだの?」
梨子「...」
花丸「...っ」
曜「花丸ちゃん!」
花丸「...原発事故の被爆者に対する...治療と称した臨床実験のレポートずら」
曜「!」
花丸「そうさ。政府は核の無き世界を唄いながら、裏でこんな実験をしてたんだ!」
梨子「...そうね。だけど、今はまだ、厚生省を捕まえられない」
花丸「舐めてるずら!?これは国家ぐるみの犯罪だ!」 梨子「...この実験結果は、対外諸国でも売買されている」
梨子「バレるような事があれば、国力低下にも繋がるわ」
花丸「国力がなんだ。今、実験されてる人達に関係ないずら!」
梨子「外交の立ち位置の重要さ。わかるでしょ?」
梨子「頭を冷やしなさい。何も毒薬を飲ましている訳ではない...」
梨子「届出の出ていない、治験行為。いい結果の出ている人もいる」
花丸「結果論ずら!事実、何人副作用で死んでる!言ってみろ!」
梨子「...」 曜「花丸ちゃん...」
花丸「事件を起こした人は、彼らを救おうとしている」
花丸「これは、晒されるべき情報ずら。被験者を助けるのが先決だ!」
梨子「漏洩しても、公安が情報を操作する」
花丸「邪魔するっていうなら、オラが相手になってやる!」
花丸「この事実が消されるようなら、オラが...!」
パーン!!! 花丸「」 ヒリヒリ
梨子「落ち着いて。でなければ、脅迫罪で逮捕する」
花丸「...っ」
花丸「梨子ちゃんの...大馬鹿野郎!!」 ダッ ガチャッバタン!
曜「花丸ちゃん!?」
梨子「...」 曜「梨子ちゃん!」
梨子「...やってしまったわ」 グッ
曜「二人とも、熱くなりすぎだよ!」
梨子「えぇ...ごめんなさい」
曜「花丸ちゃんは、私に任せて!」
曜「梨子ちゃんも、ちゃんと頭を冷やして!謝るんだよ!」
梨子「うん...」
ガチャ パタン!
梨子「...」 --- --- ---
ジャー...
花丸「痛たた...」
曜「...トイレにいたか」
花丸「...曜ちゃん」
曜「酷い顔だね。泣いてた?」
花丸「...」
曜「ジュース。飲まない?」 --- --- ---
--- ---
---
ガチャコン
曜「はい。パス」ヒュッ
花丸「ありがとう」パシッ
曜「へへへ。さっき見つけんだ。誰もいない場所の自販機」
花丸「...取り乱して、申し訳なかったずら」
曜「ん?...いいよ」
曜「梨子ちゃんも先輩なのにね。全くもー」
花丸「...」 曜「でも、珍しいね。あんなに怒るなんて」
曜「悪事に対して、もっとドライだと思ってた」
花丸「普段はそう心がけているんだけど」
花丸「抑えられなかったずら」
曜「そっか」 花丸「ハッカーをしているとさ。小さな不正、大きな不正...」
花丸「沢山あり過ぎて、感覚がバカになっちゃうんだ」
花丸「時には、悪事に手を貸したりするしね」
曜「...」
花丸「だけど、オラが人であり続ける為に...」
花丸「人の命を弄ぶ事に加担することは、絶対にしなかったずら」
曜「うん。一線だよね、人としての」 花丸「オラさ、幻想を重ねてたんだ」
曜「?」
花丸「梨子ちゃんは、ハッカーの手を借りるし、すぐ脅すし、叩くし...」
花丸「真っ当な警察官とは言えないけど...」
花丸「道徳的正義は貫いてくれる。オラと同じ価値感を持ってるって」
曜「うん...」 曜「でも、それは...」
花丸「わかってるずら。これはただのエゴ」
花丸「今のオラは、思っていたものと違って、駄々をこねてる子供ずら」
曜「...」
花丸「ただね...少し、寂しかったんだ」
花丸「...ごめんね。曜ちゃん。心配させて」
曜「うん...」 花丸「さ。戻ろう」
曜「もう平気?」
花丸「うん。ちゃんと謝るずら」
曜「そっか」
花丸「ジュース、ありがとう」
曜「いいよ。花丸ちゃんのお釣りで買ったやつだし」 --- --- ---
曜「連れてきたよ」
花丸「...」
梨子「花丸ちゃん...」
花丸「さっきは、ごめん」
梨子「うん、こっちこそ。大丈夫?」
花丸「痛かったずら」
梨子「ごめん」 梨子「...厚生省も、あの情報が公安にバレる事は相当痛いはず」
梨子「それでも、公安に頼ってきたのは、国を守るため」
梨子「...それで、今回の件が許されるわけではないけれど」
梨子「罰を受け入れる覚悟があるって事は、花丸ちゃんも認識して?」
花丸「うん」 梨子「私たち公安も、厚生省を許すつもりはないし、被害者を放っておかない」
梨子「必ず彼らを助け出すし、熱りが冷めれば厚生省に罪を背負わせる」
花丸「...信じて、いいずら?」
梨子「うん。花丸ちゃんの望む結果では、ないかもしれないけど」
花丸「今はそれで、十分ずら...」 --- --- ---
--- ---
---
花丸「ふむ...」
曜「犯人分かった?」
花丸「すぐ分かれば、オラの手はいらんずら」
曜「じゃあ、梨子ちゃんは?」
梨子「こっちもダメね。白ばかり」
曜「謎は深まるばかりか...」
花丸「なに、ちゃっかり捜査に入って探偵ぶってるずら」
曜「てひ」 梨子「進捗は?」
花丸「怪しい事だらけずら」
梨子「聞かせて」
花丸「まず、このハッカー」
花丸「TAMATEを、神業と呼べるハッキングでスルーして痕跡を消しているのに」
花丸「何故か、インフラのメンテに引っかかる部分だけ、痕跡を残しているずら」
梨子「それって、ワザとって事?」
花丸「おそらくね」 花丸「それに、この機密について、詳しく知っていた節がある」
曜「どうして、そう言えるの?」
花丸「例えば、曜ちゃん。この部屋に蜜柑が隠されているとして」
曜「蜜柑あるの!?」
花丸「ないよ」
曜「ちぇー」
花丸「例え話ずら。で、蜜柑、どう探す?」
曜「手当たり次第!」
花丸「そう、それ」
花丸「普通、機密の取得には、色々な場所を探すものずら」
花丸「でもこのハッカーは、目的のブツと、その復号鍵にのみアクセスしている」 花丸「これ、ハッカーに厚生省や医療施設にグルがいるって事だけど...」
梨子「事前にファイルのパスを教えた奴がいるって言う事?」
花丸「そもそも、このファイルがあるって漏らした元凶もいるはずずら」
梨子「うーん。だけど、さっきも言ったけど、この情報の関係者は、白だった」
梨子「もちろん、彼らがハッカー自身である可能性もない」
花丸「...それが正しいなら、この事件は成立しないずら」
梨子「うーん...」 曜「謎は深まるばかりだ...」
花丸「ちゃんと考えてる?」
曜「か、考えてるよぅ!」
花丸「じゃあ、どう思ってるのか、聞かせてよ」
曜「え!?」
曜「えぇっと...」 曜「私はね、この犯人は、ハッカーの単独犯だと思うんだ」
梨子「どうして?」
曜「だって、ワザと痕跡を残すなんて、おかしいじゃん」
曜「花丸ちゃんだったら、依頼者の為に最後まで本気でやるよ!」
花丸「まぁ、うん」
曜「褒めたのにー。ドライだなぁ」 曜「...ハッカーが機密ファイルをどう知ったかは、わからないよ?」
曜「でも、ワザと痕跡を残した事に、ハッカーの意図を感じるんだよね」
花丸「何を、伝えたかったんだずら?」
曜「それは、わかんないけど...」
花丸「わかんない事ばっかずら」
曜「だってわかんないんだもん!」
梨子「...ふむ」 曜「とにかく。もう、ハッキングから時間が経ってるのに」
曜「依頼者の影も、厚生省への脅迫も、SNSでの拡散もないのはおかしいよ!」
梨子「確かに、依然情報に対して、なんらアクションがないのは不思議よね」
花丸「ハッカー界隈でも、噂すら流れてないずら」
梨子「公安が介入する前に情報を流さないと、改ざんされるのに...」 梨子「どう思う?花丸ちゃん」
花丸「確かに。どうせバレるような事をするなら...」
花丸「なんで、態々TAMATEを偽装したのかは不思議に思ってたずら」
梨子「セキュリティに引っかかればいいんだもんね」
花丸「うん。でも、ハッカーはまるで...」
花丸「難しいセキュリティソフトをスルー出来る事を自慢するような...」
花丸「...あ」 梨子「ん?」
花丸「そうずら...オラとした事が...」
曜「どうしたの?」
花丸「よく考えたら、こんなソフトを無傷で通れる奴で...」
花丸「やたら、自分を共有したがるような奴なんて」
花丸「日本じゃ、一人しかいなかったずら」
--- --- ---
--- ---
---
??「...」 ペラッ
コンコン...
??「開いてるわ」
ガラッ
花丸「...」
??「ふぅ...」
??「1年ぶりの、医者以外のお客さんね」 パタン
??「ハッキングしてから3日...随分と早い」
花丸「親鳥...」
親鳥「その通り名。久しぶりに聞いたわ」
親鳥「いらっしゃい。首輪付き」 クルッ 花丸「悪いね。花はないずら」
親鳥「いらないわ。もう、水も変えられない体よ」
花丸「医者はなんて?」
親鳥「もって、あと半年」
花丸「そっか...」
親鳥「そこの椅子、座って?」
花丸「失礼するずら」 ギシッ 花丸「ん?小説?」
親鳥「えぇ。赤星の『ルビィ色の髪の少女』」
親鳥「面白い作品だわ」
花丸「ふん」
親鳥「あら、ご立腹なの?」
花丸「当たり前ずら。おかげで、胸糞悪い機密を見る羽目になったずら」
親鳥「...申し訳なかったわ」 親鳥「でも、一目でいいから、私が育てたハッカーを見たくてね」
親鳥「まさか、こんな小さい子が来るなんて」
花丸「知ってたくせに」
親鳥「そう腐らないで?」
親鳥「招待状に気づいてくれて、本当に嬉しいわ」
花丸「機密ファイルの秘密鍵で暗号化するなんて、よくやってくれるよ」
親鳥「洒落てるでしょ?ハッカーたるもの、こうでなくっちゃ」
花丸「年を考えて、はしゃぐべきずら」 花丸「で。どうやって、オラがことりだと?」
親鳥「そうね。日本のS級が警察に助力していると言う噂がたった頃」
親鳥「どんな感じでハッキングしたのか、藤浪病院をサルベージしたのよ」
花丸「痕跡は残してないつもりだけど?」
親鳥「手術室のセキュリティシステム」
花丸「...それは、時間がなくて、無茶したやつずら」
親鳥「焼き切り方で、すぐわかったわ。私の教えを踏んでるって」 親鳥「それからは、貴方に会う事ばかり考えてた」
花丸「で、公安が絡みそうな事件を起こしたって?」
親鳥「そう。昔、厚生省の不正を暴いて欲しいという依頼を受けててね」
親鳥「残念ながら、依頼主が失踪した事で、パーになったんだけど」
親鳥「それを思い出して、今回実行したのよ」
花丸「んな事しなくても、紙の招待状くれれば、来るのに」
親鳥「ふふふ。私のハッキングのメッセージを見破れない子に興味はないの」
花丸「なんだそれ」 花丸「でも残念だよ。あんたが、あの記録をオラに会う為にしか使わなかった事」
親鳥「貴方が来なければ、晒してたわ」
親鳥「おめでとう。日本を救ったわね?」
花丸「...嬉しくないずら」
花丸「...オラは、別にあんたの技術力だけに惚れてたわけじゃないずら」
花丸「世の中の悪への裁きの影に、あんたの痕跡があったから好きだったんだ」
親鳥「...」
花丸「らしくない。昔のあんたなら、リークしてただろう?」
親鳥「...そうね。確かに、活動してた頃は一定の正義感を持ってたわ」
親鳥「でもね、ハッカーはハッカー。世の中から見たら、悪でしかないの」
親鳥「ほら」
花丸「指輪の跡...?」
親鳥「離婚したの。夫にハッカーだとバレてね」
親鳥「娘もいたんだけど、罵倒されたわ...」
親鳥「...そこで、気が付いたの。何やってるんだろって」
花丸「...」
親鳥「で、畳み掛けるように、この病気。嫌になっちゃう」 親鳥「貴方には、大切な人、いる?」
花丸「うん。まぁ...」
親鳥「なら、ハッカーの先に、貴方の望む幸せはない」
親鳥「ハッカーなんてやめなさい。まだ引き返せる」
花丸「それがオラに言いたかった事?」
親鳥「ハッカーに、正義はなし得ない」
親鳥「いえ、そんなもの、どこにいたって無理」
親鳥「今回の件でわかったでしょ?守るべき物ですら、卑しい悪にまみれてる」
花丸「...」 親鳥「個人の幸せを望む事は、悪い事じゃない」
親鳥「むしろ、ちっぽけな正義感で、潰すほうが間違っている」
花丸「...」
親鳥「私は間違えたの」
親鳥「私の教えで、何人ものハッカーを産んで、幸せを奪ってしまった」
親鳥「だからお願い。貴方だけは幸せになって?」
花丸「...親鳥」
花丸「あんたの言うこと、理解できるし、共感もできるずら」
親鳥「じゃあ...!」
花丸「でもね。オラ、ラッキーなんだ」
親鳥「ラッキー?」
花丸「オラはあんたと違って、同じ正義感を持ってる友達が側にいる」
花丸「全部の正義感が合うわけでは無いずら」
花丸「でも、孤独じゃない。隣を見れば横にいてくれる。理解してくれる」
親鳥「でも...」
花丸「安心して。あんたの育てた、ことり...」
花丸「オラは、今、超幸せずら」
親鳥「そう...」
親鳥「それが、貴方の進む道なのね。首輪付き」
花丸「うん」 花丸「親鳥。あんたに会えてよかったよ」
花丸「そろそろ、いくずら」ギシッ
親鳥「そう」
花丸「あ、そうそう。この後、怖い公安警察が入ってくるけど」
親鳥「えぇ。わかってる。ちゃんと全て話すわ」
花丸「うん。お願い」 花丸「じゃあ...」
親鳥「待って」
花丸「ん?」
親鳥「名前。教えて?」
花丸「知ってるでしょ?」
親鳥「貴方の口から聞きたいのよ」
親鳥「首輪付きなんて、女の子のニックネームじゃ無いし」
花丸「だよね。オラもそう思う」 花丸「...国木田花丸。知ってるだろうけど」
親鳥「花丸。いい名前ね」
花丸「でしょ?」
親鳥「花丸ちゃん...」
親鳥「もし、何かあって、幸せを望むような事があった時...」
親鳥「ハッカーを捨てる事は、間違いじゃ無い」
親鳥「それだけは覚えておいて?」
花丸「...うん。ありがと。その選択肢、ちゃんと持っておくずら」 親鳥「なら、もう言う事は無いわ。お行きなさい」
花丸「うん」
花丸「バイバイ、ミス南。オラ、あんたの事忘れない」
南「えぇ。さようなら。私のことり。花丸ちゃん」
ガラッ パタン... 花丸「...」
梨子「もういいの?」
花丸「うん。漏洩する意思は、なさそうだけど」
梨子「それでも一応ね。入るわ」
花丸「できれば、丁寧にお願い」
梨子「花丸ちゃんを育てた人でしょ?当たり前じゃない」
花丸「ありがとう」
ガラッ ピシャ...
花丸「バイバイ。親鳥」
--- --- ---
--- ---
---
ブロロロ... パーパー... ガヤガヤ
曜「花丸ちゃーん!」
花丸「ん?」
曜「探したよー!」
花丸「よく、ここが分かったね」
曜「もう、意地悪!梨子ちゃんがここじゃないかって」 曜「ねぇ。ここって...」
花丸「うん。例の研究施設」
曜「そっか...梨子ちゃんが近いうちに、強制監査と言う名目で調査するってさ」
曜「全員ちゃんと助けるって言ってたよ?」
花丸「そっか...」
曜「ねぇ。帰ろう?内浦に」
花丸「うん...」
曜「よし!じゃ、駅に出発進行ー」 クルッ
花丸「」 タッタッタッ ポスッ
曜「ん?」
花丸「...」 ギュッ 曜「背中にもたれられると、動けないよ...」
花丸「曜ちゃん。オラ、すごく疲れた」
曜「そっか...」
花丸「もうちょっと、このままでいいかな?」
曜「...うん」
花丸「...」
花丸「...ヒグッ...」
曜「お疲れ様。花丸ちゃん」 --- --- ---
オラのお師匠 終わり
花丸「オラはハッカーの日常」To be continued ...
読んでいただきありがとうございました。
実在の人物や団体、阪神とは関係ありません。 曜ちゃんのいい感じのバカっぽさがマルちゃんを支えてるのがいい!
いつも乙です! 馬鹿だからよくわからんけど毎回雰囲気が面白いわ
絵で見たい それにしても、ハッカー日常2で誘拐犯がなぜ花丸の名前を知っていたか気になる ルビィのストーカーだから友人の情報くらい軽く抑えてるんじゃないか? 非常に良かったがこれのどこが日常なのか
普通に本編の4話目に感じた
本編でも日常でもどっちでもいいから是非また書いてね コメント沢山...ありがとうございます!嬉しいです!
「日常」シリーズは、ゆるいのを書こうと思っていたのですが、
まったりが難しすぎて、私には書けませんでした。orz
ですので、誠に勝手ながら、「日常」を第二期として書かせて頂いています。
「赤毛のアン」シリーズ風のタイトル、と認識していただければ幸いです。
本編と同じ密度のストーリーを書くつもりですので、
今後とも、オラはハッカー、よろしくお願いいたします。 乙ー
親鳥と花丸のシーンでi doが聞こえてきたほんとよかった なんとなく後味悪い感じが良くも悪くも相棒っぽくて良かった りこまるはほぼオリキャラみたいなもんだけど他7人はアニメか公野版に準拠してるしね
自分でキャラ考えるより既存キャラ動かした方が書きやすいんでしょう
それにラブライブ好きなのが執筆モチベなのかもしれんし ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています