花丸「オラはハッカーの日常2」
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花丸「未来ずら〜」
善子「Premiereを使えば...こんな感じにっと」
ルビィ「おー。動画に文字が!」
善子「他にも音楽をBGMで、流したりできるんだから!」
花丸「オラも、動画に花びら降らせたいずら」
善子「古い表現ね...まぁ、貸しなさい」
花丸「ありがとう。善子ちゃん」
善子「ヨハネ!」
--- --- ---
花丸「...」 カタカタッターン
花丸「データ盗聴、成功ずら」 --- --- ---
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花丸「オラはハッカーの日常:ルビィちゃん失踪事件」
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--- ---
--- --- --- 曜「花丸ちゃんに誕生日プレゼントー!?」
ルビィ「声が大きいです!」
曜「ごめん、ごめん。で?」
ルビィ「もうすぐ、花丸ちゃんの誕生日なので...」
ルビィ「プレゼントを考えるのを、手伝って欲しいんです」
曜「んー。善子ちゃんの方が、詳しいんじゃない?」
ルビィ「善子ちゃんは...その...」
ルビィ「パンが好きだから、のっぽパンあげとけば喜ぶって...」
曜「間違っちゃいないけど」 ルビィ「でも、花丸ちゃんには、お世話になってるんで...」
ルビィ「もっといいものを、贈りたいんです」
曜「良い子だねー」 ヨシヨシ
ルビィ「てひひ...///」
ルビィ「花丸ちゃん、最近何か欲しがってませんでしたか?」
曜「んー。花丸ちゃんの欲しいものかぁ...」
曜「あ。パソコン欲しがってた!」
ルビィ「花丸ちゃんがパソコン...ですか?」
曜「うん」
ルビィ「花丸ちゃん、パソコン苦手なのに...」
曜「えー!めっちゃ得意だよー」
ルビィ「図書室のパソコン触れる程度だと...」
曜「あるぇー?おかしいなぁー?」
--- ---
花丸「...っくし!」
善子「花粉症?」 モッモッ
花丸「ズズッ...曜ちゃんが要らんこと噂してるんじゃないかな」
善子「はは。ありえるー」 モッモッ
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曜「よし、わかった!」
曜「今週末、一緒に買い物に行こう!」
ルビィ「本当ですか!」
曜「うん!そのあと、夜に仕分けのバイトがあるけど、20時まで暇だし!」
ルビィ「ありがとうございます!」
曜「へへへ。私もお世話にはなってるから、さ」 --- --- ---
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ザワザワ...ザワザワ...
曜「おっそーい!」
曜「ルビィちゃん遅いよーーー!!!」
曜「LINEも繋がらないし、なんなのさー!」
通行人(うるさい...)
曜「仕方ない、あの石頭に電話かけるかぁ」ピッピ
プルルル...ピ
ダイヤ『はい』
曜「貴方の恋人、曜ちゃんです」
ダイヤ『休みに、あなたの声を聞きたくないのですが』
曜「キッツいなぁ」
ダイヤ『また、スーパーの試供品全部使って、呼び出し食らったとか』
ダイヤ『はたまた、隣の学校の部活に、勝手に参加して喧嘩したとか』
ダイヤ『はたまた、駐輪禁止の自転車のサドルを、ブロッコリーにしたとか』
ダイヤ『そういう事じゃ、ないでしょうね?』
曜「してないよぅ!」
ダイヤ『生徒会長になって、一番大変なのが、あなたの世話なので』
曜「いやぁ、それほどでもぉ///」
ダイヤ『褒めてませんわ!』 ダイヤ『で、なんですの?』
曜「ルビィちゃん、家にいる?」
ダイヤ『あなた、ルビィにまで手を...』
曜「うわわ!そういうのじゃないよ!」
ダイヤ『ルビィが誰と仲良くしようと勝手ですが...』
ダイヤ『万が一でも、要らない事を吹き込んだりしたら...』
ダイヤ『わかってるでしょうね?』
曜「もちろんであります!敬礼!」 ビシッ
ダイヤ『...はぁ』
ダイヤ『ルビィですが...』
ダイヤ『9時には、家を出ましたわ』
曜「え?そうなの?」
ダイヤ『何か?』
曜「いや。それならいいんだ!ありがとう!じゃーね!」
ダイヤ「え、ちょ、まちな...」
曜「愛してるよ!ちゅっ」
ピッ
---
プープー...
ダイヤ「切れた...」
ダイヤ「ほんと、なんですのよ...あの子」
--- 曜「昔の事、言わなくてもいいのにー」
曜「...さて。ルビィちゃんの家はここから30分ぐらいだし」
曜「迷子かもしれないから、迎えに行くかー」 タッタッタ
通行人(思考ダダ漏れ人間なのね)
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--- 曜「あるぇー?これは...」
曜「イヤホンの刺さったスマホ?」
曜「このカバー、ルビィちゃんのだよね」 ヒョイ
曜「うーん。ルビィちゃん、これ探してるのかな。じゃあ、交番かな?」 タッタッ
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曜「ごめんくださーい」
警官「ん?渡辺ぇ!?」
曜「げ」
警官「悪さしたのか!?」
曜「してないよぅ!なんで、みんなそう言うの!?」
警官「お前だからだよ」
警官「で?」
曜「携帯探してる女の子、来てない?」
警官「連れか?」
曜「うん。他の交番にも確認してよ」
警官「たく...待っとけ」
曜「ありがとー」 --- --- ---
警官「来てないってさ」
曜「おかしいなぁ。どこ行ったんだろう?」
警官「さぁ?」
曜「時間になっても来ない、ルビィちゃん...」
曜「田んぼ道に落ちてた、スマホ...」
曜「交番に来ていない、ルビィちゃん...」
曜「わかった!」 ピキーン!
警官「ん?」
曜「これは、サスペンスだよ!」 ギラン
警官「アホな事言ってないで、家帰れ」
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花丸「アホな事言ってないで、家帰れ」 カタカタ...
曜「酷いよぅ!酷いよぅ!」 ジタバタ!
花丸「オラの布団で暴れるなずら」 カタカタ...
曜「大人はみんな、こうだ。誰も信用してくれない」 ガバッ
花丸「オラ、年下だけどね」
花丸「大体。約束すっぽかされられたから事件だって...」 カタカタ...
花丸「どういう思考回路ずら」
曜「だって、おかしいじゃん。どこにもいないんだよー?」
花丸「曜ちゃんと遊ぶのが嫌になって、どっか行っただけずら」 カタカタ...
曜「むぐぐ...意地悪。ルビィちゃんは、そんな子じゃないよ」
曜「あーあ。ルビィちゃん、どこなんだろう?」 ポスッ
花丸「オラとしては、曜ちゃんが待ち合わせ場所を間違えてるって方が」
花丸「しっくりくるんだけど?」
曜「あ」
曜「え、ちょっと待って。ちょっと待って」 ガサゴソ
曜「...」 スッスッ
花丸「...」
曜「間違ってないじゃん!びっくりさせないでよー」
花丸「そっか」 花丸「ちなみに、何をする予定だったの?」
曜「...えーと...教えてあげない!」
花丸「あっそ」 カタカタ...
曜「知りたい?知りたい?」
花丸「別に」 カタカタ...
曜「興味持ってよー!花丸ちゃんの誕プレを買いに行くのにー!」
花丸「え?」
曜「あ、やば!」 パシッ
花丸「...曜ちゃんさぁ...」
曜「うわわ!今のなし!聞かなかったことにして!」
花丸「...人選ミスだよ、ルビィちゃん」 --- --- ---
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ルビィ「うぅ...ん......は!」
ルビィ「こ、ここは、どこ...?」
女「目が覚めた?おはよう」 ニコッ
ルビィ「...だ、誰?」
女「お母さんよ?」 ニコッ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f) --- --- ---
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曜「あははっ。この赤星って作者の小説、面白ーい」
花丸「...悠々としてるけど」
花丸「オラの誕プレ、買いに行かなくていいの?」
曜「おー?何か、買ってほしい物ある?」
花丸「そうじゃなくて...ルビィちゃんずら」
花丸「待ち合わせ時刻から、大分経ったんじゃ?」
曜「んーと。2時間半経ってるね」 花丸「流石に、待ち合わせ場所に来てるんじゃないの?」
曜「連絡くるっしょー?」
花丸「その連絡手段を、曜ちゃんが持ってるじゃん」
曜「あ」
花丸「...」
曜「いやいや!でも、流石に2時間いなかったら、家帰るし」
曜「私とダイヤさん繋がってるの知ってるから、そこから連絡くるよぅ!」
花丸「...」 花丸「まぁ...ルビィちゃんなら、必ず一報入れるずら」
曜「でしょ、でしょ?」
花丸「そうすると、一応上級生の曜ちゃんに...」
花丸「なんの連絡が来ないのはおかしいずらね...」
曜「一応ってなんだ。一応って」
花丸「ちょっと調べて見よう」
花丸「ルビィちゃんのスマホ貸してずら」
曜「うん。待ってね...はい」 ヒョイ
花丸「ん?イヤホンついてたの?」
曜「うん」
花丸「ふむ」 花丸「...」 スッスッ カチ
曜「え、開いた!ハッキング!?」
花丸「パス知ってただけずら」
曜「お主も、ワルだねぇ」
花丸「ほっとけ」 花丸「Youtubeが開いてる...」
曜「地区予選の、私と千歌ちゃんだー」
花丸「うーん...」
曜「どうしたの?曜ちゃん、可愛すぎ?」
花丸「...いやさ。動画を流してるスマホを落として」
花丸「気がつかないってありえるかな?」
曜「ないね。落としたらイヤホンがビーンってなるし!」
花丸「だよね」 花丸「なんで拾わなかったんだろう...」
曜「その動画。落とした時は、見てなかったんじゃないの?」
花丸「確かに。単にイヤホン刺しっぱが、鞄から落ちたのなら」
花丸「気がつかなくても、おかしくないずら」
曜「でっしょー」 フフン
花丸「でも、ジャックが折れちゃうし。鞄では分けてたと思うんだよね」
曜「ふむ」
花丸「...もうちょっと詳しく調べるかぁ」
曜「ハッカー花丸ちゃん。しちゃうんだね?」
花丸「頼むから、それだけは学校で言わないでね?」 --- --- ---
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---
女「ほら。ルビィちゃんの為に、クッキー焼いたのよ?」
女「召し上がれ?」
ルビィ「いらないです。お家に帰してください」
女「手錠してるから、食べられないか」
女「食べさしてあげるね?はい、アーン」
ルビィ「」 プイッ
女「もう...恥ずかしがりやさんね」 パクッ...モグモグ...ゴクン
女「ほら、毒もない」 ニタァ
ルビィ「う、うぅ...」 女「お腹空いたでしょう?」
ルビィ「...食べたら、返してもらえますか?」
女「何を言ってるの?ここがお家でしょ?」
ルビィ「違うよぉ...帰りたいよぉ」 ヒグヒグ...
女「ルビィちゃん...」
女「黒澤家が怖かったのね。もう大丈夫よ」 ヨシヨシ
ルビィ(助けて...お姉ちゃん...花丸ちゃん...!) --- --- ---
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花丸「...」 カタカタ...
曜「何してるの?」
花丸「通信履歴を解読してる...スクリプト、アクティベイト」 カタカタッターン
花丸「1分もすれば、ルビィちゃんの今日何をしたのか全部わかるずら」
曜「ひゅう〜」
花丸「鍵は、出発した9時から、待ち合わせ時間の10時までに」
花丸「Youtubeを、見てたかどうかずら」
曜「見てたら、拾わなきゃおかしいもんね」
花丸「ずら」 曜「でもさ、落としたスマホが拾えない状況って」
曜「なかなか、ないよね?」
花丸「そうなんだよね...」
曜「もしかして...事故とかで、病院に運ばれてるとか...?」
花丸「スマホがあったのって農道でしょ?」
花丸「そんなスピード出して、車走るかなぁ?」
曜「うーん...」 ピコ
花丸「終わったみたいずら」
曜「どう結果は...?」
花丸「あのYoutubeのストリーミングが開始したのは...」
花丸「...9時11分」
曜「じゃあ、ルビィちゃんは...」
花丸「スマホを落とした時、動画を見ていたことになるずら」
曜「それって、拾えない状況が起きたってことだよね?」
花丸「...」
花丸「悔しいけど、あながち、曜ちゃんの言ってるサスペンス...」
花丸「信憑性が出てきたずら」 --- --- ---
--- ---
---
曜「うん。ありがと...愛してる。ちゅっ」 ピッ
花丸「どう?」
曜「ダイヤさんに、聞いてみたけど...」
曜「変な電話も、医者からの電話も来てないって」
花丸「そっか」
曜「あと、よく行くような場所に連絡してみるってさ」
花丸「ありがたいね」
曜「そっちは?」
花丸「今、梨子ちゃんに探りを入れてもらってる」 プルル...
曜「きた!」
花丸「静かに...」
花丸「もしもし。梨子ちゃん。どう?」
梨子『今、静岡のマル暴に連絡して、聞いたけど』
梨子『特に大きな動きはないらしいわ』
花丸「そっか」 梨子『黒澤家についてる枝に反応は?』
花丸「なし。監視カメラもハックしたけど、怪しい人影もなし」
花丸「物理枝として残ってる新井の枝も、通信をした形跡はないずら」
梨子『組織がらみの誘拐なら、なんらかの情報を集めるはず』
梨子『今回は金本組、関係なさそうね』
花丸「うん」
梨子『...』 梨子『花丸ちゃん、こう言ってはなんだけど...』
梨子『今回のルビィちゃんの失踪。本当に事件かしら?』
梨子『スマホが落ちてて、待ち合わせに来なかった。ってだけでしょ?』
花丸「うん...」
梨子『考えすぎじゃないかしら』 花丸「...その指摘は、ごもっともずら」
花丸「アホがしょっぱなからサスペンス。って騒ぐから...」
花丸「思考が悪い方に引っ張られてる節は、否めないずら」
曜「うわー!アホって言ったー!」
花丸「うっさい!電話中!」
梨子『ふふ。曜ちゃん...元気そうね』
花丸「元気すぎて、うるさいずら」 梨子『元気すぎ、か。良かったわ』
梨子『...話を戻すけど、結論を急ぎすぎてると思う』
花丸「うん」
梨子『案外、迷子の時みたいな感じかもしれないし...』
梨子『正直、それだけの情報では、警察は手を貸しにくいわ』
花丸「いや、暴力団が関係ないってわかっただけでも、助かったずら」 梨子『ごめんね。もうちょっと、個人で探ってみて?』
梨子『夜になっても、連絡がつかないようなら、直ぐに警察を動かすから』
花丸「頼りにしてるずら」
梨子『じゃあね。頑張って』
ピッ 花丸「ふう...」
曜「で?」
花丸「暴力団関係ではなさそうずら」
曜「そっか...」 ホッ
花丸「...」 花丸「ねぇ、曜ちゃん。事件以外の可能性って他にないかな?」
曜「スマホが落ちても拾えなくて。かつ、その場から居なくなる状況?」
花丸「うん」
曜「田んぼに落ちて、沈んだとか?」
---
ルビィ「えーん。抜けないよぉ〜」 ズブズブ
---
花丸「んなわけあるか。底なし沼じゃあるまいし」
花丸「時期的に水も張ってないずら」 曜「えとー。じゃあ、犬に追いかけられた!」
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犬「ワンワン!」
ルビィ「ピギィーー!」 ダダダ
---
花丸「可能性は...あるかも。でも、連絡が来ない理由がないずら」
曜「まだ、走り回ってるんじゃ?」
花丸「しつこい犬ずらねぇ」
曜「やっぱり、誘拐がしっくりくるよ。連絡が来ないんだもん」
花丸「...そうなんだよねぇ」
花丸「でも、身代金の要求がないとなると...」
花丸「誘拐そのものが、犯人の目的だという事になるずら」
曜「犯人はルビィちゃんが欲しかったってこと?」
花丸「うん。まぁ、女の子なら、誰でもって場合もあるけど...」
曜「ルビィちゃんを誘拐して何をするの?」
花丸「それを、オラの口から言わせたい...?」
曜「...いや、いい」
花丸「...まぁ、『誘拐』は最悪のパターンずら」
花丸「病院の可能性も捨てきれないし、犬の可能性もある」
花丸「ただ、誘拐だった場合、ウカウカしてられないずら」 花丸「警察の捜査が始まれば、あらゆる可能性を探してくれるずら」
花丸「オラ達は、誘拐だったという可能性だけに着目して、動くずら」
曜「違ったら、違ったで、それでいいもんね」
花丸「うん」
曜「大事な後輩だもん。協力するよ」
花丸「...10%ぐらい、頼りにするずら」
曜「低!」 曜「ねぇ...」
花丸「ん?」
曜「万が一だよ?万が一...」
曜「ルビィちゃんからの連絡が来ないのが、もう...あいで!」
花丸「生きてるずら」
曜「そっか...うん。そうだよね!」 花丸「...」
曜「花丸ちゃん...」
花丸「ん?」
曜「泣きたい時は...胸に飛び込んでおいで?」ギラン
花丸「...はぁ...ほんと、シリアスブレイカーずら」 --- --- ---
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女「ふふふ。これが、中学生の頃のルビィちゃん」 ペラッ
女「可愛かったなぁ。入学式」
ルビィ「こんな昔から...撮ってたんですね」
女「えぇ。ずっと仲良くしてた花丸ちゃんって子も知ってる」
女「だって、お母さんですもの」
ルビィ「...」 ルビィ「...私のお母さんは、貴方ではありません」
女「...っ!私なの!」
ルビィ「!」 ビクゥ
女「あ、あぁ!怯えさせて、ごめんなさい」
女「私の可愛い可愛い、ルビィちゃん」 ヨシヨシ
ルビィ「うぅ...」
ルビィ(早く...誰か...!) --- --- ---
--- ---
---
花丸「アプローチを考えないと...」
曜「ルビィちゃんの場所を知るためには、まず、犯人の特定だよね」
花丸「うん。誘拐なら、一緒にまだいる可能性も高いしね」
曜「犯人が誘拐した瞬間の写真とか、無いかな?」
花丸「農道ずら。コンビニの防犯カメラすら、頼れない」
花丸「Nシステムも近くにないし、車の特定も難しい」
曜「うーん」 曜「写真、写真...そうだ!いい案浮かんだ!」
曜「衛星!衛星写真だよ!」
花丸「ふむ」
曜「衛星から、犯行の瞬間の写真をゲットするの!」
花丸「悪くないずら」
花丸「でも、NASAのプロテクトは硬いずら。時間的に厳しいかな」
曜「えー。へっぽこー」
花丸「」 イラッ 曜「あーあ、犯行の時間は分かってるのになー」
花丸「?どういう事?」
曜「だって、あのYoutubeのあの動画、4分でしょ?」
曜「終わった動画を眺めてるわけないし、見終わったら別の見るし」
曜「動画の通信が9時11分なら、9時15分までが犯行時間なんだよ」
花丸「ふむ」 曜「だから、その時間にルビィちゃんの側にいた人間が」
曜「すっごく、怪しいと思うんだよね」
花丸「犯行時間に一緒にいた人物か...」
曜「写真があればなー...」
花丸「...わかるかもしれないずら」
曜「でも、写真は無理なんでしょ?」
花丸「写真は無理だけど、誰が居たかは分かるかもしれないずら」
曜「本当!?」
花丸「うん。やってみるずら」 カタカタ... --- --- ---
曜「何をしてるの?」
花丸「基地局へハッキングずら」 カタカタ...
曜「基地局?」
花丸「携帯は絶えず近い基地局から、通信を行っているずら」 カタカタ...
花丸「犯人が誘拐時、ルビィちゃんと同じ場所に居たなら...」 カタカタ...
花丸「犯人の携帯も、同じように近くの基地局と通信をしているずら」 カタカタ...
曜「な、なるほど...ちょっと、難しいね!」 花丸「本来なら、キャリア毎に基地局がバラバラなんだけど」 カタカタ...
花丸「幸い、この周辺は公的資金のおかげで、合同の基地局が多いずら」 カタカタ...
花丸「だから、ルビィちゃんの通信をしていた基地局を調べれば...」 ッターン
花丸「出たずら。9時11分から15分の間、ざっと、334台の携帯と通信してるね」
曜「おぉ...じゃあ、この携帯番号の中に犯人のが?」
花丸「おそらく、ね」 曜「でも...まだ多いや...」
花丸「大丈夫。基地局の電波の範囲は重複するずら」
曜「どう言う事?」
花丸「携帯にある、アンテナの意味、知ってる?」 カタカタ
曜「あの、3本立ってる〜。とか言うやつ?」
花丸「そう。あれは通信している基地局の数を表してるずら」 カタカタ
曜「へー。電波が強いってそう言う事なんだねー」 花丸「ルビィちゃんのスマホも、あと2つ別の基地局と通信してたずら」
曜「じゃあ、同じ位置に居た犯人も、その2つと通信してるって事だね!」
花丸「そう言う事。ちょっと賢くなったね」 カタカタ...
曜「えへへ。じゃあ2つの基地局と通信してるスマホ、探しちゃおう!」
花丸「ふふ。もう、やってるずら」 カタカタ...
--- --- ---
--- ---
---
女「貴方の好きな、アイドルの本も沢山買ったの」
女「その手では読めないし...」
女「一緒に読まない?」
ルビィ「...」
ルビィ「うん。読もうよ。お母さん」
女「!」 女「や、やっと、呼んでくれた。お母さんって」 ポロポロ...
ルビィ(...うん。分かってきた)
ルビィ(この人は、母親だと認識してほしいだけ...)
ルビィ(大丈夫、上手に立ち回れば、必ず、隙ができる!)
ルビィ(頑張ルビィ!) --- --- ---
--- ---
---
曜「30台かぁ...」
花丸「大分絞り込めたずら。都会じゃ、こうはいかない」
曜「よし!じゃあ、片っ端から電話かけよう!」
花丸「悪手...と言いたいけど」
花丸「逆探知をするなら、それが手っ取り早いずら」
曜「でしょ!」フフーン
花丸「何も考えてないくせに...」
曜「考えてるよぅ!」
花丸「でも、オラ、犯人を刺激したくないずら」
曜「...それもそうだね」
曜「じゃあ、ここから、どうする?」
花丸「この30台の通信を分析。電池残量から犯行時間の位置を割るずら」
曜「そんな事できるの!?」
花丸「できるずら」フフーン
花丸「...さっきも言ったけど、携帯は常に基地局と通信してるずら」 カタカタ...
花丸「で、通信には、当たり前だけど、電池を食うずら」 カタカタ...
曜「うんうん」
花丸「で、その電池の消費量は、基地局との位置関係で、変わってくるずら」
曜「遠かったら、電気をたくさん使う...みたいな?」
花丸「うん」 花丸「だから、3本の基地局との通信での電池の減り方が分かれば...」 カタカタ...
花丸「どっちに進んでたのか、どこに居たのかを」 カタカタ...
花丸「GPSがONで無くとも、93%の確率でわかるずら」
曜「す、すごい...」
花丸「凄いのは、このアルゴリズムを見つけた天才ずら」 カタカタ...ッターン
ピピピ
花丸「っと。結果が出た」
花丸「Latlngをマップに落とし込むずら」
曜「おぉ。これが11分から15分の、30台のスマホの動き...」
曜「あ!ルビィちゃんのスマホに近づいてくる携帯がいる!」
曜「つまり、これって...!」
花丸「願わくば、誘拐でなければと思っていたけど...」
花丸「最悪の事態ってやつずら」
花丸「...090-0334-XXXX。ルビィちゃん失踪の犯人はこいつずら」 --- --- ---
--- ---
---
女「ルビィちゃんは、花陽ちゃんが大好きなのよね?」
ルビィ「うん!だーいすき」
女「私のことは?」
ルビィ「1番大好きだよ。お母さん」
女「あら、もう。ありがとう。ありがとう」 ヨシヨシ
ルビィ「...」ニコッ ルビィ「あ、お母さん。ルビィ、トイレに行きたい」
女「え?じゃあ、一緒に行きましょうか?」
ルビィ「え、恥ずかしいよぅ...」
ルビィ「ずっと抱っこされて移動するのも、辛いし...」
ルビィ「足枷と手錠、外して欲しいなぁ...」
女「ダメよ。貴方を運ぶのなんて、全く苦じゃないんだから」
ルビィ「でも、トイレが...」 女「...」
女「分かったわ。手錠だけ外してあげる」
ルビィ「!」
女「でも、逃げ出そうとしたら...」
ルビィ「そんなことしないよ!」
女「え?」
ルビィ「だって、ここがお家だもん!」
女「そ、そう?うふふ」
ルビィ「...」ニコッ --- --- ---
--- ---
---
曜「花丸ちゃん!電話番号から、今住んでる場所と名前の特定できたよ!」
花丸「よし!よくやったずら!」 カタカタ...
曜「花丸ちゃんの作ったソフトで、データをソートしただけだけど...」
花丸「十分ずら。おかげで、オラは生データの取得工数だけですんだずら」
花丸「15分は短縮できたずら!」
曜「え?じゃあ、私もスーパーハッカー?」
花丸「犯人は女だったか...」
曜「無視しないでよー!」 花丸「で、住所は...え!」
花丸「ここから、300mもないずら!」
曜「近いの!?」
花丸「う、うん。ご近所ずら」
曜「よし、乗り込もう!」
花丸「はぁ!?ここからは、警察に任せて...」
曜「何言ってるの!ルビィちゃんの一刻を争う状況だよ!?」
花丸「そ、それはそうだけど、プロに頼むべきずら!」 曜「今にも、酷い目に会うかもしれないのに」
曜「悠々と待ってていいの!?」
花丸「それは、その...」
曜「花丸ちゃん!止めても、私は行くからね!」
花丸「あーもう!分かったずら!」
花丸「...警察には連絡する」
花丸「でも、先にオラ達で、ルビィちゃんの安全を確保する。これでいい!?」
曜「そうこなくっちゃ!」 花丸「怪我しても、知らないずら...」
曜「にしし。警察に怒られる方が、怖いんだよねー」
花丸「うぐ...」
曜「でも、ルビィちゃんに乱暴したやつ、絶対に1発ぶちかます」
花丸「...」
花丸「...ちぇ。おんなじ思考か...オラもバカなのかも」
曜「へへ。類友?大丈夫、案はあるからさ」 --- --- ---
--- ---
---
ルビィ「んー!んー!!」
女「全く。まさか、トイレの小窓から逃げようだなんて」
女「やっぱり、信用ならないわね」
ルビィ「んー。んー...」
女「はぁ。やっぱり、母親だって認めてくれないみたいだし」
女「もういいや。一緒に死にましょ?」 シャキーン
ルビィ「!」 女「安心して?貴方が死んだら、私もすぐ行くわ」
ルビィ「んーー!!!」
ルビィ(お姉ちゃん...花丸ちゃん...誰か!誰かー!!!)
女「さよな...」 ヒュッ...
ピンポーン!
女・ルビィ「!」
?「宅配便でーす!」 女「こんな時に...」
ルビィ(今の声...)
女(居留守でなんとか...)
ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!
?「宅配便でーす!ドアを開けてくださーい!」 ドンドンドン
女(しつこいわね!)コトッ タッタッタ!
ルビィ「...」ホッ... 女「」 チラッ
女(女二人...?糸井宅急便か)
ガチャッ
女「はい。うるさいんですけど」
?「いやー。速達ってことだったんでー。にししー」 女「っち...ん?」
?「...」
女「!」
女(この小さい方の女...よく見たら...)
女「国木田...花丸...」 ボソッ
?「!」 花丸「こいつ...今、オラの名前を言ったずら!」
女「!?」
曜「ほー?」パキッポキッ
曜「なんで、ルビィちゃんのマブダチを知ってるんですかねー?」ニコッ
女「こいつら...!」
曜「ちょーっと失礼!!」 バキィ!!!ドタドタドタ
ルビィ「ん!?」
女「ぐぅ...!ま、待て!」
曜「あー!ルビィちゃん発見!」
花丸「本当!?あ、ルビィちゃん!!!」
ルビィ「んー!!!んんんー!」
ルビィ(花丸ちゃん...曜さん!!!) 女「くっそ!」 バキィ!
曜「いで!タフじゃん!」
曜「花丸ちゃんは、ルビィちゃんを!」
花丸「うん!」 ダッ
女「あぁ、ルビィ!ルビィ!」
曜「あんたの相手は、私だよ!」 ヒュッバシバシ! ビィー
花丸「大丈夫!?ルビィちゃん!」
ルビィ「は、花丸ちゃん!曜ちゃん!怖かったよぉ!」
花丸「まずは、逃げるのが先ずら!あっちの窓から逃げるずら!」
ルビィ「うん!でも、私、手足が...!」
花丸「分かった。窓は開けておく!」
花丸「自分で、逃げれる?」
ルビィ「うん!大丈夫!助けも呼んでくる!」 ピョンピョン
花丸「頼むずら!」
ルビィ「すぐ呼んでくるから!」ピョンピョン
花丸「うん!」 女「ふっふっ!...邪魔しやがって...!」 バシッバシ!
曜「いで...は、花丸ちゃん。ちょっと、こっちピンチ...!」
花丸「はぁ!?腕っ節に自慢あるんじゃなかったの?」
曜「こいつ...強い!」
花丸「一人で誘拐してるんだ!分かってたことでしょ!」
曜「いで!いで!」
花丸「あー、もう!加勢するずら!」 花丸「うぉりゃぁぁ!」
女「フンッ!」 ボゴォ!!
花丸「ぎゃっ」 ゴロゴロゴロ
曜「花丸ちゃん!?」
花丸「おら、武闘派じゃないんで...」 キュー
曜「弱すぎだから!」 女「ぐぬあぁ...」 ガシッ...
曜「ふぇ!?さ、鯖折り!?は、離せ!あいだだだだだ!」
曜「へールプ!花丸ちゃん、へールプ!死ぬ!死ぬ」
花丸「うぐぐ...ちくしょう...」
花丸「えと、な、何か武器は...あ!」
花丸「こ、これでも食らええぇぇ」ブンッ!
女「!?」 バコーン!!!
女「あが...が...ルビィ...」 ドサッ
曜「はぁ...はぁ...」
曜「ふ、フライパン?」
花丸「もう、無理...」 バタン ガランガラン...
曜「...はは」
曜「やっぱり、パンかー。善子ちゃん分かってるなぁー」 ポンッ --- --- ---
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梨子『...聞いたわよ。無茶したって』
花丸「...ルビィちゃんが助かったんだから、いいじゃない」
梨子『代わりに別の女子高生2人がボロボロじゃあね?ん?』
花丸「...はい。軽率だったずら」
梨子『分かってるなら、よろしい』 梨子『でも、あのタイミングで入らなきゃ、ルビィちゃんがマズかったんだから』
梨子『個人的には、いい選択だったと思うわ』
花丸「はは。曜ちゃんが聞いたら、調子乗りそう。絶対言わないでね」
梨子『もちろんよ』 梨子『曜ちゃんか...』
梨子『ラブライブの事件、引きずってない?』
花丸「最近は、全然ずら」
花丸「大泣きで電話が掛かってくる事、なくなったよ」
梨子『そっか...でも、支えてあげてね?』
花丸「むしろ、元気な曜ちゃんと一緒にいる方が、骨折れるずら」
梨子『あらまぁ。ふふ』 梨子『じゃ、今度、またゆっくり話しましょ』
花丸「うん」
梨子『あ、あと...』
花丸「ん?」
梨子『お誕生日、おめでとう』
花丸「...ふ。ありがとう」
ピッ 花丸「ふぅ...そろそろかな...」
ピンポーン
花丸「お。はーい。今いくずらー」 タッタッタッ ガラッ
ルビィ「花丸ちゃん!お誕生日おめでとう!」
花丸「へへ。ありがとう!ルビィちゃん!」 --- --- ---
ルビィちゃん失踪事件 終わり
花丸「オラはハッカーの日常」To be continued ... 読んでいただきありがとうございました。 阪神とは関係ありません。
また、スレ立て代行してくださったかた、ありがとうございました。
あと、花丸ちゃん誕生日おめでとうございます。
セブンのノートが「じょうほう」で、嬉しかったです。 結局犯人は自分をルビィの母親と思い込んでいる一般人なの? 乙です!
曜ちゃんに辛辣なマルちゃん好き…
次はルビィちゃん迷子事件も読みたいです 乙
安定クオリティで楽しめた
曜ちゃんは日常編の相棒になるのか おつおつ
毎度のことながら面白い
次回も待ってるぜ 面白かったです!
ダイヤさんってどんな位置にいるんすかね? ダイヤはヤクザの跡取りとして育てられたからいろいろ悟ってそう ハッカーとかよくわからんけどSS内のハッキング技術って実際できんのかな?
もはやファンタジーみたいでどこまでできんのかわかんねーな
おもしれーからなんでもいいけど コメント沢山...ありがとうございます!
シリーズとして、長くなってきましたが、お付き合い頂き、感謝しています!
また、少し期間が空くと思いますが、スレを立てた際は、よろしくおねがいいたします! サクッと楽しく読めて良かったよ。
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