真姫「天使の貴方」花陽「悪魔な貴方」
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「はっ、はっ……」
「ごほっ、ごほっ…大丈夫…?真姫、ちゃん…」
「全然…平気よ…!」
「……ごほっ…うぅ…」 「…ねぇ、花陽。星が綺麗よ?」
「え…?わぁ…本当…だ…!」
「私、ここまでのを見たのは初めてよ」
「…私も、初めて…こほっ…」 「…これも運命、なのかもしれないわね…」
「…お星様達も…ごほっ…お見送りしてくれてるのかもね…」
「ふふっ…本当に…空から降り出して来そうなほど」
「こほっこほっ…それもそれで…ロマンチックだね…っ」 「私達への…最高の手向け…」
「…今が1番…けほっ…幸せ…」
「そんなこと言ってられないわよ…っ、これからもっと色々見せてあげるんだから…!」
「えへへ…ごほっ…!真姫ちゃんをもっと…見ていたいな…」 「っ、もう…//…!!ほら…っ!」
「え…?」
「街の外れが見えてきたわっ!」
「ほ、本当だ…!こほっ…これ、が……」 「…この先を進めば大きな海が見えて、それを更に越えれば、きっと……!」
「けほっ…真姫ちゃんと…私だけの…新しい行き先が……」
「…飛ぶわ」
「だ、だったら私も…っ!」 「いいのよ、貴方を乗せたままでも行ける。今の私なら幾らでも無茶出来るわ」
「で、でも私が乗ったままだと、ごほっ…!翼の邪魔に…!」
「言ったでしょ?貴方を離したくない。この状態のままの方が私は…頑張れる」
「真姫ちゃん…」 「だから…安心しなさい…」
「…うん…っ、信じるよ…!」
「…ありがとう。じゃあ少し翼を広げて…−−−」
パァン…!! 「…っ!?」
「え…、何…?」
「痛っ…つっ…!!」
「…っ真姫ちゃん肩から血が…!!」
(…っ、こ、れは…銃…痕…!!) 読んでる時ずっと鏡面の波が脳内BGMとして流れてるわ 「真姫ちゃん…!ごほっごほっ…!大丈…夫…!?」
「まだ…何とか…平気よ…っ、でも……見つかった…!?」
「そ、ん…な…!!ごほっ…!どこ…から…!?」 パキュン…!
「う…っ!!」
「真姫ちゃん!!!」
(まずい、わ…!どこから狙ってるのか分からない、けど…私の方に的を絞ってる…!花陽が既に消耗していて…私より機動性のないのが見透かされてる…!!) 「っ!!」
「はな、よ…!?」
「どこにいるかわからないけどやめて!!げほっごほっ!!撃つなら真姫ちゃんじゃなくて…私に…して…!!!」
「やめなさい、花陽…!!私の上から…どきなさい…!!」 「だめだよ、真姫ちゃん…」
「え…?」
「真姫ちゃんにはまだ未来の…希望が…あるんだから…逃げて…生き延びて、ね…?」
「…っ、嫌よ…、そんなの無理よ…!!駄目よ…!!どいて花陽…っ!!!」 「あのね…私ね…?」
「っ、やめて…!お願い…っ!!どいて…!!」
「真姫ちゃんの…こと…」
「どきなさい花陽!!!!」
パンッ… 「うぁっ…」
「…っ!!!!」
「ぁ…ぅっ…ごほっ…げほっ…」
「花陽…っ!!!」 「…あの…ね…まき…ちゃん…」
「花陽…!!…はなよ…っ!!!」
「あ…い……し…………」
「はな、よ…?ねぇ、花陽…!!」
「…………」 「…辞めて……行かないで……」
「…………」
「私1人じゃ駄目なのよ……貴方だってそうなんでしょう…?」
「…………」
「私は1人じゃ……この涙も止められないのよ…!!」
「…………」 「…いいわよ……私を撃ちなさい……。どうせまだこそこそと狙いを定めているんでしょう」
「今更…こんなに疲れ切ってまで…彼女のいない世界なんて…もう嫌よ……」
「私達…一瞬だけでも…肉体だけでも…一緒よ…?花陽……」
「…暖かい……天使は冷たくなんか…ないじゃない……」 パキュッ…!
「んぅっ…!!がはっ、ごほっ…!!」
「…………はな…よ…?き…こ…える…?……」 「……わた…し…も……あ…い……し………て………」
「…………」
「…………」
__________ 「ふむ…近くに寄って見ても、やっぱりまだ若かった天使と悪魔の様ですね」
「私達と同じか、年下さんって感じがするね」
「その割には中々手こずりました。魔弾を何発撃ったか……」
「自分と同じ天使さんの方は私が1発で仕留めちゃったっ」
「あれは横取りですよ…ずるいです…」
「ちゅんちゅんっ♪」
「もう…」 「でも、すごいねこの子達…最期まで手を繋いでるよ」
「…それほど覚悟した上での逃避行だったというわけですか」
「だけど天使と悪魔のカップルは私達だけでいいもんね」
「カ、カップルって…//そ、それに、あまりそういうことを大声では…!」
「えへへ、つい…」 「…それでは…折角なので、この御二方の天使の羽と悪魔の翼だけ頂いていきますか」
「そうだねっ……あ、羽とか翼といえばこんな言い伝え知ってる?」
「一体どういう?」
「あのね、羽を取られた天使さんと翼を取られた悪魔さんは人間さんに生まれ変わるんだって!」 「…人間とはあの人間ですか?」
「うん!あの人間さん」
「…ありえません」
「えぇ〜そうかなぁ?」
「そもそも人間というものは我々が想像で生み出した架空の生き物なんですから…」
「そうだけど…でも、ロマンチックだと思わない?」 「私は浪漫主義ではないので」
「そういう話じゃないよ〜っ」
「さぁ、羽も翼も獲れたので行きますよ」
「も〜待ってよ〜けち〜現実主義さんめ〜」
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………… __________
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とある丘。
「あら…?わ、私……」
「あっ…あの…こんにちは」 「…っ、ヴェェ…!」
「あ、もしかして御用があってここに…?そうなると私、お邪魔でしょうか…?」
「…っ!そ、そんなことはないわ。用事があるとかそういうわけではないの…」
「そ、そうでしたか…よかった」
「…貴方こそ、どうしてここに?」 「私は…分からないんです…。自分がどうしてここにいるのかが…」
「えっ…その、私も同じ、なんだけど…」
「え…そうなんですか?」
「え、えぇ…」
「……」 「…その、今だけでも一緒して…いい、かしら…?」
「…!はい、私は全然構わないですよ」
「じゃあ…隣失礼するわね」
「はい…」
「……」
「……」 「青い空…とても綺麗ね」
「はい…雲ひとつなくて…何だか、解放感が…」
「あら、奇遇ね私もよ」
「ほ、本当ですか?」
「えぇ。それに何だか、落ち着く様な感覚も……」 「わ、私もです…!」
「ほ、本当…?」
「はいっ…!」
「……」
「……」
「…ふふっ」
「えへへ…」 「私は真姫、貴方は?」
「…花陽です」
「花陽…何だか…懐かしい響き…素敵な名前ね」
「ま、真姫さんこそ…大好きで懐かしいです!」
「な、何よそれ…//…あと、敬語も使わなくていいわよ。私もそうなんだし、何よりこそばゆいわ」
「…分かった、真姫ちゃんっ」 _____
2人だけの世界、彼女達がようやく真に愛し合えるのはそう遠くない未来。 おしまいです。
長々細々とすみません。
正直締め方にめっちゃ悩みました。
保守して下さった方々、最後までお付き合い下さった方々ありがとうございました。
ちなみに序盤に出てきたアルタイルとバテン・カイトスはそれぞれまきぱなの誕生星なのです ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています