珍しく沈んだ書きだし
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青春とは、明るい、華やかな、生気に満ちたものであろうか。 それとも、もっとうらぶれて、陰鬱な、抑圧されたものであろうか。 むろん、さまざまな青春があろう、人それぞれ、時代に応じ、いろんな環境によって。 ともあれ、いまこうして机に向っている私は、もうじき四十歳になる。 四十歳、かつてその響きをいかほど軽蔑したことであろう。 四十歳、そんなものは大半は腹のでっぱった動脈硬化症で、この世にとって無益な邪魔者で、よく臆面もなく生きていやがるな、と思ったものである。 まさか、自分がそんな年齢になるとは考えてもみなかった。 しかし、カレンダーと戸籍係によって、人はいやでもいつか四十になる。 あなたが二十七歳であれ、十五歳であれ、あるいは母の胎内にようやく宿ったばかりにしろ、いつかはそうなる。 人間というものはとかく身勝手なもので、私は五十歳になれば五十を弁護し、六十になれば六十を賛美するであろう。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています