令和6年度版 防衛白書によると 防衛装備庁 次世代装備研鑽所 領域横断機能研鑽部は人間の視界を360度に広げるゴーグルを開発。2つの全天カメラの映像を眼前の視界いっぱいに表示させる。それにより装着者の状況把握力を引き上げ、一歩先行く防衛を目指す。

 開発に当たり参考とされたのは視界の上下左右を反転させるゴーグルを装着した人間の脳研究である。それによると、装着者は初めは混乱するものの、最終的には自転車にも乗れるようになる事が確認された。故に眼前に360度の視界が見える環境であっても人はその環境になれるのではないか。その仮定の下開発が開始された。

 開発には市販品が利用された。全天球カメラはRICHO、その画像を処理するプログラムはPythonとopenCV、表示装置は中古スマホとハコ助。実験は飯岡支所の広大な敷地で行われた。その模様を写した映像等は公開されていないが、ヘルメットから突き出す2本のカメラと、段ボールのハコ助。背中に背負うゲーミングマシーン。その出で立ちは想像するに笑いを禁じ得ないのであるが、その基礎研究が我が国日本防衛の礎になるのである。