0001名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 13:22:53.49ID:hSwDdIzg
希「重なる気持ちと、分かれ道」
希絵里、真姫。海未凛、穂乃果メインのSSです
『八月のシンデレラナイン』のサブシナリオほぼそのままで。
漫画等の設定から穂乃果が元剣道部です
序盤スレ落ち防止まで手伝ってください
では
絵里「違うのよ!真姫」
真姫「分かった、もういいわ」
絵里「真姫まで怒らせてしまった…のかしら?」
真姫「私は怒ってるんじゃなくて、呆れてるの!」
「それに、話すべきなのは絵里じゃないと分かっただけ」
真姫「用は済んだから私は帰るわ、じゃあね」
バタン!!
バタン!!
絵里(真姫の言葉は耳が痛いわ。でも、さっき言われたことは事実)
(希のためと言いながら、ただ彼女のことを傷付けてるだけ…..)
絵里(今日、真姫が私のところへ来たのは)
(私自身の迷い、自らの道を考えるための必然だったのかもしれない)
はあぁ〜
絵里「何が正しいの?」
「私の本当にしたいことは何なのかしら・・・。希ぃ」
0072名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 21:13:57.67ID:hSwDdIzg
その夕方
にこ「ふっゆが始まるよ!」
「ホラまた ボクの側で〜」
真姫「なんなのよ、その曲は」
にこ「マッキーよ」
希「はああぁぁ、、。」
(だいぶ風が冷たくなってきたかも。乾燥してきてるから気をつけないと)
真姫「にこちゃん、今日は帰り道一人でいい?」
にこ「希が気になってんの?」
真姫「うん」
にこ「それじゃあ、希と絵里はどうする気なのか聞いておいてくれる」
(早く決めないとラブライブには間に合わない)
真姫「教えてくれたらね」タッタっ
希「今日は温かくして寝ようっと」
(熱が出たら大変や。。一人で横になって、不安な思いをしないといけなくなる)
パターッ
真姫「希、ちょっといい?」
「二人だけで話がしたくて。音楽室なら空いていると思うから」
音楽室
真姫「帰る予定だったかしら?呼び止めて悪かったわね」
希「気にしなくていいんよ。最近真姫ちゃんともお喋りしてないからな〜」
「なにかウチに相談でも?あっ、にこっちの事やろ〜」
真姫「今は希のほうがトラブっているんでしょ!ストレートに聞くけど」
「希は絵里の事をどうするつもりなの?」
希「うっわ。本当にストレートで聞いてきた」
「μ’sで作った曲には真姫ちゃんのそういう性格が出ているのかもね」
真姫「茶化さないで!」キッ
希「ごめんなさい。絵里ちの事は…、ウチも皆と同じように残念やと思っとるんよ」
真姫「そういう事を聞きたいワケじゃない!!」
「絵里の事で、『希が』!どうしたいのかって聞いているのよ」
希「それって、絵里ちを『μ’s』に呼び戻すとかそういう話なの」
真姫「希がそれを望むならば」
希「真姫ちゃんも意外と熱いんやね。いいと思うよ、本当に」
「でも、絵里ちの事を思うなら口出しすることなんて」
真姫「私は、そうは思えない!」
希「!!?」
真姫「ハッキリと言うわ。今の希を見てるとイライラするのよ!!」
「絵里のためって言いながら、単にビビってるだけじゃない!希のそんな姿を見たくないわ」
希「そんなことを言ったって仕方ないやん!!」
「絵里ちはスクールアイドルを、『μ’s』の皆を好きになってくれたんや」
真姫「そう。きっと絵里だって好きなのよ」
希「でも、同じくらいこの学校への思いもあるって、近くで見ていたウチが一番よく知ってるから」
「そんな彼女の想いを強引に曲げる事なんて、私にはムリや…」
真姫「絵里に聞いたの?」
「どう思っているのか。直接、絵里に聞いた上で言ってるの!?」
希「・・・、聞いてない」
「絵里ちが選んだのはこの学校、生徒会だった。それが絵里ちの意思なら尊重するのが当然だから」
真姫「『当然』か。ねぇ、どうしてそこまで大人ぶらなきゃいけないの?私達はまだ高校生なんだけど」
「それとも、希はそういう自己満足で納得するんだっけ」
希「そんな言い方せんといてや。。何も知らないくせに!!だって」
「だって、私のこの気持ちはワガママや!絵里ちにとって重荷にしかならない!!」
真姫(ホラ、ようやく本音が出てきた)
希「一緒にスクールアイドルをやり続けたいって言うのは、絵里の生徒会長としてやり遂げてきた事を否定する事になってしまう」
「だったら、ウチが我慢すれば・・・!」
0077名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 21:28:21.10ID:hSwDdIzg
真姫「好きにすればいい。でも、今の希は適当な理由を付けて諦めているだけじゃない」
「スクールアイドルを始める前、一人で音楽室に居た私と同じ」
希(そんな事もあったなぁ〜)
真姫「諦める前に、精一杯抗ってよ…」
「私をスクールアイドルに誘ったのは穂乃果だけど、最初のきっかけをくれたのは希だから!」
希(えっ?)
真姫「絵里が『μ’s』をやっているのも希が居たから、でしょう?」
「もし、絵里の立場だったら希の本当の気持ちを知りたい。それを知った上で判断したいって思う」
希(本当の気持ち)
真姫「最初から決めつける前に、絵里にその機会をあげるべきよ」
希「言ってしまっていいんやろか?」
真姫「当然でしょ」
「それならどんな結果になろうと後悔はしない…と私は思う」
希「真姫ちゃん、。」
真姫「これじゃ、いつもと逆じゃない」はあぁ
「なんで私が希にこんなことを言わなきゃいけないの」
希「本当にそうやね」アハッ
「でも、ありがとうな。真姫ちゃん」
真姫「別に。私の言いたいことを言っただけよ」
「だから、希も言いたいことを言いなさい」
希「そうする」ニッ
(絵里ちに、ウチの本当の気持ちを伝えないと)
次の日
希「くちゅん」
海未「あの〜、希」
「今日は顔色が悪くありませんか?」
希「そう?ウチはいつも通りのつもりでいるけど」
花陽「えっと、無理はしないでくださいね」
「もうすっかり寒くなってきましたから。。」
希「確かに、もうすぐ雪が降りそうな寒さやからな〜」
花陽「楽しみだな、雪」
「特別な気持ちになれて好きです」
穂乃果「それじゃあ、今日も笑顔で練習頑張ろ〜!」
「寒いからストレッチを入念に」
希(花陽ちゃんのように笑顔で雪を待ち焦がれたのはいつまでだったっけ?)
0080名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 21:33:45.12ID:hSwDdIzg
海未「では、次はバランストレーニングですね」
凛「いっくにゃ〜」
パン!パン!パン!パン!!
希(いつも通りに長くいられるよう重心を見極め)
(あれ、足がふらついて、。)
海未「希!?」
穂乃果「……ちゃん、希ちゃん?」
凛「大丈夫!?しっかりしてください」
花陽「ぴゃ!!すごい熱」
希(雪なんて降らなければいいのに…)
(雪で、ウチの進退と心が冷えてしまったら)
絵里『希ぃ!!』タッタ
希(彼女の温かさが、側に居て欲しい人が居なくなってしまった心細さでいっぱいになってしまうから。。)
保健室
希「ここは?」
絵里「っぁ」ぎゅうぅ
「気が付いたのね、希」
希「絵里ち!?どうして」
「そもそも、なんで私はここにいるの?」
絵里「無理に起きてはダメよ」
「熱が出ているのだから」
希「ねつ?」
絵里「ええ、驚いたわ」
「久しぶりに練習を見に行ったら皆が慌てていて、輪の中で希が倒れていたのだから」
希「そう。やったんか…」
「心配をかけてゴメンなさい」
絵里「まったく」
「でも、希が無事に目覚めてくれたからいいわ」ぎゅっ
0082名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 21:39:53.04ID:hSwDdIzg
希「ちょぉ、絵里ち?」
絵里「本当は、希が、もう死んじゃった、のかと、思っだんだがらぁ〜」ポタッ
「生きてて、ハラショーよ」
希(このポンコツぅ。ウチを勝手に)
絵里「の゙ぞみ゙〜」ポロポロ
希「はいはい。ウチは生きとるよ」サスサス
「あとでワシワシもたっぷりしてあげるからな〜」
希「……ずっとウチのそばに居たの?」
絵里「そうよ」
「久しぶりに見た希の寝顔はとってもハラショーだったわ」
希「もう。またそうやって、ウチをからかうんやから〜」
(笑いなのかため息なのか自分でも分からない吐息は思った以上に熱がこもっていた)
絵里「からかってなんていないわ。寝顔がとてもキュートで」
希「風邪を引くなんて…。久しぶりや」
絵里「真姫達から聞いたけど、最近無理をして練習していたそうね」
「そのせいかしら?」
希「絵里ち、怒っとるん?」
絵里「すこしだけ」
希「ゴメン。でも、熱が出てよかったのかも」
「絵里ちとこうやっておしゃべりできるんやから」
絵里「よくはないけれど、そうね」
「じつは、希に伝えたいことがあって」
希「??」
絵里「やっぱり。今日はこうして希の側にいるだけにするわ」
「何か欲しいものはある?」
0084名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 21:44:16.42ID:hSwDdIzg
希「ウチの欲しいもの」///
絵里「飲み物や、果物。買ってく」
希「私は」///
「わたしは前みたいに絵里ちと、二人っきりの生徒会室でゆっくりしたい」
希「絵里ちと同じ道を歩きたい!これからもずうぅっと同じ道を歩きたいんや!!」
絵里「希!?」///
希「絵里ちと一緒にスクールアイドルをやりたいんよ・・・」
(これはきっと熱のせい。今まで心に隠していた言葉が溢れ出してくる。こんな感触はいつ以来だろうか)
絵里「今日の希はワガママね」ふふっ
ぴとっ
希(絵里ちの手は優しくひんやりとしていて、心地がよかった。。)
数日後
海未「では、ラブライブ予選へ向けて本格的な朝練習を始めましょう」
希「どうして、ウチはあんなことを言ってしまったのやろ」
(思い出すのは保健室での出来事。熱に浮かされて、絵里ちに思いの丈を告げてしまったあの冬の日)
ことり「皆。大ニュースだよ〜」ダッダッタ
希(あんな風に絵里ちの気持ちを縛る事は言うつもりやなかったのに)はあぁ
(せめて、ウチらは練習を頑張って、絵里ちを安心させなアカン!)
穂乃果「ホントなの!ことりちゃん」
ことり「うん。お母さんが言ってたんだ〜」
海未「よかったですね。希」
希「へっ?何のこと」
にこ「もしかして、アンタ聞いてなかったの?」
「だから、絵里が」
絵里「希!!」
「遅くなって申し訳ないわね」
希「エ、エッ。え、絵里ち…?」
絵里「そこまで驚かなくてもいいじゃない」フフフ
希「だって最近は来てなかったし、。急に現れたから。つい」
「でも、こんな朝早くにどうしたん?気分転換なら放課後でも」
真姫「さっきのことりの話を聞いてなかったみたいね」
希「!!……ウチは変な期待をしているのかも」
「絵里ちがここに居る理由って?」
絵里「決まっているじゃない」ふふっ
「廃校撤回の手続きを全て終わらせてきたのよ」
!!
穂乃果「廃校じゃ、無くなったんだ・・・!?」
凛「来年から凛達にも後輩ができるの?」
花陽「なんだか、嬉しくなってきちゃった。。」
にこ「なぁに、1学期の終わりからほぼ決定していた事じゃない」
「宇宙ナンバーワンアイドル にこにー率いる『μ’s』にかかれば朝飯前」
海未「にこ、少しは察してください」
「あらためてよかったですね!希」
希「……、んっ、あぁ」
絵里「あらためて」コホン
「私達『μ’s』は本来の目的を達成することができました!!」
パチパチ
絵里「海未、少しの間だけ希と二人きりにさせて欲しいのだけれど」
海未「はい。穂乃果はもう出来上がってますし、皆にもそう伝えます」
絵里「ありがとう」
希「絵里ち・・・」
絵里「どうかしたの?希」
希「いや、ウチが聞いとった予定よりも早く終わったんやって思ってな〜」
絵里「そうねぇ。先生方が、さらに夜を徹して協力してくれたの」
「私は生徒会長っていう使命感に囚われすぎていたのかもしれない、そのせいで大切な人に寂しい思いを」
希「そんな!?ウチこそ」
絵里「希は私の事を許してくれる?」
「ここに戻ってくる前に希にそれを聞いておかないと」
希「絵里ち」
絵里「きっとあなたも本心では私の優柔不断さに腹が立ったはずよ!」
「覚悟はできているわ…」
希「おかえりなさい」ダキッ
絵里「ただいま」
希「ありがとうな」
絵里「ありがとうは私のセリフよ」
希「違う!絵里ちはウチの事も救ってくれたんだから」ギュウゥ
絵里「よく分からないけれど希の役に立てたのなら、それでいい」じぃ
希(絵里ちのその澄んだ瞳で見つめられたら、もうこれ以上言葉にはできない)
(絵里ちとスクールアイドルを続けられて本当によかったなんて)
希「さっ、そろそろ皆の所に戻ろ。『μ’s』の7人にも話をしないと」
絵里「一緒に行きましょう」
穂乃果「それじゃあ、練習再開するよー!!」
「みんな集まって、、。」
ことり「穂乃果ちゃん?」
穂乃果「やっぱりいいな〜って思ってね」
「あの日から。私達は9人でないとダメなんだなって」
絵里「!!」
希「そうやね」
凛「凛もそう思う」
絵里「私は希だけでなく、全員を心配させていたのね」
海未「はい!」
「ですが、絵里がしっかりと帰ってきたので特に言う事もありません」
絵里「海未、、」
にこ「さてと、久しぶりに全員揃ったのよ」
「ラブライブ予選のパフォーマンスについて話し合いましょ」
ことり「これまでも学園内でのイベント、夏祭り、まさかのファッションショー。どれも大成功で終えられたけど」
「廃校阻止達成後のわたし達の目標はもっと高いところにあるんだよね」
穂乃果「うん。今度の『ラブライブ』は絶対優勝しよう!」
「皆、優勝を目標に頑張って行こうね」
海未「競い合い、励まし合い、強くなって」
「皆で頑張りましょう」
おぉー!
0091名無しで叶える物語(みかん)2021/10/22(金) 22:03:14.04ID:hSwDdIzg
投稿規制が多くなってきたので、今日はこの辺りで
ちなみに、あとワード20Pほどが残っています
0092名無しで叶える物語(たこやき)2021/10/22(金) 23:37:15.87ID:j9d38UZv
温かい…
0093名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 09:31:15.97ID:Y0Dh4f+A
おはようございます。
再開で
帰り道
絵里「今日の練習も大変有意義なものになったわね」
「心に迷いがなくなったおかげかしら?身体がすごく軽くて」
希「」じぃ
絵里「どうかしたの、希?」
「さっきから私の髪を気にしているようだけど」
希「絵里ちの髪が長くて綺麗だなと思っただけや」うふふ
絵里「そうかしら?嬉しいものね」
「音ノ木の結末が決まるまでは切らないという願掛けのつもりで伸ばしていたのだけれど」
希「そうやったん?初耳や」
絵里「今は私達の夢をかなえるためという目標に変わったから」
「もうしばらくは長く伸ばそうかと」
希「ウチも、絵里ちと同じポニーテールにしようか〜」
「そうするんやったら、できれば同じ髪飾りで」
絵里「えっ!」///
希「少し切ってしまうのは忍びないけど結ぶだけなら簡単やし、生徒会でも気が引き締まりそう」
「それに、ほら。にこっちのあの髪型」
絵里「あのお手本のようなツインテール?」
希「聞いてみると、わざわざ髪を結んどるのはアイドルとしての自覚と、気合を入れなおすためなんやって」
「流石に、あのツインテールは真似できないけれど。絵里ちのポニテだったら」
絵里「な、なるほど…」
「にこは意外とそのままストレートの方がカワイイと思っていたのだけれど。そういった思いが込められているのね」
希「むぅ〜。そうや!」うふふっ
「せっかくなら髪色もお揃いのロシア色にしよか?ウチの全てを絵里ちの色に……」
絵里「あ、あのね、そ、そこまでは」///
「どうなのかしら?やめておいた方がいいんじゃない?」
希「あらら、どうしたん?」
「そんな嫌がられると少し悲しいわ〜」
絵里「嫌がっている訳ではないのよ!」
「あれよ、同じ髪の生徒がいると、替え玉と思われてしまう可能性があるわ!」
希「替え玉、そんなふうに思われるんやろうか?」
「ウチと絵里ちは見た目も雰囲気も違って」
絵里「それに、私のこの髪色は地毛よ!」
「同じ髪色は難しいんじゃないかしら・・・」
希「まぁ、全然違うからこそ絵里ちに魅かれたのやけれど」
絵里「あ、ありがとう」
「でも、やはり、その。お、おお…」
希「おお?」
絵里「おそ、おソロ・・・。お揃い、というのは!」///
希「あ〜、分かったわ」うふふっ
「絵里ちはお揃いって言われて照れてるん」
絵里「ちょっと、希!?」///
「何を言っているの」
0097名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 09:42:14.13ID:Y0Dh4f+A
希「冗談、冗談」
「大丈夫、絵里ちが恥ずかしがり屋な事はちゃんと分かっているから」
絵里「まったく、からかわないでよ」もぅ
希「でも、そうやな〜。。お揃いを止められたのはちょっと悲しいから」
「今度はウチが選んだ髪飾りで髪を結んでもらえる?」ふふっ
絵里「そのくらいなら」
(お揃いに比べれば、むしろ気楽で)
希「ホントに?よかったーー!」
「じゃあ、早速アクセサリーを選びに行かないと」
絵里「ちょっと、希!」
「そんなに引っ張らないで〜」
希「思い立ったが吉日や!!」
数日後
海未(絵里が戻ってきてから部の雰囲気が良くなった感じがしますね)
(そして、希も元気を取り戻した様子で、上手くまとまってくれてホッとしました)
ビシッ!
絵里「以前よりも格段にバランスがよくなっているわ、希」
希「ありがとうな。絵里ち」
「でも、『ラブライブ』に向けてはこれからが本番。この程度で満足はできないんと違う?」
絵里「そうね。予選本番では、今までのどれよりも素晴らしいパフォーマンスをしないと」
海未「ふふっ」
凛「海未ちゃ〜ん、お疲れ様!」
海未「おや、凛。あなたも休憩でしたか?」
凛「うん。ちょっと水分補給を」
「海未ちゃんが休憩してたから、凛も一休みしたくなって…」
海未「私が休んでいるからといって、凛まで休む必要はないのですよ」
凛「あのね!その、海未ちゃんがニコニコしていたから良いことがあったのかなって聞きたくて」
海未「そうですねぇ」ん〜
「アレですよ、アレ」
グッ
絵里「もう少し強くしてもいい?」
希「ウチはまだまだ大丈夫そうやけど?」
ぐいいぃー
絵里「ハラショー!」
「希は元からみんなと同じくらいには体が柔らかかったけれど、もう私と変わらないくらいね」
希「いやいや、絵里ちと比べたら全然や。でも毎日頑張ってきた甲斐はあったかも?」
「それと、他の皆も同じくらいには仕上がっとるんよ」
絵里「ホントなの?」
希「穂乃果ちゃん達も『絵里ちゃんがいつ帰ってきても、戻ってみて悲しまないように。練習に手を抜かずやろう』って」
絵里「そう。。」
ニヒヒ
希「絵里ち、そんなしんみりした顔するんやったらワシワシや」
ワシワシ
絵里「ちょっ、希!今は部活中なのよ」
希「ちょうどいいやん。復活祝いで増量させてもらうな〜」
ボヨンボヨン
海未「はあぁ…」
凛「乳が乳を主張してるにゃ」
「でも、とってもいい空気だよね」
海未「はい!」
凛「絵里ちゃんが戻ってくれて、μ’sの皆が自然な笑顔になれた気がする」
海未「それに、なんと言えばいいんでしょうか」
「絵里と希はただ仲が良いというだけではなく、互いに認め合っているパートナーみたいな」
凛「なんとなく分かるにゃ」
「支え合ったり、競い合える人が居るともっと頑張ろう!一緒に上手くなりたいって思えるよね」
0102名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 11:29:33.13ID:Y0Dh4f+A
海未「そうです」
「二人を見ていると私も負けてはいられません!」
海未「最後の予選では私達の連携で魅せられるようにしっかりと練習をしなくては」
凛「もちろん。頑張ろうね、海未ちゃん」
海未「休憩は終わりにして練習再開です」
「凛。二人を追い越せるくらい最高のスクールアイドルになりましょう」
夕暮れ(海未・凛)
凛「だから、どれだけ頑張っても限界はあるから」
「お互いの身長差、体を動かせる範囲を細かく共有しておく必要があるかなって」
海未「なるほど、そこが分かっていれば不意にぶつかるリスクをさらに減らせますね」
凛「海未ちゃんや、かよちんだったら。なんとなく分かるし、凛が動ける範囲も分かってもらえるから楽なんだけど」
海未「そういう意味での言葉では表せない細かな連携も大切」
「やはり体を動かす事に慣れている人は違います!スゴイです、凛!」
凛「え、えぇ!?」
「そんな、、。凛なんて、凄くはないんだよ」
海未「私は凛の事を尊敬できます!」
「凛は素晴らしい!それでいいんですよ」
海未「凛がいなければ私はつつましやかな胸の魅力に気付くことができずにいました」フンスフンス
「胸は大きいものだけに需要があるとも限りません!」
凛「・・・」
海未「凛?急に黙ってどうしましたか」
凛「うぅ」ぐすっ
海未「やはり!認められているモノはことりや花陽のような」
凛「ちが、、。すごくうれ」ぐすっ
海未「血が、すご売れ、、?」
「スプラッタな話とかは好きではなく」
凛「違うにゃ。。凄く嬉しくて」
「凛は希ちゃんと絵里ちゃんの事がすごく心配になって…でも、羨ましいとも…思っていて」
海未(凛、、。)ギュッ
凛「だって!凛が居なくなってもあんなふうに心配したり、戻ってきて欲しいとか思ってくれる人は、居るのかなぁ・・・って」
「さっきの言葉を聞いて、海未ちゃん認めてもらえたような気がして」ぐすっ
海未「当たり前の事ですよ」
凛「ゴメンなさい」
「凛、急に変なことを言っちゃって」
海未「凛、以前の私達はとてもぎこちないものでしたよね」
凛「うん。仲良くなれたのは最近なハズなのにずっと昔に感じる」
海未「そうですね」
「あの時間があったからこそ、今では最高の」っコホン!!
凛「大丈夫?まさか!海未ちゃんも風邪を」
海未「違います」///
「その、いつになるかは分かりませんが、私達もあの二人に負けないような」
凛「えっ?」
海未「わ、忘れてください。凛には花陽が居ますから・・・」
凛「凛じゃ、釣り合わないよ。全然女性らしくもないし。。」
「でも、かよちんとは友達だよ。これからもきっと」
海未「りーんーー!」
「アナタも言うようになりましたね!」
凛「えへへっ」
海未「では、今度の休日に一緒に山に登りませんか!?」
「ちょうど1日で行ける範囲に初心者向けのよい山があるので」
凛「登山?海未ちゃんと?」
海未「登山に必要な道具一式は私が揃えておきますから安心してください」
「山は良いところですよ。自然の中で開放的な気分になれます」
凛「だったら、凛も登山に挑戦してみようかな〜」
「山を登りながらいろんな話をしようよ」
海未「はい!」
0107名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 14:16:56.50ID:Y0Dh4f+A
夕暮れ(希・絵里)
希「」
絵里「どうかしたの、希」
「皆はもう帰ってしまったわよ?」
希「別に、何かしていたわけじゃなくて、ただ」
「この光景がとても美しいと思ってな〜。この学校の校庭から見る夕日が」
絵里「分かるわ、希」
希「なあなあ、絵里ち」
「ウチが子供の頃から両親の転勤で日本全国を転々としていたのは話したっけ?」
絵里「ええ。一応は」
希「この言葉使いも、色んなもんが混ざってしもた。その結果や・・・」
絵里「確かに。。希の言葉遣いは特徴的よね」
希「小学校の頃は、よく一人で帰っていたわ〜」はあぁ
「楽しそうにははしゃぎながら帰るクラスメイトを見ながら」
絵里「疎外感、かしら?」
希「そうやね、言葉にするとそうなる」
「誰かにいじめられるようなことはなかったんやけどね」
絵里「希?」
希「ただ、異質な相手として見られとった」
「子どもってそういう所に敏感やろ?無邪気に残酷だし…」
絵里「なんとなくだけど、分かるわ」
希「そんなときや。ある人のすすめでウチが占いを覚えたのは」
「始めての友人もできた。少しだけ自分の居場所のように感じることができた」
絵里「そのように感じられる場所があるのは素晴らしいことじゃない」むぅ
希「絵里ち、少しヤキモチ焼いてくれたの?」ふふっ
絵里「そんなことは」///
「少しだけ、ちょっとだけよ」
希「今日の絵里ちは可愛いな〜」うふふっ
「でも、そういうタイミングでまた転校してしもうたけど・・・」
絵里「希!」
希「本当に言いたいことを言えずにいる間に、時間はどんどんなくなっていって」
「いつの間にか、誰にも気づかれないように皆に背を向ける事しかできなかったんや!」
希「我が強い子、元気な娘、それを優しく見守る子・・・」
「どんな子だったかは憶えているけれど、名前はもう忘れてしもうた!!」
絵里「だから希は、『μ’s』の皆の事をこんなにも気にかけていたのね」
希「うん。ウチは今度こそ作りたかったんや、、。」
「自分の居場所を」
0110名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 14:27:35.82ID:Y0Dh4f+A
絵里(希、アナタは本当は)
希「でも、また同じことを繰り返すところだった」
「本当のウチの姿は」
絵里「私にも新たな目標ができたわ!」
「『μ’s』を守るアナタを、守るという目標が」
希「もう、絵里ちは。。」
「どうして、そうやって、いっつもウチを泣かせようとするんや」
絵里「えっ、あぁっ、な、泣いちゃダメよ!希」
「そんな考えはないのよ!」
ふうぅ〜
希「でも、感謝しとるんよ」
「絵里ちが居てくれて本当に良かった」
絵里「私の方こそ」
「希と出会えて本当によかったわ」
希「絵里ちに、面と向かってそう言われるとなんだか照れてしまうわ」
「そろそろ荷物を持って帰らんと」
絵里「そう。ね」
希「絵里ちはさっき」う、うぅ
「『ウチを守る』って言ってくれたよね?」
絵里「そうだけど、それがどうかしたの?」
希「あのな。それで、えぇ〜と」
「今日は一緒に帰ってくれるの?」
絵里「もちろん」
希「なら、その…。校門、校門まででいいんよ!」
「て、手を繋いで帰ってもいいやろか!?」
絵里「手?」
希「あの、ウチは」
「小学校の頃にお友達と手を繋いで帰ったことがないから、ずっと憧れていてな」
希「本当に嫌じゃなければ、なんやけど、。」
「でも恥ずかしいよね。高校生にもなってそんな・・・」
絵里「希」
希「は、はい、、。」
絵里「さぁ、お手をどうぞ。お嬢様」
希「ありがとう。絵里ち」
(『μ’s』の8人に、あなたに出会えたことが。ウチの救いや!)
0113名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 14:33:54.33ID:Y0Dh4f+A
ラブライブ予選
希 海未 穂乃果「不思議だね、いまの気持ち」
「空から降ってきたみたい」
絵里 花陽 にこ「特別な季節の色がときめきを見せるよ」
〜〜〜♪
ある日の屋上
真姫「なんだか嬉しそうね。希」
希「もちろん」ふふっ
「だって、こうやって皆と一緒にお昼を食べているんやから」
ことり「皆で食べるとより美味しく感じるね」
花陽「はい!白米がいつもより輝いて見えます」
真姫「私は教室まで押しかけてきた皆に巻き込まれて食べているだけなんだけど・・・」
海未「夜討ち朝駆けといいますから」
にこ「今は昼でしょ」
0115名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 14:40:18.30ID:Y0Dh4f+A
海未「おや?いけません」
「醤油差しを忘れてしまいました」
にこ「はぁ!?マイ醤油差しとか持ってきてるの」
「どう考えてもかさばるでしょ」
海未「何を言っているのですか、にこ。当然の事です!」
「和食の味というモノは醤油の味ひとつで変わるものですよ!」
凛「だったら、凛が取ってくるよ」
海未「このまま食べるのももったいない気がしますし」
「凛。一緒に戻りましょうか」
穂乃果「いってらっは〜い」モゴモゴ
「早く戻ってこないと、穂乃果が食べちゃうからね」
真姫「なんていうか…。海未も面白い人よね、お醤油ひとつで」
ことり「でも、海未ちゃんが使っているお醤油は美味しいんだよ。珍しい物みたい」
真姫「ふ〜ん」
希「どうかした?真姫ちゃん」
「ウチの方をじぃーっと見て」
ことり「もしかしてお茶のお代わり?」
「今日は桜のフレーバーティーにしてみたんだ〜」
真姫「違うわよ、。」
にこ「お昼ご飯のリクエストとか?」
「まったく、しょうがないわねぇ〜」
穂乃果「はいは〜い」
「パン!パン、パンを是非に!!」
花陽「いいえ。ここは白米に合うおかずを」
真姫「いや、食べ物に関する事でもないわよ」
「単に、希がすっかり元気になったって思っただけで」
希「そやね〜。守りたい場所があるからかも」
「これからに、落ち込んでばかりもいられなくて」
真姫「じゃあ。私を誘ったワケって…」
「今度は私に何かあるんじゃないかと心配しているのかしら?」
穂乃果「えぇ〜!?」
「ホントなの?希ちゃん」
希「そんな予感はないなぁ」
「もちろん。『μ’s』の事はいつも気にかけとるんよ」
穂乃果「よかった〜」
希「単純に今日のお昼は皆でご飯が食べたいと思ってな」
「メンバーで一緒に過ごすお昼って素敵やない?」
真姫「ホントに物好きね」ふーん
希「ウチは真姫ちゃんの事が好きで」
「そして、『μ’s』の皆が大好きや」
にこ「よくもまぁ、そんな恥ずかしい言葉をサラサラと言えるわね」
穂乃果「穂乃果はイヤッて訳じゃないかも」
ことり「ことりも!」
希「よかった。これからもみんなの都合のいい時に一緒に食べたいな」
真姫「まぁ、何でもいいわ」
「にこちゃん、その卵焼きもらうわよ」
にこ「ぬわっ」
「マッキー、せめて等価交換を要求するにこーっ」
バタン!!
海未「さあどうぞ。絵里」
0119名無しで叶える物語(みかん)2021/10/23(土) 14:50:32.97ID:Y0Dh4f+A
絵里「皆、遅れてごめんなさい」はぁはぁ
「生徒会の用事が長引いてしまったの」
希「いいんよ、絵里ち。おかえりなさい」
絵里「ただいま!希」
希(今も、そしてこれからも・・・)
(『μ’s』の皆で過ごす美しい思い出を、絢瀬絵里と過ごす美しい思い出をいっぱい作っていきたい)
さぁ!明日は『ラブライブ』決勝戦
(了)
以上です
読んでくれた皆さんに感謝を
アゲが多すぎたかもしれませんが、そこは大目に見てください