0001名無しで叶える物語(たこやき)2020/06/10(水) 23:48:22.37ID:OkGCi3H+
第1話 顧問の先生です
園田海未です
我々アイドル研究部、μ'sもメンバーが9人と多くなり、
2学期から正式な部活動として、転任されてきた先生が顧問に就いてくださる事になりました
なので今日は練習前に部室で就任のあいさつをしてくださるそうです
海未「えぇ…
鬼塚先生は命がけで私の退部を取り消してくれました!
だからたとえ穂乃果、貴女が辞めると言っても私は残ります…!」
穂乃果「…そうだよ!
あんなになってまで海未ちゃんを守ってくれた先生の頑張りを無駄にしたくない!!
…でも!
やっぱり辛いよ!!!
せっかく海未ちゃんが戻って来たのに…今度はことりちゃんが…!」
絵里「…」
希「…」
にこ「…」
真姫「…」
凛「…」
花陽「…」
…誰も穂乃果の慟哭に応えられませんでした
そして長い沈黙が始まろうとしたその時――――
英吉「おぅ!お前ら!!
元気にしてたか!?」
何と…!
まだ後一週間は入院中の筈の先生が突然やってきました!!
穂乃果「先せ…いぃ!!?」
大きな袋「んー!んー!
うー!うー!」
絵里「…ハ、ハラショー…!」
先生が突然やってきました!
大きな袋を背負って…
大きな袋「むー!むー!」
真姫「一体、それ何なのよ…!
…イ、イミワカンナイ!!」
大きな袋は何かが入っているようで、しきりに蠢き、呻きます…!
みんないつも必要以上に元気な先生が来れば、
この悲壮感漂う空気を払拭してくれるのではないかと期待しておりました…
大きな袋「んー!んー!」
そして先生はそんな悲壮感を一掃してくれました!
ただしその方法は予想外過ぎましたが…
大きな袋「うー!うー!」
それにしても…何が入っているのでしょうか?
蠢き、呻いていることから生き物だと思うのですが、
人間ほどの大きさがあります…!
しっかりと先生が袋の口を握ってはいますが、
こんな大きな生き物がいつ飛び出してくるかと思うと、
もう先程の悲しみなど完全に忘れて恐怖と緊張が走ります…!
大きな袋「むー!むー!」
英吉「それにしてもすっかり麻酔が切れちまったな
まぁ起こす手間が省けていいかw」
花陽「あ、あの…先生?」
凛「その袋の中身は…何なのかにゃ?」
英吉「ん?
これはお前らが今、一番欲しいものだと思う!」
にこ「いえいえいえ、私達別に動物なんて欲しくないですよ!?」
英吉「いや、生き物は生き物だけど、どちらかと言えば…鳥?」
希「鳥?…エラい大きな鳥…なねぇ…?」
英吉「まぁとりあえず出すぞ?」
穂乃果「ちょ、先生、出して大丈夫なの!?」
英吉「大丈夫だって!
今は手足縛って、口もガムテで塞いでるから咬んだりしねぇよ!」
海未「…とりあえずそろそろ出してあげてください」
海未・英吉以外「ええぇ!!!?」
この呻き声…
大きさ…
そして鳥…
何より今までの先生の無茶苦茶さ加減…
それらを統合すると私はとんでもない答えに気づいてしまいました…
英吉「じゃあ出すぞ?
…ホイ!」
海未・英吉以外「ええぇ!!!?」
海未「お、お帰りなさい…」
海未・英吉以外「ことり(ちゃん)!!!!??」
袋の中から出てきたのは両手両足を縛られ、口をガムテープで塞がれたことりでした
とりあえず先生と穂乃果と私はそれらの拘束を解いていきます
ことり「はぁ…はぁ…
死んじゃうかと思ったよ…」
英吉「わりぃわりぃ
どうしても…
どうしてもお前とこいつらに確認したい事があってな
だから…空港から拉致ってきたぜ!」
穂乃果「ら、拉致って来たって…!」
希「今日の占いでは思いがけない出会い有りと出てたけど…
思いがけなさ過ぎるわ!」
海未「な…何なんですか!?
それは!
今回ばかりはふざけるにしては度を越しています!!
本当なら…ことりは留学先に向かう飛行機の中にいるはずです!
それなのに…こんな…生徒の将来を…」
私は嫌な子です…
本当は…思いがけずことりと…再会できて嬉しいのに…またこんな小言ばかり…!
そんな風に私が自己嫌悪に陥ってると、
先生が何かを取り出しました
英吉「俺が自腹で用意した来週の便の…南の留学先行きのチケットだ
テキトーに言い訳すりゃ到着が1週間遅れるくらい大目に見てくれるだろ…
…長期留学なんだしさ」
そのチケットを見ると胸が苦しくなりました
先生を非難しながらも…どこかでことりと別れなくて済んだと安堵していたのが、
ただの先延ばしだと実感させられました…
英吉「で…ここから本題だ!
お前ら…どうしたい?
んで…南にどうしてほしい?」
絵里「やっぱりこのまま留学…すべきだと思います
将来の事を考えると…」
にこ「私もそう…思います
せっかくのチャンスなんですから…」
チケットをチラつかせながらの先生の問いかけに対して、
絵里とにこが搾り出すように答えます
英吉「ご立派な模範解答だけど…
どーにも歯切れが悪いな!
これだから優等生のお嬢様方はよぉ〜」
真姫「…当たり前じゃない!!
正しくったって…
仲間と…ことりと別れるのは…悲しいんだから…!」
英吉「…だよな」
花陽「そうだよ…
やっぱり…寂しいよ…」
凛「凛もだよ…
かよちんがそう言うからじゃない!
凛だって寂しいよ!」
ことり「みんな…ごめんなさい…」
絵里「みんな…ことりを…困らせちゃ駄目…よ…」
にこ「そうよ…ここは…笑って…送り出してあげるところ…よ!」
そうなのです…
先生にも言われましたが、にこの言う通りです
でも…
どうしても笑顔になんて…なれないです…!
英吉「…穂乃果!!」
…先生が穂乃果に強く促します!
そして穂乃果は…私達の気持ちを代表して言ってくれました!
穂乃果「ことりちゃん!
…行かないで!!
我儘だって…わかってる!
せっかくのチャンスを台無しにさせてしまうかもしれない!!
でも…行かないで!
私は…私達はことりちゃんと一緒にいたいの!!
ことりちゃんとスクールアイドル続けたいの!!
離れたく…ないよぉ…!!」
英吉「…だそうだ
それで南、お前はどうなんだ?
どんな答えでもいい!
穂乃果がはっきりと言ったようにお前もそれに応えてや…!?」
先生が言い切る前にことりは無言で答えてくれました!
ことりは先生が弄んでいた航空券を奪い取り…
英吉「!!!!!!!!!!!???」
ビリビリビリビリビリビリッ!!
何と勢いよく細切れに破ってみせたのです!!
ことり「これが…私の答えだよ…
みんな…ごめんね?
そして…ありがとう…!」
そう…ことりは涙塗れの微笑みとともに応えました…
海未「…ことり!!
見事です!
貴女の答え…しかと…しかと受け取りました!」
穂乃果「ことりちゃん…お帰り!!」
希「やっぱり…μ'sは9人おってこそ…
μ'sやね!」
こうしてことりの留学の意思はなくなりました
ことりの将来を思うと心苦しいのですが、
このまま自分達の気持ちに嘘をつき続ける事を考えればこれでよかったのかもしれません
そしてそれはことりも同じでしょう
だって…今のことりの顔はこれ以上ない程に幸せそうです!
海未「先生…これで良かったんですよね?」
私の問いかけに応えず、先生が号泣してます
英吉「………」
でも感動しているというより…
怒ってます?
海未「せ…先生?」
英吉「…良くねぇ!!」
花陽「えぇ!?」
絵里「ど、どうしてですか!?」
英吉「どうしてって…
お前ら、あのチケットいくらしたと思ってんだよぉ〜!!」
にこ「あ…確かに…」
ことり「ご、ごめんなさい…
つい勢いで…!」
英吉「お、お前…勢いでって…」
真姫「何よ!
せっかくこんなドラマチックなシーンで!
たかがチケット一枚でケチ臭いのよ!!」
英吉「このブルジョワめ!
お前に薄給の俺の気持ちがわかってたまるかぁー!!」
ことり「せ、先生!
私、お母さんに頼んでみるね?」
英吉「頼むぜ!
あれを払い戻せないと俺、どうな…?」
そこへタイミング良く理事長がやって来ました…
理事長「ことり!
やっぱりここにいたのね!」
英吉「理事長!
聞いてくださいよ!
あんたの娘さん、俺が用意したチケット、破いちゃったんすよ!」
先生、当然のようにチケット代を請求しようとしてますが、
今のご自身の立場、分かってらっしゃいますか?
…チケットを破られたショックで忘れられてるんでしょうか?
この誘拐犯は…
理事長「!…先生もいらっしゃったんですね?
実は私も先生にお話があったんですよ!
ほら…ことりを連れ去った件とか…!!」
英吉「!!」
こ、怖いです!!
こんな般若の様な形相の理事長は見た事がありません!
そんな形相の理事長は逃げようとする鬼塚先生の耳を引っ張って連行します
しかし去り際に…
理事長「ことり、私は貴女の気持ちを尊重します
後の事は私に任せて、貴女は今やりたい事を頑張りなさい!」
この時だけはいつもの優し気な理事長の顔です
そして…再び鬼塚先生を引っ張って、この場から立ち去られました
ことり以外「お帰り!
ことり(ちゃん)!!」
ことり「ただいま!!」
ようやくみんなの笑顔が戻ってきました
そして…
全員「あははははははは!」
笑い声も…!
これらを取り戻してくれたのは鬼塚先生のお陰です
…正直、鬼塚先生は教師として色々問題のある方です
ですがその破天荒さは私達には出来ないどころか、
考えもしない力技で色々な問題を解決してくれます
私達は…そんな先生を何だかんだで頼りにしています!
鬼塚先生、これからもよろしくお願いしますね!
――――第一部 完――――
第二部ダイジェスト予告!
ツバサ「そう…率直に言うと引き抜きです
そうですね〜
来ていだたけるんならギャラは倍、そして特別宿直室の居住権、さらには…
練習後に私達3人、マッサージを…」
英吉「し、してくれるの?
もしくはさせてくれるの!?」
海未・絵里「先生!!!!」
英吉「じょ、ジョーダンだよ!」
ツバサ「そう!冗談です♪」
英吉「なに――――――――――!!?」
英吉「まさか郁也、お前がA-RISEの顧問になっているとはな…」
郁也「彼女達は…A-RISEは卒業と同時にウチの事務所からのプロデビューが既に決まっている
悪いが今回もA-RISEがラブライブを制覇して、彼女達のプロデビューに弾みをつけさせてもらう!」
海未「ふ…このような普通のドラマの接吻シーンなどw
鬼塚先生が所持されているDVDに比べれば子供騙しですよ…」
ことり「う、海未ちゃん…
一体、何を観たの…?」
海未「本当に…鬼塚先生はいつもこうなんですよ!」
内山田「わかる!わかるよ園田君!
君の気持ちは痛いほどよく分かる!!」
海未「嬉しいです!
わかっていただけるんですね
内山田先生もやはり相当なご苦労を…!」
海未が休んでいる今日は私が先生を制御しないとダメね!
絵里「先生、この臭い…またどこかでタバコを吸われてましたね?
海未に何度も言われていると思いますが、音ノ木坂の敷地内はすべて禁煙です!」
英吉「な、なんか絢瀬、今日は厳しくないか?
いつもは園田からかばってくれるのによぉ!」
凛「なんか昔の絵里ちゃんみたいだにゃ!」
海未「申し訳ありません!
鬼塚先生の無二の親友と聞いておりましたので、弾間さんもてっきり冴島さんのような方だと思い込んでおりました…」
龍二「園田さんと言ったよね?
頼むから…頼むからあいつとだけは同列にしないでくれ!!」
こ、こういった時の迫力は流石に鬼塚先生のお知合いと納得です!!
荒羅木「スクールアイドルも…
ラブライブも…
規模が大きくなり過ぎた
そうなればそれなりの秩序、統治が必要…
…だと思わんかね?」
英吉「ダチと舎弟が総出でお前らの花道を用意してくれたぞ!
…雪の花道をな!」
海未・穂乃果・ことり「先生、皆さん…ありがとう!!」
英吉「さぁ園田、乗れ!」
海未「はい!」
英吉「龍二!冴島!
ことりと穂乃果を頼むぜ!」
龍二・冴島「任せろ!」
ことり・穂乃果「よろしくお願いします!!」
英吉「スクールアイドルはなぁ…
ラブライブはなぁ…
テメェら薄汚ねぇ連中が土足で踏み込んで、喰いモンにしていいもんじゃ…
…ねえんだよ!!!!!」
先生…私は信じてます!
たとえ獄中に堕ちられても…
貴方の中に正義があったんだという事を…!
乞うご期待!!…しないでね?
次回作楽しみに待ってるわ
海未と内山田の会話は面白そう
今まで保守、感想ありがとう
続きは少なくとも元々書こうとしていたオムニバスSSの完成や
以前上げたSSの続きを書いた後になると思う
後、書くにしてもだいぶ先になるから改めて別スレ立てるつもり
最後にとりあえずpixivに上げといたので報告
タグは #ラブライブ #GTO #園田海未 #鬼塚英吉 とか
0360名無しで叶える物語(SB-Android)2020/06/30(火) 21:10:44.99ID:lLC5DFiU
その日を楽しみにしています。乙!
>>361
読んだ事ないのにこのSS読んだの?
なんか凄いな 俺もGTOはタイトルしかわからんがこのSSは普通に楽しめたし面白かった
そう言われるとありがたい
でも言うまでもないけど、本家の鬼塚はこんなもんじゃないよ
俺もコミック買い直そうかな
今なら売った時より安く手に入りそうだし…
本家GTOっぽさを上手くいれててめっちゃ面白い
一気に読んだ
第2部も期待してます