彼方「ーーなんて浮かれてたけど……最近のかすみちゃん、大丈夫かなぁ……？」
せつ菜「ええ、ちょっと気負い過ぎてるような気も……」
エマ「かすみちゃーん、少し休憩しよう？」
かすみ「結構です、私もっとダンスのクオリティを上げなきゃですから」
エマ「かすみちゃん……」
彼方「あんまり頑張りすぎは良くないよ〜」
かすみ「彼方先輩がそれ言います？」
彼方「だよね〜……」
せつ菜「とはいえ、あまり無理すると身体にも良くないですよ？」
かすみ「それくらい自分で分かります、ほっといてください」ﾌﾟｲｯ
せつ菜「かすみさん……」
せつ菜「ーーといった感じで……」
愛「んー、かすみん1位になったのがプレッシャーになってるのかな？」
果林「かすみちゃんって真面目さんだから、期待に応えなきゃって力んじゃってるのね」
愛「ほっとくと大変なことになっちゃうかもねー……」
歩夢「かといってあんまり私たちが何か言うと逆効果な気もするかな……」
愛「ツンデレだからねーかすかす」
果林「今はそれとなくフォローしてあげるくらいしか出来ないわね」
歩夢「そうだね……」
かすみ「ここで……ターン！」
果林「かすみちゃん危ない！」ﾊﾞｯ
かすみ「わわっ！」
果林「何してるのよ、あんな姿勢じゃ無理に決まってるじゃない」
かすみ「……すみません」ﾑｯ
歩夢「かすみちゃん、もしかして今のって愛さんの真似？」
果林「えっ？」
かすみ「……違います、私が考えた振り付けです」
歩夢「そう……」
かすみ「……飲み物買ってきます」
果林「かすみちゃん……」
愛「駄目だよーそんなストレートに指摘しちゃ」
歩夢「ごめんなさい……」
愛「あと愛さんのだけじゃなくて果林とかせっつーのも真似してるっぽいよ」
果林「なんでそんなこと」
愛「うーん……多分今までと違う何かを探してるのかなー？」
歩夢「違う何か……」
愛「まぁそれで迷走しちゃってる感あるけど……」
果林「……」
果林「ーーという具合ね」
璃奈「璃奈ちゃんボード『心配』」
しずく「……」
果林「しずくちゃん？」
しずく「……」
璃奈「何か思い付いた？」
しずく「少し手伝ってもらえますか？」
璃奈「当たり前、璃奈ちゃんボード『むんっ』」
果林「任せて大丈夫なの？」
しずく「上手くいくかは分かりませんけど……やってみます」
かすみ(もっとかっこよく……)
かすみ「……」
かすみ(もっとセクシーなのも……)
かすみ「わっ……もう一回……」
かすみ(もっと上手に歌って……)
かすみ「1位は私だから……」
かすみ(もっとふんわり……)
かすみ「……違う……なんで出来ないの……！」
ｶﾞﾗｯ
しずく「まだ練習してたんですね」
璃奈「かすみちゃんお疲れ様」
かすみ「……お疲れ様」
しずく「璃奈さん、せっかくだからかすみさんにも見てもらいますか？」
璃奈「璃奈ちゃんボード『賛成』」
かすみ「なんの話ですか」
しずく「新しい振り付けです」
かすみ「なんで私が見なきゃいけないの……」
璃奈「かすみちゃんの振り付けを参考にしたから」
かすみ「……は？」
璃奈「見てて」
しずく「いきますよ、１．２．３．４♪」
かすみ「……」
璃奈「ここで……ジャンプ！」ﾋﾟｮﾝｯ
しずく「ジャンプ！」ﾋﾟｮﾝｯ
かすみ「……」
しずく「璃奈さん、バッチリです♪」
璃奈「やった♪」
かすみ「……んです」ﾎﾞｿﾎﾞｿ
璃奈「えっ？」
かすみ「全然です、なんにもなってない」
璃奈「でも、私結構可愛く振り付けーー」
かすみ「りな子にもしず子にも全然合ってない！」
しずく「……」
かすみ「……」
しずく「どこがダメですか？」
かすみ「……しず子はいつもはもっと丁寧なステップだし、りな子もいつももっと意外性のある振り付け、だから……」
璃奈「……」
かすみ「二人が私みたいに可愛い全開の振り付けをしても二人の良さが全然……伝わらなくて……」
しずく「……」
かすみ「そういうのは私の……私の……」
しずく「そうです」
かすみ「……！？」
璃奈「私、かすみちゃんの可愛いいっぱいなダンス好きだよ」
しずく「私もです、頑張って真似してもかすみさんみたいに可愛く踊れません」
かすみ「……」
しずく「それと同じで、かすみさんがどれだけ頑張っても先輩方のようには踊れません」
かすみ「なんで……そんなこと……」
しずく「かすみさんがかすみさんだからです」
かすみ「わ、分かったような口を聞かないでよ！」
璃奈「かすみちゃん、ずっと無理してる」
かすみ「無理なんかしてない！」
璃奈「じゃあ、どうしてずっと嫌そうな顔で練習してるの？」
かすみ「そ、そんなこと……」
しずく「じゃあ今のかすみさん、ステージに上がれますか？」
かすみ「えっ……う……」
しずく「かすみさんを応援してくれてる方々はきっと今のかすみさんを見たらガッカリしますよ」
璃奈「私もみんなもいつものかすみちゃんが好きだから」
かすみ「いつも、の……でも……それじゃ……もっと凄いスクールアイドルに……」
しずく「もう凄いスクールアイドルです」
かすみ「えっ……」
しずく「だって私たちの中で1位になったじゃないですか」
璃奈「うん、かすみちゃんが今までやってきたこと間違いじゃないから1位になれたんだよ」
かすみ「……あ……」
しずく「だから、他の人の良いとこ取りみたいなことしないで、ありのままのかすみさんを見せてください」
璃奈「みんなの可愛いかすみんが見たい」
かすみ「……いつもの……かすみん……」
璃奈「やっと『かすみん』って言ったね」
かすみ「えっ？」
璃奈「ここの所ずっと自分のことかすみんって呼んでなかった」
かすみ「……」
しずく「分かってたんですよね、こんなの自分じゃないって」
かすみ「……うぅ……ｸﾞｽｯ……」
璃奈「はい、かすみんボード『にっこりん♪』」
かすみ「うぅ……うぇぇぇん！」
しずく「しんどかったですよね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
かすみ「ひぐっ……ぅぅぅ……」
璃奈「よしよし、かすみちゃん頑張った」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
エマ「ほっ、はっ、こうかな？」
せつ菜「もう少し前に踏み出して大丈夫では？」
彼方「ここで……タ〜〜ン」ｸﾙ〜ﾝ
歩夢「あんなにゆるゆるなのに軸がブレてない……！？」
愛「愛さんお先にちょっと休憩〜♪」
果林「私も一休みしようかしら」
ｶﾞﾗｯ
しずく「お疲れ様です」
璃奈「HR長かった……」
かすみ「さぁ！練習ぅ〜！」
せつ菜「何だかかすみさん随分張り切ってません？」
エマ「表情は良くなってるみたいだけど……」
愛「解決したっぽいかな？」
かすみ「みんな何ぽけっとしてるんですかぁ？♪あっ！もしかしてかすみんが可愛くて仕方ないんですね？♪」ﾙﾝﾙﾝ
歩夢「えっ、あっ……うん……」
彼方「これはこれで、ちょっとめんどくさいかなぁ〜……」
果林「まぁ、ネガティブでいられるよりはマシと思いましょう……」
かすみ「ふふ〜ん♪なんたってかすみんは1位ですからね〜♪」
0028名無しで叶える物語(もんじゃ)2019/12/02(月) 00:47:55.34ID:maqs+3Wc
いいぞぉ
0029名無しで叶える物語(SIM)2019/12/02(月) 00:50:04.00ID:LruL+E4y
よかった
MVでたらこういうストーリーを公式でもやってほしいわ
乙です ちょっと不器用なかすみんとほっとけないしずりな良いな
気になって見に行く他学年もらしさがあって良かった
0040名無しで叶える物語(もんじゃ)2019/12/03(火) 06:54:19.18ID:AEzt8zR4
株が上がり続ける女の子