0001名無し百物語2019/08/16(金) 09:24:58.92ID:RGUAIpb/
みなさんはご存じでしょうか?お盆には不思議なことが起こることを。彼岸と此岸が繋がれる日、日本中の霊たちが迎え火で立ち上る煙を目指す。けれど時どき途中で回り道して帰る霊もいるようです。
ある町に、莉乃というのんき者の女子中学生がお母さんと二人で暮らしていました。頭がぼんやりしている莉乃は、とても物覚えの悪い子でした。
0002名無し百物語2019/08/16(金) 09:25:41.48ID:RGUAIpb/
お盆にになり、莉乃は一人でおばあちゃんのお家へ仏さまにお線香をあげにおでかけしました。そしてそこで団子をご馳走になりました。団子を初めて食べた莉乃におばあちゃんは言いました。
「これは団子っていうとっても有名な食べ物だよ。莉乃のお母さんは団子作りがとっても上手だから、作ってもらうといいよ」
0003名無し百物語2019/08/16(金) 09:27:03.23ID:RGUAIpb/
初めて食べる団子の美味しさに驚いた莉乃は、これは、さっそく家に帰ってお母さんに作ってもらおうと、途中で忘れないように「だんご♪、だんご♪」と言いながら薄暗くなってきた家路を急ぎました。
0004名無し百物語2019/08/16(金) 09:44:36.89ID:RGUAIpb/
もうすぐわが家へ帰りつく所で、おかっぱ頭の幼女と出会い頭でぶつかってしまい、幼女が溝にお尻を突っ込んでしまいました。莉乃は幼女を起そうと「どっこいしょ!」と掛け声をかけたはずみで、団子の事はすっかり忘れてしまいました。
0005名無し百物語2019/08/16(金) 09:54:15.20ID:RGUAIpb/
「ちょっとお姉さん!ちゃんと前を見て歩いてよね!」
「ごめんね。ごめんね。大丈夫だった?ケガしてない?」
「ケガなんてするわけないでしょ!それより久しぶりにお家に帰るのに一張羅が汚れちゃうところだったじゃないの」
0006名無し百物語2019/08/16(金) 10:02:33.52ID:RGUAIpb/
見ると女の子は白い和服を着ています。でも溝にお尻を突っ込んでいたにもかかわらず、少しも汚れていなくて真白なままです。
あたりに生ぬるい風が吹きました。よく見るとその子の体はうっすらと透けていて、向こう側の景色が見えたり見えなかったりしています。足元にいたってははっきりと透けています。
0007名無し百物語2019/08/16(金) 10:11:47.04ID:RGUAIpb/
ああ、なんということでしょう。きっとこの子は人外のものに違いありません。でも、のんき者の莉乃はぜーんぜんそんなことに気が付かないのでした。
0008名無し百物語2019/08/16(金) 10:14:01.63ID:RGUAIpb/
「ほんとごめんね。私今どっこいしょのことで頭がいっぱいだったの」
「どっこいしょ?なにそれ?」
「え?知らないの?とっても有名なスイーツなんだよ。私も今食べてきたとこなんだ」
0009名無し百物語2019/08/16(金) 10:31:30.39ID:RGUAIpb/
「え!?あ!ああ、どっこいしょでしょ!知ってる知ってる。あれでしょ!今女子中高生に人気のあれ。やだなあ知ってるに決まってるじゃんお姉さん。あれバエるよねー、インスタに」
幼女はめっちゃしったかしました。
0010名無し百物語2019/08/17(土) 07:04:31.59ID:gIRSsu7b
0011名無し百物語2021/01/07(木) 10:03:45.39ID:eZmtib/W
♪〜ニシン来たかとカモメに問えば〜
♪〜わたしゃ立つ鳥波に聞け、ホイ!
( )y-~~( ´)y-~~( ´-)y-~~( ´0`)y-~~ ウマスギルゥゥ♪