続き

Sのお母さんの徐霊は念仏を唱えながら背中を叩くといったよくある形式のものでした。しかし効果はあったようで、危険な目に会う回数が減ったのを実感できたそうです。それでTはSのお母さんを完全に信じて、徐霊を続けてもらったんです。

徐霊は回を増す毎に激しくなっていきました。背中を叩く力が強くなっていき、アザができるようになった頃にようやくおかしいと思い始めて、次の徐霊に行かなかったそうです。すると、Sのお母さんから電話がきて、「どうしたの?今日は徐霊の日よ。」と言われました。Tが背中が痛いからしばらく通うのを辞めたいと伝えると、Sのお母さんは大声で「それじゃ駄目じゃない!そんなんじゃT君死んじゃうよ?いいの?死ね!死ね!死ね!」と叫んだそうです。思わず携帯から耳を離し、電話を切ったそうです。しかし、直後にSのお母さんから着信。履歴が全部埋まるくらいひたすらかかってきたそうです。怖くなって、仕事から帰って来た両親に泣きついて事情を説明しました。最初は信じてくれなかった親もTの必死な様子と着信履歴を見てどうにか信じてくれて、明日、Sのお母さんに直接話をしてくれることになりました。

次の日は休みだったので、朝から両親と一緒にSのお母さんのところへ行き、もう徐霊はしてもらわないという旨を話し、両親が出てきたおかげか、おとなしくなったSのお母さんもそれを了承し、話もまとまってひとまず安心できたTは普段通りの一日を過ごし、夜になりもう寝ようとした時、玄関のドアノブがガチャガチャ鳴っているのに気がつきました。鍵はかかっているので開きません。すると、インターホンが連続で鳴らされ続けたので両親がドア越しに誰か訪ねると、Sのお母さんでした。Sのお母さんは「開けろ!」と叫びながらドアを叩いたり、ドアノブをガチャガチャさせています。両親はすぐに警察に連絡し、到着した警官にSのお母さんは捕まりました。

更に続く