CVTの伝達効率の悪さは高速道路で一定速度巡航しているときに効いてきます。一定速度巡航している場合はCVTの持つ「常にスイートスポットでエンジンを駆動させる」というメリットがあまり活きないからです。なので、変速機の伝達効率が燃費を大きく左右します。

CVTは元々伝達効率が悪いことに加えてさらに、ハイギア比になったときに効率が悪化するという性質があります(前掲Luk社資料など)。

さらに、一定速度で高速走行をしている最中はそこまでエンジン負荷が高くありません。たとえば、ヴィッツをモデルにして計算したところ(仔細は面倒なので省きます、聞きたい人が居たら質問ください)、100km/h巡航させるために必要なエンジン負荷は32Nmでした。前述したように、低負荷領域ではCVTはベースの損失が減らないので効率は悪化します。前掲のCVTシステムでは32Nmあたりの効率は70%前後となっていました。さすがに、3割も伝達効率が悪化すれば燃費性能にも歴然とした差が現れるのでそこまでは悪くないと思うのですが…。

以上よりCVTは高速道路で一定速度巡航するようなシーンでの燃費が苦手と考えられます。どの程度燃費性能が悪化するのか具体的な値は分かりませんが、下手したらMTよりも1割弱悪化していてもおかしくないんじゃないかという気がします。